救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

緊張する朝鮮半島情勢下での全拉致被害者救出国際セミナー(2022/12/12)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.12.12)

 家族会・救う会・拉致議連主催で、10日から始まる北朝鮮人権週間の前日、参
議院議員会館講堂において、「緊張する朝鮮半島情勢下での全拉致被害者救出国
際セミナー」が開催されました。

 10月23日の国民大集会で、岸田文雄総理は「拉致被害者御家族も御高齢となる
中で、拉致問題は時間的制約のある人権問題です」と述べ、拉致被害者を返す決
断を北朝鮮に強く迫りました。また、「私自身、条件を付けずにいつでも金正恩
委員長と直接向き合う決意である」とも述べ、日朝首脳会談の早期開催を迫って
います。

 米韓軍の最近の演習では、「両国の特殊部隊が金正恩を暗殺する訓練」をやっ
ていると報道されており、心理戦が展開されています。他方北朝鮮は、ミサイル
に「模擬核弾頭を付けて核運用部隊の訓練」をしていると公表しています。

 今も北朝鮮はかつてない規模でミサイル連射を続けて米韓を挑発していますが、
これに対し米韓は10月31日からステルス戦闘機などを動員した大規模な軍事演習
を実施。さらに、11月4日までの演習予定が、「北朝鮮の挑発が高まっている状
況で米韓同盟の態勢誇示が必要」として演習期間を延長しました。軍事危機がエ
スカレートしている状況です。

 今年のセミナーでは、横田哲也家族会事務局次長、古屋圭司拉致議連会長、松
野博一官房長官兼拉致問題担当大臣(要請中)、各党代表が挨拶しました。また、
現在の北朝鮮情勢と拉致問題について、金聖?氏(キム・ソンミン、自由北朝鮮
放送代表、脱北者)を招いて最近の北朝鮮情勢についての特別講演をしていただ
き、さらに櫻井よしこさんのコーディネートのもと、横田早紀江さん、古森義久
・麗澤大学特別教授、西岡力・救う会会長が「米朝関係のゆくえと拉致問題」に
ついて討論しました。以下はその概要です。

■緊張する朝鮮半島情勢下での全拉致被害者救出国際セミナー1

櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)

 皆さん、こんにちは。明日から北朝鮮人権週間が始まります。家族会、救う会、
拉致議連、そしてこの問題をずっと追及してこられた皆様方と共に、この問題が
どうなっているのか、私たちが直面している課題は何なのかということをお伺い
し、新たに心を決めて、団結してこの問題に立ち向かう、そのような機会にした
いと思います。

 緊張する朝鮮半島情勢の下での全ての拉致被害者救出国際セミナーを開かせて
いただきます。まず、主催者として横田哲也さんにご挨拶をお願いいたします。
どうぞよろしくお願い致します(拍手)。

◆胸を張って主権国家と言えるように

横田哲也(家族会事務局次長、横田めぐみさん弟)

 皆様、こんにちは。本日のセミナーは拉致議連、救う会、家族会の主催で開催
させていただきます。代表の横田拓也が今日は都合があって参加できないことか
ら、私が代わりにご挨拶をさせていただきます。

 今日は、ご多忙にも関わらず、松野官房長官兼拉致問題担当大臣にお越しいた
だき、誠にありがとうございます。また拉致問題担当の各党の責任者の方々にも
お越しいただき心から御礼申し上げます。

 北朝鮮では私の姉を初めとする日本人拉致被害者だけでなく、北朝鮮国民も著
しい人権侵害を受け続けています。朝鮮半島のすぐそばにいる日本及び日本人は
決して看過してはならない問題です。

 冒頭で櫻井さんもおっしゃっていましたが、明日から16日まで北朝鮮人権侵
害啓発週間が設定されており、この1週間は北朝鮮の人権状況、日本人拉致被害
者がどう厳しい状態に置かれているのかに思いをはせていただければと思います。
また一人ひとりに何ができるか、一人でも多くの方が何かできることを考えてい
ただければありがたいと思います。

 拉致問題に関しては今後も北朝鮮から様々な謀略が投げかけられてくると思い
ますが、政府は毅然とした対応をしてくださっていると思いますし、誰一人漏ら
すことなく全員帰国を果たすことで、胸を張って主権国家と言えるような環境に
なれたらなと思っています。

 今日は長時間に及ぶセミナーになりますが、是非おつきあいいただければと思
います。どうぞよろしくお願いいたします(拍手)。

櫻井 哲也さんありがとうございました。ご家族は本当に長い間頑張ってこられ、
一日も早くという気持ちは皆さんが共有するものです。このご家族の気持ちを踏
まえて拉致議連の皆様方はいつも一生懸命やってくださっています。

 今日は拉致議連の会長で、元拉致問題担当大臣の古屋圭司さんに、拉致議連を
代表して主催者挨拶をお願いいたします。

◆金正恩は日本に対して何らかのメッセージを発信してくる

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 ご承知の通り、平成18年に、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害に
対処する法律」を私たちが作り、それ以降12月10日から16日を「北朝鮮人
権週間」ということで、様々な行事をしています。今日のセミナーもその一環と
いう気持ちで出席させていただきました。

 主催者の一人として一言ご挨拶をさせていただきます。20年前の9月、一部
の拉致被害者が帰国しました。残念ながらそれ以来、新たな帰国はありません。
我々の責任としても本当に申し訳ない気持ちであると同時に、忸怩たる気持ちで
す。

 過日、銃撃により悲惨な死をとげてしまった安倍元総理は、第一次安倍内閣が
できた時、政府の中に拉致問題対策本部を作りました。また拉致担当大臣を決め
ました。いわばオールジャパンで本当に取り組んでいくのはそこがスタートだっ
たかもしれません。

 しかし、当時残念ながら6年間続けて毎年総理大臣が代わってしまいました。
チャンスではありましたが、残念ながら北朝鮮に足元を見られたなと思います。
第2次安倍政権の時は、満を持して安倍総理が再登場して徹底的な制裁強化をや
り、北朝鮮は相当追い込まれました。これは間違いない。

 私が担当大臣として取り組んでいた時、それは皮膚感覚でよく分かりました。
しかし北朝鮮は、まだアメリカとの交渉が最優先でした。実際、トランプ大統領
と首脳会談を行いました。あの時はトランプさんと安倍さんとの信頼関係があり、
トランプ大統領は何度も拉致問題に言及した。

 最初はスルーしていた金正恩も向き合わざるをえなかった。また国連でも、
「13歳のかわいい少女が拉致された」と世界に発信されました。しかし残念な
がら進展は見られなかった。

 今でもそうだと思いますが、やはり北朝鮮の金正恩委員長は核とミサイルを持
てばアメリカを含め国の大小を問わず協議ができると思っている。その一心で極
めて厳しい環境にある国民には全く目もくれてないです。莫大な費用で核開発を
している。

 だから今の時点で残念ながら、金正恩の心の中に拉致問題はほとんど存在して
いないかもしれません。私がお話しするのは、独裁者の共通性ですが、1つ目は
まわりをイエスマンで固める。2つ目は世界の指導者を平気でだます。3つ目は
人の命や人権より自らの面子を大事にする。

 これはウクライナに侵攻したプーチン大統領にも当てはまりますし、今期異例
の3期目になった習近平にもあてはまると思います。当然北朝鮮の金正恩委員長
にもあてはまるわけです。

 特にプーチン大統領は数年前まで北朝鮮を無視していました。相手にしてなかっ
た。しかしウクライナでの厳しい現状で、北朝鮮から旧型の武器や弾薬を入れざ
るを得ない。あるいは北朝鮮の人材を活用せざるを得ない状況にきています。

 ただこんなことが長続きするわけはないんです。ロシアは今、本当に厳しい状
況に置かれています。これは客観的に見ても間違いないことだと思います。そう
なった時は北朝鮮はまず中国に泣きつきます。でも中国は、核開発をしている以
上そう簡単に北朝鮮に手を差し伸べません。北朝鮮と中国はいわばマフィアの親
分とドラ息子の関係で、親子喧嘩はよくしますが親子の縁を切ることはできない。

 こういう今、金正恩委員長は日本に対して間違いなく何らかのメッセージを発
信してくる可能性があると思います。その時にこそ拉致問題を一気に解決してい
くチャンスなのかもしれません。だからこそ我々は今、今日は官房長官も来てい
ただいていますが、政府は水面下の交渉も含めてあらゆる手段を使って、その時
のための環境整備をしておく時期だと思います。

 我々拉致議員連盟としても、動きがにぶければしっかり背中を押していくのが
我々の大きな役割です。そして何よりも大切なことは国内世論を絶対に風化させ
ないことです。金正恩委員長が狙っているのはこの「風化」です。だから北朝鮮
人権週間も正しい世論の啓発をめざして我々は法律を作っているわけです。

 家族会の前会長の飯塚さんから、今横田拓也さんや飯塚耕一郎さんに世代交代
しました。そして地獄の底まで追いかけるぞというメッセージを金正恩委員長に
示しているわけです。

 そして私は、若い世代の方々も大変だと思います。やはり拉致というのは単な
る誘拐ではない。国家の意思によって他国の人間を強制的に奪い取る、これはテ
ロです。このことを子どもたちにしっかりと伝えていく必要があると思っていま
す。

 だからこそ政府においても、今までもやってきていただきましたが、今後めぐ
みさんの映画等を積極的に開催し、中学生、高校生にみてもらう。この取り組み
を引き続きやっていただきたいとお願いしたいと思います。

 結びに当たり、岸田総理も「条件を付けずに金正恩委員長と向き合って話し合
う覚悟だ」とはっきり言明しています。トップ同士の話し合いというのは、こう
した国家間の課題解決には不可欠です。私もトップ会談によって拉致問題を解決
できるよう、拉致議連としてもそれをフォローしていきたいと思っています。

 今日のセミナーや1週間の拉致問題啓発期間をその起爆剤になっていく。そう
させなくてはいけないと思います。国会議員の先生方も地元でも話し続けてくだ
さい。全国での拉致問題の要請回数が減っています。これに非常に危機感を持っ
ています。是非、地元の皆さんにこういう講演をしてくれという働きかけを是非
していただきたい。これは金正恩が一番嫌がることなんです。嫌がることをする
のが我々の国益につながるんです。しっかり頑張っていこうではありませんか。
ありがとうございました(拍手)。

櫻井 岸田総理は、「無条件で金正恩と会う」とおっしゃっています。またこの
前の会では、オーストラリアから帰ってこられて、相当意味のあるメッセージを
北朝鮮に対して発信されました。そういうことを踏まえた上で、今日は拉致問題
担当大臣である松野博一官房長官にお話をお願いいたします(拍手)。

◆拉致問題は時間的制約のある人道問題

松野博一(拉致問題担当大臣、内閣官房長官、衆議院議員)

 家族会、救う会、拉致議連主催の拉致問題セミナーの開催に当たり、一言ご挨
拶を申し上げます。家族会、救う会、拉致議連の主催により、このようなセミナー
を開催していただきありがとうございます。また本日ご来場されました皆様にお
かれては、拉致問題に強い関心を持っていただき感謝申し上げます。

 先程古谷会長からお話をいただきましたが、2002年に5名の拉致被害者の
方々が帰国してから今年で20年になります。以来一人の帰国も実現していない
ことは痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っています。

 私は今年10月、鳥取県米子市を訪れ、松本京子さんの拉致現場をお兄様の松
本孟さんと共に視察をさせていただきました。また家族会の横田代表等のご家族
の訴えを伺いました。

 また同じく10月には、岸田総理と共に国民大集会に出席させていただきまし
た。拉致被害者ご家族の皆様から、肉親との再会を待ちわびる痛切な思いを改め
てお伺いし、一刻の猶予もないという切迫感を共有させていただきました。

 岸田総理は先月行われた日米首脳会談においても拉致問題の解決に向けた米国
の引き続きの理解と協力を求め、バイデン大統領から全面的な支持を得ました。
また各国の首脳にも直接拉致問題に関する理解と協力を求める等してきています。

 先月、国連総会第三委員会において、わが国が共同提案国となった「北朝鮮人
権状況決議」が採択されました。同決議の採択は18年連続であり、拉致問題を
初めとする北朝鮮の人権状況について国際社会が強い懸念を有していることが示
されています。

 今後とも米国を初めとする関係諸国と緊密に連携しながら、すべての拉致被害
者の一日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしていく決意です。

 言うまでもなく、日本人の拉致被害者の救出はわが国自身が主体的に取り組む
べき課題です。日朝間の実りある関係を樹立することは、日朝双方の利益に合致
すると共に、地域の平和と安定に大きく寄与します。そのためにはわが国自身が
主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要です。

 こうした認識の下岸田総理自身、「条件を付けずにいつでも金正恩委員長と直
接向き合う」決意を述べられています。私も総理の指示の下、そのための環境整
備にさらに努力していきます。

 その上で日本国民が心を一つにして、すべての拉致被害者の一日も早い帰国実
現への強い意志を示すことが力強い後押しとなります。このため政府としては、
拉致問題の啓発活動にも力を入れて取り組んでいます。

 皆様もご案内の通り、明日10日から16日まで、北朝鮮人権侵害問題啓発週
間です。その一環として、明日10時に政府主催イベントとして、国際シンポジ
ウムを開催します。

 私自身も出席し、拉致問題解決に向けた決意を述べると共に、内外の被害者ご
家族から生の声を伺い、また国連及び韓国の北朝鮮の人権に関する専門家により、
拉致問題の解決に向けた国際連携について有益な議論がなされることを期待して
います。

 オンラインでもご視聴いただけますので、是非見ていただければと思います。
これまで拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代への啓発活動が重要な課題
であることから、教員等を対象とした啓発や中学生、高校生を対象とした作文コ
ンクール、大学との共催による模擬授業の実施等の取り組みを行っています。

 今年度は新たに学校現場を対象に、電子書籍を無料で貸し出す取り組みを開始
すると共に、若年層向け動画広告を作成し、SNS上での配信を行いました。私自
身も今年10月、拉致問題に関する中学生への授業を視察し、生徒や教員との車
座対話を行いました。

 改めて拉致問題の解決には国民の皆様に、すべての拉致被害者の一日も早い帰
国実現への強い意志を示していただくことが重要です。本日このセミナーにご来
場の皆様の声を通じて、そのような国民全体の強い意志がさらに広がり、より一
層大きくなることは、拉致問題の解決に向けた力強い後押しになります。

 拉致問題は時間的制約のある人道問題であり、岸田内閣の最重要課題です。拉
致被害者の方々、そしてご家族の皆様がご高齢となる中、一刻の猶予もありませ
ん。認定の有無にかかわらずすべての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、
全力で取組んでいきます。

 皆様のより一層のご支援、ご協力をお願いし、私の挨拶とさせていただきます
(拍手)。

(2に続く)





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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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