救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

非主体的農業で北朝鮮の食糧は常に不足
供ス駭機関の報告は約300万人水増し−北朝鮮の人口



3.人口は300万人水増し



◆300万人死亡の根拠

1997年に北朝鮮に亡命した黄長(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記は、「1996年11月に大量餓死が心配になって、腹心の部下を労働党組織指導部に送って尋ねさせたところ、1995年に50万人、1996年11月までに100万人死んだ。このままなら97年も100万人、98年までに300万人死ぬだろう」という結果を得たと証言している。

次のような米国、中国の報告もある。
「中国側の調査によれば1995年以後の飢饉のための死亡者は北朝鮮全体人口の10〜15%に相当する200万〜300万人におよぶものと思われる(在韓米大使館が1998年8月国務省に提出した秘密報告書)」。
「1995年からの凶作により北朝鮮人口が300万人減少したという話は信じるに足る(北京にある中国政府傘下研究機関が作成した秘密報告書、1999年)」。

「(1)わが民族助け合い仏教運動本部『1694名面談調査』と、(2)ジョンス・ホプキンス大学「難民及び災害公衆保健研究所」の440人調査を見てきたが、95年から98年の4年間の死亡者推計は(1)が470万人、(2)が225万人となる」(東京財団研究報告書2004-16「朝鮮半島情勢の中長期展望と日本(西岡力論文)」。

 なお、2008年7月時点の人口について、韓国農村経済研究院は2370万6000人、韓国統一部は2267万人と推計していたが、同じ国の政府機関の推計でも約100万人もの差がある。
国連機関の推計値は2405.2万人(2008.05.01)である。2か月の差はあるが、韓国農村経済研究院は34.6万人少なく、韓国統一部は138.2万人少なくなっている。韓国の政府機関も国連機関の報告を疑っていたことになる。

 さらに、もっと人口が少ないという報告が、韓国のジャーナリスト趙甲済(チョウ・ガプチェ)氏のホームページに掲載された。「北朝鮮の人口は1,800万人(2003年)」との脱北者の証言である。
「平壌の高官だった脱北者が驚くべき証言をした。彼は、『自分が労働党の核心部署から聞いたことでは、労働党が最高人民会議代議員選挙(2003年8月)のため人口調査をしたら、なんと1,800万人だったそうだ』、『94〜98年の4年間で300万人以上が飢え死にした以降も人口の増加はなかった』(「趙甲済ドットコム」2008.01.25)」。
1,800万人以外に、選挙投票日までに地元に戻れなかった放浪者、脱北者等補足されなかった人もいただろうから、実際の人口は1,800万人よりは一定程度上回る可能性もあるが、それにしても違いすぎる。
北朝鮮が主張した人口増加率0.85%で推計すると2003年人口は約2300万人なので、約500万人上回ることになる。この中に、「1994年調査」の水増し分が含まれている可能性がある。
また、「300万人以上が飢え死にした以降も人口の増加はなかった」という報告にも注目すべきである。北朝鮮が「今後の人口増加率を0.6%にする」と通告したのは、増えずぎた統計人口を調整しようとしているように思われる。最も基本的な人口に関する統計にこれほどの差があるということは、すべての統計が信用できないことになる。

北朝鮮は事実上の飢餓が始まった1994年に徴兵検査基準を変更し、「身長150cm以上、体重48kg以上」を、「身長148cm以上、体重43kg以上」に下げた。さらに、飢餓の時期に年少期を過ごした子どもたちが、徴兵年令である17歳に達した2008年春の徴兵からは、その基準も撤廃され、健康であればすべての若者を徴兵対象者にすると変更した。基準が変更されたのは食糧不足と青少年の成長不足のためである。著しく人口が減少した世代の兵士充足率が急減していることが分かる。これも北朝鮮の人口統計が虚偽であることを裏付ける傍証の一つである。
また、北朝鮮の徴兵検査基準で男性の17歳の兵士の最低身長が148cmだったということを見ても、北朝鮮で食糧不足が続いていたことが推測される。

「ソウル大学生活科学研究所の2011年の発表資料によると、韓国の満11才男子の平均身長は144センチ、体重は39キロだが、北朝鮮の男子は125センチ、23キロ。南北の身長差が19センチ、体重差は16キロ」、「南北の子どもたちの栄養状態やこれによる発達の格差が長期化すれば、事実上、人種が違うと感じられるほど深刻な相違が生まれる、と専門家たちは指摘する」(「東亜日報」2013.05.30)。子どもの身長差はもっと大きいようである。

米CIAなど5つの情報機関が共同で作成し、米国家情報会議のウェブサイトに掲載された「世界保健の戦略的示唆点」では、「北朝鮮では1990年代に広範囲に及ぶ飢餓が発生してから深刻な栄養不足状態が続いており、児童の半数以上が成長障害か低体重、青年層の3分の2に栄養失調や貧血がみられる」とし、「2009年から2013年の潜在的徴集対象の17〜29%が知的能力に欠け軍生活不適格者となる」と推定、「北朝鮮の軍人らは自身に対する食糧配給がきちんと行われても栄養失調にあえぐ家族を心配するようになり、これが忠誠心の低下につながりかねない」と報告している(「連合ニュース」2009.01.22)。人民の人口減少や栄養失調は金正恩政権に対し、今後大きなボディブローとなってはね返ってくることになる。

北朝鮮では新生児の体重がほとんど2kgを越えないとされ、妊産婦の栄養状態が悪く、新生児の死亡率も高い。実は、北朝鮮における食糧不足は今に始まったことではなく、「金氏政権」成立以降ずっと続いているのである。金日成の公約「白いごはんと肉のスープ」は未だに実現せず、金正日時代にはさらに悲惨な状況となった。北朝鮮の人々の身長は、同じ遺伝子を持つ韓国人より約12cm以上低いとされ、体重も痩せている人がほとんどである。

北朝鮮の人民に対する人権剥奪はまさに地獄のような状況で、「金氏政権」は、史上最悪の独裁政権である。北朝鮮の実態は、「1994年金日成死亡直後から配給がほぼ全面的に止まり人口の15%、300万人が餓死するに至った。その後も配給は復活せず党軍治安機関幹部らを除くとすべての住民が政権の統制の外で『チャンサ(商売)』を通じて生計を維持している」(同上西岡論文)ということで、北朝鮮の人口統計は少なくとも300万人の水増しである。特に金正日政権になって餓死者が多発した。



目次


※ 北朝鮮食糧問題最新事情(2015.03.26)

はじめに

機ァ嵋鳴鮮の食糧事情は安定」報告と北朝鮮から伝わる多くの悲鳴
 1.北朝鮮の食糧事情は安定したのか
 2.不足しているから聞こえてくる悲鳴

供ス駭機関の報告は約300万人水増し−北朝鮮の人口
 1.「2008年人口調査」は虚偽調査
 2.おかしな報告の数々−北朝鮮人口調査
 3.人口は300万人水増し

掘ス駭機関の報告は水増し−北朝鮮の食糧生産
 1.米は10a当たり180kg程度
 2.メイズは約100万トン水増し
 3.国連機関の報告は毎回基準が異なる
 4.飢餓を無視して核・ミサイルを開発

検タ總し統計を発表し続ける理由
 1.個人独裁の責任が問われる
 2.人口の水増しで国際支援を訴え
 3.国連による食糧支援の問題点
 4.独裁国家への「人道支援」は非人道
 5.米よりご飯を(配給のモニターより消費のモニターを)
 6.国連は家族農業を認めない国家には人道支援を行うな

資料: FAO/WFP「北朝鮮の穀物および食糧安全保障調査団特別報告」
 1995年〜2012年(英文)
資料: FAO/WFP北朝鮮食糧事情合同調査報告書2013
  
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国民大集会「もう我慢できない。今年こそ結果を!」
「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
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