救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

緊張する朝鮮半島情勢下での全拉致被害者救出国際セミナー6(2022/12/21)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.12.21)

■緊張する朝鮮半島情勢下での全拉致被害者救出国際セミナー6

◆拉致を解決して支援をすればもっとミサイルを撃ち続けるかも

櫻井 私は今、お二方の話を横田早紀江さんの気持ちに添って聞いています。す
ごく色々なことが起きている中で、日本はアメリカのことを気にしなくてはなら
ないという現実があります。そして岸田さんが、「時間的制約がある」と。

 つまり、拉致被害者の親世代も、被害者も高齢になっている。このままでいつ
までも待つわけにはいかない。「時間的制約」というのはものすごく切実なこと
なんです。それを家族の皆様の気持ちに添って考えると、このメッセージが北朝
鮮の金正恩氏に届いていると一体何が起きるのだろうか。

 もし日本がアプローチをかけることができるならば、是非直接会って話をして
ほしいと、家族会の皆様方はずっとおっしゃっています。でもその時に、わが国
が本当にお金でも何でもいいから、古森さんが先ほどおっしゃいましたが、もし
解決したらどんなにいい未来が待っているかのメッセージを伝えることも大事だ
と思います。

 安倍総理が何回も言っていました。もし拉致被害者を返したならば、あなたは
本当に明るい未来を北朝鮮につくることができるんだ、と。あの時の条件は核・
ミサイルも廃絶してということだったと思います。

 岸田総理の提案は、核・ミサイルとは別次元で拉致を解決することが大事だ、
と。それを「時間的制約」の中でやるんだということです。今北朝鮮はどんどん
ミサイルを撃っています。お金があるかのように。そのお金はおそらくプーチン
から出ているとしか思えないのですが。

 日本がもし、言われるような100億ドル単位のお金を北朝鮮に渡すようなこ
とになる時に、もっとミサイルを撃つかもしれない。しかし、彼らはもうミサイ
ルを撃っているんだから、同じことだと考える。国際社会のことを考えると、家
族の立場で考えると、もう引き裂かれるような非常につらい気持ちがします。

 北朝鮮に日本政府のメッセージが伝わっているとして、ご家族としてどのよう
に感じられますか。

◆本当に残酷なことをされている

横田早紀江 このような大きな問題で、日本国が侮辱されているようなことで、
西岡さんがおっしゃったように45年間も解決できなくて、連れていかれた人た
ちは皆部署は違うんでしょうが。しかし日本にいれば一生懸命育てていただいて、
大学も出られたような人たちが、連れていかれているわけですよね。

 本当に残酷なことをされているなと思うのです。自分の信念を持って日本のお
役に立った筈の方々がたくさんいただろうなということを思うと、私はいつも泣
けてくるんです。

 若い方がこの国に生まれてよかったなと一生懸命頑張ってきた。めぐみは小学
校の卒業式の日に代表で謝辞を述べました。中学の時、「また会おうね」と言っ
て、3人と共に校門を出て、その中の一人は私の友だちの甥御さんです。

 めぐみはどこにいっちゃったのだろうか。色々な所を探し回りましたが、見つ
かりませんでした。一緒にいた人は優秀な方だったのですが、そういう日本のお
役に立ったに違いない人たちが、連れていかれてどこにいるか分からない。どう
なっているか分からない。そんな人たちが45年経っても帰れない。

 うちの娘もほがらかで元気でやさしい子でしたので、今でも思い出しています。
そういうことを思うと私は何をしてきたんだろうと悔やまれます。何とかしてもっ
と頑張ろうという気持ちをもって、皆さんに助けていただいて、必ず北朝鮮に負
けないようにしたいと思います(拍手)。

◆国としての責任で取り戻す

櫻井 ありがとうございました。何としても国としての責任で取り戻す。他国の
ことは二の次と言えば変な話ですが、そのような厳しい判断をしなければならな
いだろうと思います。国民の命を助けることができなくて、国としての存在価値
があるのか。

 日本に与えられた憲法には、国際社会に頼りなさいと書いてありますが、効果
はないわけです。私たちはこの拉致問題を通して、国をもう一回立て直さなけれ
ばならない。立て直すことによって、国民を取り戻さなければならないという国
の原点に立つわけです。

 古森さん、日本の現状とか、越田さんの「時間的制約」という言葉を聞いてど
う思われますか。

◆独裁で秘密主義の国では、何が起きるか分からない

古森 日本国民に関する北朝鮮政府や金正恩、そしてお父さん、お爺さんたちの
非道ですね。この非道に対する怒りは非常に重要な要素だと思います。これだけ
長い間、拉致問題なんてないんだよと言っていた人がいっぱいいて、今もいる。

 そこからここまで来たということは、やはり日本人の大多数が正義とか人道、
あるいは自国民への思いやりということを含めて、「怒り」という言葉で集約で
きるかもしれない。それを保っていくことの大切さ、これは大きいと思います。

 この間のサッカー(ワールドカップ)を見ていて、サッカーが好きなのでしょ
うが、やはり同じ日本に対するアイデンティティの気持ちを持っている人が多い
ですから、同じ日本国民がこれだひどい目にあっているという気持ちがあるし、
民主主義の国ですからそういう国民の気持ちや意見を集約するのが、ここにたく
さん来て下さった国会議員の方々の使命です。やはり国民がどう思っているかが
大事なわけです。

 北朝鮮の金正恩政権が崩壊してしまったら、日本人拉致問題は解決されるので
はないか。そういうことがあり得るんです。あのソ連共産党政権も倒れてしまっ
た。あれほど絶対にこれが正しいと言ってきた中国のゼロコロナ政策が、どうも
急に変わりつつある。

 だから独裁で秘密主義の国家の中でのできごとというのは、何が起きるか分か
らない。期待するわけにはいきませんが、予期せぬ変化もあり得るということで
す。

 最後に、日本がアメリカとの関係で、先ほど玉木(雄一郎)さんがおっしゃい
ましたが、最近の首脳会談の中で拉致問題が主要議題にならなかった、と。千手
的、技術的なことで計算を立てて、「これをやってほしい」ということがあるわ
けですから、そういう実務的なことが必要だと思います。

◆最後の戦いで勝つ

西岡 今日古森さんや色々の方の話を聞くと、一人ひとりの知恵に学ぶところが
あったと思います。しかし願望を込めてですが、もう1回チャンスを作らなけれ
ばならない。

 北朝鮮は追い込まれた時しか動かないのですが、追い込まれる方向に向かって
いることは間違いない。そこでもう一度あるであろうこのチャンスを生かすこと
ができるかどうか。2006年までは政府に拉致問題対策本部がなかったのです。
担当大臣もいなかった。2002年にできたのではないんです。

 小泉訪朝の時、大部分の方は拉致だと分かったかもしれませんが、その時でも
拉致問題対策本部はなかった。家族支援室しかなかった。2006年に対策本部
ができ、担当大臣が置かれた少し前に、先生方が北朝鮮人権法を作ってくださっ
たのです。だから今北朝鮮人権週間があるのです。

 それから後、まだチャンスは来ていない。金日成、金正日には会ったが、金正
恩とはまだ誰も会っていない。北朝鮮では独裁者が決めたことをくつがえすのは、
新しい独裁者しかできない。金正日が「8人は死んだと言っておけ」と言ったの
です。「そして拉致したのは13人だけにしておけ」。「曽我さんのお母さんな
んか認めるな」と決めたんです。

 この決裁を動かせるのは金正恩しかいないんです。その金正恩と岸田さんが会っ
た時が勝負なんです。その時失敗したら4代目になってしまう。政権が続くかど
うかという変数はありますが。

 申し訳ないですが、担当大臣をやってくださった方々がここにおられます。こ
の間ずっと私たちがやってきたことは、まず情報です。ある問題だけについて情
報を集めているのは拉致問題だけです。担当大臣がいるのもこの問題が突出して
いるからです。

 それは人権侵害と主権侵害の2つが象徴的なものですが、この体制ができたの
は2006年からです。そして北朝鮮が困ってきている。日本の総力が問われて
います。

 横田滋さんが、横田めぐみさんが拉致されたことが分かった1997年に、実
名を出すかどうか悩んだ時に、実名をだせば殺されるかもしれないという厳しい
状況の中で、実名を出す決断をされました。そして家族会の方々も実名を出すこ
とを決断された。

 つまり、日本政府ではなく、日本国民に頼ろうとしたのです。それは正しかっ
た。でも、日本国が被害者を助けられるのかどうか。我々が今までやってきたこ
とが問われますが、まだ時間があります。

 特にアメリカに対する働きかけはまだ足りないと今日も教えられました。やれ
ることは何があるのか。それぞれの立場で考えながら、最後の戦いで負けたら本
当に大変なことになる。そして絶対勝てるということではないというのが今の状
況です。土俵の中でかなり向こう側にいっている。

 私はこの25年間救出運動をやってきた実感は、ずっとこちらが押されていて
もう負けてしまうのではないか、「拉致はない」、「8人死亡」で終わってしま
うのではないか。合同調査委員会で終わりになってしまうのではないか。「そう
なってはだめだ、だめだ」ということを言ってきたのですが、トランプさんが金
正恩に迫った時、こちらが攻めると向こうが逃げた。

 それが今菅さんを経て、岸田さんであり、向こうがバイデンさんにになりまし
たが、この状況で勝つか負けるか、残念ながら私も救う会の会長をやっています
が、「絶対」とか「いつまで待ってください」と言える状況ではない。

 だからこそ全力を出さなければならない。安倍さんという大きな柱もいなくな
りましたが、だから先生方に申し上げたいのは、「今まで100だったら110
やってほしい」。我々もそうです。110だったら120やらなければならない。
そして最後の戦いで勝つことができる。

 日本政府というけれど、私たちです。私たちが協力してやる。みんなでやりま
しょう(拍手)。

◆日本人は変わりつつある
櫻井 ありがとうございました。最後に感想を申しあげたいと思います。今日本
が大きく変わりつつあります。国際情勢を受けて、日本の現実がいかに脆弱なも
のであるかということに国民全員が気が付き、結果として変わりつつあります。
私はもっと変わってほしいと思って見ています。

 例えば、攻撃能力なんか考えられなかったことが、今持つのが当たり前になっ
た。自衛隊のお金など削るのが当たり前と思われていたのが、今国民はもっと増
やせと思っていますよね。

 そして私たちの国の領土、国民を守るのは日米安保条約ではなく日本なんだと
みんなが気が付いた。また原子力発電についても、あんな恐ろしいものと思って
いたのが、本当は必要なんだとエネルギーでも国防の分野でも日本は非常に大き
く変わりつつあると思います。

 私はそうした日本国民を信じて、そして一緒に戦っていかなければならないと
思っています。私たちは最終的に、この拉致問題を解決することは、憲法を改正
して、日本自身が自分の足で立つところまでいくことを、みんな考えていると思
います。

 ここで少しでも自信を失ったりすることがないように、私たちの国は1億26
00万人の人口で、大きい国なんです。しかも民主主義。国民の希望が土台となっ
て政策が行われる。しかも、そこそこのお金はあるんです。経済大国と言っても
いいと思います。

 こんなめぐまれた国であり、力がある、そのことに気が付けば、私たちは拉致
問題解決のためにもっと世界を動かして、日本自身が変わって、絶対解決するぞ
という気概を見せていくことができると思います。

 会場の皆さん、今日はありがとうございました。いつまでも拉致問題を忘れず
に、熱烈に、強力に、国民がこの拉致問題を絶対解決するという意思を見せ続け
ることが大事だと思います。

 早紀江さんお体を大事にして、有本さんお体を大事にして、もうすぐですから。
今日は西岡さん、古森さん、ありがとうございました(拍手)。

◆国会議員紹介

西岡 その後参加された先生方をご紹介します。

衆議院議員の河西宏一先生(拍手、以下略)、
衆議院議員の平沼正二郎先生、
衆議院議員の松本尚先生、
衆議院議員の杉田水脈先生、
参議院議員の赤池誠章先生、
衆議院議員の山田美樹先生、
参議院議員の滝波宏文先生、
参議院議員の青山繁晴先生、

以上です。お忙しい中多数の先生方に来ていただきました。頑張りましょう(拍
手)。




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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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