救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告5(2022/03/31)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.03.31)

■家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告5

◆8人について死亡の証拠は何もない

 北朝鮮が2002年、2004年に出してきた「死亡の証拠」を日本側は全部
論破したわけです。日本政府が出している白いパンフレットがありますが、そこ
に写真付きで、「これは一切信用できない」としています。

 もう1回「死んだ」と言うなら、それを北朝鮮は論破しなければならない。
「めぐみさんの骨が本物だった」と言っても、それは日本は受け入れないわけで
す。どうするつもりなのか。ヒントがあります。

 太永浩(テ・ヨンホ)というイギリス大使館に公使として勤めていた脱北者が
韓国にいますが、今韓国の国会議員です。その人が北朝鮮の外務省にいた時のこ
とを本に書いています。

 2002年の9月、彼は平壌の外務省にいた。小泉総理が来た時、外務省の中
が大変なことになったそうです。あれは統一戦線部を外して、外務省が仕切った
わけです。でも金正日委員長が謝った。「金正日委員長に謝らせてしまった。我
々は大きな失敗をした。大変なことをしてしまったという雰囲気になったそうで
す。

 その交渉を仕切った姜錫柱(カン・ソクチュ)第一副外相、外務大臣の次の人
ですね、彼は金正日の側近グループで、毎週金曜日にやっている飲み会等に呼ば
れる人ですが、彼が全外務省員を講堂に集めて講演会をやったのです。

 「安心しろ。外務省の失敗ではない。小泉が100億ドル出すと言ったんだ。
その100億ドルでインフラを大々的に建設できる。だから勝利なんだ」と言っ
たと太永浩さんの本に書いてある。直接太永浩さんが聞いたのです。

 ところが交渉が滞って進まない。しばらく経って日本担当者に、「骨を送った
ら偽物だったと日本が言っている。それでは100億ドル来ないじゃないか。な
ぜ失敗したのだ。偽物の骨なんか送るからだ」と言ったんだそうです。

 そうしたら日本担当者が、「あれは違うんだ。こういうことなんだ」と言って
説明してくれた、と。「精神病院の裏山には骨がいっぱい埋まっている。間違え
て掘り起こして、違う骨を出しちゃった」という説明をしたそうです。

 でも、外務省の人間は本当のことを知らないわけです。工作機関からそういう
話を聞いたのです。その話と、「調査には時間がかかる」というのは、結び付く
のではないか。骨がいっぱい埋まっているのなら日朝合同の発掘作業が要る。出
てきてDNA検査をしたら違っていた。「ならばこっちかもしれない」といってま
た掘ることになる。

 この話は太永浩さんが亡命した後本に書いたわけですが、「精神病院の裏山に
骨がいっぱい埋まっている」という情報は、一昨年日本に来た韓国の情報機関の
幹部が日本人にポロっとしゃべった。北から聞いた、と。意図的にその話を広げ
ている。「死んでいるんだ。でも本当の証拠を掴むのが大変だった」と。そうい
うことをしようとしている人たちがいることです。

 それは嘘なんです。夫が埋めて、どこに埋めたかわからないという話はない。
「すぐ掘り起こした」と言っているわけですから。すぐ掘り起こせばまだ服など
が残っている筈だし、また掘り起こせるかということでもある。到底間違える話
ではないわけです。

 だけどそういう一つのストーリーを作っているわけです。だから「合同調査委
員会」ということになるわけです。

 「一括帰国」にこだわる理由の2.に書きましたが、めぐみさんや八重子さん
は秘密をたくさん知りすぎている。だから「死亡」とされたのです。

 その秘密の1つは、工作員の先生だったわけですから工作員の顔を知っている
わけです。1対1で教えるわけですから。金賢姫と金淑姫は分かっていますが、
その後誰かに教えていないのか。工作員の先生なら、その次もあるはずです。教
わった人が偽造した日本のパスポートを持ってどこかで活動しているかもしれな
い。日本に入ってきて、日本人になりすまして活動しているかもしれない。

 あるいは韓国で日本料理店をやっているかもしれない。北朝鮮の工作員がマレー
シア人になりすまして、ソウルでマレーシア料理店をやっていた。そういうこと
を知っている人を簡単には返せない。

 もう一つは、金賢姫さんは田口八重子さんから、「私は実は金正日の秘密パー
ティに呼ばれた。そこで南朝鮮の歌を歌っていた」と聞いたと本に書いています。
その秘密パーティに例えば金正恩のお母さんの高英姫(コ・ヨンヒ)も出ていた。
彼女は踊り子だった。そういうことを知っている可能性がある。「そこに他の日
本人もいた」と田口さんは言ったそうです。金賢姫さんはそれを本に書いている。
ロイヤルファミリーのプライベートを知っている。

 蓮池さんたちはそれを知らないわけです。蓮池さんは工作員に日本語を教えた
のではなく、教材を作っていたそうです。だから顔を知らない。曽我さんはそも
そも工作機関の外にいた。だから一般人の住民登録に出てくるわけです。秘密を
知っているかどうかで区分けしたので、秘密を一番知っている人たちを返すとな
れば、今活動している工作員は呼び返す準備をしなければならない。

◆一括帰国にこだわらないと「死亡」とされた8人は再度「死亡に」

 トップが命令すれば準備します。工作機関はそれはしたくない。工作機関が謀
略機関で対日交渉に加わるわけです。「一括帰国」にこだわらないと、一度「死
亡」とされた人は返さないことが十分ありえる。

 もう分かっているはずだから、「全員返しなさい」ということを、岸田総理の
人間力で、相手の目をしっかり見て、「返してくれれば我々はできる限りのこと
はやれる。やれないことももちろんあります。100億ドルの約束があったとし
ても、それはすべての被害者が帰った段階ではできません。国交正常化の後の話
だ。韓国に対してやったと同じ枠組みでしかできない。

 「しかし、人道支援を大々的にすることはできるし、医薬品を送ることもでき
る。しかしその条件は、全員を返すことだ。あなたなら知っているでしょう。そ
して家族は秘密を暴露するとは言っていない。静かな環境で暮らしたいと言って
いる。私も家族が言うことを守る責任があるから私もそれを約束する」と言って
ほしいと、総理に申し上げているわけです。

◆一括帰国が先、真相究明と実行犯引き渡しは後でもいい

 そういう我々の主張に対して、「家族会・救う会は硬直している。何人かだけ
まず取り戻してきっかけを作ればいいじゃないか」という人たちがいます。

 それに対して私たちは、「一括帰国」にこだわる理由の4.で書きましたが、
日本政府の拉致問題解決の定義は3つあります。1認定の有無にかかわらず全て
の拉致被害者の帰国、2真相究明、3実行犯引き渡しです。私たちは1が実現す
ればいいと言っています。2と3は時差があってもいい。

 もちろん政府がすることですから、拉致が解決しなければ国交正常化はできな
いし、大規模支援もできないという枠組みは崩すべきではありませんが、真相究
明と実行犯引き渡しは後でもいい。

 主権国家であれば本来、4補償もすべきです。でもそれも後でいい。人の命が
かかっていることだから1を最優先でやってほしいと言っています。だからなぜ
「硬直した主張なのか」と反論したいところです。

◆すべての主要政党が〈「即時一括帰国」にこだわる〉と回答

 嬉しい知らせがありました。「産経新聞」が去年の総選挙の時、各党にアンケー
トをしました。「家族会と救う会は「全拉致被害者の即時一括帰国」を基本方針
に掲げています。数人の被害者の返還など、いわゆる「部分帰国」を北朝鮮側が
示した場合、容認しますか。あるいは「即時一括帰国」にこだわりますか」とい
う質問に対して、自民、公明、立憲、維新、国民、共産の6党が〈「即時一括帰
国」にこだわる〉と回答しました。

 こだわらないと回答したのは社民党とNHKの党と、れいわ新選組だけです。2
人、3人の少数政党だけでした。主要政党は共産党まで含めて〈こだわる〉とい
うことになりました。

 横田拓也さんがマイクを握るとずっと同じことを言っていて、耕一郎さんも家
族会の人も、「即時一括帰国」は絶対に譲れないと言っていることが、各政党に
も伝わったということで、嬉しいことです。議員の中にはそうではない人もいる
ことは知っていますが、党として選挙公約でこう答えたのは重いことだと思って
います。

 自民党は公約に「全拉致被害者の即時一括帰国」と書き込みました。この間の
自民党の党大会で出た運動方針の中にも「即時一括帰国」と書かれていると聞い
ています。

 この大きな枠組みで圧力をかけ、そしてアメリカなど国際社会の理解を得て、
米朝が先に進んだら拉致も取り上げてもらい、日朝が先に進んだ時は拉致被害者
の帰国の部分だけをなんとか先に動かす。しかし、「一括帰国」は譲れないとい
うのが、私たちの今の段階での運動方針で、そして北朝鮮に対し、「あなたたち
も時間がないですよ」と。「日本人がよかったなと思えなければ、人道支援どこ
ろか、最後の大規模な経済協力だってできませんよ」ということも言うというこ
とです。

(6につづく)



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