高市首相「手段選ばず」、トランプ氏「米朝会談で提起」(2025/11/26)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.11.26)
■高市首相「手段選ばず」、トランプ氏「米朝会談で提起」
以下は、「産経新聞」連載文?「拉致問題の現場から」へ西岡力救う会会長が
寄稿したものです。
参考情報として送ります。
<参考情報>
高市首相「手段選ばず」、トランプ氏「米朝会談で提起」 2人の力強い言葉
に事態進展期待―拉致問題の現場から(第27回)2025/11/22
高市早苗首相は10月の政権発足以降、拉致問題解決に強い熱意を示し、次々と
行動している。就任2日後の23日に被害者家族らと顔を合わせたことは前回の本
欄で紹介したが、28日には、来日したトランプ米大統領との面会実現にも尽力し
てくれた。11月3日には国民大集会に出席し、既に金正恩(キムジョンウン)朝
鮮労働党総書記との首脳会談開催を北朝鮮側に打診したことを明らかにした。
今回はまず、私も同席したトランプ氏との面会の様子を紹介しよう。
「正恩氏と討議」明言、「米国はいつも拉致を心に置いている」
高市氏とトランプ氏は28日午前、東京・元赤坂の迎賓館で日米首脳会談に臨ん
だ。当初、会談終了後に私たちと会う時間が設けられるとの情報があったが、当
日になって、日程の都合もあり、面会相手はルビオ国務長官になると関係者から
告げられた。
だが、控室で待機していたとき、ルビオ氏との写真撮影にトランプ氏が参加す
るとの連絡が入る。私たちが面会室で整列して待っていると、高市氏が先導して
トランプ氏が姿を見せた。
写真撮影後、トランプ氏は室内にいた記者らに向かって話し始めた。通訳も入
らない、予定外の行動だった。
「私は過去にもここに来て、何人かの方々とお会いしました。(拉致問題は)
何年も続いています」。記者からの「正恩氏と拉致について話すことができると
思うか」との問いには、「私は(正恩氏と)討議するつもりです。米国はいつも
このこと(拉致問題)を心に置いています。米国はできうる限り何でもします」
と応じた。
トランプ氏は今年2月にワシントンで行われた石破茂前首相との日米会談でも、
28日と同様の発言をしていたと私たちは石破氏から聞いていた。今回はマスコミ
の前での発信だから、北朝鮮にも確実に伝わったはずだ。
平成29年、令和元年に続き3度目となったトランプ氏との今回の面会は、時間
は数分ほどと短かったが、非常に意義深いものになった。高市氏をはじめ、政府
関係者がぎりぎりまで調整してくれた結果であり、関係各位に感謝したい。
◆正恩氏がゴルフに汗、トランプ氏念頭に
金政権は今年初めから、トランプ氏を平壌に呼ぼうとさまざまな準備をしてい
る。
トランプ氏の性格や食べ物の好みなどを徹底的に調査。ゴルフ好きの大統領の
ため、正恩氏以下、朝鮮労働党の幹部らは最近、ゴルフの練習を始めた。夏場に
は男女計20人の中国人ゴルフ選手を北朝鮮に招き、正恩氏らがレッスンを受けた
ほか、有望な若手が特訓を重ねているという。
なお、トランプ氏は29日に日本を離れ、アジア歴訪の最終目的地である韓国に
入ったが、米側は北朝鮮に対し、この機に合わせて板門店などでの米朝首脳会談
を提案。しかし、北朝鮮は応じなかった。
情報筋からは米朝会談に際し、韓国の李在明(イジェミョン)大統領が仲介役
になることを北朝鮮側が嫌ったためだと聞いた。北朝鮮は目下、韓国とは徹底的
に関係を絶つ方針だからだ。
11月3日の国民大集会での高市氏の言動も、特筆すべきものだった。
高市氏はあいさつの冒頭、「拉致被害者の方々の命と国家の主権がかかったこ
の問題に対して、手段を選ぶつもりはない」と言い切った。力のこもった口調に、
聴衆から自然に拍手が起きた。
個人的に特に心に響いたのは、以下の部分だ。
「わが国としての働きかけと同時に、拉致問題の解決に向けたチャンスを生み
出すために、国際社会との緊密な連携も不可欠」。国際協力はあくまで、正恩氏
に直談判するための側方支援という位置付けだ。自分自身が事態を動かすという
意気込みは無論、被害者救出に必要な要素を冷静かつ正確に捉えているのだなと
感銘を受けた。
◆意思表示ないことが前向き材料
首相はまた、「拉致問題が解決すれば、わが国のみならず、北朝鮮も国際社会
も、大きな利益を得る」とも述べた。被害者が帰国すれば、国交正常化に伴う大
規模経済支援などを日本が実施するという意味だ。
北朝鮮からはこれまでのところ、特にリアクションがない。ただ、私は「首脳
会談に応じない」という意思表示がないことに注目している。
当時の岸田文雄首相が「ハイレベル協議」による日朝会談実現を模索していた
昨年3月、正恩氏の妹の与正(ヨジョン)党副部長が「日本側とのいかなる接触、
交渉も無視し、拒否する」との談話を発表。中国駐在の北朝鮮大使も同月、同種
の談話を出した。こうした経緯からすれば、現状の「無風」は前向きな動きとも
考えられる。
10月に入り、北朝鮮では高くても1キロ7000ウォン程度だったコメ価格が同3万
ウォン台まで高騰。労働者の平均月収は約5万ウォンだから、大半の人民が困窮
し、収穫期の秋にもかかわらず、餓死者が出始めている。平壌だけは主食の配給
が続いていたが、直近ではそれが維持できなくなり、平壌市民の約1割を地方に
強制移住させる作業が進んでいるという。
一方で中国は2年連続で北朝鮮へのコメ輸出を大幅に削減し、ロシアも10月か
ら小麦や石油の支援を止めた。先述の通り、韓国とは関係を断絶している。
北朝鮮は日本からの援助を欲している。日本にその用意があることは、高市氏
の国民大集会での発言から、読み取っているはずだ。近い時期の事態の進展に期
待したい。
◆「現地化できれば工作は自由に」 金正日氏の野望
金正日(キムジョンイル)氏が1976年に出した「拉致指令」に関して、前回に
引き続き、元北朝鮮工作員の申平吉(シンピョンギル)氏(98年死去)が残した
著書を取り上げる。
正日氏が、対南(対韓国)工作を実行する上で、韓国に親族がいるなど縁故関
係に重点を置いて工作員を選定する旧来方式を、「最大の誤り」と断じたことは
前回もお伝えした。
正日氏が求めたのは、現地への適応能力などに優れた「指導核心工作員」だっ
た。
申氏の著書によれば、正日氏は76年の演説で、その具体像として「韓国の歌を
歌い、韓国の喫茶店や料理店に自由に出入りし、旅館、ホテルの利用にも不自然
さがない。さらには商売をしても難のないようになるべきだ」と説明したという。
また、別の国を経由して韓国に入る「第三国迂回(うかい)工作」については、
「日本に行けば日本人に、中国に行けば中国人に、カンボジアに行けばカンボジ
ア人になり、言語や習慣などを会得しなくてはいけない」と主張。こうした「現
地化」が達成できれば、「工作はいくらでも自由にできる」とも述べたという。
◆演説の後、対南工作員は大幅に整理された
検閲を経て指導核心工作員の基準に該当すると判断された者は、新方針に従っ
て再訓練を受けた。基準に満たないが有事に使うには足るレベルの者は、必要時
に召還できるようにし、その他は一般の職場に放出された。
実例の一人が、大韓航空機爆破事件(87年)の実行犯である金賢姫(ヒョンヒ)
元工作員だ。
彼女は平壌外国語大学日本語学科の2年生だった80年、指導核心工作員となる
べく、召還された。日本人拉致被害者の田口八重子さん(70)=拉致当時(22)
=から日本人化教育を、中国人拉致被害者の女性からは中国人化教育を、それぞ
れ受けた。期間は計約7年に及んだ。
なお、工作員の装備類も80年ごろに現代化された。150トン以上の大型工作船
やゴムボート、毒針、発砲音の出ない拳銃、小型時限爆弾、小型無線機、極小カ
メラなどがこの時期に導入されたという。
以上
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■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■高市首相「手段選ばず」、トランプ氏「米朝会談で提起」
以下は、「産経新聞」連載文?「拉致問題の現場から」へ西岡力救う会会長が
寄稿したものです。
参考情報として送ります。
<参考情報>
高市首相「手段選ばず」、トランプ氏「米朝会談で提起」 2人の力強い言葉
に事態進展期待―拉致問題の現場から(第27回)2025/11/22
高市早苗首相は10月の政権発足以降、拉致問題解決に強い熱意を示し、次々と
行動している。就任2日後の23日に被害者家族らと顔を合わせたことは前回の本
欄で紹介したが、28日には、来日したトランプ米大統領との面会実現にも尽力し
てくれた。11月3日には国民大集会に出席し、既に金正恩(キムジョンウン)朝
鮮労働党総書記との首脳会談開催を北朝鮮側に打診したことを明らかにした。
今回はまず、私も同席したトランプ氏との面会の様子を紹介しよう。
「正恩氏と討議」明言、「米国はいつも拉致を心に置いている」
高市氏とトランプ氏は28日午前、東京・元赤坂の迎賓館で日米首脳会談に臨ん
だ。当初、会談終了後に私たちと会う時間が設けられるとの情報があったが、当
日になって、日程の都合もあり、面会相手はルビオ国務長官になると関係者から
告げられた。
だが、控室で待機していたとき、ルビオ氏との写真撮影にトランプ氏が参加す
るとの連絡が入る。私たちが面会室で整列して待っていると、高市氏が先導して
トランプ氏が姿を見せた。
写真撮影後、トランプ氏は室内にいた記者らに向かって話し始めた。通訳も入
らない、予定外の行動だった。
「私は過去にもここに来て、何人かの方々とお会いしました。(拉致問題は)
何年も続いています」。記者からの「正恩氏と拉致について話すことができると
思うか」との問いには、「私は(正恩氏と)討議するつもりです。米国はいつも
このこと(拉致問題)を心に置いています。米国はできうる限り何でもします」
と応じた。
トランプ氏は今年2月にワシントンで行われた石破茂前首相との日米会談でも、
28日と同様の発言をしていたと私たちは石破氏から聞いていた。今回はマスコミ
の前での発信だから、北朝鮮にも確実に伝わったはずだ。
平成29年、令和元年に続き3度目となったトランプ氏との今回の面会は、時間
は数分ほどと短かったが、非常に意義深いものになった。高市氏をはじめ、政府
関係者がぎりぎりまで調整してくれた結果であり、関係各位に感謝したい。
◆正恩氏がゴルフに汗、トランプ氏念頭に
金政権は今年初めから、トランプ氏を平壌に呼ぼうとさまざまな準備をしてい
る。
トランプ氏の性格や食べ物の好みなどを徹底的に調査。ゴルフ好きの大統領の
ため、正恩氏以下、朝鮮労働党の幹部らは最近、ゴルフの練習を始めた。夏場に
は男女計20人の中国人ゴルフ選手を北朝鮮に招き、正恩氏らがレッスンを受けた
ほか、有望な若手が特訓を重ねているという。
なお、トランプ氏は29日に日本を離れ、アジア歴訪の最終目的地である韓国に
入ったが、米側は北朝鮮に対し、この機に合わせて板門店などでの米朝首脳会談
を提案。しかし、北朝鮮は応じなかった。
情報筋からは米朝会談に際し、韓国の李在明(イジェミョン)大統領が仲介役
になることを北朝鮮側が嫌ったためだと聞いた。北朝鮮は目下、韓国とは徹底的
に関係を絶つ方針だからだ。
11月3日の国民大集会での高市氏の言動も、特筆すべきものだった。
高市氏はあいさつの冒頭、「拉致被害者の方々の命と国家の主権がかかったこ
の問題に対して、手段を選ぶつもりはない」と言い切った。力のこもった口調に、
聴衆から自然に拍手が起きた。
個人的に特に心に響いたのは、以下の部分だ。
「わが国としての働きかけと同時に、拉致問題の解決に向けたチャンスを生み
出すために、国際社会との緊密な連携も不可欠」。国際協力はあくまで、正恩氏
に直談判するための側方支援という位置付けだ。自分自身が事態を動かすという
意気込みは無論、被害者救出に必要な要素を冷静かつ正確に捉えているのだなと
感銘を受けた。
◆意思表示ないことが前向き材料
首相はまた、「拉致問題が解決すれば、わが国のみならず、北朝鮮も国際社会
も、大きな利益を得る」とも述べた。被害者が帰国すれば、国交正常化に伴う大
規模経済支援などを日本が実施するという意味だ。
北朝鮮からはこれまでのところ、特にリアクションがない。ただ、私は「首脳
会談に応じない」という意思表示がないことに注目している。
当時の岸田文雄首相が「ハイレベル協議」による日朝会談実現を模索していた
昨年3月、正恩氏の妹の与正(ヨジョン)党副部長が「日本側とのいかなる接触、
交渉も無視し、拒否する」との談話を発表。中国駐在の北朝鮮大使も同月、同種
の談話を出した。こうした経緯からすれば、現状の「無風」は前向きな動きとも
考えられる。
10月に入り、北朝鮮では高くても1キロ7000ウォン程度だったコメ価格が同3万
ウォン台まで高騰。労働者の平均月収は約5万ウォンだから、大半の人民が困窮
し、収穫期の秋にもかかわらず、餓死者が出始めている。平壌だけは主食の配給
が続いていたが、直近ではそれが維持できなくなり、平壌市民の約1割を地方に
強制移住させる作業が進んでいるという。
一方で中国は2年連続で北朝鮮へのコメ輸出を大幅に削減し、ロシアも10月か
ら小麦や石油の支援を止めた。先述の通り、韓国とは関係を断絶している。
北朝鮮は日本からの援助を欲している。日本にその用意があることは、高市氏
の国民大集会での発言から、読み取っているはずだ。近い時期の事態の進展に期
待したい。
◆「現地化できれば工作は自由に」 金正日氏の野望
金正日(キムジョンイル)氏が1976年に出した「拉致指令」に関して、前回に
引き続き、元北朝鮮工作員の申平吉(シンピョンギル)氏(98年死去)が残した
著書を取り上げる。
正日氏が、対南(対韓国)工作を実行する上で、韓国に親族がいるなど縁故関
係に重点を置いて工作員を選定する旧来方式を、「最大の誤り」と断じたことは
前回もお伝えした。
正日氏が求めたのは、現地への適応能力などに優れた「指導核心工作員」だっ
た。
申氏の著書によれば、正日氏は76年の演説で、その具体像として「韓国の歌を
歌い、韓国の喫茶店や料理店に自由に出入りし、旅館、ホテルの利用にも不自然
さがない。さらには商売をしても難のないようになるべきだ」と説明したという。
また、別の国を経由して韓国に入る「第三国迂回(うかい)工作」については、
「日本に行けば日本人に、中国に行けば中国人に、カンボジアに行けばカンボジ
ア人になり、言語や習慣などを会得しなくてはいけない」と主張。こうした「現
地化」が達成できれば、「工作はいくらでも自由にできる」とも述べたという。
◆演説の後、対南工作員は大幅に整理された
検閲を経て指導核心工作員の基準に該当すると判断された者は、新方針に従っ
て再訓練を受けた。基準に満たないが有事に使うには足るレベルの者は、必要時
に召還できるようにし、その他は一般の職場に放出された。
実例の一人が、大韓航空機爆破事件(87年)の実行犯である金賢姫(ヒョンヒ)
元工作員だ。
彼女は平壌外国語大学日本語学科の2年生だった80年、指導核心工作員となる
べく、召還された。日本人拉致被害者の田口八重子さん(70)=拉致当時(22)
=から日本人化教育を、中国人拉致被害者の女性からは中国人化教育を、それぞ
れ受けた。期間は計約7年に及んだ。
なお、工作員の装備類も80年ごろに現代化された。150トン以上の大型工作船
やゴムボート、毒針、発砲音の出ない拳銃、小型時限爆弾、小型無線機、極小カ
メラなどがこの時期に導入されたという。
以上
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■高市首相にメール・葉書を
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https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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