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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」報告6(2014/12/19)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.12.19-2)

■国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」報告6

櫻井 ありがとうございました。そうしますと、組織指導部が実験を握っている。
軍でもない、保衛部でもないということですが、ではこの日朝の拉致協議になぜ
彼らは入ってきたのか、そして事実上向こうは何もしていないということですが、
協議が停滞しているのか。そのあたりを張真晟さん及び西岡さんに解説していた
だきたいと思います。

◆金正日が作ったシステムが今も稼働している

張真晟 張成沢処刑によって、中朝関係が悪くなっています。中国指導部が大変
対北感情を悪化させていますし、実際、石油の供給量が下がっています。そこで
北朝鮮はヨーロッパにも出口を探し、ロシアにも人を送っていますが簡単ではな
い。私が見るところ、彼らにとって一番簡単なのは、拉致問題を動かして日本に
接近することです。そして小泉総理が北朝鮮を訪問した時に約束した多額の経済
協力資金を取ることだと彼らは考えているのではないかと思います。

 今の北朝鮮をどう見るのか。金正恩を相手に交渉しようとするのか、あるいは
組織指導部を相手に交渉しようとするのか。金正恩を相手にするという見方は、
実は金正日時代の残像をそのまま追っているのではないかというふうに私は思い
ます。

 金正恩、あの若い指導者が対外関係や内政、現地指導を全部自分でできている
のか。そしたら本当に神様と同じだが、そんなことはない。それなのに北朝鮮の
システムが維持されているのは、金正日が死んでも、金正日が作ったシステムが
そのまま残っていて、それが稼働しているということです。

 権力を金正恩氏が持っているのか、組織指導部の中のインナーサークルの人た
ちが持っているのか。金正恩が本当にすべての決定権を持っているのであれば、
張成沢の公開処刑は起きていないだろうと思います。なぜなら、公開処刑をする
ということは、実は金正恩政権にとって、首領の神格化という面からもマイナス
だからです。首領の一族に逆賊が生まれることになる。

 それなのに組織指導部はなぜ公開処刑をしたのか。それは組織指導部の利益、
つまり張成沢は自分たちの敵だと、彼を除去しなければ自分たちがやられるとい
う組織指導部の利益が出てきているからです。

◆日本に接近せざるを得なくなった

西岡 こういう、安定に見えるけど不安定な状況の中で、日本への接近が始まる
んですね。先ほど独裁について、物理的な独裁と感性独裁があると張真晟さんは
言いましたが、この二つのものを支えるのが実はお金なんです。個人独裁を支え
るには一定の外貨が必要です。

 これは統治資金と呼ばれていました。あるいは金正日の秘密資金と。この話は
私もずっとしてきましたが、とうとう今年になってNHKが特別番組を作って、
「私が言っていたことをNHKも言い始めたな」と思いました。

 つまり、独裁を維持するには一定の外貨が必要です。今日本に接近してきてい
る大きな理由は、その外貨が枯渇し始めたということです。独裁を維持するため
の外貨は当初日本から来ていた。

 金正日が権力を取った70年代、朝鮮総連から多額のお金が行くようになった。
1990年頃が最高で、年間1000億円以上が北朝鮮に送られていた。これは
内閣調査室の調査したもので、日銀も調査に加わっています。

 当時の羽田外務大臣が日本記者クラブで話しをしています。アメリカが止めろ
といって調べた。それを第一次安倍政権になって、厳格な法執行という方針を立
てて、徹底的に今絞っています。ほとんどなくなりました。もちろん経済状況や
色々なことがありますが、ほとんどなくなった。

 しかし、日本と少し時差を置いて、韓国で金大中、盧武鉉政権(1998〜2007年)
ができて、10年間で100億ドル(約1兆円)が行った。これはその後の李明
博政権の推計です。それも今ほとんど止まっています。そして頼みの綱の中国か
らの支援が今少なくなっている。

 どこに出口をみつけるのか。韓国と日本しかないわけです。アメリカは核問題
を動かさない限り支援をしませんし、北朝鮮は核問題を動かすつもりはありませ
ん。

◆北朝鮮を困らせることが一定程度できたから交渉が始まった

 金正恩は狡猾ではないですから、核保有国だと憲法に書いてしまいましたので、
漢方を改正しない限り、核をやめる交渉はできないんです。金正日だったら憲法
に書かないで、「止めています」と口で言って、援助をもらい続けたと思います
が、それはできない。それも弱さの現われだと思います。従ってアメリカに接近
することはできません。

 日本は、核・ミサイル以外に拉致もある。接近しやすいわけです。韓国はどう
か。韓国は3年後に大統領選挙があります。その大統領選挙で、また太陽政策を
する政権ができる可能性がかなりありますが、保守勢力と今の朴槿恵政権と交渉
するのは政治的にマイナスです。3年後に備えた方がいい。

 そうすると日本。そして拉致を動かせばいい。拉致を見せれば日本が食いつい
てくると思ったということです。彼らの狙いはお金で、拉致は餌だと思っている。
我々はお金は餌で、拉致被害者を取り戻そうと思っている。

 北朝鮮が困らなければ交渉は始まらないと何回も言ってきましたが、困らせる
ことが一定程度できたから交渉が始まったのだと思います。

◆首領の権威を傷つけられるのは困る

 そしてもう一つ。張真晟さんが冒頭指摘したことで重要なことがあります。私
たちは、お金を締めれば北が困って来るだろう、あるいは国際的に孤立すれば来
るだろうと思っていました。それがもう一つあった。

 首領の権威を傷つけられるのは困る。安倍政権が去年からジュネーブで積極的
な外交をしました。これまでNGOが努力してきましたが、政府が積極的に北朝鮮
人権問題で外交したのは安倍政権が一番活発だと思います。EUもやりましたが、
やはり安倍政権が一番活発です。

 その結果、去年の2月に北朝鮮調査委員会ができたのです。安倍総理はカービー
委員長と1時間会いました。そして報告書に拉致問題もきちんと書かせた。今の
話を聞いて思ったのですが、その報告書に、「拉致を含む人権侵害の責任者は最
高権力者だ」と書かれたんです。そして「責任者を国際刑事裁判所に訴追すべき
だ」と書かれたんです。そしたら彼らが慌てた。

 ある面で金日成時代と似ているんですが、金日成は象徴であって権力はなかっ
た。金正日は権力を持った。今組織指導部が持っている。しかし、象徴としては
金正恩で、金正恩の権威は守らなければいけないと対外的、対内的に言っている
から、北が慌てた。

 お金を締めたこと、そして中朝関係が悪くなって国際的に孤立したこと、そし
て国際社会が首領独裁体制の問題点を、これは事実ですが、それを指摘し始めた
こと。この3つで追い込まれて北が動き始めた。その3つの内2つは安倍政権が
やってきたことだと思います。

 私はそういう面で、大きな戦略として日本政府がやってきたことは間違ってい
ないと思っています(拍手)。

櫻井 どうもありがとうございました。私がもう一つ知りたいのは、私たちは敵
を知らなければならないという意味で、本当の敵は金正恩と組織指導部というこ
となんですが、組織指導部というのは誰がトップにいて、どういう仕組みになっ
ているんですか。私たちは実態をよく知らないので。

◆すべての党組織に組織指導部−国民全員が自己批判と相互批判義務

張真晟 組織指導部は北の権力の中で、最高位に位置していますが、浮いている
存在ではないんです。末端のすべての党組織に手足を持っています。すべての党
組織には組織部と宣伝部、総務部があります。総務部は一般的な文書管理ですが、
組織部がまさに組織指導部のブランチです。

 一番末端の党の単位である初級党の中に、党の書記がいて、それが初級党を代
表するんですが、実は党の書記よりも組織担当書記の方が力があります。組織担
当書記は初級党の中で、誰かが人事で上がって行く時、その人の調査をする。ま
た、おかしなことがないか、別のラインで上に通報する。

 もう一つ、生活総和を管轄します。生活総和とは何か。北朝鮮の人間は全員が、
1週間に1回から2回、生活総和をしなければならない。日本的に言うと自己批
判と相互批判です。党の重大原則に反する行動をしたかどうかを自己批判し、そ
して相互批判する。

 これは工作機関の中でもやります。多分、被害者もやらされていると思います。
その生活総和は、各党のトップである党書記がやるのではなく、組織秘書がリー
ダーになってやる。党書記はその時平党員になります。これはすべての党組織で
同じです。

 このような二重構造ですが、実は金日成時代に金日成が党の総書記であり、金
正日が党の組織書記だった。それが各党の単位ですべて二元化された。そして個
人神格化ですから、表向きは金日成の党総書記を立てる。組織ラインは謙遜でな
ければならないが実権は組織ラインが持っていたから、影の権力組織だった。

 そのような権力を持っていますから、国防委員会の委員に誰を任命するのかも
実は党組織指導部が決める。軍の総参謀長を粛清するかどうかも党組織指導部が
決める。

 金正日も、自分が倒れた後、この構造がもつかどうか心配になって、組織指導
部が持っていた権力の一部を移して行政部を作り、その部長に張成沢を置いた。
行政部は一般警察、裁判所を持っていました。そして張成沢に大将の位を与えて
国防委員会に入れた。国防委員会を通じて張成沢に権力を持たせようとしたので
すが、金正日が死んだあと、張成沢が組織指導部に粛清されてしまった。

 それも金正恩が個人的に決裁したのではなく、党の政治局拡大会議の議決の結
果として粛清された。

◆北朝鮮でやってはいけないことが起きている

櫻井 今の話を伺っていますと、組織指導部が絶大な権力を握っていて、組織指
導部を金正恩自身がコントロールしているかどうかも定かではない中で、組織指
導部のトップにいる人が本当の意味での北朝鮮の実験を握っている人物と考えて
いいのでしょうか。もしそうであるならば、どういう人物が組織指導部を握って
いるのですか。

西岡 組織指導部のトップは一人でなく何人かいます。今、第一副部長が数人い
て、金慶玉(キム・ギョンオク)が今実験を握っているのではないかと彼は言い
ましたが、もう一人、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)が軍担当の第一副部長でした
が、崔竜海(チェ・リョンヘ)という金正日側近をおしのけて、軍のトップであ
る軍の総政治局長になったんです。

 陰にいた組織指導部の第一副部長が表の軍のトップになったという新たな現象
が起きた。中にいる人間は、「なぜあいつだけが権力をもつのだ」と嫉妬もする
でしょうし、彼がアジア大会の閉会式で金正恩専用の飛行機で韓国に来て、崔竜
海と金養建(キム・ヤンゴン)という幹部を連れてきた。

 その金養建が話をしたんですが、「黄炳瑞総政治局長の委任によって私は話し
ます」と言ったんです。これは本当はやってはいけないことです。委任ができる
のは首領だけなんです。「金正恩同志の委任によって発言します」と言わなけれ
ばならない。

 金正恩の飛行機に乗ってきて、まず降りてきて、「金正恩同志の配慮に感謝し
ます」と言わなければいけない。しかし黄炳瑞はそれを言わなかった。

 ボディガードを付けてきた。ボディガードも首領以外は付けてはいけないんで
す。それを付けてきた。つまり黄炳瑞は「俺は偉い」と思い始めているというふ
うにも見える。

 しかし、黄炳瑞は今組織指導部にいないわけですから、残っている何人かの第
一副部長をどう見るのかということがあると思います。

◆北が安倍批判をしないのはまだ取りたいものがあるから

 次に、私から今の拉致についてお話します。

 張真晟さんが話した大きな枠組みの中で、先ほど言いましたように、北が困っ
て日本に接近してきたという状況ですが、ではなぜ今延期されているのか。

 今日の議題は、「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」ですが、なぜ遅延し
ているのかという、やや戦術的な情勢分析です。

 一言で言うと、今張真晟さんが言ったことですが、首領独裁体制が動揺するの
を抑えるために国連対策を最優先にしているからです。

 9月に何らかの報告をしようとしていたという情報がたくさんあります。しか
し、9月に出そうとしていた報告は、認定被害者についてもう一度「死亡」とす
る方向で死亡の証拠を出すということだった。最悪の場合は、生きている人を殺
して、「遺骨」にして出すということさえ検討していた。これは分析ではなく、
そういう情報を私は複数入手しています。しかし、それは起きなかった。

 しかし、その案が完全に廃棄されたかどうかは分かりません。それよりも9月
以降、まさに首領独裁体制の根幹を揺るがすようなことが国連で起きた。それを
絶対に止めなければいけないということです。

 北朝鮮人権報告書は大きく2本立てになっています。今までは1本立てだった
んです。つまり、北の国内でひどい人権侵害が行われている。政治犯収容所があ
る。宗教の自由はない。脱北者者が弾圧されている、ということだったんですが、
もう一つ、被害者は北朝鮮住民だけではなく、外国人もいる。世界中で拉致が行
われていることも、これは拉致対策本部のかなりの努力もあって書き込まれた。
この2本柱です。

 彼らはその2本柱にそれぞれ対策を立てた。国内問題については、脱北者者の
人権活動家がみんな嘘つきだ。張真晟も金聖●もみんな嘘つきだ。申東赫も嘘つ
きだ、と。●は王へんに文。

 そして任意の時間に、無主孤魂という言葉があるんですが、あるじのいない孤
独な魂にしてやると、張真晟も金聖●も、今日大変なことがあって来なかった申
東赫も言われています。

 そして肉親を出して、肉親に張真晟や申東赫は嘘をついていると言わせて、そ
れをビデオに撮って、ニューヨークで外交官に見せています。国内の人権問題は
みんな嘘だ、それを言っている脱北者が嘘つきだとやる。

 拉致についてはどうするか。一番拉致問題について厳しく言っている安倍政権
と話がついて、調査委員会で調査をしているということを見せる。だから、10
月に日本の代表を呼んで平壌に行ったら、英語の看板があったわけです。なぜ平
壌に英語の看板があるのか。日本のテレビに映すなら漢字で書けばいい。ニュー
ヨークで見せるためです。

 そして誠実に調査をしていますと、過去の調査に問題があったかのようなふり
までしてやっている。しかし、結果は出さない。

 ここで考えなければいけないのは、首領体制を崩すような人権外交をやってい
るのは安倍政権なんです。だから安倍さんに対し、もっと厳しい悪口が出てこな
ければならない。でもほとんどないんです。日本につていの悪口はいっぱいあり
ますが、過去をきちんと清算していないこと、あるいは拉致問題について「一部
の勢力が拉致を持ち出して」と。悪いのは西岡と荒木だと言ってるのか(笑)。
しかし、安倍晋三は出てこないんです。

 本来なら、金正恩の責任を追及するなら特別調査委員会を止めますよと言って
もいいのに、いっさいそれがない。今の所、そうです。日本批判はしますが、特
別調査委員会とリンケージさせる批判はまだ出てきていません。つまり彼らは、
まだ日本から取りたいものが残っているのです。お金や制裁解除ですね。

 ですから、今遅延しているのは、ある面で国連外交で彼らを追い込んでいる結
果でもあり、彼らが慌てた結果でもあるので、まだ勝負は終わっていないと私は
思っています。以上です(拍手)。

(7につづく)

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