救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の再調査結果、予想される問題点5(2014/09/05)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.09.05)

■北朝鮮の再調査結果、予想される問題点5

◆被害者を犯人の所に戻すなんてありえない

西岡 これまでの議論を踏まえて、今後の展開、そして注意すべきことで問題提
起したいんですが、私が予想するのは9月のある時期に第1回目の通告があるで
しょう。今の状況だと、もしかしたら拉致問題についてはゼロ回答かもしれない。

 「真剣に調査を続けています」というような回答、あるいは新たな死亡診断書
は出てきて、生きている人は出てこないかもしれない。もしかしたら、秘密をあ
まり知らない人、「自分は北朝鮮に住みたいと言っている人がいます」というよ
うな人が出てくるかもしれない。

 さらには、4つの分科会の内の、残留日本人孤児で、「北朝鮮に助けられて感
謝している」という人が出てきたり。それを平壌に行ったテレビが大々的に報道
するというようなことが起きる可能性があると思います。

 すぐに全員帰ってくれば一番いんですが、準備と言うのは最悪を考えてしてお
かねばならないので申し上げるんですが、その場合にポイントは1つです。見返
りをいつ与えるかです。

 彼らは困って日本に接近してきたんです。当面ほしいものは制裁の解除と人道
支援、それから遺骨を日本に提供することで得られる外貨です。中期的には国交
正常化のお金ですが、朝鮮総連が崩壊直前になって困っているわけです。

 それも2006年以降、政府の方針で「厳格な法執行」が入って、本当に困っ
ているのは間違いありません。中央本部の問題は氷山の一角で、彼らの不法行為
を取り締まったことによって朝鮮総連は崩壊直前になっている。これは第1次安
倍政権からやってきたことです。

 12万5千トンの人道支援の約束は残っています。いつカードを切るのか。2
つの意見に分かれると思います。

 北朝鮮が少なくとも席を立たない、「拉致問題は解決済み」と言わなくなった、
「調査を続けている」と言っている、他の問題で破格に人道的になっている、こ
のパイプを切るべきじゃない、彼らが小出しに譲歩したらこちらも小出しに譲歩
すべきだということで合意を守らなければならない、とかです。

 そういうことをして、全員帰ってくるという保証がないのに、なし崩しに制裁
を緩める、人道支援を始めるということをしようという動きが出てくると思いま
す。その時が勝負だと思います。全員ということについては絶対に譲歩できない
んだと。

 国民の頭の中に、外交交渉で平壌やスウェーデンとか北京で向こう側が同じ人
数で座って交渉しているから交渉しているみたいに見えるんですが、犯人が人質
をとって立て籠もっており、人質を取り戻すということだけのために今交渉して
いるんだと、そのために制裁をかけているんだと、国際的な圧力を強めているん
だと、これは全員を安全に取り戻すためだけに使うんだという風に国民が思える
のかです。

 (2002年の)外交交渉で田中局長が、5人の被害者を一度日本に戻して、
また北朝鮮に戻すと約束した。「この約束を守らないとパイプが切れてしまいま
す」と田中局長が言ったと報道されていますが、そういう論理に対して、犯人と
被害者の関係で、被害者を犯人の所に戻すなんてありえないじゃないかという考
え方との戦いになるのではないか。

 政府の中にいて、外交交渉じゃないということをずっと主張されてきた中山先
生が今の状況を大変心配しながら見ているということを、私たちは覚えておかな
ければならいことだと思っています(拍手)。

◆国交正常化よりも被害者救出

中山 政府の中にも、心ある人もいますし、もちろん私たちは安倍総理を信じて
います。ただ、違う考えに基づいて、悪いことをしているという意識が全然なく、
日本のために頑張っているんだという意識で、拉致被害者の救済はちょっと置い
といて、他のことを中心にやることが日本のためにいいんだという考えの方々が
主流にいるということも分かった上で、本来国家は国民を守るんです。

 国際社会の中で動いていても、被害者を放置したままで国交正常化するのは恥
ずかしいことなんだということを認識した上で、日本という国が、政府が被害者
を救済する。これは国際社会でも当然のことだという認識のもとで動いてもらえ
るように、私たちも必死で訴えていきますが、日本の最も強い点はやはり世論な
んですね。

 マスコミの方々を含めて、この問題を真剣に考えて、みんなで考えて、はやり
被害者を放置したままズルズルといってはだめだ、そんなことをするのはおかし
いということを、みんなで強く訴えるということが被害者の救済につながってい
く、これしかないかもしれないんです。

 それで間違ってないと私は思っているんです。国交正常化を先にすすめるのが
国の仕事だとは思っておりません。被害者を救出することが最重要課題だ(拍手)
と考えておりまして、みなさまも是非お力をお貸しいただきたいと思っています。

◆政府方針は「一括解決」で交渉中

西岡 ひと月くらい前、ある席で、古屋大臣にお会いし、安倍総理とも相談した
上で、安倍政権として決めている今回の局長級協議に対する方針が3つあると聞
きました。

 第1の方針は、色々な課題があるけれども拉致問題が最優先であること、第2
の方針は、被害者の安全を確保すること、この2つについては井原局長も色々な
ところでお話ししているんですが、「3つめがあるんですよ。あまりそのことを
表では言わなかったんですが、西岡先生、これからは言ってもいいですよ」とおっ
しゃったので話し始めたんですが、3つ目は拉致問題の一括解決だそうです。

 つまり、何人かを小出しにするのはだめですよ、生きている人を、全員、いっ
ぺんに出してくださいということを言うようにと総理から局長に話が出ています、
と。但し、そういうことが出ていることをあまり表に出さなかったわけですが、
本来なら我々が一番望むことですから若干のクエスチョンマークがつきます。

 しかし、そういう方針が出ていると大臣がおっしゃいましたので間違いないこ
とだと思います。安倍総理はそのお気持ちだと思います。

 7月初めに特別調査委員会が稼働して、日本側は制裁を一部解いて、調査が始
まった。その時までは北朝鮮は大変機動的に動いていたんです。朝鮮中央通信が
報道したりやっていましたし、日本側も平壌に代表団を派遣してそれを見ると言っ
ていましたが、それが今止まっています。

 そして私のところに、北朝鮮側は、安倍総理がハードルを上げたと言っている、
という情報が入ってきました。そして(報告されるのは)8月の末から9月の初
めじゃないかと言われていましたが、8月末はなくなりました。報道によると、
今日安倍総理が訪朝するとの予測記事まで出たんですが、9月の1週目もなくな
りました。今は2週目の終わりとなっています。

 どんどん後ろに行っているのは、2週目に決まったということではなく、3週
眼という観測まで出ています。「一括だ」ということで、水面下の交渉で頑張っ
ているのではないか。向こうがそれに対してどうカードを切るか態度を決めかね
ているとすれば、是非「一括」で貫いてほしい。

 「何人出てくるでしょうか」とよく聞かれるんですが、私はそれは問題じゃな
いと言っています。「こちらがハードルを下げたらおしまいだ」と。こちらは絶
対にハードルを下げないことを相手に知らせて、何人か出しても見返りはない。
でも交渉が始まった以上、見返りを取らざるをえないと実務者は思っているわけ
ですから、今こちらが強いんです。

 拉致は解決済みだということを崩して、再調査まで向こうが降りてきたんです
から、金正恩がそれで決裁したということは何かとれると部下から報告を受けて
いるわけです。

 今ほとんどといってない。この段階で席を立ったら担当者は、「お前なぜ嘘を
ついたんだ」と言われるわけです。困っているのは向こうで、向こうに同情して
合意文書を守る必要なんかまったくないのです。

◆話題になって救出されない場合の絶望の深さ

西岡 そもそも、めぐみさんは帰ってこれないとか、名前の分かっていないある
人は帰ってこれないということでいいと言えるのか。曽我ひとみさんは、金丸訪
朝の時に、「テレビで見て、私のことが議題になっていると思って待っていまし
た」と言っていました。

 その時、残念ながら日本の警察は曽我さんが拉致被害者だということが分かっ
ていなかった。分かっている人についても金丸さんは出さなかった。その絶望が
どんなものなのか。

 そういう人が、今回の交渉の結果一人でもいて解決といえるのか。曽我さんは
金丸訪朝の時にテレビのニュースで見て知ったというんですが、今回は特別委員
会を作るということを北朝鮮はニュースでやったんです。この情報を知ったこと
が処罰の対象にならないんです。

 めぐみさんや、八重子さん、るみ子さんたちは、今晩も月や星を見ながら、
「いつ帰れるんだろうか、12年前の交渉では私たちは死んだと言われて死んだ
というままになってしまうのか」と思っているでしょうし、「まだ私は名簿にも
入っていないらしい。北朝鮮に私がいるということさえ分からないまま死んでい
くのか」と思っている人が絶対いるんです。

 そういう人のことをいつも頭に置いて交渉してほしい。世論を我々も盛り上げ
ていかなければならない。拉致問題とか日朝関係とか言うと、なんか外交問題で
ロシアがどうしたとか分析が出てきますが、その根本には北朝鮮の地で、帰りた
いと言ったら殺されるくらい緊張感を持ちながら30年以上暮らしている人がい
るということを、是非みなさんと一緒に確認したいと思います。

◆拉致被害者以外の帰国だけでは

中山 私たちは今の安倍政権に期待しています。安倍さんが、「めぐみちゃんを
横田ご夫妻が抱きしめるまで自分の使命は終わらない」とおっしゃっている。ま
さに安倍総理の気持ちの気持ちは私たちは痛いほど分かっておりますが、それが
実現される方向で進んでいてほしいと思いますけれど、ほっておくと、私たちが
しっかりと今の政府の動きを見ていないと、なんだか違う方向に動いていってし
まうということも、みなさんと一緒に考えたいと思います。努力してくれてるは
ずだとは思いますが。

 もう一つちょっと心配なのは、拉致被害者以外の方々がどっと帰ってくる。日
本人だという人たちが。もちろんこれも大変嬉しいことですから、全国で喜びの
声が上がると思います。メディアも非常ににぎやかになると思いますが、その中
に拉致被害者が含まれているのかどうかです。

 含まれていないとしたら、これでは終わらないという声を全国各地であげてい
く必要があると思いますので、そのこともしっかり見極めをしていただけたらと
思っています(拍手)。

西岡 月に1回こういう集会をやっていますが、毎月これだけの人たちがこうやっ
て心配してくださって、ずっとやってきましたが、いよいよ正念場を迎えたので、
また時々お呼びしますので、一緒に考えて、どうすればいいのか知恵をしぼりな
がら進んでいきたいと思います。

 お手元にちらしがありますが、9月13日(土)2時から、ちょうど渦中です
が、どうなっているのか。もしかしたら局長級協議が行われた後かもしれない。
日比谷公会堂で今年2回目の国民大集会を行います。安倍総理も来て下さる予定
だときいています。拉致議連、各党の代表も来て、家族の方たち、特定失踪者の
家族の方たち、知事の会、地方議員の会がみんな集まって、その状況を見て知恵
をしぼって発信していきたいと思います。

 是非みなさんも関係者を誘って日比谷公会堂を埋めていただきたいと思ってい
ます。私と中山先生の対談はここまでにして、家族会の方々のコメントをいただ
きたいと思います(拍手)。

(6につづく)



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/04/19
家族会・救う会が米国国連大使と面会
2024/04/15
日本維新の会が政府に「拉致問題に関する発出文書」提出
2024/04/12
国連総会が北朝鮮の人権侵害非難を決議
2024/03/18
家族会・救う会の新運動方針について4
2024/03/15
家族会・救う会の新運動方針について3

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■