救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

東京連続集会-激動する国際情勢と拉致問題2(2026/04/24)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.04.24)

◆ワシントンで日米が拉致問題を話したので平壌が反応した

西岡: 今日はわざわざ福井から、このために島田洋一さんに来てもらいました。
 今、拓也さんや、哲也さんもお話をされましたが、拉致問題においても「アメ
リカ」という要素を外して考えることはできません。高市さんは3月19日にト
ランプ大統領と会った後の会見で、「トランプ大統領から拉致問題の即時解決に
向けて全面的な支持を得た」、「私自身が金正恩(キム・ジョンウン)氏と直接
会うという非常に強い意志も伝えた」とおっしゃっています。

「解決への支持をしてもらう」のであって、「解決すること自体は自分が金正恩
氏に会うことだ」と伝えたということですね。すると、トランプ大統領は、高市
さんが金正恩氏に会いたいという強い意志を伝えたところ、「いろいろと協力す
る」と言った。つまり、高市さんがトランプさんに求めたことは、「自分が金正
恩氏と会うことに協力してください」ということなのです。

 そうしたら、「最高指導者の話をアメリカでするのはけしからん」と、北朝鮮
の金与正(ヨジョン)氏が、おそらくそういう指示だったと思うのですが、談話
を出しました。つまり、ワシントンで日米が拉致問題を話していると、平壌(ピョ
ンヤン)が反応したということが一つあります。今日のテーマの一つは、そのこ
とですね。

 もう一つは、2月末から始まったイスラエルとアメリカによるイラン攻撃。金
正恩氏は大変恐れを抱いているという情報があります。

 金正恩氏は「次は自分なのか」と思っているということですが、アメリカから
見てイラン情勢、そして北朝鮮情勢はどう見えるのか。また、トランプ大統領が
やっていることが、アメリカ国内でどのような位置を占めるのか。様々なことを
島田さんに伺いたいと思い、今日来てもらいました。

今日はレジュメを準備してくださっているので、冒頭2、30分ほど提言をして
いただき、それに対して私と江崎さんでレスポンスしたいと思います。お願いし
ます。

◆イラン情勢と北朝鮮との相違点

島田: はい、皆さんこんばんは。島田です。今は救う会アドバイザーという立
場です。朝から晩まで研究に耽っているところです。

 今、イランの問題が連日大きなニュースになっていますが、アメリカから見る
と、イランも北朝鮮も「テロ支援国家」です。しかし、いくつか大きな違いがあ
ります。

 まずイランの場合には、解決すべき問題点がいっぱいあります。まず、イラン
自体の核兵器開発を止めること。

 イランの傘下にあるテロ団体(ヒズボラ、ハマス、フーシ派)がアメリカの盟
友であるイスラエルを脅かしており、それらへの支援をやめさせること。

 現在イランが「選択的封鎖」を行っており、それに対してアメリカも「封鎖返
し」をしています。

 一方で北朝鮮の場合は、ホルムズ海峡のような戦略的要衝(チョークポイント)
を抑えているわけではありませんし、傘下のテロ団体が各地にあって周辺諸国を
脅かしているわけでもありません。北朝鮮に対し、アメリカは今さら核を完全に
廃棄させるのは不可能だと見ており、「アメリカに届く長距離ミサイルを廃棄さ
せる」という一点に絞っています。

 イランは産油国ですから、制裁さえ解除すればインフラ整備資金などはいくら
でも入ってきます。しかし北朝鮮の場合は、単に制裁が解除されても輸出に回す
重要物資がありません。やはり外部からインフラ整備資金を注入してもらわない
と動けない。その役割が日本に期待されており、そこが拉致問題解決の大きな鍵
になると考えます。

◆金正恩は斬首作戦に恐怖

島田 今年2月28日にアメリカとイスラエルが共同で、イランへの開戦、「斬
首作戦」を含む大規模な攻撃を開始しました。先ほど西岡さんが「金正恩がビビっ
ている」と言いましたが、まさにこの斬首作戦が最大の要因だと思います。

 アヤトラ・ハメネイ師(最高指導者)らを狙い、実際に情報を取って攻撃した
のはイスラエルです。死亡した歳は86歳でした。交通監視カメラをハッキング
したり、内部の内通者を通じて正確な情報を取って、イスラエル軍が斬首作戦を
実行しました。また、トランプ大統領は開戦声明の中で、民衆蜂起を明確に強調
していました。

 イランの場合は、旧ソ連のような集団支配体制であり、アヤトラ・ハメネイ師
(86歳ほど)が絶対的な独裁者というわけではなく、後継体制も作られていま
す。一方、北朝鮮は完全な個人独裁体制で、自分に取って代わる者が出てこない
ようにする体制ですから、斬首作戦が成功すれば、一気に体制が崩壊します。

 しかも、イランの場合は現体制が潰れた後どうなるかは分かりにくいですが、
北朝鮮の場合は独裁体制が崩壊した場合、韓国による併合が自然なルートですか
ら、その意味では出口戦略も描きやすい。ただ、現時点でアメリカが金正恩氏に
対する斬首作戦を具体的に考えているというわけではありません。

◆パキスタンが北朝鮮の核開発に関与

 北朝鮮はアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃を批判していますが、具体的
な支援は私が知る限り行っていません。従来、核・ミサイル開発で両者は協力関
係にありました。

 ついでに言うと、北朝鮮の核開発にはパキスタンが大いに関与していました。
パキスタンは今仲介役になっていますが、「良いもの(西側)」と「悪いもの」
両方と関係を持っています。だからこそアメリカとイランの仲介役に適している
面もあります。ついでに、アメリカのタクシーの運転手はパキスタン人が多いで
すね。

 ジョン・ボルトン氏(元トランプ大統領安保補佐官)とは、私も西岡さんも何
度もあっていますが、現在は反トランプに回り、イラン問題でも、「体制を潰し
切るまで停戦するな」と連日テレビで訴えていますが、これはアメリカでは少数
派です。

 しかしボルトン氏が今日も強調していたことですが、「イランが濃縮ウランを
やらないと約束したとしても、北朝鮮から買う可能性は十分にある。と。

 IAEA(国際原子力機関)も、「北朝鮮のウラン濃縮活動が質・量ともにレ
ベルが上がっている」と報告しており、イランへの密売は可能性があります。ア
メリカも、また日本は近い国ですからしっかりと監視する必要があります。

◆イスラエルは携帯型の核爆弾が怖い

 イランは現在、中距離よりもっと長いミサイルを開発して持っていたというこ
とが、今回証明されました。ディエゴガルシア島(インドのかなり南)というイ
ギリス領の島で、米英共同軍事基地があるところですが、今回イランが、中距離
より少し長いミサイルを軍事基地に向けて発射しました(被害はなし)。これは
ヨーロッパの大半をカバーする距離です。

 核拡散防止条約(NPT)は核を保有する5か国(常任理事国)は核を保有し
てもいいが、但し軍縮に努力すべきとしています。それ以外のNPT加盟国は、
核兵器を所有してはいけないとしています。

 それにイランも加盟しています。現在NPTに入っていない国は3つだけで、
イスラエル、インド、パキスタンで、核保有国です。

 そしてウラン濃縮を行っている国ですが、日本も一部やっています。但しIA
EAの査察を受け入れており、原発に使う濃縮度3%のものしかやっていません。
日本以外に、ドイツ、オランダ、カザフスタン、ブラジル、アルゼンチン、イラ
ン等が入っています。

 この内イランだけが高濃縮ウラン(60%)を製造しています。核兵器に使う
には90%以上の濃縮が必要です。90%以上になると放射性が非常に強くなり
ます。核兵器に使うウラン235は、天然ウランの0.7%しか含まれておらず、
残りはウラン238です。濃縮を60%までやっているとイランは自分で言って
いますが、90%を超えるテクノロジーを持っているということです。

 天然ウランを遠心分離機にかけるとウラン235がより内側に集まり、それを
利用するのがウラン濃縮です。多国間合意で、「濃縮比3.67%以上のものは
作らない」という合意があり、イランも約束していたのです。守っているかどう
かははっきりしませんが、2021年にイランの濃縮施設で爆発が起こって遠心
分離機が多数壊れました。

 イランはこれを「イスラエルの工作による核テロだ」と断定し、「目に物を見
せてやる、やる気になったら作れる」、「抑止力を見せる」として、2021年
から濃縮度を上げました。

 昨年6月には、アメリカとイスラエルが主要核施設を爆撃し、B2爆撃機によっ
て地下深くまで破壊しました。現在、その濃縮ウランは地下に埋まった状態にあ
ると見られています。それを掘り出して使いかねないので、これの処理につきア
メリカ、ロシア等が協議していずれ方法が決まると思います。

 イランの場合2021年以降、特にIAEAに極めて非協力的で、それもあっ
て、ひそかに核兵器づくりをやっていたのだろうと思われます。

 イスラエルに抵抗している、レバノン南部のヒズボラ、ガザ地区のハマス、イ
エメンのフーシ派を、イスラエルは「抵抗の枢軸」と言っていますが、イスラエ
ルが最も恐れているのは、イランが核開発をして、イラン自身がイスラエルに核
攻撃をすると、イランがやったことが分かってしまいます。イスラエルも200
発くらいの核爆弾を持っているので、当然イランに反撃します。

 そうではなく、携帯型の「スーツケース核爆弾」のようなものを旧ソ連は開発
しましたが、これをイランが開発して、ヒズボラ、ハマス等に渡し、彼らがイス
ラエル領内で自爆テロを行うことです。これまでの自爆テロの歴史を考えると、
イスラエルはこの可能性を非常に懸念しています。

 これまで敵の領域に入り、自爆テロをやった人間というのは多数います。その
自爆テロをイスラエルでやると、実行した人間の家族は「英霊」扱いで、一生楽
に暮らせるお金をもらえるというようなこともあるんですね。だから「鬱屈して
もう死にたい。それならばイスラエルで自爆テロをやれば家族に金がいくから、
やったれ」と。そういう人間がイスラエルの周辺には多数います。

 でも、北朝鮮の場合にはそうした懸念はないですね。北朝鮮の誰かが日本や韓
国に入ってきて家族のために核自爆テロをやるというような懸念は、今のところ
ないと思います。ここがイランの場合と違う点です。

◆トランプ政権は圧力をかけて降りてくると一転して友だちパフォーマンスへ

 イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカを引き込む形でイランに対処し続け、
体制を潰して民主的なものに変えようと戦い続けています。ネタニヤフ首相は当
初、全面的に停戦に反対していましたが、アメリカに言われて渋々応じている面
もあります。しかし、徹底的にイランの現体制を潰しにかかるという点では、今
回うまくいったと思っているでしょう。ネタニヤフ氏はトランプ氏を引きずり込
むことができたということです。

 一方でトランプ氏ですが、少し失敗したと思っている面もあるでしょう。ホル
ムズ海峡を封鎖された場合にどう対処するか、十分に考えていなかった。トラン
プ氏のスタイルは、基本的には北朝鮮の金正恩に対する対応を見てもわかります
が、軍事的に圧迫をかける。ところが、相手が出てきてディール(取引)ができ
るとなれば、一転して友だちパフォーマンスをしながらビジネスの話に持ってい
く。そういうスタイルですね。

 2017年、朝鮮半島はかなり緊張しました。アメリカが本当に軍事攻撃する
んじゃないかという空気になり、空母打撃群を3つほど日本海周辺に派遣しまし
た。その時、トランプ氏は「ファイア・アンド・フューリー(炎と怒り)」と呼
んでいました。金正恩も「ミサイルを撃ち込むぞ」と言っていましたが、結局、
これ以上やると挑発するとまずいと北側が思って降りてきた。

 そうなるとトランプ氏の方も一転して、首脳会談に移行して、「俺と正恩は親
友なんだ」、「心が通い合っている」などと言い出しました。パフォーマンスで
はありますが、友達パフォーマンスでおとなしくさせるということですね。

◆ホルムズ海峡封鎖は中国・イランネットワークへの圧迫でもある

 現在、対イラン作戦を「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」と名付けてい
ますが、ここでもトランプ氏の体質が出ています。一時停止で合意した直後、ト
ランプ氏はイランで「レジーム・チェンジ(体制変更)が起こったんだ」と言い
出しました。これは誰が見ても違うと思うでしょうが、

 彼は「イランはまともな指導者に変わった。だから新しい指導者たちと豊かな
中東を作っていける」と言っていました。いう理屈にしたいわけです。

 これにはボルトン氏(元大統領補佐官)ら強硬派は、「あまりにも言葉のすり
替えだ」と批判的です。

 そして、「ホルムズ海峡もイランとジョイント・ベンチャーで、通行税を取る」
と言っています。ホルムズ海峡を守るにはアメリカもお金がかかるから取る」と。

 ところがイランが約束通りにホルムズ海峡を解放しないため、アメリカは「逆
封鎖」を行っています。イランの港を出た船については、アメリカが網を張って
追い返す。帰れと言っても帰らない場合には、特殊部隊が乗り込んで船長を拘束
する。今のところ、13隻くらい追い返しています。

 現在、佐世保を母港とする海兵隊の強襲揚陸艦の部隊などが、いざという時の
乗り込み訓練を現地でやっています。一方イランに向かう船は取り締まっていな
い。どこに行くか分からないからです。

 トランプ氏はこの「逆封鎖」を大きなカードにして、経済的に追い詰められた
イランに「ホルムズ海峡の封鎖を解除しろ、そうすればアメリカも解除する」と
いう取引を考えているのでしょう。アメリカの強硬派は、「イランの体制がつぶ
れるまで続けろ」と言っています。

 我々日本人の立場としては、ホルムズ海峡が通れない状態が続くと、石油製品
の95%をあそこ(中東)に頼っていますから、非常に困った話でもあります。
また、この逆封鎖は中国に対する圧迫でもあります。イランの石油の90%以上
を中国が買っていたわけですから。アメリカの財務長官も、イランの資産を受け
入れる中国の金融機関に対して金融制裁をすると言っています。中国・イランネッ
トワークへの圧迫です。

 ベネズエラでは、一種の「斬首作戦」が行われました。マドゥロ大統領をアメ
リカに連行して裁判にかけています。大統領官邸にいた独裁者のマドゥロを特殊
部隊が連行し、アメリカ側に死傷者を出さずに完璧な形で体制を変えました。

 その後、副大統領だったロドリゲスという女性が暫定大統領になり、今アメリ
カとの関係は非常に良好です。アメリカにとってこれは理想の「レジーム・チェ
ンジ」の形態です。これを北朝鮮に対してもできれば一番いいのですが、そこは
西岡さんにコメントしていただくことにしましょう。

 それからキューバですが、キューバはベネズエラから石油を買っていましたが、
今はアメリカがキューバに輸出させないので、キューバは石油危機です。かなり
な規模のデモも起こりました。キューバの体制変更があるのか、北朝鮮との比較
で一つの事例になります。

 ロシアのウクライナ戦争ではトランプ氏はウクライナ側に、「領土を譲歩して
も受け入れろ」とウクライナ側に圧力をかけています。

 安倍さんがやっていた対プーチン外交と似たような感覚をトランプ氏が持って
いるのかなと思います。ロシアは元々G8に入りたい気があったのですが、はじ
き出されました。

 最後に拉致問題の関係で言うと、アメリカにとって対北交渉の焦点は、アメリ
カに届く核ミサイルの廃棄、この1点でしょう。核廃棄も言っていますが、これ
は誰が見ても無理です。

 イランに関しては、制裁さえ解除されれば第三国から金がいくらでも入ってく
る。北朝鮮はそれがないので、インフラ支援が必要です。アメリカ議会は人権違
反の国には資金を出しませんので、日本が出すことになる、その時は全拉致被害
者の帰国が条件となります。

 イラン問題が早く片付けば、米朝、そして日朝の首脳会談、この道筋に一日も
早く進んでほしいと思います(拍手)。

(3につづく)

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