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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望4(2022/02/04)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.02.04)

■飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望4

◆「数人帰国」に応じたら後の人は帰れない

西岡 「一定程度進展したので制裁を緩めましょう。支援をしましょう」という
カードを使ってしまったら、我々にはもうカードがなくなってしまいます。北朝
鮮が何人か返すという時に、無償で返すようなことは絶対ありえません。見返り
を求めます。

 安倍総理は繰り返しこう言っていました。「制裁はかける時と降ろす時に2回
使える」と。今、降ろすタイミングを見ている段階です。制裁をかけているから
向こうが苦しくなって、金正恩が「制裁で苦しい」と言ったのです。

 しかし、降ろすタイミングは1回です。2002年に嘘をついたように、秘密
をたくさん知っている人について、そう一度嘘をつく可能性が高い。だから「一
括帰国」と言っているのです。

 先程哲也さんも、「拓也新代表は筋を通す人だから、絶対そこは折れない」と
言いましたが、我々全体の意思として、もちろん「認定未認定に関わらず」すべ
ての被害者の一括帰国です。その未認定の部分については何人いるか分かりませ
んが、北朝鮮は知っているわけです。

 「では30人くらい帰ってきた時にどう判断するのですか」と考えるかもしれ
ませんが、分母が増えると情報が増えるのです。私たちは「帰ってきた人から秘
密を聞き出して反北朝鮮活動はしません」というメッセージを金正恩委員長宛に
だしていますが、例外が1つあります。「他の日本人のことを知りませんか」と
いうことは絶対聞きます。「どこかで会いませんでしたか」、「どこかで目撃し
ませんでしたが、話をしませんでしたか」ということは絶対聞きます。

 同じ外貨ショップとか病院とか限られたところで会っている可能性があるので
す。曽我さん・ジェンキンズさんが帰ってきたことで、ルーマニア人拉致、タイ
人拉致、レバノン人拉致が分かったのです。返す人数が増えれば増えるほど、ど
こかですれ違ったというようなことが増えます。

 「秘密を知りすぎている人も、死んだという人も含めて全員返すという決断を
するなら、それ以外の人を残す合理的な理由はないでしょう。全員返しなさい」
と。そこは岸田総理が人間力で金正恩委員長と1対1で交渉してもらうしかない。

 北朝鮮で決定権を持つのは金正恩委員長以外ありえませんから、実務協議で詰
めるというようなことはできないのです。特にこういう難しい問題は、誰が何人
どこにいるかということを調べれば分かるのですが、それを調べた瞬間に、「お
前はスパイだな」と捕まりますから、最高指導者とその周辺以外知らないんです。

 制裁が効いてきて苦しいという状況の中で安倍政権は、「条件なしで会う」と
言っています。その「条件なし」には2つの意味があります。会うために支援を
したりはしないということも含まれています。面会することで制裁を緩めるとか
人道支援をするということもない。

 虚心に話しましょう、と。トランプ大統領もそうしたわけです。あなたの言い
たいことは全部聞きます。こちらが言いたいことも全部いいます。拉致問題を解
決して、それ以外の問題も解決したら、日本は韓国にしたのと同じような経済支
援をすることができる。北朝鮮には優秀な労働力があり、資源もある。明るい未
来があるのではないかと繰り返し安倍政権の後半から言うようになりました。

 それはトップ会談をしましょうというメッセージなわけです。それを私たちは
支持しているわけですが、その時に使ってほしいと思って、北朝鮮が一番気にし
ている秘密の問題について、家族会の人たちは、静かに暮らしたい、と。「帰っ
てきた人から秘密を聞き出して反北朝鮮活動はしません」というメッセージを2
度出しました。

◆北朝鮮は日本がどのくらい拉致情報を持っているか調べている

 それを岸田総理に持って行ってもらって、金正恩委員長の目を見て、「日本は
民主国家だから帰ってきた人たちの発言を私がさせないようにするというサイン
はできないが、被害者と被害者の家族の意向に沿うのが日本政府の責任だ。家族
は静かに暮らしたいと言っている。その家族の願いをかなえさせるのが総理大臣
の私にある」と言ってほしい。

 これは安倍さんにも菅さんにも訴えましたし、先日松野官房長官に会った時も、
これを活用してほしいとお願いをしました。十分理解していただいていると思っ
ています。

 北朝鮮から見て、日本人は拉致問題について関心が高い、全然忘れていない。
拉致問題が解決すれば日本人の北朝鮮に対する感情が緩やかになり、制裁を緩め
てもいい、支援をしてもいいというふうになるだろうと思わせなければ、最初の
山である首脳会談まで行きません。そこで岸田総理に活躍していただかなければ
ならない。

 あるいは拉致問題対策本部がこの間どれほどの情報を集めてきたのか。「家族
にも言えません」と言われました。我々はそれについて、助けるために使うのな
らそれでいいとしてきたわけです。

 北朝鮮は今、日本がどれくらいの情報を持っているか必死で調べています。間
違いないです。しかし、ヒントも与えていません。例えばトランプ大統領がハノ
イで、金正恩との会談を途中で中断して帰ってしまった理由は情報です。

◆米朝首脳会談も情報の戦いだった

 金正恩委員長はハノイでの二度目の米朝首脳会談で、「寧辺の核施設を完全に
廃棄する」と言った。そこにプルトニウムを作る原子炉があります。さらに、原
子炉から取り出した使用済燃料棒を再処理する施設があります。さらにもう一つ、
地上に濃縮ウラニウムを作る施設もある。そういってアメリカの学者に中まで見
せました。

 北朝鮮が作っている原子爆弾はプルトニウム型と濃縮ウラニウム型の2種類あ
るのですが、(金正恩委員長は)「全部寧辺で作っています。その寧辺を廃棄し
ます」と言ったのです。

 アメリカは、「完全な核廃棄」と言っていましたが、当面の目標はこれ以上増
やさないことです。核の生産施設をまず廃棄させる。そしてある物を取り出すと
いう順番だったのです。

 トランプ大統領は金正恩氏のその提案を聞いて、にやっと笑って、これは新聞
等によりますが、「我々はあなたたちの活動を1日レベルで分かっていますよ。
あなたはまだ会談の準備ができていないようですね」と言った。

 実は、濃縮ウラニウムを作る施設は地下でも作れるのです。プルトニウムは原
子炉が必要なので地下に原子炉を作ることはできませんが、濃縮ウラニウムは遠
心分離機を回せばいいので、電気さえあれば地下でもできるのです。そして情報
のプロは、「寧辺の濃縮ウラニウムを作る施設はダミーです。だから学者にも見
せたのです」と言っています。

 アメリカのいくつかのメディアが、「濃縮ウラニウム施設はここにある」とい
う情報を米朝首脳会談の前に書きました。情報機関がもっている情報の一部をリー
クしたのだと思います。降仙(カンソン)という所にある施設がそうです。

 そういう情報がトランプ大統領のポケットに入っていたわけです。金正恩が、
「これ以上核を作りません。その証拠として寧辺を全部廃棄します」と言ったら、
トランプさんがにやっと笑って、「準備ができていませんね」と言って帰った。
その時昼食の約束もあったのに、帰ってしまった。

 ですから、岸田総理がポケットにどれだけの情報を持って平壌に行ってもらう
ことができるか。もう一度、めぐみさんや八重子さんが「死んでいる」と言った
時に、にやっと笑って、「昨日八重子さんはあそこの川で顔を洗っていましたよ
ね」とか。そこまで具体的に言うかは別として、そういうことを言ったら、「あ
なたはまだ準備できていませんね。我々は分かっているんですよ」と言って、帰っ
てもらっていいのです。

 そのくらい確実な情報があるのかどうか。北朝鮮は今それを探っているわけで
す。だから出してはいけない。

 よど号ハイジャック犯の奥さんたちの中で、まだ帰ってきていない人が二人い
ます。それは実は、石岡さん、松木さん拉致に関わったとして指名手配された人
です。その人が帰ってきた場合、もちろん指名手配していますから逮捕するでしょ
うが、日本の裁判所で有罪判決が出るかどうか。

 石岡さんと松木さんがまだ帰ってきていないんです。「本人が行きたいと言っ
たのです」と言った場合に、強制して連れていったということを、法と証拠に基
づいて証明することができるか。帰ってきて、拉致で起訴して無罪になったら、
国際的に日本は大きなダメージを受けます。

 それなのに北朝鮮は返さない。それはなぜか。これは情報を聞いたわけでなく
私の推測ですが、八尾恵さんという人がいます。八尾さんが一味だったわけです。

 有本さんについては彼女が犯人です。そして石岡さんと松木さんが泊まってい
たスペインのホテルを八尾さんは知っていて、「宿命」という本を書いた左派の
ライターにそれを教えたのです。だから石岡さんと松木さん拉致について、犯人
であるよど号犯の妻から色々話を聞いています。

 日本の警察は八尾さんを逮捕していないのです。彼女は日本に戻ってきていま
すから、時効ということもありえるわけです。しかし、実は国会で2002年だっ
たと思いますが、警察庁の警備局長は、「八尾さんについては時効は成立してい
ない」という見方をしています。

 拉致という犯罪を継続犯罪と見る。連れて行って監禁する。犯罪が終わってか
ら時効が成立するのですが、犯罪が終わっていないので時効はスタートしていな
い。そういうことを当時の漆間警備局長が国会で答弁しています。

 ではなぜ逮捕しないのか、ということになります。でも北から見ると、八尾さ
んは日本の捜査当局に協力している。石岡さんと松木さんの事件について何を聞
いているのか。

 警察は公開されていないことを聞いているわけです。それを裁判に持ってこれ
たら決定的な証拠になるのではないか。向こうからすれば、「有罪」と出たら、
拉致があったことを証明することになる。北朝鮮は、石岡さんと松木さんは「拉
致していない」と言っています。よど号犯を使って拉致したことが正しいと裁判
で明らかになる。

 お互いに相手が何を知っているかをめぐって疑心暗鬼になって、にらみ合って
いるのです。実は我々は一時、「八尾恵を逮捕しろ」という運動をしようかと思っ
たのですが、色々調べると簡単ではない、プロの世界は深いなと思ったのです。

 そういうような情報をめぐる深いところでの争いがあるのです。それが次の日
朝首脳会談で行われるのではないか。その時、官民あげて2つの戦いを切り抜け
ることができるかどうか。私たちは金正恩委員長に、「秘密を聞き出すようなこ
とはしない」というメッセージを出しましたし、繰り返し、「全拉致被害者の即
時一括帰国」だという運動方針を出し、国民の皆様の理解を得る努力をしていま
す。

◆主要6党が、「〈即時一括帰国〉にこだわる」と回答

 嬉しいことも一つありました。先日の総選挙で「産経新聞」が主要政党にアン
ケートを取ったのです。その中の一つが、「家族会と救う会は〈全拉致被害者の
即時一括帰国〉を基本方針に掲げています。数人の被害者の返還など、いわゆる
〈部分帰国〉を北朝鮮側が示した場合、容認しますか。あるいは〈即時一括帰国〉
にこだわりますか」という質問でした。

 これに対し、自民党、公明党、立憲民主党、維新の会、国民民主党、共産党の
主要6党が、「〈即時一括帰国〉にこだわる」と回答しました。拉致問題は許せ
ないということで賛成したのではなくて、〈即時一括帰国〉にこだわるというこ
とが、与野党の主要政党全部の賛成を得たのです。

 来たるべき2つ目の山の戦いに対して我々は着々と準備をすることができてい
るのではないかと思っています。では質問をお受けします。

◆ミサイル開発資金は仮想通貨ハッキングで得ている

【質疑応答】

問 北朝鮮がミサイルを連日発射しています。1発でも大変なお金がかかるよう
です。中朝国境は封鎖されてきたということですが、中国側からお金が入ってき
ているのでしょうか。

答 北朝鮮ではかなり外貨が不足しているのは間違いないです。2017年に国
連の安保理事会がかけた制裁で、北朝鮮との貿易にはかなりの制限がかかりまし
た。特に、北朝鮮から輸入してはいけない物のリストができ、北朝鮮の主要輸出
品は石炭、鉄鉱石、鉛、亜鉛のような鉱物資源、水産物、背広など加工生産して
いるものが全部リストに入りました。

 制裁以前は北朝鮮はだいたい30億ドルくらい輸出していましたが、禁止され
たものを統計に当てはめると90%くらいになります。つまり3億ドルくらいし
か輸出できなくなりました。毎年27億ドルくらい入ってきた外貨はなくなって
しまいました。

 一方、輸入はしなければならない。石油も出ませんし、工業製品も作れない。
去年から経済5か年計画が始まって、その目玉として平壌に5年間に5万戸のマ
ンションを作る計画がありました。1年1万戸です。金正恩も参加して起工式を
やったのですが、昨年末の中央委員会総会での報告では、「工事は基本的に終結
を見た」と言って、「完成した」とは言わなかった。完工式も入居式もやってい
ない。

 なぜかというと、国産できない資材がないからです。便器、洗面台、壁紙等は
国産できないのです。それを買うお金がないのです。それくらい困っている。で
はなぜミサイルを撃てるかということですが、5か年計画と一緒に「国防力強化
5か年計画」を一緒に立てて、その第一番に「極超音速ミサイルを開発しろ」と
入っています。

 そして仮想通貨をハッキングをして国連の推計では確か数億ドルくらい盗んで
いるそうです。それを資金洗浄して現金にしている、と。そういう技術は相当あ
る。そしてそのお金が軍事関係に優先的に使われる。これは金正恩の命令ですか
ら。

 中国については、最近北朝鮮が無償援助を要求して断られたことがありました。
中国は絶対に現金は渡しません。昔からそうです。但し食糧や肥料は最低限のも
のを渡す。中国は北朝鮮に不満なのです。「改革開放をせよ」と昔から言ってい
ますが、北朝鮮はしません。現金を渡したのは日本と韓国です。それは今止まっ
ています。武器も絶対買ってはいけないことになっています。

以上


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