国際セミナー6(2025/12/24)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.12.24-2)
◆朝鮮の内部崩壊が本当に始まっている
久保田るり子(國學院大学客員教授)
今日は2つのお話をしたいと思います。西岡先生にお話したことなんですけれ
ども、1つはですね北朝鮮の内部崩壊が本当に始まっているということです。こ
れを我々は注視しています。
中朝国境は鴨緑江と豆満江です。1300キロもあります。そして脱北者の方々が
ほとんど出られない状態です。また、川の北側は500メートルにわたって全部草
が張り取られていて、人が入るとすぐ分かるようになっています。だから脱北し
ようとしても、今は後ろからすぐに銃殺されます。2020年くらいから、本当にわ
ずかな人しか出てこられなくなっています。
北朝鮮は監獄国家で閉じ込められています。情報はいっぱい入ってきますが、
閉じ込められたままです。そして10数年前に、ソウルで民主化運動をしている
人がいた。この人は、「北朝鮮に情報を入れれば、必ず内部から崩壊する」と言っ
ていました。
それが実は今起きていると思います。その鍵を開けたのは誰か。金正恩その人
です。彼は2011年に父の死によって後を継ぎました。2012年から本格的に政権を
担うのですが、英才教育を受けていたとしても、経済が悪い。そして配給ができ
ない。
何をしたかというと、今までは禁止していたチャンマダン(闇市)を開放しま
した。農地も自分たちが自由に稼いでもいいことにした。ある種の自由を与えた
わけです。2012年から少しずつチャンマダンで商売ができるようになった。これ
が鍵を開けたことになりました。そして中国にいる朝鮮族との商売に道が開けた
のです。
そして北朝鮮内にも商人が出てきた。それがお金を稼ぐようになった。マンショ
ンができたり、トラックを持って運送する会社もでてきた。その人たちが金主
(トンジュ)と呼ばれた。
北朝鮮の人は厳しい条件の中で生きてきたのです。また金儲けすると徹底的に
やられました。しかし、何が儲かるか。韓国のビデオ、映画、そういう楽しいも
のを売り出したのです。
当局というか、金正恩側が、その危険性を認知する前に、韓国の文化、情報は
今まで禁止されていましたが、それがたくさん出てきました。自由北韓放送の人
たちは、その文化や情報をUSBにして、北朝鮮国内にばらまいた。
それによって北朝鮮内に、政治に対する反抗心が生まれます。特に若い世代は、
ドラマを見て、「こんなにおいしそうなものを食べている」、「こんなに楽しそ
うな生活がある」、「こんなにすばらしい街がある」と思いました。それがコピー
されてどんどん広がったのです。それを見て、止められないほど広がりました。
金正恩はこれを何とかしなければならないと。USBの中には、韓国の文化だけ
でなく、「あなたたちは騙されている」、「金正恩政権とはどういうものか」と
刺激されるようなものも入っていた。そして「反政府」という考え方が生まれま
す。
西岡さんの話にもあったように、北朝鮮にとって「韓国は敵だ」という考えが
生まれます。
「(南北)統一」というのは金日成の時からの国是でしたが、これを捨てまし
た。実は韓国からの情報によって、自分に対する忠誠心がなくなり、反抗心が生
まれた。そこで2020年から、法律を3本作りました。
韓国のドラマを見たり、歌を歌ったら死刑。韓国人のような行動をしたら死刑。
さらに南北とも同じ朝鮮語ですが、言葉の使い方が違う。韓国では、恋人への呼
び掛け方が違う。そういうのを北朝鮮で真似をするのです。南の言葉を使ったら
死刑です。この3本の法律は、すべて最高刑は死刑です。
今年聞いたのですが、公開処刑が8倍になっています。その半数は、韓国に関
するもので、敵国の文化を鑑賞したということです。これは見せしめです。公開
処刑をしなければならないくらい一般社会が金正恩に対して疑問を持ち始めてい
る。
外見から言えば、ロシアとの軍事協力、今年9月、天安門広場に、習近平、プー
チン、金正恩が登場したり、ミサイルの発射や核開発等で軍事拡大路線を見せた
り、そういうことを派手にやっています。国民はこういうのを見て嫌になります。
今年金ソンミンさんが亡くなられましたが、南北統一の話をしていたら、金ソ
ンミンさんが、「おそらく政権の中枢で権力を持っている人以外は、すべての北
朝鮮人が今脱北したいと思っている」と。こんな暮らしはこりごりだ。韓国で自
由な暮らしがしたい、と思っている。
そこで金正恩体制を倒すというのは簡単に実現しませんが、今社会は大きな変
革をしている。しかし、食べ物がない、エネルギーがない。
◆北朝鮮の重要情報を持つことが大事
もう一つお話したいのは、北朝鮮が日本をどう見ているのか。見ていたのか。
そして今どうしているか。
1976年に、「金正日の拉致指令」により実行された拉致事件です。当時、彼ら
の政策の第一課題だったのは、いかに韓国を取り込むか、あるいは韓国に基地を
作るか、ということでした。
そこで工作員養成のために、日本人を教師とするために拉致し、日本人に化け
て韓国に入国させることでした。金正日は日本人を利用するために拉致を実行し
たのです。日本を利用してやろうという考え方は、実は金日成の時代からありま
す。
1950年代に、金日成が工作員について話した記録があります。その中で、「日
本は黄金の猟場だ」。餌を撒けば何でも取れる。そして当時の在日北朝鮮人には、
北朝鮮は「地上の楽園」と言って、日本で苦労した人たちは北朝鮮で面倒をみる
と言って、93,000人の人を北朝鮮に帰国させました。万景峰号に乗せて。そして
何をしたかと言うと、彼らを人質にして、彼らの在日の家族・親せきから財産を
奪ったのです。
次に金正日は日本人を拉致した。彼らには日本についてそういう認識がありま
す。では、今の金正恩体制は日本をどう見ているか。
2023年に脱北した李日奎(イ・イルギュ)氏は23年間、外交部に勤務していま
す。日本について、「おししい肉の塊だ」と言った。北朝鮮国内が厳しく、「食
べるものがない」、「遊ぶ所がない」。「北朝鮮には人権がない」。どうやって
日本から資金を引き出すかを考えていたようです。
やはり、北朝鮮の情報を把握することだと思います。そして首脳会談の時、総
理のポケットに重要な情報を入れておいて、金正恩を追い詰める。これなら拉致
被害者全員を返した方がいいと思わせなければならないと思います(拍手)。
(7につづく)
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■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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◆朝鮮の内部崩壊が本当に始まっている
久保田るり子(國學院大学客員教授)
今日は2つのお話をしたいと思います。西岡先生にお話したことなんですけれ
ども、1つはですね北朝鮮の内部崩壊が本当に始まっているということです。こ
れを我々は注視しています。
中朝国境は鴨緑江と豆満江です。1300キロもあります。そして脱北者の方々が
ほとんど出られない状態です。また、川の北側は500メートルにわたって全部草
が張り取られていて、人が入るとすぐ分かるようになっています。だから脱北し
ようとしても、今は後ろからすぐに銃殺されます。2020年くらいから、本当にわ
ずかな人しか出てこられなくなっています。
北朝鮮は監獄国家で閉じ込められています。情報はいっぱい入ってきますが、
閉じ込められたままです。そして10数年前に、ソウルで民主化運動をしている
人がいた。この人は、「北朝鮮に情報を入れれば、必ず内部から崩壊する」と言っ
ていました。
それが実は今起きていると思います。その鍵を開けたのは誰か。金正恩その人
です。彼は2011年に父の死によって後を継ぎました。2012年から本格的に政権を
担うのですが、英才教育を受けていたとしても、経済が悪い。そして配給ができ
ない。
何をしたかというと、今までは禁止していたチャンマダン(闇市)を開放しま
した。農地も自分たちが自由に稼いでもいいことにした。ある種の自由を与えた
わけです。2012年から少しずつチャンマダンで商売ができるようになった。これ
が鍵を開けたことになりました。そして中国にいる朝鮮族との商売に道が開けた
のです。
そして北朝鮮内にも商人が出てきた。それがお金を稼ぐようになった。マンショ
ンができたり、トラックを持って運送する会社もでてきた。その人たちが金主
(トンジュ)と呼ばれた。
北朝鮮の人は厳しい条件の中で生きてきたのです。また金儲けすると徹底的に
やられました。しかし、何が儲かるか。韓国のビデオ、映画、そういう楽しいも
のを売り出したのです。
当局というか、金正恩側が、その危険性を認知する前に、韓国の文化、情報は
今まで禁止されていましたが、それがたくさん出てきました。自由北韓放送の人
たちは、その文化や情報をUSBにして、北朝鮮国内にばらまいた。
それによって北朝鮮内に、政治に対する反抗心が生まれます。特に若い世代は、
ドラマを見て、「こんなにおいしそうなものを食べている」、「こんなに楽しそ
うな生活がある」、「こんなにすばらしい街がある」と思いました。それがコピー
されてどんどん広がったのです。それを見て、止められないほど広がりました。
金正恩はこれを何とかしなければならないと。USBの中には、韓国の文化だけ
でなく、「あなたたちは騙されている」、「金正恩政権とはどういうものか」と
刺激されるようなものも入っていた。そして「反政府」という考え方が生まれま
す。
西岡さんの話にもあったように、北朝鮮にとって「韓国は敵だ」という考えが
生まれます。
「(南北)統一」というのは金日成の時からの国是でしたが、これを捨てまし
た。実は韓国からの情報によって、自分に対する忠誠心がなくなり、反抗心が生
まれた。そこで2020年から、法律を3本作りました。
韓国のドラマを見たり、歌を歌ったら死刑。韓国人のような行動をしたら死刑。
さらに南北とも同じ朝鮮語ですが、言葉の使い方が違う。韓国では、恋人への呼
び掛け方が違う。そういうのを北朝鮮で真似をするのです。南の言葉を使ったら
死刑です。この3本の法律は、すべて最高刑は死刑です。
今年聞いたのですが、公開処刑が8倍になっています。その半数は、韓国に関
するもので、敵国の文化を鑑賞したということです。これは見せしめです。公開
処刑をしなければならないくらい一般社会が金正恩に対して疑問を持ち始めてい
る。
外見から言えば、ロシアとの軍事協力、今年9月、天安門広場に、習近平、プー
チン、金正恩が登場したり、ミサイルの発射や核開発等で軍事拡大路線を見せた
り、そういうことを派手にやっています。国民はこういうのを見て嫌になります。
今年金ソンミンさんが亡くなられましたが、南北統一の話をしていたら、金ソ
ンミンさんが、「おそらく政権の中枢で権力を持っている人以外は、すべての北
朝鮮人が今脱北したいと思っている」と。こんな暮らしはこりごりだ。韓国で自
由な暮らしがしたい、と思っている。
そこで金正恩体制を倒すというのは簡単に実現しませんが、今社会は大きな変
革をしている。しかし、食べ物がない、エネルギーがない。
◆北朝鮮の重要情報を持つことが大事
もう一つお話したいのは、北朝鮮が日本をどう見ているのか。見ていたのか。
そして今どうしているか。
1976年に、「金正日の拉致指令」により実行された拉致事件です。当時、彼ら
の政策の第一課題だったのは、いかに韓国を取り込むか、あるいは韓国に基地を
作るか、ということでした。
そこで工作員養成のために、日本人を教師とするために拉致し、日本人に化け
て韓国に入国させることでした。金正日は日本人を利用するために拉致を実行し
たのです。日本を利用してやろうという考え方は、実は金日成の時代からありま
す。
1950年代に、金日成が工作員について話した記録があります。その中で、「日
本は黄金の猟場だ」。餌を撒けば何でも取れる。そして当時の在日北朝鮮人には、
北朝鮮は「地上の楽園」と言って、日本で苦労した人たちは北朝鮮で面倒をみる
と言って、93,000人の人を北朝鮮に帰国させました。万景峰号に乗せて。そして
何をしたかと言うと、彼らを人質にして、彼らの在日の家族・親せきから財産を
奪ったのです。
次に金正日は日本人を拉致した。彼らには日本についてそういう認識がありま
す。では、今の金正恩体制は日本をどう見ているか。
2023年に脱北した李日奎(イ・イルギュ)氏は23年間、外交部に勤務していま
す。日本について、「おししい肉の塊だ」と言った。北朝鮮国内が厳しく、「食
べるものがない」、「遊ぶ所がない」。「北朝鮮には人権がない」。どうやって
日本から資金を引き出すかを考えていたようです。
やはり、北朝鮮の情報を把握することだと思います。そして首脳会談の時、総
理のポケットに重要な情報を入れておいて、金正恩を追い詰める。これなら拉致
被害者全員を返した方がいいと思わせなければならないと思います(拍手)。
(7につづく)
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■高市首相にメール・葉書を
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下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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