救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

非主体的農業で北朝鮮の食糧は常に不足
検タ總し統計を発表し続ける理由



4.独裁国家への「人道支援」は非人道



◆国連機関のモニタリングは言い訳にすぎない

WFPは1995年から北朝鮮に食糧支援を行うに当たって、モニタリングの受け入れを要請した。つまり配給の監視である。そして、北朝鮮が受け入れを「決断」した結果、食糧支援が開始された。その結果、「約8割の地域でモニタリングが可能になり、必要としている人にほぼ確実に食糧が届くようになった」とWFPは報告している。
そして、最も支援を行っていた2000年には、北朝鮮全土に6つの事務所を置き、約50名の駐在員を置いて配給を行った。年間支援量は、95年の60万トンが次第に増え2000年には100万トンになった。2000年にWFPは83か国に計370万トンの食糧支援を行ったが、その内、北朝鮮には1国で約100万トンもの食糧支援を行った。当時WFPの職員・スタッフは全世界で約5000人であったが、北朝鮮には約50人。わずか50人で700万人以上の人々を対象に100万トンものモニタリングを行ったと主張した。
しかし50人では、1万トンのモニタリングですら難しい。1万トンなら4トン車2500台分になる。50人全員が100万トンのモニタリングに当たると、一人当たり5000台分のモニターをしなければならない。筆者の経験からしても、WFPスタッフがモニターできるのは一部地域の一部住民への配給だけで、大半はモニターなしで現地スタッフ任せとならざるをえない。それが何を意味するかは容易に想像がつく。

また、2000年当時、世界で8億人の人が飢えていたとされるが、370万トンの支援食糧の内、北朝鮮に100万トンが集中支援された。そうなった理由は、主として隣国の韓国と日本が、北朝鮮を指定した支援に応じたからである。日本政府はWFPという国連機関を通じて支援すれば、配給の公平さの問題で批判をかわせると思ったのであろう。日本からの大量の支援について、当時の外務事務次官は、後日の記者会見で、「支援物資が支援を必要とする人々に届いており、日本からの支援であることが認識されている」(2004.11.8)と述べたが、わずか4人の担当者を派遣して「必要とする人々に届いた」と胸を張れる訳がない。
なお、日本政府は、2000年3月に10万トンのコメ支援を実施したが、同年10月、WFPがさらに19万トンを要請したのに対し、50万トンを追加支援した。要請の3倍弱の食糧を送ったのは、日本国内の食糧倉庫に備蓄されていた余剰食糧の一部を精算し、倉庫代を減らしたものと批判された。

また、日本政府は当初、国連機関を通さず北朝鮮に直接大量の食糧支援を行った。この場合、配給は北朝鮮政府にまかされる。そして配分には優先順位がある。まず、軍、工作機関、軍需品を生産するような主要国営企業、平壌市特権層に配給され、残りが各市、郡の糧政事業所に送られる。そこでも優先順位があり、金正日体制を支える地域の党や行政組織、警察などに優先的に配給される。そして、一般市民にはほとんど配給がない。
さらに、一般市民への配給制度が1995年以降現在まで中断されたままであるため、公定価格で食料を購入できる特権層に割り当てられた食料が市場に流れ、数倍の値段で取り引きされる。貧しい人ほど高値の市場価格で購入するしかない。北朝鮮では、特権層に有利になる市場構造になっている。このような構造の中で、国連機関の支援食糧も高値で市場に流れたのである。但し、国連機関の食糧の場合、一部は一般市民に配給されるので、その点は二国間支援よりもわずかに効果的である。

日本政府、特に外務省は日本国憲法の精神に照らして、「諸国民の公正と信義に信頼」してきたが、こちらが善意を示しても善意の対応がない場合については考えていない。まずこちらから米を出せば、拉致被害者を返すのではないかというような甘い期待は実現しない。独裁国がこちらの主張に耳を傾ける場合は、がまんできないほどの圧力がかかった時だけであることを知るべきであろう。それが国際社会の現実であり、国民の人権と国家の主権を守るためには、善意を示して待つだけでは何の解決にもならないのである。

さて、脱北者たちの証言では、「国際支援物資など食べたこともない」という人がほとんどである。筆者は餓死者が多発した95年から99年まで毎年北朝鮮を訪問したが、どこに行っても「米はほとんど食べていない」と聞いた。米は保存可能な戦略物資であり、軍需物資でもあるため、米の支援割合を増やすためにそう言わされた面もあろうが、実際にほとんど配給されなかったことが脱北者の証言で明らかになっている。そして、支援食糧は軍や治安機関等を中心に配給されたのである。
支援食糧の多くは、配給前に事前に抜かれる。倉庫に積まれた大量の食糧のすべてについて国連機関は監視できない。WFPと印刷された、袋詰めのまま手付かずの米袋等が市場に出回っている写真が報道されたが、事前に抜かれたコメの一部が、高値で市場に流されたのである。
WFPは、「ノーアクセス、ノーフード」、つまり、モニタリングができなければ支援しないという原則をかかげているがそれは言い訳に過ぎない。国連機関の食糧支援は、支援量が多ければ多いほど実績とみなされ、善行の実施と考えられているが、独裁国への支援は体制維持にしかならず、弾圧機関に優先的に支援食料が送られ、人民の苦しみが増している。



目次


※ 北朝鮮食糧問題最新事情(2015.03.26)

はじめに

機ァ嵋鳴鮮の食糧事情は安定」報告と北朝鮮から伝わる多くの悲鳴
 1.北朝鮮の食糧事情は安定したのか
 2.不足しているから聞こえてくる悲鳴

供ス駭機関の報告は約300万人水増し−北朝鮮の人口
 1.「2008年人口調査」は虚偽調査
 2.おかしな報告の数々−北朝鮮人口調査
 3.人口は300万人水増し

掘ス駭機関の報告は水増し−北朝鮮の食糧生産
 1.米は10a当たり180kg程度
 2.メイズは約100万トン水増し
 3.国連機関の報告は毎回基準が異なる
 4.飢餓を無視して核・ミサイルを開発

検タ總し統計を発表し続ける理由
 1.個人独裁の責任が問われる
 2.人口の水増しで国際支援を訴え
 3.国連による食糧支援の問題点
 4.独裁国家への「人道支援」は非人道
 5.米よりご飯を(配給のモニターより消費のモニターを)
 6.国連は家族農業を認めない国家には人道支援を行うな

資料: FAO/WFP「北朝鮮の穀物および食糧安全保障調査団特別報告」
 1995年〜2012年(英文)
資料: FAO/WFP北朝鮮食糧事情合同調査報告書2013
  
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国民大集会「もう我慢できない。今年こそ結果を!」
「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
千代田区
日比谷公園1-3