救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝交渉をどう見るか−東京連続集会報告5(2014/11/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.11.14)

■日朝交渉をどう見るか−東京連続集会報告5

◆年内に報告がなければ制裁を

 制裁は、遺骨問題や日本人妻問題でかけていたんじゃないんです。制裁をかけ
ていた理由は、核・ミサイルと拉致です。墓参をさせないということは、それも
非人道的なことですが、日本人妻が日本に帰ってこれないというのも大変非人道
的なことですが、それを理由に制裁をかけていないんです。

 3つの制裁を解除したのは、あくまで、北朝鮮が拉致について再調査すると言っ
たからです。しかし、言ったことについて解除してしまったのは、厳格な意味で
は「行動対行動」ではないと私は思いますが、安倍さんも言っている通り、人道
支援だったら取られて終わりですが、制裁解除はまたかけることができるんです。

 「このままいったら、またかけるというカードを使いますよ」と是非言ってほ
しい。「期限を切って」ということについては、我々はまだ「いつまで」という
ことで表で要求をしていませんが、官房長官も「常識的に考えて年内」とおっしゃっ
ているわけです。

 7月から調査が始まっているわけですから、年内と言うことは半年になるんで
す。1年がめどだとすると、「半年もかかって1回目の通報もできないのであれ
ば、そもそも拉致について口約束で調査をすると言ったけれど、調査をしてない
んじゃないですか」と。「だから拉致に関してかけていた制裁の3つを解除した
ので、それは戻さざるをえませんよ」と言うのは全然無理なことではないと思っ
ています。

 飯塚さんらと相談をして、具体的な期限を書いた申し入れをしたいと思います。
また我々として、今の国連の状況も含め、年内は動かないかもしれないが、1月
に何か仕掛けてくるかもしれないことを想定し、「1月に何も出さなければ、安
倍政権でも日本の世論に抗しきれなくなって制裁を戻す可能性が出てきたんです
よ」ということを示すべきではないかと思っています。

 だから、まだ負けていないと思っています。1回チャンスが来ると思っていま
す。そのために、でき得る限りの情報を整理し、対策本部に集めて、対策本部で
北朝鮮に漏れないようにしっかり管理していただきたい。また我々は民間として、
全員帰ってこない限り解決にはならないという世論を盛り上げていくべきだと思っ
ています。

 以上です。あと、島田さん、惠谷さんにコメントしていただきます(拍手)。

◆幹部が飛ばされる中、金元弘国家安全保衛部長だけが生き残った

惠谷 治(ジャーナリスト)

 まず、国家安全保衛部という秘密警察は、金正日が生きていた時代は金正日自
身が部長をしていました。第一副部長以下が実務を取り仕切っていたんですが、
決断は金正日自身が行っていました。それが権力の一つの力だったわけです。

 これは未確認情報ですが、韓国の情報部が言っていますが、今の三代目、金正
恩も、ある時期国家安全保衛部の副部長を経験していたということです。

 それともう一つ、国家安全保衛部に権力があるというのは、秘密警察というこ
ともありますが、例えば人民保安部という一般警察、また人民軍の主要部署の現
在の幹部は、すべて金正恩が人事で変えた人間です。

 現在の国家安全保衛部の部長は、金正恩が登場した直後に金元弘(キム・ウォ
ンホン)という男が部長になりました。金正日が部長だった後を継いだ男が今日
までずっと部長を続けています。これはとんでもなく異例の事態です。

西岡 彼はその前は、軍の保衛司令官でしたね。軍の憲兵隊の隊長が、政治警察
の空席だった部長になった。それは、張成沢(チャン・ソンテク)が健在な時の、
金正恩政権発足の時の4月の最高人民会議の時ですね。それ以降、一般警察や軍
の幹部はみんな飛ばされました。残っているのが金元弘だけということですね。

惠谷 そうです。国家安全保衛部というのは他の部署とは違って、組織をひっく
り返されていない。ある意味で権威、権力を保ってきた部署ということです。

◆普通は副部長は中将

 西岡さんが説明されましたが、特別調査委員会の委員長が少将ということにつ
いて改めてお話します。北朝鮮の階級はソ連の影響を受けています。中国もそう
ですが、尉官、佐官、将官がすべて4階級です。

 トップは四つ星でフォースター、北朝鮮では将官は大星1つとか大星2つとい
う言い方をします。少将で大星1つというのが、今回の徐大河の階級です。

 他方、国家安全保衛部や北朝鮮の他の組織というのは、部長、第一副部長、副
部長があり、その下が局長、副局長です。日本とは逆になります。そして先ほど
の実力者、金元弘は国家安全保衛部でただ一人の大将、フォースターです。

 スリースターが第一副部長、ツースターが通常は副部長となります。ワンスター
となれば局長です。しかし、北朝鮮にはまた特殊なことがあり、第一副部長と部
長の間に政治局長がいます。西岡さんは脱北者者から政治部長と聞いていますが、
部長というのは師団などの部隊では部長ですが、国家安全保衛部では政治部長と
言っています。最近変わったかも分かりませんが。

 いずれにしても、部長のナンバー2は政治局長なあるいは政治部長なんです。
肩書は上将、スリースターです。第一副部長も基本的に上将、スリースターです
が、場合によってはツースター。そして副部長となるとツースター、中将。今回
の徐大河は副部長と言われていますから、本来中将であるべきですが、できが悪
くて少将という可能性も否定できません。

 従って副部長というのが偽りなのかどうかは分かりませんが、通常の階級の状
況ではないことは確かです。今後階級がニュースになるかもわかりません。

 先ほど増元さんが、少将は1448人と言われましたが、少将はたくさんいま
す。ラジオプレスの発表は就任順に並べているだけで、実力の序列ではありませ
ん。

 副委員長にパク・ヨンシクという男が大佐の階級で登場しました。また、7月
に金正恩の随行員でパク・ヨンシクというのが初登場しました。しかも中将、ツー
スター。北朝鮮の発表はハングルだけで漢字は分かりませんから、金正恩に随行
するなら話ができる立場にあることになります。この男が副委員長であれば、こ
れはうまく行くのではないかと本当に期待しました。

 ご存じのように北朝鮮では委員長というのは顔マダム(お飾り)であって、副
委員長に実力者が座るというのがだいたいの形です。その意味で、当時はパク・
ヨンシクが中将で出てきたから、委員長は大将だろうと思っていました。そして
パク・ヨンシクは5回くらい金正恩に随行しています。

 随行者は実力者ですから、そういう男がこの委員会にいるのであれば何か動く
だろうと期待していたんですが、今回映像で見たパク・ヨンシクは奥にいて、緑
の肩章を付けており、別人だったので本当にがっかりしました。こりゃあ、もう
だめだ、期待できないと。以上です(拍手)。

◆金正恩を国際刑事裁判所に訴追の趣旨説明の日に日朝協議

島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)

 西岡さん、増元さんが強調されたように、今国連で北朝鮮による人権蹂躙を国
際刑事裁判所に付託し、人権侵害の最高責任者を特定するという決議案が審議中
です。

 数週間前、国連の調査委員長で、この問題に関わったカービーさんという元委
員長が証言台に立って、北朝鮮側が詳細に反論してくる。それに対してカービー
さんが一つひとつ徹底した反論をして、それが欧米のメディアにかなり取り上げ
られました。そしてその映像がユーチューブで流れており、見ている人が多い。

 こういう状態が続いていること自体が北朝鮮にとっては大きな打撃であって、
実際に決議案が通るかどうかは別にして、早く終わらせたい。

 ポイントはこの決議案はEUと日本の共同提案でアメリカは入っていません。
なぜかというと、国際司法裁判所は終戦直後からずっとある機関で、両当事者が
参加しないと審議が始められないものです。ところが、国際刑事裁判所は比較的
最近できたのですが、原告がとんでもない人権侵害を受けたと言えば、裁判所の
判断で司法手続きが始まっちゃう。

 従ってアメリカは、米兵が世界中に展開していますから、虐殺に関与したとか、
その親玉はブッシュだとか、ラムズフェルド、あるいはキシンジャーだとして、
実際に彼らを訴えようという動きがあります。だからアメリカは、国際刑事裁判
所に関わる条約を批准していない。特に共和党議員が反対です。今回上院でも共
和党が多数になりました。

 そしてアメリカは国際刑事裁判所が入っている決議案には基本的に冷ややかで
す。ということで、提案者のEUと日本のやる気及び信頼性がどのくらい継続す
るかがポイントになります。その点、この10月28日には、ダルスマン特別報
告者が趣旨説明をやっています。

 同じ日に、日本の代表団を平壌に呼んでいるわけです。そしてメディアには、
特別調査委員会の金色の看板を見せる。ご丁寧に、スペシャル・インベスティゲー
ション・コミッティと英語で書いてある。北朝鮮でそんな英語での表記がある筈
がないのにです。まさに、世界中にそれを流させて、「歴史的に色々な問題があ
る日本との間ですら北朝鮮は真剣に人権問題に取り組んでいます」ということを
アピールする。

◆リストを出せという交渉にマスコミを連れていくとは

 しかも、国家安全保衛部の副部長と称する徐大河なる男が本物かどうか分かり
ませんが、いかにも田舎のおっさんくさい男でした。国家安全保衛部というのは
ナチスでいうとユダヤ人大虐殺をやったSS、あるいはそこから派生したゲシュタ
ポという政治警察があります。

 従って、こういう男と握手するというのは、SSのトップで大虐殺をしながら動
物愛護運動のトップもつとめたハインリッヒ・ヒムラー、こんな奴と握手して、
そして伊原さんは「お会いできて嬉しいです」とカメラの前で言ってしまいまし
た。

 誰に握手したかというと、実行部隊の副部長だと自分て言っている人にそんな
ことを言ったら、「一体日本はどうなっているのか」、「大虐殺の実行部隊長と
握手して嬉しいと言っている人が、国連で北朝鮮人権問題を提起しても誰が相手
にするのか」ということになる。まさに日本の信頼性が突き崩されるのです。

 さらに問題だと思うのは、国連決議案の共同提案者であるEUの人は、国連の場
で結構主張していますが、日本からの発信がピタッと切れています。これはどう
も、北朝鮮との協議が進んでいるから国連での非難決議については、ちょっと黙っ
ておこうという態度を日本が取りつつあるのではないか。まさに北朝鮮の思うつ
ぼで、とんでもない話です。

 それから増元さんが言われたような、武貞先生とか小此木さんとかは、「北朝
鮮に政府代表団を送らなかったら交渉が切れてしまう」と。まさに彼らは北朝鮮
に行って、そう言われてきたんでしょう。「政府代表団を送らなかったら切れて
しまいますよ」と。

 もし北朝鮮側がそういうことを言ったとしたら、それこそまさに、「これは罠
だな」と考えなければいけない。現に、第1次小泉訪朝の場合、田中均氏が北朝
鮮と交渉をやっていましたが、完全に秘密でやったわけです。

 あるいは横田夫妻が孫のウンギョンさんとモンゴルで会いましたけれど、誰も
分からず、全く水面下で実質的な話を進めていたのです。だから本当に実質的な
話をする時には、実際に拉致被害者がどうなっているのか、リストを出せという
ような時は、北朝鮮側の方から「秘密でやろう」、「メディアなんか絶対連れて
くるな」と言うはずです。

 ところが政府代表団に、「連れてきてくれ」と、産経新聞まで「連れてきてく
れ」(笑)ということは、これは明らかに宣伝戦をやろうというのが見え見えな
猿芝居です。それにまんまとひっかかった。

 増元さんは「ピエロだ」とおっしゃいましたが、ピエロというのはアホな振り
をしながら、次の舞台までをしっかり作っていくという立派な芸人なんです(笑)。
日本の場合は、完全に猿芝居の猿扱いにされて、何をしてたのかなという感じで
す。

◆追加制裁はまだまだできる

 制裁に関しては、解除したものを元に戻すというだけでなく、追加制裁の余地
はないという人もいますが、そんなことはありません。例えば、送金の禁止。今
は送金を報告すればよく、送金自体を禁止したことはありません。

 それから北朝鮮船舶が入港する時に、第三国の船で北朝鮮に寄った船も法律上
止められるのに止めてない。あるいは、総連の人の再入国禁止は副委員長クラス
だったのを解除したわけですが、もっと下の人まで再入国禁止にすることができ
る。

 政府の中では、少なくとも上位30人くらいは再入国禁止にできる、裁判をやっ
ても負けないと言っていた人もいました。あるいは法執行制裁を強化するとか色
々追加制裁のやり方があるので、そういうものをカードにしながら、本当の意味
での「行動対行動」をやるべきだと思っています(拍手)。

西岡 カービー委員長は本気なんですね。もう委員長の任期は終わったわけです。
それなのに、拉致対策本部が9月に、ジュネーブの国連本部の建物の中で、日本
政府主催の拉致のシンポジウムをやったんです。

 そこに、たった10分くらいの発言時間だったと思いましたが、オーストラリ
アから来てくれて、今でも覚えていますが、カービーさん、そしてマルヅキさん
は、最後の質疑応答に質問がないので、「私たちはちゃんと報告書を作った。こ
れをどうやって実現するんですか。外交官の皆さんに問いたい」と言っていまし
た。

 それでこの前東京に来て、横田さんたちと会った後、今ニューヨークに行って
活動している。本当に北朝鮮の人権侵害はひどいと思ったんです。オーストラリ
アの裁判官の方ですが、何も知らなかったから、ナチス・ドイツと同じだと本当
に思っているんです。そして人類として許してはいけない、と。何の利害関係も
ないけども言っているんです。

 われわれはあまりにも北はそういう国だと思っているので、新鮮さがなくなっ
ているのかなあと、ソウルで趙甲済(チョー・ガプチェ)さんと話をしたんです
が、普遍的価値観に立つそういう人たちに知らせる努力をもっとした方がいい、
カービーさんみたいな人が生まれるんだなあと思いました。

 これは事実の力が強いわけです。北朝鮮が言っていることは、「カービーさん
は同性愛者だ」と。彼は自分でもそう言っているんですが、そのことは彼の報告
書に何の影響もない。そして、「オバマ大統領はサド」と言っている。差別反対
と言っている左翼の労働党が今そういうことを言っているわけです。

 そういうことしかできなくなるくらい追い込まれていることは確かですので、
国際連携と制裁の圧力で彼らを交渉の場に引き出すということを我々はずっと言っ
てきましたし、運動方針に掲げてきたんですが、それはうまくいっていると思い
ます。

 戦術的なところでは、島田さんが猿芝居と言ったように色々ありますが、大枠
としてはうまくいっていると思います。戦術面では私も不満はありますが、国際
連携と制裁の圧力で彼らを交渉の場に引き出すということはできています。

 但し、絶対嘘をついてくる。私の方が金正恩よりよく知っています。だから、
そこをどうするかという勝負だと思っていますが、いよいよ本当に正念場が来た
と思います。

 主要な被害者は生きているというほぼ確実な情報がありますので、その人たち
があきらめないように頑張ってもらいたいと思います。病気の人もいるようです
が、その病気が悪化しないように。

 今年になってから管理が厳しくなっているようです。それは向こうが情報が洩
れたら困ると思っているからです。まだ絶対に勝ち目はあると私は思っています。
皆さんと一緒に頑張りたいと思います。ありがとうございました(拍手)。

◆12/12国際セミナー

平田隆太郎(救う会事務局長)

 12月12日(金)、午後2時から5時まで、参議院議員会館1階講堂で、国
際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」を、家族会・救う会・拉致
議連主催で開催します。北朝鮮が殺してやると予告した一人と張真晟さん(統一
戦線部元幹部)が「北朝鮮の内部が今どうなっているのか」について話をしてく
れ、西岡さんが「拉致問題の現状」を話して討論することや、どうやって助けら
れるかの討論などです。奮ってご参加ください。

以上



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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

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