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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝交渉をどう見るか−東京 連続集会報告4(2014/11/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.11.13)

■日朝交渉をどう見るか−東京連続集会報告4

◆北朝鮮、「国連決議の中から金正恩の名前だけ抜いてくれ」

 もう一つ。水面下での交渉で、拉致被害者についての情報を出した場合、見返
りに何をくれるのかということで様々なやり取りがあるかに聞こえてきますが、
その場合、その見返りをより高くするために日本を焦らせる。だから時間稼ぎを
しているのかもしれない。

 生きている人を殺すという案がなくなって、何らかの拉致に関する情報を出す
からには最大限見返りを取りたい。そのために、日本側は国連の安保理事会の制
裁以上の独自制裁部分で取引をしようとしているわけですが、取れるものを最大
限にしたいということの中で、日本を焦らせて時間稼ぎをしているのではないか、
という分析をしていました。

 しかし、ソウルに行って、一つの話を聞きました。それは、増元さんも触れま
したが、北朝鮮が国連の人権決議について大変ナーバスになっているということ
です。古森義久さんもどこかに書いていましたが、北朝鮮の人権状況非難決議は
もう10年くらいずっと国連でなされているんです。しかし、今回だけ北朝鮮は反
論をしてきた。

 その理由は、金正恩が国際刑事裁判所に訴えられるかもしれないということで、
それを「すべての外交力量を使って防げ」という命令が出ているんだそうです。
田中均さんが小泉政権の時にやった第1次日朝交渉の相手である姜錫柱(カン・
ソクチュ)という当時外務副大臣、現国際担当党書記がヨーロッパに出ていって
交渉した。

 裏で情報収集すると、「とにかく国連決議の中から金正恩の名前だけ抜いてく
れ。そしたら何でもする」という交渉をしたようです。そして北の外務大臣がニュー
ヨークに現れて、今度はニューヨークで国連関係者に交渉をした。それもとにか
く名前を抜いてくれと。

 そしてマルヅキさんという国連が毎年任命している北朝鮮人権特別報告者に対
する入国を許可した。今までは人権状況調査のためにマルヅキさんが北に入りた
いと言っても拒否してきたんです。その条件として名前を抜いてくれと。

 マルヅキさんは、「政治犯収容所に入れるならいい」、「条件付きで入るのは
だめ」というような色々な条件を出して今入国しないでいますが、ものすごく必
死で名前を抜いてくれという交渉をしている。

◆北朝鮮、「脱北者者はみな嘘つき」キャンぺ−ン

 一方、これは日本でほとんど報道されてないんですが、北朝鮮が、外交努力と
併行して政治犯収容所などの状況を証言している脱北者者はみな嘘つきだ。その
人たちを任意の時間に殺すという脅しのキャンペーンを張りました。

 「わが民族同志」(ウリミンジョクキリ)という北朝鮮がやっているサイトに
動画を掲載しています。そこに申東赫(シン・ドンヒョク)さんのお父さんが出
てきました。お母さんは頃さんですが、後妻の義理のお母さんも出てきた。

 そして、「申東赫は政治犯収容所で生まれたんじゃない」という話をしていま
す。お母さんとお兄さんが殺されたのも、「強盗殺人事件をして処罰されて殺さ
れただけだ」と。申東赫も「10代の女性をレイプして逃げたんだ」と。そうい
うことを実のお父さんや義理のお母さん、昔の友人たちを出させてやっている。

 申東赫の次は趙明哲(チョ・ミョンチョル)。脱北者者の中で唯一国会議員に
なった人です。その弟が出てきて、「兄貴が今活動しているために我が家は大変
なことになっている。両親が大変心配している」ということを言っています。弟
さんは多分本物です。

 「嘘つきの脱北者者」として最初に顔がたくさん出るんですが、姜哲煥(カン
・チョルファン)、金聖?(キム・ソンミン)、張真晟(チャン・ジンソン)、
申東赫と私の友達ばかりが出ています。そういう人たちは24時間警護がついて
います。「脱北者者は嘘つきだ」と言っている。

 そして、日本に関しては、国連でのロビーイングの中で、「拉致は解決済みだ
けれども、日本が色々言ってきたので再調査したんだ」と言っています。そして
再調査で誠実なところを見せるために、平壌で特別調査委員会を見せた。しかし
回答はしないということをやった。

 だから、何らかの案があったけれども、それを今は出さない。国連でのロビー
イングが最優先。日本を引きつけておいて、拉致についても肯定的な反応が出る
かもしれないと思わせぶりなことは言うが、具体的なことは出さないで、拉致問
題については真面目に取り組んでいる、政治犯収容所は嘘だと言って、COI
(国連調査委員会)の報告書を攻撃して金正恩の名前を外そうとしている。

 「そのために延期になった」ということを北朝鮮内部から得たという人から話
を聞きました。

◆12月の国連総会、安保理事会までは調査報告を出さない

 向こうも困って、何か準備しているわけです。拉致がゼロ回答で、彼らがほし
いものが取れるとは思っていないと思います。そこまで日本の世論について分かっ
ていないとは思えません。だからこそ、生きている人を殺して、という案を真剣
に検討したわけです。

 今後の見通しですが、国連総会の決議がどうなるか、それが動くまでは具体的
な進展はないと思います。国連が決議した後、安保理事会が国連の決議にどう反
応するのか。ロシアに安保理事会で金正恩が、人権問題で国際刑事裁判所を動か
すようなことになったら拒否権を使ってくれと頼んでいるという報道が今朝あり
ました。中国は信用できないからロシアに頼みにいっている。

 すべてできる限りのことをやってそれを防げと言っている、ということでした。
それで、私はちょっと解せないんです。国連で刑事告発されても強制力はないわ
けです。ただお話しなんです。国連の部隊が逮捕しにいくわけではない。無視し
ておけばいいのになぜそういうことをやるんですかと脱北者者の人に聞いたら、
「それは西岡先生、北のことが分かっていない」と言われました。

 「労働新聞を見てください。毎日のように、赤道ギニア共和国から花輪が届い
たとか、どこどこ共和国の元首から祝電が届いたとかを毎日出して、我が国の指
導者は世界中から尊敬されていると北では教えている。ところが、国連で刑事告
発されたことを、脱北者者が風船にビラをつけてまいたり、ラジオで言われたり
したら口コミで広がってしまう。それは政権にとって非常にダメージなんですよ」
と言っていました。そういうことかと思いました。

 また、風船を飛ばしたら風船を銃撃しています。それも外部の情報がはいるこ
とについて大変気にしているということです。「では、何を一番気にしているだ
ろうか」と聞いたら、これは金正恩の奥さんの李雪主(リ・ソルジュ)のセック
ス・スキャンダルをビラでまかれることだそうです。

 「銀河水(ウナス)楽団に彼女がいた時、セックス・スキャンダルがあった。
ポルノビデオを撮影した」とかいう話ですが、とにかく銀河水楽団の何人かは粛
清されて殺されたのは間違いなく、何かがあったことは間違いないです。

 また、彼女もそういうことをして、別の男と関係があったのだということをビ
ラにしてまいていて、金正恩がそれを知って「絶対やめさせろ」と言ったんだそ
うです。それで銃撃まで今起きている、と。

 自分を守ることを国家の利益に優先しているんですよね、あの男は。そういう
ことで短期的に政策がころころと変わるので読みにくいことはありますが、今の
最重要課題は、「人権侵害などしていない」、「責任者は金正恩ではない」とい
うことを国際社会に言うことになっているので、12月の国連の総会、そして安
保理での議論までは、「調査はしています」、「過去にこだわりません」、「辛
光洙(シン・ガンス)や金世鎬(キムセホ)にも聞き取りをします」とまで北は
言ったと報道されていますが、口では言うでしょう。しかし、具体的なことは出
さないだろうと思います。

◆1回目は嘘の報告をしてくる、その次が勝負

 国連の結果がどうなるかによって、また次がどうなるか決まるでしょうが、早
ければ1月くらいに何かを出してくる可能性はあります。私は7月の特別調査委
員会が始まった時、あるいは5月のストックホルム合意の時から、1回何か出し
てくるだろう、そして多分それは嘘だろうと思っていました。

 その1回出してくることを嘘だと見破ることができたら次に行ける。但し、そ
の嘘の証拠として、生きている人を殺して遺骨にするということをされたら、も
うすべて終わりなので、そのことだけを抑止して、彼らが1回出してくる嘘をど
うやって打ち破るのか。

 彼らは困って、日本からの送金をさせて、このままいったら倒れてしまう朝鮮
総連を何とかしたいと思って接近してきたことは間違いないので、それについて
彼らはまだ一息ついていませんから1回勝負をかけてくると思います。

 そういう観点から今回外務省が作ったペーパーを見ると、「北朝鮮側の説明概
要」の所で、「証人や物証を重視した客観的・科学的な調査を行」うと言ってい
ます。この「物証」というのが大変気にかかります。死亡の物証を出そうとも読
み取れるような表現です。また、「客観的・科学的」というと、DNAのような
ことを考えているのかなあとも読めるんです。

 そして、今初期段階で具体的なことを出せない理由として、「客観的で明白な
新たな資料を発見できていないからだ」と北が言ったというんですが、発見では
なく、まだ作っていないからということなのか。

 こちらの手の内は全部向こうに分かっているわけです。北朝鮮が前回説明した
ことについてどこがおかしいということは全部公開しています。

 死亡診断書がどうおかしいとか、患者死亡台帳がどうおかしいとか、当時市川
さんが海水浴に行ったという日は台風がきていて寒かったとか、おかしいことは
全部公開していますから、おかしくないような理屈を作ってくるかもしれない。
向こうはそれだけ準備をしますからね。

 それに対して勝負をどれだけかけられるか。これは、拉致問題対策本部が20
06年にできて、情報収集をしているわけです。何を収集したかは言わないと三
谷前事務局長が言っていましたが、また言わなくていいと思いますが、勝負の時
にそれを使ってもらいたい。

 具体的に誰がどこにいるのかということを政府はつかんでいるのか。つかんで
いれば殺される心配はないんですね。「殺したら分かりますよ。なぜなら私たち
は誰がどこにいるか分かっていますよ」と。別に遺骨の死亡時期を確定しなくたっ
ていいわけです。

◆まだチャンスはある

 実は、状況は我々にとって有利になっています。2008年以降、北朝鮮は相
当腐敗が激しくなって、情報を売りに来る人たちがたくさんいるわけです。私の
ところにさえ、複数の筋で確認できる生存情報が今もあります。そして私は、ジャー
ナリストではなく運動家ですから、また情報を取る職業の人間でもないので、取っ
たものについては政府に一方的に情報を見てもらっています。

 本来なら、情報対情報で、私の情報に対して政府の情報を見せてくれと言いた
いところですが、そうじゃなくて、対策本部に日本中の情報が集まって、それが
安倍さんのところにいって、北が次に何か出してきた時に、「おかしい」と瞬間
的に言えるかどうかが勝負だと思っています。

 絶対に、みんなをすぐに返すということを、彼らはするはずがないです。苦し
くならない限り交渉に応じてこない。交渉に応じたら嘘をつくというのが彼らの
これまでの態度です。

 しかし、前段は今は成功した。そして次の嘘をどう破ることができるか。その
場合に、生きている人を殺させることをやめさせることさえできていれば、1回
は勝負できる。

 つまり、向こうも今困っている可能性があるわけです。生きている人を殺せな
いでいるということは、別の案をどうするかということで、まだ最終決断がされ
てないのだと思います。

◆認定被害者12人について報告せざるをえなくなった

 山谷大臣がテレビで発言されているのを、私はソウルにいたから読めませんで
したが、次の日に新聞で読みました。「これは外交交渉ではない。犯罪者との交
渉だ。全員取り戻さなければいけないんだ。妥協するとかそういうことではない」
と。

 この集会で誰かがよくしゃべっていた言葉だなあと聞いたんですが、大臣がそ
ういう姿勢であるということは、私は大変心強いと思っています。まだ負けてな
い。1回チャンスはあると思っています。

 ストックホルム合意も、今回の枠組みも危ないことだらけですが、1つだけ評
価できることがあります。それは、4つの分科会ができて、第1分科会と第2分
科会が分けられたことです。

 第1分科会は(政府認定の)12人を対象にすると言った。拉致被害者を対象
にすると言って、第1と第2が一緒になると、「800人についてやっています
けどまだ時間がかかります」とか、色々言われるかもしれない。しかし、「12
人を対象にして何らかの結果を出す」と言ったんです。

 1回12人について出してくるんです。一度「死亡」とか「未入境」と言った
人について彼らの言う「客観的・科学的な物証と証人」が出てくるんです。その
時が勝負だと思います。繰り返しになりますが、そこでは必ず嘘をつくと思って
います。

 でも、嘘をつかせるところまで来たという点では、半歩くらい上がっていて、
日本の世論を見ていると思いますから、「これ以上時間稼ぎをしたら逆になりま
すよ。日本人は怒っていて、日本の側から、この枠組みからおりるかもしれませ
んよ」と。

 一部野党の中には、この枠組みは白紙に戻すべきだという意見も出ています。
次世代の党はそういう方針を出しています。中山恭子先生は、「一度白紙に戻し
た方がいい」と言っています。

 我々は、代表が平壌に行く前に申し入れをしましたが、そこでは、「期限を切っ
て1回目の報告をいつまでにしろと北に迫ってほしい」、「拉致問題について調
査をすると言ったから制裁を3つ解除したのに、何もしてないのであれば制裁を
元に戻してほしい」ということをしました。

 「行動対行動」で、拉致以外のことが進んでいるから日本は何かしなければな
らないという議論に巻き込まれてはならないと思います。

(5につづく)


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