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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録3(2015/02/12)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.02.12)

◆オバマ大統領「北朝鮮は崩壊するだろう」

西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)

 みなさんこんばんは。1月の初めに1週間くらい韓国に行ってきました。北朝
鮮の内部がかなりおかしくなっているなと感じました。

 数日前、オバマ大統領が、「北朝鮮は崩壊するだろう」と。崩壊させるとは言
いませんでしたが、「するだろう」と、アメリカの現職大統領が初めていいまし
たので少し話題になっています。

 もちろんその根拠が何なのかは明らかになっていませんし、「崩壊する」とい
う話はわが国でも何回もあってわけですが、やはり金正日時代とは違うおかしさ、
切迫感みないなものを感じています。

 そのことが拉致問題にどう影響するのかを今考えているのですが、今日は惠谷
さんと討論してみたいと思います。

 その前に拉致の集会ですから、今の状況がどうなっているのかについて、私が
どう見るかを最初にお話します。

 これは去年12月の国際セミナーでもお話ししましたが、北朝鮮も今拉致問題
をどうするか迷っている。彼らが7月に特別調査委員会を作った時は、割と早く
勝負をかけようとしていたという兆候がたくさんあります。

 多分9月に1回目の報告を準備していて、7月に特別調査委員会を作った後発
表したのだと思われます。その時私が抱いた危機感は、生きている被害者を殺し
て、本物の遺骨にして日本に出してくるという計画があるということでした。そ
こまでしても日本に接近して、当面の外貨を得ようとしていたという判断でした。
それをどう防ぐかをずっと思っていました。

 もう少し遡って、なぜ北朝鮮が安倍政権に接近してきたのかということです。
大きな状況としては経済制裁が効いて外貨が枯渇してきたことです。北朝鮮の経
済は二重構造で、これは去年ついにNHKまで報道したんですが、北朝鮮には統治
資金という計画経済の政府の予算とは別の裏金がある。それが海外にある外貨で
す。それで統治してきましたが、そのお金が今枯渇し始めている。

 財源は、実は朝鮮総連からの送金だった。それを第一次安倍政権以降厳しく取
り締まって、日本からの送金は、正確なことは分かりませんが、かなり止めてい
る。一方韓国は、金大中、盧武鉉政権の時に、10年間で100億ドルくらいの
お金と物を出していましたが、それも李明博、朴槿惠政権になってかなり止まっ
た。

 中国は、最初から金正日、金正恩を信用していないので、物は出しますが現金
は渡さない。その物も張成沢処刑以降減っている。

 北朝鮮の根本的な弱点は、国際社会に売る物がないということです。今のいわ
ゆるイスラム国は油田を持っています。それを闇で売っているわけです。イラク
のフセイン政権は経済制裁を受けましたが、びくともしなかったのは石油を持っ
ていたからです。しかし、北朝鮮は国際社会に売る物がないんです。

 レアメタルがあるとか言いますが、インフラがないので、国際社会に売れるよ
うな状況ではない。それなのに平壌だけは明るくて、核開発が続き、ベンツの輸
入を続けているんです。別途お金がある。

 北朝鮮の貿易統計を見ると、毎年数億ドルから10億ドルくらい赤字です。そ
れどころか、70年代に日本とヨーロッパからプラントをいっぱい買って代金を
払っていないんです。国際的には破産国で、北朝鮮と貿易する時は、現金払いし
か西側は応じないんです。それなのにベンツが買えたり核開発ができたのは、別
途秘密資金を持っていたからです。それが枯渇し始めた。

◆北朝鮮は困ったら交渉に入るんですが、交渉に入ると嘘をつく

 ブッシュ政権の末期に、マカオの銀行に対して金融制裁をしたのは、マカオの
銀行の預金が北朝鮮にとって大切だからではなくて、あのマカオの銀行が秘密資
金の出入りの、資金洗浄の窓口になっていたのです。あの銀行は帳簿がコンピュー
タ化されていなかった。それが弱点だった。

 それを第一次安倍政権以降、厳格な法執行という制裁を続けて、かなり絞って
きた。北朝鮮は、安倍政権は、民主党政権のようには変わらないと見たので去年
交渉が始まったのです。彼らは困ったら交渉に入るんですが、交渉に入ると嘘を
つくんです。

 そして金正日が「死んだ」と言った8人については、「死んだ」と言わざるを
えなかった理由があるわけです。秘密を知りすぎているということです。しかし、
日本からお金を取りたい。それで考えたのは、生きている人を殺して死亡の根拠
を作ることでした。

 困ったから対日接近をしてきた。拉致問題まで交渉すると、カードに出した。
しかし、金正日が「死んだ」と言った人は出さないというのであれば、考えるの
は殺すということでした。

 数年前から、「日本のDNA鑑定技術を詳しく調査している」という情報があり
ました。10年前から日本の技術では、その骨が誰の骨かだけではなく、いつ死
んだかも分かるのです。私は、「94年に死んだと発表した人の骨が出てきて、
2014年だったら虐殺ですよ」と言ってきました。それが去年の7月から9月
までの緊張したやりとりです。

 最近分かってきたのですが、北朝鮮の中でも2つの意見があって、「殺してで
も日朝関係を進めるべきだ」という意見と、「殺したらいつかはばれる。そした
ら取り返しのつかないことになる」と。最近聞いたのでは、「もしも殺したとい
うことが発覚したら、日本の自衛隊が、第二次朝鮮戦争が始まった時に、先頭に
なって平壌を爆撃するだろう。それは避けなくてはならない」と北朝鮮の内部で
言われているそうです。

 今の状況では、法的にそれはできないんですが、彼らが誤解しているのはいい
ことですから、できると思ってもらった方がいいかもしれませんが、向こうは向
こうで真剣に考えてそういうことを議論していたそうです。

◆国連の金正恩訴追決議の阻止に集中せよとの指令

 ところが9月になって、延期するという方針になった。これは日朝が理由では
なく、国連の北朝鮮非難決議をなんとか防ぐことが理由だった、と聞いています。
国連で、北朝鮮の人絹問題を取り上げさせて、金正恩を刑事裁判所に訴追すべき
だという流れを作ったのは安倍外交です。

 一昨年、国連の北朝鮮人権委員会を作るに当たって、一番積極的に動いたのは
日本の外務省です。それは安倍政権の指令のもと、ジュネーブで動いたわけです。
そして調査委員会のトップに首脳レベルで会ったのは安倍さんだけです。カービー
委員長に安倍さんは1時間会いました。EUの大統領や総理大臣で会った人は一人
もいません。韓国、アメリカも会っていません。

 経済制裁と国際連携で北朝鮮を追い込むと我々はここで言ってきましたが、安
倍総理もやったことは同じです。追い込まれて交渉が始まりましたが、経済制裁
の結果、外貨が枯渇し始めて、遺骨ビジネスや総連の送金を復活させることを目
標にして交渉を始めたんですが、もう一方でやはり安倍総理主導で始まった国連
の状況が、北朝鮮から見て危機的になったので、準備していたカードを出すのを
延期したのです。

 「すべての外交力量を、国連の金正恩訴追決議の阻止に集中せよ」という命令
が出たのです。姜錫柱(書記)がヨーロッパに行ったり、金永南(最高人民会議
常任委員長)がアフリカにいったり、北朝鮮の外務大臣がニューヨークに10数
年ぶりに現れたりということがあり、脱北者の人権活動家の活動についても非難
が高まったりしました。

 それと並行して、日本代表団に平壌にきてくれと言ってきて、行ってみたら英
語の看板が準備されていた。平壌に、特別調査委員会の英語の看板がなぜ必要か。
ニューヨークの外交で、拉致問題については誠実に調査していることを宣伝する
ために必要だったのです。日本人に、誠実に調査していることを知らせるのなら
ハングルと漢字で書けばいいんです。すべてニューヨークを意識していた。しか
し、その努力は失敗して、去年の12月に国連総会で、「拉致問題を含む北朝鮮
の人権問題は人道に対する罪であり、安保理事会はその責任者を国際刑事裁判所
に訴追すべきだ」という決議が通りました。

 安保理事会では正式の議題になって議論が始まっています。まだ訴追するかど
うかの採決はしていませんが、議論が始まったのが現段階です。

◆日本との交渉を切りたくない北朝鮮

 私は1月にソウルに行って、北朝鮮の内部とつながっているいくつかの人に話
を聞きましたが、日本に対する未練はまだ捨てていないようです。ただ、安保理
事会を横目で見ながら、いつのタイミングでもう一度日本にカードを切ってくる
か様子を見ているのが北朝鮮の内部の情勢です。

 そのことを裏付ける公式情報もあります。国連安保理事会の決議を積極的にす
すめたのは安倍晋三外交です。しかし北朝鮮は安倍批判をしない。国連総会決議
の前後に、激しい非難をしましたが、第1のターゲットはアメリカでした。「国
連を舞台にした人権外交はけしからん。アメリカの陰謀だ」と。

 しかしこれは事実誤認です。アメリカは国際刑事裁判所条約に入っていないん
です。アメリカ人やイスラエル人が国連の場で多数決で裁かれるのに反対なんで
す。ジュネーブの人権理事会でも、アメリカはほとんど活動していません。EUと
日本がやったんです。しかしEUは遠いので、首脳レベルまで積極的ではない。

 それなのに、「安倍晋三がけしからん」と名前を出して非難しないんです。
「日本はアメリカに追随したからけしからん」とだけ言っています。北朝鮮の外
交官や工作機関は情報の分析を間違えるほどばかではありません。分かっていて
嘘を言っているんです。それは日本との交渉を切りたくないからです。

 本来なら水面下で、国連決議に日本が賛成するなら、あるいは日本は提案国で
すから提案国から降りないんだったら、特別調査委員会をストップするぞ、と脅
してきてもおかしくないくらい彼らは積極的に外交をしていましたが、そういう
話はなかった。

 私は少し心配して、外務省がそういう裏話に乗ってしまったらまずいなと思っ
ていたんですが、そういうことはなかった。最後まで、そこは外務省も頑張りま
した。

 福田政権の時、一度再調査委員会ができたんですが、「福田さんがやめて麻生
さんになる」という理由でやめました。彼らはやめようと思ったらいつでもやめ
られるんです。国連の決議を日本が提案したというのは、やめる一番の理由にな
ることだったのにやめなかった。ある脱北者が北から聞いた表現では、「未練が
残る」です。その通りなんです。

 それがいつになるのか。しかし、北朝鮮も今厳しい状況に置かれています。日
本からまとまったお金をとろうとするならば、拉致問題についてそれなりの回答
をしなければならない。それは金正日が、「秘密を知りすぎているから死んだと
言え」と言った人を返さなければならない。遺骨にして返すのか。それが発覚し
たら大変なことになるという意見もある。

◆3年後の大統領選挙まで生き残るために日本に接近してきた

 今回国家保衛部の現役の人と直接話したという人から聞きましたが、「去年の
春に被害者がある所に集められた。それぞれの仕事をしていた人たちが、仕事を
離れてある所に集められた」と。2種類あるようですが、「大変な秘密を知って
いる人たちとそうじゃない人たちが集められ、今も集められたままだ。従って未
練は残っている」ということです。

 「元仕事をしている所に戻していないので、何らかの回答をする準備はしてい
るんじゃないか。しかし、保衛部の中で日本人被害者に関する情報を漏らしたら、
本人はもちろん家族も全員殺す」と厳しい情報統制がしかれているようです。

 生きている人がいるのに「死んだ」と言っているから、その情報が少しでも洩
れたら不利になるので、仕事をやめさせて、徹底的に秘密が守れるところで管理
させている。しかしそれは、何らかの交渉が必要だと彼らが思っているからそう
しているわけです。

 外貨がなくなったということと、国連を中心とした国際社会が拉致と人権問題
で北朝鮮非難を高め金正恩の責任を追及している。この2つで、彼らが追い込ま
れていることは確かです。

 我々に与えられた時間は3年で、3年たったら韓国で大統領選挙があります。
このままいけば、もう1回、太陽政策派が勝つ可能性が高い。そうなれば、最初
の外貨不足問題が解決してしまう。金大中・盧武鉉の時代に100億ドル相当を
送っていた再現になるわけです。

 逆に、この3年間をどう生き残るかというために日本に接近してきたのが現状
ではないかと思っています。私は前回ここで、「1月にも」と言いましたが、1
月は過ぎてしまいました。国連の件が落ち着いて、彼らが、もうこれ以上拉致が
動いても国連に悪影響を与えないと判断した段階で、準備していたカードを切っ
てくるのではないかと思っています。

 ただ、向こうが日本に対する未練を捨てていないのであれば、いつのタイミン
グで彼らがカードを切ってくるかを彼らに決めさせるのではなく、こちらが主導
権をとるべきです。

 従って、去年の7月に、「調査して随時報告する」と言ったのに、「随時」が
半年たってもない。3月には年の75%ないことになる。それで1回目の報告も
ないというのであれば、特別調査委員会は自立した調査をしていないんじゃない
か。特別調査委員会が調査をすると約束したから解除した制裁を元に戻すべきで
す。「戻さざるを得ないという国民の声が高まりますよ」と政府は言うべきです。

 それをいくら言っても、増元さんには外務省の人たちが、「話し合いをしなけ
ればならないんだから刺激してはならない」と言ったのかもしれませんが、逆な
んです。向こうが始めてしまった以上、向こうも日本から物を取るまではやめら
れないんです。

 向こうの主導にさせるのではなく、こちら主導で期限を切って、それも「今す
ぐやめる」ということではなく、「3月までですよ」と。最低限、「期限を切る
ことを検討しています」くらいは言えと思っています。

 情勢は緊迫していますが、まだ負けていないと思っています。そして北朝鮮が、
日本に頼らなくても3年間延命できるかどうか、どれくらい困っているかについ
て、これから惠谷さんと議論したいと思います。これは北朝鮮の内部情勢と関連
しますが、今の所拉致問題の現状に関する私の分析は以上です(拍手)。

(4につづく)

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