家族会・救う会の運動方針と高市総理面会2(2026/03/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.03.13-2)
■家族会・救う会の運動方針と高市総理面会2
◆家族会・救う会の新しい運動方針
西岡力(救う会会長)
これからは運動方針、そして高市総理との面会のこと、また高市政権がどう取
り組もうとしているのか、そして北朝鮮内部の情勢あるいは国際情勢について、
江崎副会長と議論をしていきたいと思います。
資料として、運動方針の抜粋と、今発売されている『月刊正論』4月号に書か
せていただいた最新の情勢分析をお配りしています。
まず、日本で選挙があって高市政権が大変力をつけましたが、高市政権が拉致
問題にどう取り組もうとしているのか。また運動方針について私から少しお話し
し、さらに大きな枠組みについて江崎さんにお話をしてもらい、その後、アメリ
カのイラン攻撃が北朝鮮に大変大きなショックを与えていることについて私から
解説したいと思います。そして江崎さんにそのことなど国際情勢についてお話し
ていただきます。
まず運動方針ですが、ちょうど今年の家族会・救う会合同会議から1年前の2
月15日、有本明弘さんがお亡くなりになりました。実は、去年の合同会議の1
6日の前日にお亡くなりになっていたのですが、まだ報告を受けていなかったの
で、去年の運動方針には、「親の世代が二人になった」と書いていました。そこ
で、今年の会の冒頭、有本さんに黙祷を捧げました。
しかし1年経ち、高市政権ができ、また木原官房長官が担当となりました。木
原氏は議員になる前からこの問題に強く関わってくださり、現職の防衛大臣時代
もこの集会の最後まで座っていてくださいました。
前回の大集会でも、「退席されます」とアナウンスがありましたが、その後戻っ
てこられて、最後まで座っていてくださいました。この問題を自分のこととして
考えてくださる方が担当大臣になって、どの内閣に比べても総理と官房長官の関
係が一体なんですね。二人で、この問題に最優先で取り組んでいらっしゃる感じ
です。安倍総理・菅官房長官の時のような感じでした。大変いい体制になったと
思っています。
トランプ政権になり、米朝が動く可能性が出てきました。菅政権、岸田政権の
時代は、残念ながらアメリカはバイデン政権で、米朝が動く環境ではなかった。
そういう中で知恵を絞って、米朝が動かなくても日本が人道支援を使って、なん
とか拉致を、日朝を先に動かせないかということを一生懸命考えてくださいまし
た。
特に松野官房長官が、かなり一生懸命考えて拉致問題に「時間的制約」という
言葉を付けて、核・ミサイル問題と拉致問題を分けて考えることをやってくださっ
て、北朝鮮が一定の反応をしてくるという情況がありましたが、結局うまくいか
ないで、アメリカはトランプ政権になりました。
トランプ大統領は、「金正恩と会う」と繰り返し言っている人ですので、米朝
が動くかもしれない。そうなると北朝鮮としては、人道支援なんかもらっている
場合ではない。
まずアメリカを動かして国際制裁を緩める、あるいは制裁を解除させて100
億ドルとも言われる日本からのODAを取りたいという風に、彼らの対日戦略が
変わってきた。
そのような中で、3月に高市さんが訪米し、4月に、この時点では4月と言わ
れていたんですけれども、実は3月31日から4月3日にかけてトランプ大統領
の訪中日程が決まりました。かなり近接しているんですね。3月19日に高市総
理が訪米して、そして3月31日にトランプ大統領が北京に乗り込むという状況
になっている。
そういう中で、もしかしたら米中の後に米朝が動くかもしれない。そういう情
報もあったので、そのことを前提にして、可能性の問題ではありますけれども、
もしも米朝が動いて、その後日朝が動くようなことになった場合に、「私たちは
何が満たされれば何に反対しないのか」を整理しました。
これまで何回も色々な運動方針で書いてきましたが、それを全部集約し、20
19年以降に出してきた方針や金正恩委員長へのメッセージをもう一度集めて、
少し新しいことも書き込んで今回の運動方針を決めました。それが、皆様のお手
元にある運動方針の真ん中よりちょっと下の、括弧書きの中の部分です。その部
分を読みます。
◆3つの「反対しない」と1つの「しない」
【運動方針(抜粋)】
親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国を実現するなら、以下
の点に反対しない。
1.人道支援
2.独自制裁の解除
3.国交正常化交渉の開始
に反対しない。3つに反対しないということです。
また、
4. 拉致被害者の消息・聞き取りを除き、帰国者から秘密を聞き出して反北朝鮮
活動をしない。
3つの「反対しない」と、1つの「しない」が入っています。
その条件は2つあり、「親の世代の家族が存命のうちに」という期限と、「全
拉致被害者の一括帰国」です。この2つの条件があれば、3つの点に反対せず、
1つのことは行わないという約束をしたということであります。ただし、その期
限内に全拉致被害者の一括帰国が実現しなかった場合は、強い怒りを持って独自
制裁強化を求めると書きました。
ここで「人道支援」と「独自制裁解除」については、これまでも何回も説明し
てきましたので省きますが、3つ目の「国交正常化交渉の開始に反対しない」と
した部分について補足説明をします。
「国交正常化」に反対しないと言っているのではありません。「国交正常化交渉
の開始」に反対しないと言っています。
日本政府は第1次安倍政権の時から、国交正常化の条件の一つに拉致問題の解
決を挙げてきました。そして日本政府の拉致問題解決の定義は、「認定・未認定
に関わらず全員の帰国」、「真相究明」、「実行犯の引渡し」の3点です。私た
ちはその3点は当然解決の定義であると思っていますので、政府方針に賛成して
いますが、しかし今ここで言っている私たちの「反対しない」という条件には、
真相究明と実行犯の引渡しは入っていません(※一括帰国を最優先とするため)。
それでも人道支援や独自制裁の解除に反対しないと言っているわけです。
そこでの整理は、あくまで国交正常化交渉の「開始」に反対しないということ
です。国交正常化交渉と拉致問題の解決については、これまで「入り口で解決す
べき。つまりまず拉致問題が解決しない限り国交正常化交渉に入るべきではない」、
「途中で解決すればいい、つまり国交正常化交渉の中で解決すればいい」、「出
口で解決すべき、つまり国交正常化の後に解決していけばいい」と様々な議論が
ありました。私たちはどちらかと言えば「入り口論」だったのですが、今回はあ
えて「入り口」にすべての解決を置いていないということです。「全員の帰国が
あれば交渉開始に反対しない」、というのはそういういう意味です。
もちろん、日本政府の立場である、真相究明と実行犯の引渡しは、国交正常化
の段階では解決してもらう必要があると思っています。また国際法上で言えば、
拉致は明らかな不法行為ですから、北朝鮮に賠償責任があると思います。それを
どうするのかも交渉の中で議論になるべきだと私は思っています。
◆日韓国交正常化の時は、双方が持つ請求権を相殺
少し比喩として適切か分かりませんが、例えば1965年の日韓国交正常化の
時ですね。韓国の李承晩政権が不法に公海上に線を引いて(李承晩ライン)、操
業している日本漁船を拿捕したり、中には銃撃で殺害したりした不法行為があり
ました。日本側に請求権があるというのが日本の立場でしたが、それらも全部、
65年の時、「お互いの請求権をすべて解消する」という形で国交正常化しまし
た。日本が支払うべき徴用工の未払い賃金等の請求権のすべては、いわゆる「経
済協力金」などを含め、双方が持つ請求権を相殺する形で解決したわけです。
今後、拉致被害者に対する賠償請求権をどう解決するのか。もし日本政府が経
済協力金との間で相殺したとするならば、日本政府の責任で被害者及び家族にど
のような補償をするのか。様々な議論がこれからなされるべきだと思います。私
はその時はもう「救う会」の役割は終わっていますから。救い終わったら一応
「救う会」はやめますので、その後はまた新たな組織を作って政府と交渉したり、
家族からアドバイスを求められれば協力しようと思っていますが、私たちの目的
はとにかく「生きている人たちを一日でも早く全員取り戻す」ことです。その後
の金銭的なことについては、また枠組みを変えて考えなければいけないと思って
います。
少し話が逸れましたが、3の「国交正常化交渉の開始に反対しない」というの
はそういう意味です。
◆秘密を知りすぎている人は返さなかった
そして4です。2019年に入れたものですが、「帰国者から秘密を聞き出し
て反北朝鮮活動をしない」というのは、一番最初に金正恩委員長に出したメッセー
ジであります。
2002年9月、なぜ北朝鮮は「8人は死んだ」と一方的に言って返してこな
かったのか。死亡の証拠は一切出さない一方で、生存の情報はたくさんある人た
ちです。犯罪には動機があります。「生きている人を死んだと嘘をつく動機」に
ついて、私たちの分析は「秘密を知りすぎている人は返さなかった」というもの
です。
その秘密の一つは、工作機関の中の秘密です。田口八重子さんと横田めぐみさ
んは、北朝鮮工作員の「日本人化教育」の教官をしていたことが明らかになって
います。田口さんが教えた金賢姫(キム・ヒョンヒ)、そして金賢姫の同僚で、
めぐみさんが教えたキム・スッキは名前が明らかになっています。
金賢姫は今韓国にいますし、スッキも現在は工作員として活動していないと思
われますが、その後彼女たちが教えた人物が他にもいたのかどうか。他の日本人
被害者が教えた工作員がいたのかどうか。20か月も一緒に暮らしていれば、被
害者はその工作員のことをよく知っているわけです。
その工作員が日本人になりすまして日本で活動しているかもしれない。その情
報を日本の警察が掴んだら、工作員の安全が脅かされる。工作機関としては絶対
に守らなければならない秘密だったと思われます。特に2002年の段階では、
彼らはまだ現役の工作員だったでしょう。
もう一つ、金賢姫さんは、「大韓航空機爆破事件は金正日の直筆の命令書があっ
た」と証言しています。北朝鮮は未だに、あの事件は韓国情報機関のでっち上げ
だと言い、自分たちがやったと認めていません。認めたら金正日が、当時の最高
指導者がテロリストになってしまいます。田口さんが帰ってきて金賢姫さんと会
い、「あの時こうだったね」と話をしたら、誰が見ても田口さんが金賢姫を教え
たのだと、金賢姫は大韓航空機爆破事件の犯人なのだと証明されてしまう。それ
は避けたかったのでしょう。
もう一つの秘密は「金ファミリーの私生活」です。金賢姫さんの本にもありま
すが、田口さんは金正日の誕生日の秘密パーティーに呼ばれ、そこで韓国の歌を
歌ったりしていた。多分藤本(健二)さんが握った寿司等を食べていたわけです。
「反日」を掲げながら、実は韓国の歌を歌い、日本の料理を食べている。これも
秘密なんです。
そういうことを知っている人たちを返せなかった可能性が高い。しかし、先ほ
ども家族会の代表と事務局次長がおっしゃったように、私たちは政治運動をやっ
ているわけではありません。「被害者を取り戻して普通の国民生活に戻りたい」
だけなのです。ですから、北朝鮮がどんな国なのかを聞き出して反北朝鮮活動に
利用することはしない。それをここで改めて表明しようと決めたわけです。その
ことを決めた一つの理由は、帰ってきた蓮池さんたちは、帰ってきた直後に1回
だけ国民大集会に出てくれましたが、その後は出ていません。
何回か、「出てください」とお願いをしたのですが、断られました。その理由
について、蓮池薫さんの説明で納得できました。当時私たちは、「北朝鮮に経済
制裁を」と掲げていたのですが、そういう集会に自分たちが出て話をするのを北
朝鮮から見ると、返した人たちが反北朝鮮活動をしていると見える。次の人を返
すと、また反北朝鮮活動が活発になる。そうなると、「返そう」という動機がな
くなってしまうと考えた、という話でした。
それは大変思慮深い考えだなと思って、その後「来てください」というのは止
めました。そういうことも含めて、秘密を聞き出して反北朝鮮活動はしないと書
いたわけです。
また新しいことも書きました。
<2002年に日本に伝えた「8人死亡、4人未入境」が間違っていたと認める
と、日本から批判されて支援を得られなくなると北朝鮮政権側は憂慮しているか
もしれない。ここで金正恩氏にはっきり伝えたいことは、私たちは生きている被
害者を全員救い出すことが最優先であり、それを決断するなら過去のやりとりを
問題にしない>ということです。
そして高市総理に持って行きました。日曜日に会議をやったら月曜日に会って
くださいました。家族の人たちは地方から出てきますし、特に有本のお父さんは
車椅子で出てきていたのですが、会議に出て、神戸に帰り、また新幹線でやって
くるということがありましたが、今回は家族の方々にとって日程的にも大変あり
がたいことで、本当に拉致問題を重視してくださっていることをありがたく感じ
ました。以上が運動方針に関する報告です(拍手)。
(3につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■家族会・救う会の運動方針と高市総理面会2
◆家族会・救う会の新しい運動方針
西岡力(救う会会長)
これからは運動方針、そして高市総理との面会のこと、また高市政権がどう取
り組もうとしているのか、そして北朝鮮内部の情勢あるいは国際情勢について、
江崎副会長と議論をしていきたいと思います。
資料として、運動方針の抜粋と、今発売されている『月刊正論』4月号に書か
せていただいた最新の情勢分析をお配りしています。
まず、日本で選挙があって高市政権が大変力をつけましたが、高市政権が拉致
問題にどう取り組もうとしているのか。また運動方針について私から少しお話し
し、さらに大きな枠組みについて江崎さんにお話をしてもらい、その後、アメリ
カのイラン攻撃が北朝鮮に大変大きなショックを与えていることについて私から
解説したいと思います。そして江崎さんにそのことなど国際情勢についてお話し
ていただきます。
まず運動方針ですが、ちょうど今年の家族会・救う会合同会議から1年前の2
月15日、有本明弘さんがお亡くなりになりました。実は、去年の合同会議の1
6日の前日にお亡くなりになっていたのですが、まだ報告を受けていなかったの
で、去年の運動方針には、「親の世代が二人になった」と書いていました。そこ
で、今年の会の冒頭、有本さんに黙祷を捧げました。
しかし1年経ち、高市政権ができ、また木原官房長官が担当となりました。木
原氏は議員になる前からこの問題に強く関わってくださり、現職の防衛大臣時代
もこの集会の最後まで座っていてくださいました。
前回の大集会でも、「退席されます」とアナウンスがありましたが、その後戻っ
てこられて、最後まで座っていてくださいました。この問題を自分のこととして
考えてくださる方が担当大臣になって、どの内閣に比べても総理と官房長官の関
係が一体なんですね。二人で、この問題に最優先で取り組んでいらっしゃる感じ
です。安倍総理・菅官房長官の時のような感じでした。大変いい体制になったと
思っています。
トランプ政権になり、米朝が動く可能性が出てきました。菅政権、岸田政権の
時代は、残念ながらアメリカはバイデン政権で、米朝が動く環境ではなかった。
そういう中で知恵を絞って、米朝が動かなくても日本が人道支援を使って、なん
とか拉致を、日朝を先に動かせないかということを一生懸命考えてくださいまし
た。
特に松野官房長官が、かなり一生懸命考えて拉致問題に「時間的制約」という
言葉を付けて、核・ミサイル問題と拉致問題を分けて考えることをやってくださっ
て、北朝鮮が一定の反応をしてくるという情況がありましたが、結局うまくいか
ないで、アメリカはトランプ政権になりました。
トランプ大統領は、「金正恩と会う」と繰り返し言っている人ですので、米朝
が動くかもしれない。そうなると北朝鮮としては、人道支援なんかもらっている
場合ではない。
まずアメリカを動かして国際制裁を緩める、あるいは制裁を解除させて100
億ドルとも言われる日本からのODAを取りたいという風に、彼らの対日戦略が
変わってきた。
そのような中で、3月に高市さんが訪米し、4月に、この時点では4月と言わ
れていたんですけれども、実は3月31日から4月3日にかけてトランプ大統領
の訪中日程が決まりました。かなり近接しているんですね。3月19日に高市総
理が訪米して、そして3月31日にトランプ大統領が北京に乗り込むという状況
になっている。
そういう中で、もしかしたら米中の後に米朝が動くかもしれない。そういう情
報もあったので、そのことを前提にして、可能性の問題ではありますけれども、
もしも米朝が動いて、その後日朝が動くようなことになった場合に、「私たちは
何が満たされれば何に反対しないのか」を整理しました。
これまで何回も色々な運動方針で書いてきましたが、それを全部集約し、20
19年以降に出してきた方針や金正恩委員長へのメッセージをもう一度集めて、
少し新しいことも書き込んで今回の運動方針を決めました。それが、皆様のお手
元にある運動方針の真ん中よりちょっと下の、括弧書きの中の部分です。その部
分を読みます。
◆3つの「反対しない」と1つの「しない」
【運動方針(抜粋)】
親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国を実現するなら、以下
の点に反対しない。
1.人道支援
2.独自制裁の解除
3.国交正常化交渉の開始
に反対しない。3つに反対しないということです。
また、
4. 拉致被害者の消息・聞き取りを除き、帰国者から秘密を聞き出して反北朝鮮
活動をしない。
3つの「反対しない」と、1つの「しない」が入っています。
その条件は2つあり、「親の世代の家族が存命のうちに」という期限と、「全
拉致被害者の一括帰国」です。この2つの条件があれば、3つの点に反対せず、
1つのことは行わないという約束をしたということであります。ただし、その期
限内に全拉致被害者の一括帰国が実現しなかった場合は、強い怒りを持って独自
制裁強化を求めると書きました。
ここで「人道支援」と「独自制裁解除」については、これまでも何回も説明し
てきましたので省きますが、3つ目の「国交正常化交渉の開始に反対しない」と
した部分について補足説明をします。
「国交正常化」に反対しないと言っているのではありません。「国交正常化交渉
の開始」に反対しないと言っています。
日本政府は第1次安倍政権の時から、国交正常化の条件の一つに拉致問題の解
決を挙げてきました。そして日本政府の拉致問題解決の定義は、「認定・未認定
に関わらず全員の帰国」、「真相究明」、「実行犯の引渡し」の3点です。私た
ちはその3点は当然解決の定義であると思っていますので、政府方針に賛成して
いますが、しかし今ここで言っている私たちの「反対しない」という条件には、
真相究明と実行犯の引渡しは入っていません(※一括帰国を最優先とするため)。
それでも人道支援や独自制裁の解除に反対しないと言っているわけです。
そこでの整理は、あくまで国交正常化交渉の「開始」に反対しないということ
です。国交正常化交渉と拉致問題の解決については、これまで「入り口で解決す
べき。つまりまず拉致問題が解決しない限り国交正常化交渉に入るべきではない」、
「途中で解決すればいい、つまり国交正常化交渉の中で解決すればいい」、「出
口で解決すべき、つまり国交正常化の後に解決していけばいい」と様々な議論が
ありました。私たちはどちらかと言えば「入り口論」だったのですが、今回はあ
えて「入り口」にすべての解決を置いていないということです。「全員の帰国が
あれば交渉開始に反対しない」、というのはそういういう意味です。
もちろん、日本政府の立場である、真相究明と実行犯の引渡しは、国交正常化
の段階では解決してもらう必要があると思っています。また国際法上で言えば、
拉致は明らかな不法行為ですから、北朝鮮に賠償責任があると思います。それを
どうするのかも交渉の中で議論になるべきだと私は思っています。
◆日韓国交正常化の時は、双方が持つ請求権を相殺
少し比喩として適切か分かりませんが、例えば1965年の日韓国交正常化の
時ですね。韓国の李承晩政権が不法に公海上に線を引いて(李承晩ライン)、操
業している日本漁船を拿捕したり、中には銃撃で殺害したりした不法行為があり
ました。日本側に請求権があるというのが日本の立場でしたが、それらも全部、
65年の時、「お互いの請求権をすべて解消する」という形で国交正常化しまし
た。日本が支払うべき徴用工の未払い賃金等の請求権のすべては、いわゆる「経
済協力金」などを含め、双方が持つ請求権を相殺する形で解決したわけです。
今後、拉致被害者に対する賠償請求権をどう解決するのか。もし日本政府が経
済協力金との間で相殺したとするならば、日本政府の責任で被害者及び家族にど
のような補償をするのか。様々な議論がこれからなされるべきだと思います。私
はその時はもう「救う会」の役割は終わっていますから。救い終わったら一応
「救う会」はやめますので、その後はまた新たな組織を作って政府と交渉したり、
家族からアドバイスを求められれば協力しようと思っていますが、私たちの目的
はとにかく「生きている人たちを一日でも早く全員取り戻す」ことです。その後
の金銭的なことについては、また枠組みを変えて考えなければいけないと思って
います。
少し話が逸れましたが、3の「国交正常化交渉の開始に反対しない」というの
はそういう意味です。
◆秘密を知りすぎている人は返さなかった
そして4です。2019年に入れたものですが、「帰国者から秘密を聞き出し
て反北朝鮮活動をしない」というのは、一番最初に金正恩委員長に出したメッセー
ジであります。
2002年9月、なぜ北朝鮮は「8人は死んだ」と一方的に言って返してこな
かったのか。死亡の証拠は一切出さない一方で、生存の情報はたくさんある人た
ちです。犯罪には動機があります。「生きている人を死んだと嘘をつく動機」に
ついて、私たちの分析は「秘密を知りすぎている人は返さなかった」というもの
です。
その秘密の一つは、工作機関の中の秘密です。田口八重子さんと横田めぐみさ
んは、北朝鮮工作員の「日本人化教育」の教官をしていたことが明らかになって
います。田口さんが教えた金賢姫(キム・ヒョンヒ)、そして金賢姫の同僚で、
めぐみさんが教えたキム・スッキは名前が明らかになっています。
金賢姫は今韓国にいますし、スッキも現在は工作員として活動していないと思
われますが、その後彼女たちが教えた人物が他にもいたのかどうか。他の日本人
被害者が教えた工作員がいたのかどうか。20か月も一緒に暮らしていれば、被
害者はその工作員のことをよく知っているわけです。
その工作員が日本人になりすまして日本で活動しているかもしれない。その情
報を日本の警察が掴んだら、工作員の安全が脅かされる。工作機関としては絶対
に守らなければならない秘密だったと思われます。特に2002年の段階では、
彼らはまだ現役の工作員だったでしょう。
もう一つ、金賢姫さんは、「大韓航空機爆破事件は金正日の直筆の命令書があっ
た」と証言しています。北朝鮮は未だに、あの事件は韓国情報機関のでっち上げ
だと言い、自分たちがやったと認めていません。認めたら金正日が、当時の最高
指導者がテロリストになってしまいます。田口さんが帰ってきて金賢姫さんと会
い、「あの時こうだったね」と話をしたら、誰が見ても田口さんが金賢姫を教え
たのだと、金賢姫は大韓航空機爆破事件の犯人なのだと証明されてしまう。それ
は避けたかったのでしょう。
もう一つの秘密は「金ファミリーの私生活」です。金賢姫さんの本にもありま
すが、田口さんは金正日の誕生日の秘密パーティーに呼ばれ、そこで韓国の歌を
歌ったりしていた。多分藤本(健二)さんが握った寿司等を食べていたわけです。
「反日」を掲げながら、実は韓国の歌を歌い、日本の料理を食べている。これも
秘密なんです。
そういうことを知っている人たちを返せなかった可能性が高い。しかし、先ほ
ども家族会の代表と事務局次長がおっしゃったように、私たちは政治運動をやっ
ているわけではありません。「被害者を取り戻して普通の国民生活に戻りたい」
だけなのです。ですから、北朝鮮がどんな国なのかを聞き出して反北朝鮮活動に
利用することはしない。それをここで改めて表明しようと決めたわけです。その
ことを決めた一つの理由は、帰ってきた蓮池さんたちは、帰ってきた直後に1回
だけ国民大集会に出てくれましたが、その後は出ていません。
何回か、「出てください」とお願いをしたのですが、断られました。その理由
について、蓮池薫さんの説明で納得できました。当時私たちは、「北朝鮮に経済
制裁を」と掲げていたのですが、そういう集会に自分たちが出て話をするのを北
朝鮮から見ると、返した人たちが反北朝鮮活動をしていると見える。次の人を返
すと、また反北朝鮮活動が活発になる。そうなると、「返そう」という動機がな
くなってしまうと考えた、という話でした。
それは大変思慮深い考えだなと思って、その後「来てください」というのは止
めました。そういうことも含めて、秘密を聞き出して反北朝鮮活動はしないと書
いたわけです。
また新しいことも書きました。
<2002年に日本に伝えた「8人死亡、4人未入境」が間違っていたと認める
と、日本から批判されて支援を得られなくなると北朝鮮政権側は憂慮しているか
もしれない。ここで金正恩氏にはっきり伝えたいことは、私たちは生きている被
害者を全員救い出すことが最優先であり、それを決断するなら過去のやりとりを
問題にしない>ということです。
そして高市総理に持って行きました。日曜日に会議をやったら月曜日に会って
くださいました。家族の人たちは地方から出てきますし、特に有本のお父さんは
車椅子で出てきていたのですが、会議に出て、神戸に帰り、また新幹線でやって
くるということがありましたが、今回は家族の方々にとって日程的にも大変あり
がたいことで、本当に拉致問題を重視してくださっていることをありがたく感じ
ました。以上が運動方針に関する報告です(拍手)。
(3につづく)
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■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
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発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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