救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田滋さんお別れ会(2020/10/27)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.10.27)

 拉致被害者横田めぐみさんの父、横田滋家族会前代表は、令和2年6月5日午
後2時57分、老衰により87歳でご逝去されました。そして6月8日に、身内
だけで告別式が行われましたが、コロナの影響で「お別れ会」はすぐには開けま
せんでしたが、10月24日、1年ぶりの国民大集会開催の日に合わせて、同じ
砂防会館において「ありがとう 横田滋さん お別れ会」を開催することとなり
ました。

 以下の発言者は皆、まず横田滋さんの祭壇に献花したのち挨拶をされました。

 なお、早くこられた参列者も既に献花しておられ、お別れ会終了後も未献花の
参列者が献花、さらに国民大集会の前後にも、会場の前方右側に祭壇を移動して
あり、参加者が献花されました。

 以下は、お別れ会の概要です。

■横田滋さんお別れ会

◆「ありがとう 横田滋さん」の意味

西岡力(司会 救う会会長)

 皆様、こんにちは。「ありがとう 横田滋さん お別れ会」を開催いたします。

 横田滋さんは、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表を10年務められまし
た。平成9年3月に、名前と写真を出して被害者の救出を訴える記者会見をしま
した。あの時専門家の多数意見は、名前と写真を出したら、証拠隠滅のために、
北朝鮮が被害者に危害を加えるかもしれないというものでした。

 そういう中で、横田家、特に滋さんが、「国民を信じよう、世論を信じよう」
と、名前を出すという重い決断をされ、その決断を受けて、他の家族の人たちも
一緒に名前と写真を出して家族会をつくったわけで、今思えば歴史的なことでし
た。

 今日、「ありがとう 横田滋さん」と書かせていただきましたが、本当は「申
し訳ない」と言いたいところですが、ここに集まった皆さんは同志で、一緒に戦っ
てきました。その戦いの中で、名前を出すという重い決断をしてくださった。そ
して1400回も全国で講演をして、先頭に立って戦ってくださったのが滋さん
でした。

 滋さんがいなければ、私たちの戦いは不十分なものではありますが、ここまで
はこれなかったのではないかと思います。家族会ができた時は、拉致問題対策本
部や担当大臣もなかったのです。本当に孤立無援で何人かの先生方と、有志の方
々から始めたのです。その先頭に横田滋さんがいてくださいました。

 残念ながら私たちは、滋さんにめぐみさんを会わせることができませんでした
が、しかしここで、「申し訳なかった」ではなく、「ありがとう」と言って、
「ここまでは来ました。先頭に立って戦ってくださいました。ありがとうござい
ました。私たちが絶対にこの戦いを引き受けて、全被害者の即時一括帰国を必ず
軌道に載せます」という意味で、「ありがとう 横田滋さん お別れ会」を開催
いたしました。

西岡 続いて飯塚繁雄さんお願いいたします。

◆実現できなかった「お父さん、ただいま」、「お帰り、めぐみ」

飯塚繁雄(家族会代表)

「お父さん、ただいま」、「お帰り、めぐみ」。このことばを、何年も待ってい
たでしょう。未だに、残念ながら実現できなかったのですが。


 長い間、娘を救出するための活動を、1997年3月5日からずっとやってまいりま
した。その間、当然ながら横田めぐみさんだけではなくて、ほかの被害者家族も
加えて救出活動をやってまいりました。しかしながら、その長い間の成果という
のはありません。


 こういった思いを皆さんお持ちになっていらっしゃると思いますけれど、その
ような思いで、本日はこのお別れの会に出席いただきまして誠にありがとうござ
います。


 問題はこの事件の出来事をどこまできちんとフォローできるかどうか。残され
た家族もだんだん年をとって弱っています。そういうことを含めて、拉致問題の
解決というのは日本全国民の願いであります。

 当然ながら私たち家族もその一端を、先頭を切って活動していますが、なかな
か実績というか、動きが取れない状況になっています。

 今回、内閣も代わったことですし、今まで引き継がれてきた国の重要課題であ
る拉致問題の解決については間髪を入れず、対応をお願いしていきたいと思いま
す。

 私たち残された家族、国民の皆様と一緒に拉致問題の解決をし、これをもって、
横田滋さんへのお礼に代えたいと考えていますけれど、これがなかなか、いつで
きるかということもありますが、とにかく頑張るということで皆さんと力を合わ
せて、この問題の解決に向かって努力を積み重ねていきたいと思います。

 今日は本当にありがとうございました。

司会 飯塚さんも体調を壊しておられ、残念ながら国民大集会には出られません。
続きまして、菅義偉内閣総理大臣にお願いいたします。

◆拉致問題解決に全力で行動する決意

菅義偉(内閣総理大臣、拉致問題対策本部長)

 横田滋さんのお別れ会に際して、一言ご挨拶を申し上げます。

 まず改めて、滋さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。また、奥様の早紀
江さんを始め、ご遺族の皆様方にお悔やみを申し上げます。滋さんがご存命の間
に、めぐみさんとの再会を果たすことができなかったことは、正に痛恨の極みで
あり、政府として、また一政治家として、大変申し訳なく思っております。

 めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、40年以上が経過しました。滋さんは、
拉致被害者家族会の代表として10年間、そして、その後も拉致被害者ご家族の
先頭に立って、日本国内、さらには国際社会に対して、めぐみさんの救出を訴え
てこられました。滋さんの誠実なお人柄と、穏やかながらも強い意志に基づいた
一言ひとことが、多くの人々の心を揺さぶり、世の中を動かしました。政府に届
けられた拉致問題解決を願う署名の数は1,400万筆を超え、日本各地及びニュー
ヨーク、ジュネーブ等において開催する集会やシンポジウムにも多数の方々に参
加していただいております。

 拉致問題の解決を求める声が国内外に大きく広がったのは、滋さんを始めとす
るご家族の皆様方が、全身全霊を捧げてこられた活動の賜物であると思います。
国民の皆様の声、国際社会の声は、必ずや北朝鮮を動かすことにつながると考え
ています。

 私も、滋さんを初め、ご家族の思いを胸に、拉致問題の理解と協力を直接求め
てきました。今後も、解決に向けた国際連携の重要性を訴え続けていきます。

 拉致問題は、菅内閣においても、引き続き最重要課題であります。総理大臣と
して自ら先頭に立って、あらゆるチャンスを逃すことなく、活路を切り開いてい
きます。めぐみさんを始め、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、
全力で行動してまいります。滋さんの御霊を前に、改めてこの決意を申し上げて、
私の挨拶とさせていただきます。

西岡 続きまして、安倍晋三前内閣総理大臣にお願いいたします。

◆命を削って運動を続けられた横田滋さん

安倍晋三(前内閣総理大臣)

 「ありがとう 横田滋さん お別れ会」にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 横田滋さんは、家族の大切さを身をもって示されました。

 昭和52年11月15日、めぐみさんが北朝鮮に拉致されてからの横田家は、
娘を取り返すため、戦い続けた43年間だったと思います。当時の日本は、「北
朝鮮が拉致をする筈がない」という空気が支配し、なかなか国民的な理解が進ま
ない中で、政府も動きがなかった。

 そういう中で滋さんは、本当に困難な判断を迫られました。先ほど西岡さんか
らご紹介があったように、果たしてめぐみさんの実名を公表すべきかどうかとい
うことでした。

 公表しなければ国民的な理解は深まらず、政府も動かない。しかし、もし公表
してめぐみさんの身に危害が及んだら、どうなるか。恐らく、滋さんにとって眠
れない夜が続いたのだろうと思います。

 でも、あの時の滋さんの決断によって、国民的な理解が深まり、そして「13
歳の少女まで拉致をしていたのか」と多くの国民が怒りを覚え、運動が盛り上が
り、そして2002年、北朝鮮は拉致を認め、謝罪をするに至りました。

 しかし、その際発表された生存者の名簿には、めぐみさんの名前はありません
でした。あの時私たちは平壌にいてその報告を受けた時、大きな衝撃を受けまし
た。その場の空気は凍りつき、あの時期待は高まっていました。期待された滋さ
んやご家族の気持ちを思うと、言葉もありませんでした。

 しかし、滋さんは決してあきらめませんでした。1か月後の10月15日に、
5人の被害者の皆さんが帰国されました。羽田空港には、家族会代表として出迎
えられた滋さんの姿がありました。家族会の代表として責任感からこの場を記録
に止めようと、カメラのシャッターを切っておられました。その滋さんの目から
は、涙が流れていました。

 そこにめぐみさんがいないことがどんなに悲しかったか、どんなにつらかった
か。国家としてこの問題を解決しなければならないと、強く決意しました。

 滋さんの戦いはその後も続き、夏の暑い日も汗をふきながら署名活動を行い、
ビラを配り、冬の日も全国に出かけられました。

 ふだんは本当に温厚でいつも温かい笑みを浮かべている滋さんでありますが、
娘を必ず自分の手で取り返さなければならないという強い信念と、家族会の象徴
としての責任感から、まさに命を削って運動を続けられたと思います。大変なご
負担をおかけして本当に申し訳ない思いです。

 安倍政権において、めぐみさんのいる家族のだんらんを、滋さんがお元気なう
ちに取り戻すことができなかったことは断腸の思いです。

 先程、菅総理からご挨拶がありましたが、菅総理も20数年前、一緒に北朝鮮
に圧力をかけるために、万景峰号を入国させないための戦いに奔走した一人です。
これからも全力を尽くされると確信しています。私も一議員となりましたが、こ
れからも拉致問題解決のために、全力を尽くしていくことお誓い申し上げ、「あ
りがとうございます。横田滋さん」と申し上げて、お別れの言葉とさせていただ
きたいと思います。滋さんのご冥福をお祈りし、ご挨拶といたします。

西岡 続きまして古屋圭司拉致議連会長にお願いいたします。

◆「ありがとう」そして、「後はしっかりと解決してくださいよ」に決意

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣)

 滋さんなくして、これだけの国民の理解、怒りはなかったと思います。そうい
う意味では、自分の命を削って取り組んでこられた。本当に頭の下がる思いであ
ります。

 今日この「お別れの会」では、「ありがとう」となっていました。私はこの言
葉を聞いて大変胸にきました。西岡先生からもお話がありましたが、大変大きな
意味があります。

 滋さんに「ありがとう」という言葉。私たちに、「後はしっかりと解決してく
ださいよ」という強い意志が入っていると思います。だからこそ私たちは、滋さ
んの気持ちを我々300人を超える超党派の拉致議員連盟のメンバーがしっかり
心に刻んで、政府と連携してこの拉致問題に取り組んでいく覚悟です。

 拉致議連は略称です。正式名称は、「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出
するために行動する議員連盟」ですので、これからもこの名称に恥ずかしくない
ような活動をしっかりやっていく。

 時には政府の取り組みが不十分な場合は、我々が叱咤激励することも含めてやっ
ていきたいと思います。

 是非皆さん、これからもしっかりと、「拉致被害者は絶対取り戻す。北朝鮮を
許さない」という世論を啓発し続けていただくようにお願い申し上げます。その
ことが滋さんに対する気持ちを、私たちが表すことになります。

 改めまして、我々拉致議連としても、心を新たに決意をして取り組むことをお
約束して、ご挨拶に代えさせていただきます。

西岡 続きまして、横田早紀江さんにお願いいたします。

◆毎日祈って、お父さんとお話しをしています

横田早紀江(横田めぐみさん母、横田滋さん妻)

 皆様、こんにちは。きょうは滋のお別れの会に、今までどれほどお世話になっ
たかわからない皆様方が、このようなたくさんの心を集わせていただいて、滋の
ことを思い出していただいて、いろいろなすばらしい言葉をいただいて、本当に
感謝しております。

 私たちはただふつうの家族でしかありませんし、夫は本当に家族を大切にする
父親でしたので、名誉とか欲とかそんなことは何もなく、家族みんなが朗らかに、
楽しく、元気で、そして成長してくれればいいということだけを思っていた人で
したので、いろんなところに連れて行ってくれたり、肩の凝らないよいお父さん
だったと、私は感謝しております。

 そのおとなしい人がですね、大事な娘がいなくなったとたん、なんと強くなる
ことかと。私はもうびっくりするような思いで後ろについて、いつも行動を共に
してきました。

 ただただ、めぐみちゃんの幼い頃からのいろんなことが思い出されます。小さ
い時ときでしたけれども、お父さんが出勤するときにマンションの4階から下に
降りて道路に出る時に、網のところからのぞいてお見送りするんですが、毎日必
ず、「パパ?、きょうも甘栗買ってきてね、きょうも甘栗買ってきてね」といつ
も大きな声で言うものですから、マンションの方たちから「また甘栗言ってるよ」
と笑われて。それほど、本当にお父さんとは仲のよい親子でした。

 私は双子の男の子に振り回されて忙しい時期でしたので、お父さんがなんでも
やってくれて本当に助かりました。

 そういった本当にふつうの幸せな家庭がですね、これは私たちだけでなく、飯
塚さんも、有本さんのところも、あとの家族会の方も、本当に同じように一生懸
命にみんなが団結して力を尽くして救出のために頑張ってきました。しかし、蓮
池さんたちがお帰りになった以外の人たちのことはまだ何も分かりませんし、必
ず元気で生きているんだろうということだけは信じながら、毎日祈って、お父さ
んとお話しをしています。

 がく然となって自分が落ち込んでしまうと、歳がいっておりますので、立ち上
がれなくなるなという思いがいつもあります。いつもお父さんは家の中におりま
すし、朝起きたら、「お父さんおはよう」、「きょうも元気でいるよ、私だけご
はん食べてごめんね」と写真に話しかけて過ごしております。

 まだ解決していない、まだ向こうで一生懸命に、「助けてくれないなら淡々と
頑張るしかないんだ」といつも思いながら、めぐみちゃんたち多くの方、悔しい
悔しいという思いをしていると思うと、本当に、身代わりになってあげたいとい
う思いが多くあります。

 大きな問題ですけれど、どうか、菅総理大臣、加藤官房長官、安倍晋三様、同
じ思いの方が力を尽くして必ず実現に向けて頑張っていただきたい。ただそれだ
けを私たちは信じて、その日が来ることを期待して、信じて、お祈りしておりま
す。

 どうか、全国の皆様方も、自分たちの子どもだったらやっぱり同じことをする
だろうなとお思いになると思うんですね。「よその人だから気の毒だ」というん
じゃなくて、うちもそうだったかもしれない、隣のお子さんだったかもしれない
んです。

 なんでこうなったのかとものすごく悩みましたけど、自分の身内がこうだった
ら、私だったらどうするだろうかと、本当に真剣に考えていただければ、絶対一
緒になって、これは日本のために動かなければならないとお思いになると思うん
です。

 今回、ここで解決に向けての喜びの日を日本中が迎えることができるように、
よろしくお願いいたします。

 今日は本当にありがとうございました。

西岡 家族会結成時の写真の中で、増元るみ子さんのお父さんが平成14年に、
有本恵子さんのお母さんが今年2月に、そして被害者は帰ってきましたが地村保
志さんのお父さんが今年7月に、そして横田めぐみさんのお父さんと、あの写真
の中の人たちがたくさん亡くなられました。

 私たちは今日、「ありがとう」と付けさせていただきましたが、その「ありが
とう」の中には、絶対に取り戻すという決意が入っています。

 では加藤官房長官献花をお願いします。まだ献花をされていない方はどうぞお
願いいたします。ありがとうございました。

以上



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