救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝首脳会談から20年-特別集会1(2022/09/21)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.09.21)

 2002年9月17日の日朝首脳会談で、金正日が拉致を認めました。すなわ
ち、拉致はでっち上げだというそれまでの主張が嘘だったことを認め、5人とそ
の家族を帰国させました。これは私たちの最初の勝利でした。しかし北朝鮮は、
「拉致したのは13人だけ、8人は死亡し5人は返した、だから拉致は解決した」
という新しい嘘をつきました。北朝鮮はいまだに拉致は解決済みという嘘を維持
しています。私たちは強い圧力をかけて話し合いの場に北朝鮮を引き出すという
戦略を立て、この嘘と20年間戦ってきました。9月16日、在京家族の思いを
聞く特別集会を開催しました。

■日朝首脳会談から20年-特別集会1

西岡力(救う会会長)

 皆さんこんばんは。私も20年前のことを思うと、腹が立ったり、涙が出そう
です。25年前に家族会ができたのですが、その20年前に拉致が集中していま
す。

 5年間運動して、それを政府が認め、小泉総理が訪朝して拉致を認めさせたこ
とは大きな成果だったと思っています。しかし、様々なことがあって、素直に
「よかったな」というふうに言えるような経験ではありませんでした。

 20年前のことを振り返って、その時どんなことを思っていたのか、そして2
0年経っても5人以外の被害者を取り戻せないという状況をどう思っていらっしゃ
るのかということを在京家族会の皆さんに語っていただいて、その後私が当時の
ことについてお話します。まず、横田早紀江さんからお願いします。

 なお早紀江さんは、最近取材が多かったことなどでお疲れですので、冒頭発言
をしていただいた後退席されます。

◆どうしてこんなに動かないのか

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 みなさん、こんにちは。だいぶ涼しくなりましたが、たくさんお集まりいただ
いてありがとうございます。

 長い年月を私たちと同じように思いを以て歩んでいただいて、今日まで支えら
れてまいりました。現実の問題ではなく、ドラマの中にいるような感じです。

 子どもたちが一斉に消えて、長い年月をかけてやっと分かったと思えば、とて
つもない形で現れたままで出てくることができない、帰ることができない。

 一生懸命交渉していただいているんでしょうが、5人が帰ることになった9月
17日のことをいつも思い出しながら、お母さま方と一緒に色々な所に立って、
写真を持って、「子どもたちを助けてください。北朝鮮から取り戻すため頑張っ
ています」と訴え続けてきたのですが、本当に5人が飛行機のタラップを降りて
きたんですね。

 「本当にいたんだ。でも?せちゃって可哀そうね」と思いながら、見ていまし
た。主人は皆さんの支えの中で頑張ってきました。もう亡くなってしまいました
が、あの時は大事な記念の写真を絶対撮り逃がさないと、涙を流しながらタラッ
プから降りてくる皆様の写真を駆けずり回って撮っていました。そういうことが
私たちの生活のすべてになっています。

 普通の生活ではない。朝起きて、ご飯を食べて会社に行っていろいろな色々な
ことをなさって帰ってくる。そういう普通の生活じゃないんです。朝から晩まで、
子どもたちは今何をしているんだろうか、どんな目に遭っているんだろうか、色
々なことを思いながら胃が痛くなるような年月が過ぎていきました。

◆どうして首脳会談ができないのか

 たった5人と家族が帰られただけで、それ以降はまったく帰ってくる人がいま
せん。すごい数の人が囚われているのに、どうしてこんなに動かないのかという
ことを、私は不思議で不思議でなりません。どうしたら小泉さんの時のように飛
び込んでいって、首脳会談ができてというようなことが、どうして長い年月でき
ないのだろうかということが、不思議でなりません。

 そういう専門的な仕事をなさっている方々は、それぞれの勉強をなさっている
でしょうし、色々なことを見ながら知恵を働かせていただく。そして「こうした
らいいな」とか、「こうしよう」ということをなさってくださっているんだろう
かと、いつも思いながら、訴えてお願いをしていますが、まだこうして何も動か
ないで、子どもたちの姿を見ることができません。

 たくさんのお父さん、お母さんとお会いして、一緒に署名活動し、色々な所で
こうやってお話をさせていただいてきましたが、頑張ってきたお父さんお母さん
がたくさん亡くなられてしまいました。あの人が亡くなられたな、この人も亡く
なられたなと寂しい思いがします。

 そしてみんな偉かったなあ、会わせてあげられなかった。それだけ頑張ったけ
どだめだった。どこまで頑張ればいいんだろう。国民の方もたくさん応援してく
ださっているのに、なぜ動かないんだろう。今そのことは私たちには分かりませ
ん。

 どのようにすればあちらの国とよい首脳会談ができるのか。首脳会談ができる
まで様々な水面下でのこともあると思いますが、そういうことを本当にしてくだ
さっているのかな、どこまで進んでいるのだろうか。またこのまま10年経って
いくのだろうか。

 その内世界の状況も分かってきますので、怖いことが起きるような気がして、
私たちはどうしたらいいんだろうという思いでいます。心を痛めて悲しい思いで
います。

 これからどうしていいのか分かりませんが、助けるためには、すべての国民の
皆様と一緒になって訴え続けて、「行動に移ってください」とお願いしようと思っ
ていますので、これからも宜しくお付き合いくださいますようお願いいたします。
ありがとうございます(拍手)。

◆日本政府の本気度が今こそ求められている

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 皆様、こんばんは。夕方のお忙しい中集会に来ていただき誠にありがとうござ
います。また本日も、ずっと昔からボランティアとして受付をしてくださってい
る皆様に感謝申し上げます。

 2002年9月に行われた日朝首脳会談。今から20年前の出来事です。会談
後に家族会・救う会は会見を行いました。そのメンバーと、今日ここで壇上に並
んでいるメンバーは代替わりをしてしまって、まったく顔ぶれが異なっているわ
けで、時間の進行を肌で感じます。

 2002年の日朝首脳会談の5年前の1997年に家族会が設立されました。
日本政府が作っているこのパンフレット(北朝鮮による日本人拉致問題)の4ペー
ジに、家族会結成時の写真が載っており、それぞれが被害者の写真を持っていま
す。

 北朝鮮による日本人拉致被害は1977年、1978年に多くの事案が発生し
ました。事件の解決には何事も初動対応が肝心です。拉致が実行されたその時に、
政治や報道がもっと強く北朝鮮に対して抗議し、拉致被害者救出に向けて強い姿
勢で臨んでくれていれば、45年という長い年月を闘いに費やす必要は無かった
はずです。

 主権が侵害され、領海を侵犯され、人権が侵害されているということは国家が
責任をもって解決するべき問題です。拉致被害者だけが最前線で救出の声を上げ
なくてはならない構図は今も昔も変わりはなく、日本政府の本気度が今こそ求め
られていると思います。一方的な力による現状変更を許してはなりません。

 2002年の首脳会談後、世論の強い後押しもあり5人の拉致被害者とそのご
家族を日本に取り戻すことができました。改めて感謝致します。

 一方、日朝首脳会談から20年経った今も私の姉めぐみをはじめとする拉致被
害者を誰一人として救出する事ができていません。今も北朝鮮による人質外交が
続いているのです。

 娘の有本恵子さんと再会を夢見ていた有本嘉代子さん、娘めぐみと日本で抱き
合って再び幸せな時間を送ることを夢見ていた父である横田滋、田口八重子さん
との再会を果たし耕一郎さんとどうしても会わせたかった飯塚繁雄前家族会代表、
これらの当たり前の願いは叶う事なく他界された無念さを日本政府は真剣に受け
止める必要があります。

◆解決には時間が限られている

 私たち家族会・救う会の北朝鮮による拉致問題の解決の定義は一点です。「全
拉致被害者の即時一括帰国」ということです。「部分的解決」や「段階的解決」
を受け入れる事はできません。また、解決には時間が限られていることを改めて
申し上げます。親世代が元気な内に拉致被害者と日本で再会出来なくては本来の
解決にはならないということ。仮に親世代の方々が亡くなった後に拉致被害者が
日本に帰国できても、世論は北朝鮮への人道支援、医療支援、そして国交正常化
という流れには決して賛同しないことを日朝両政府は認識してほしいと思います。

 北朝鮮は金正恩委員長のみが意志決定できるシステムです。従って拉致問題解
決には岸田首相と金正恩委員長トップ同士で解決させるしか術がありません。速
やかに日朝首脳会談を開催し、拉致問題が解決すれば両国にとって明るい未来が
描けるのだということを岸田首相が自らの言葉で金正恩委員長に対してメッセー
ジを発し、一刻も早く北朝鮮による拉致問題解決を図って頂きたいと思います。

 また、世論の皆様にも改めてお願いさせて頂きたいと思います。この問題は、
横田家の可哀そうな問題、家族会の皆さんの可哀そうな事件という見方ではなく、
日本国民一人一人に突き付けられている重大な問題なのだという事を再確認して
ほしいと思います。自分の家族が被害に遭っていたらどう思うか、自分が何十年
も拘束されていたらどのようなことを思うか、こうしたわがことの目線でこの問
題を見て頂き、その思いを日本政府に訴えかけて頂きたいと思います。

 引き続きのご支援とご理解を賜りますよう宜しくお願い致します(拍手)。

◆地獄の日々を強いられている被害者たち

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 みなさま、こんばんは。お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。

 2002年に5人の拉致被害者が帰国して以降、何もないのはご存じのとおり
ですが、私の父は娘と再会するためにすべてを犠牲にして救出運動に当たってき
ましたが、2年前に他界しました。

 父以外にも多くの高齢者のメンバーの方々が他界し、今日も母が途中退席しま
した。どんどんそういう状況に追い込まれていますので、一刻の猶予もないとい
うのが変わらない状況です。

 2002年を思い出すときに、首脳会談が行われたり、政府専用機が平壌の空
港に着陸する映像が、先に乗り込んでいたマスメディアにより流れました。あれ
を思い出すときに、私も拉致被害者になった気分で見ていたのですが、ようやく
この地獄から抜けられると、みんな思ったと思うんですね。

 しかし、日本に帰国したのは5人だけで、平壌の空港を政府専用機が飛び立つ
映像がありましたが、5人以外の拉致被害者がどれだけ落胆したかと思うと、今
でも辛い思いがします。取り残された方々が一番つらいのであって、私には分か
らないような地獄の日々を強いられていると思うと、耐えられない気持ちでいっ
ぱいですから、日本国政府が一刻も早く結果を出してほしいと思っています。

 北朝鮮を見るときに、次のチャンスはなかなかないと思いますが、その中でも
北朝鮮の状況を見ると、よく西岡先生もお話されますが、国際連携のもとで行わ
れている経済制裁でかなり経済状況が厳しいというのが第1点です。

 第2はコロナを初めとする環境衛生問題で非常に苦しんでいる。第3は、台風
や洪水等の自然災害で今窮地に立たされているということで、向こうとしては経
済制裁を何とかしてほしいと思っていると思います。

◆北朝鮮にビラをまけるよう法律改正を

 また韓国で政権が代わったことによって人権問題に前向きな政権になりました。
先週金曜日に駐日韓国大使と面会させていただきましたが、日本人拉致問題、人
権問題に関心が高く、韓国としても何とかしたいという思いを感じましたから、
そういうチャンスを最大限に活用して結果を出してほしいと思っています。

 尹徳敏(ユン・ドクミン)大使にお会いした時の発言は、マスコミでも取り上
げられているかもしれませんが、「北朝鮮という国は圧力がなければ改善に向か
うことは絶対ない。しかし中国が国際社会の圧力に対して北朝鮮を助けてしまう。
北朝鮮が一番嫌うのは、自由主義社会の情報や<ロイヤルファミリー>の真実を北
朝鮮に流入させられることです。

 そういうことをやればいいと思っています。これまでは韓国で色々な活動があ
りましたが、風船を飛ばして様々な情報を北朝鮮に入れることをしていましたが、
前政権が作ったビラ散布禁止法によってできないわけです。そこで大使には、
「その法律を改正できないか、またそのことを大統領に伝えてほしい」とお願い
しました。

 そういう一つひとつの積み重ねが北朝鮮を苦しめて、交渉に応じてくるかもし
れないと思ったのでそういう提案をさせていただきました。

 家族会は救う会と共に動く中で、「全拉致被害者の即時一括帰国」を訴えてい
ます。この全員の中にはもちろん特定失踪者も含まれています。この失踪者の中
には、北朝鮮による拉致ではない人も含まれていますが、拉致された人は絶対に
取りこぼさないで全員取り戻すというのが、我々日本人としての責務です。

 今日の檀上は家族会メンバーだけですが、特定失踪者の方々にも目を向けてい
ただきたいと思います。何よりも問題の解決に向けて日本国政府が何としても取
り戻すとの気概を持つことが最大の課題だと思います。それに加えて私たち日本
人全員が、同じ気持ちを持って、何とかしなければ恥ずかしいぞという気持ちに
ならなければ解決には至らないと思います。

 今日ご参加の皆様には、さらに多くの皆様にお伝えいただいて、必ず解決しな
ければならないことを広げてほしいと思います。ありがとうございます(拍手)。

(2につづく)




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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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