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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望2(2022/02/02)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.02.02)

■飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望2

◆福岡県行橋市が「3つの100(%)」を実現

西岡 これからの話は12月のセミナーでの話と少し重なるところもありますが、
北朝鮮の現状の話をしたいと思います。

 皆さんに、「WILL」2月号に私が書いたものをお配りしましたが、この半分く
らいは国内での世論の啓発活動について書いています。その中で、少し言い方は
おかしいですが、我々の運動の英雄がいます。

 去年9月に福岡県行橋市議会で、「小坪慎也議員が市当局から次のような勇気
づけられる答弁を引き出した」とあります。行橋市は一昨年から、「3つの10
0(%)」というのを打ち出していて、1つ目の100は、市立の小学校・中学
校で100%「アニメめぐみ」を上映したことです。

 2つ目の100は、市立の小学校・中学校で100%、政府の拉致問題のポス
ターを貼ったことです。3つ目の100は、12月の北朝鮮人権週間中は市の課
長級以上の職員がブルーリボンバッジを着用したことです。当時は議員は議会の
議場でとなっていましたが、今は執務期間中ずっと付けています。

 それを横展開して広げようということで、大阪府の拉致議連が府議会で決議を
し、大阪市を初めとして府内の各市がそれを決議して、北朝鮮人権週間中は皆バッ
ジを着けましょうという運動をやり、それが色々な所に広がっていて、我々のお
願いもあって政府も動いてくれました。

 今まで実現できなかったのですが、北朝鮮人権週間中にすべての閣僚がバッジ
を着けて写真を撮るということをやってくださいました。

 これらの火付け役である小坪先生がたまたま東京に出張で来ておられたので引っ
張ってきまして、行橋市の現状や地方議会の現状について説明していただきます
(拍手)。

◆行動しないと何も変わらない

小坪慎也(福岡県行橋市議会議員、救う会福岡副代表)

 私はやるべきことをやらないと意味がないと思っています。救う会福岡副代表
でありますが、議員でもあります。国会議員を責めているわけではありませんが、
結果を出してこそ政治家です。また市議会議員は家族会や救う会とも異なる立場
です。目標は一つですが。

 地方自治法第99条というのがあり、それに基づいて拉致問題に関する意見書
はこれまでもよく出されてきました。「政府は拉致被害者を取り戻しなさい」と
かです。

 他方、市議会議員でも市立の小学校、中学校に関しては何度も調整をして要請
することができます。また拉致問題の広報・啓発については、国の法律で定めら
れ、地方自治体には努力義務があります。従って、「これは政治活動ではなく、
法律に基づく行為ですよね」と問い続けました。

 そしてブルーリボンバッジについても、北朝鮮人権啓発週間中は是非着けるよ
う求めました。そして「3つの100」ということで結果を出しました。議員は
結果を出してなんぼなんです。私は別にそれを偉いとも思っておらず、職務を果
たしただけです。

 ここに書いてないことを少しだけお話ししますと、報道機関はだいたい左なの
で戦ってきました。しかし拉致問題は左も右も関係ないので、沖縄県知事の玉城
デニーさんに、「ブルーリボンバッジを着けてくれないのですか」と聞いたら、
沖縄では迷ったとは思いますが着けてくれました。

 「3つの100」の記事を資料として、「実績がある市もある。どうしてうち
ではできないのか」と考えてもらっています。大阪府もそうです。西村眞悟先生
の息子で大阪府議の西村日加留君という人がいて、自民党ですが、維新の会の吉
村洋文知事に「ブルーリボンバッジを着けてくれませんか」とお願いしたら、着
けてくれました。大阪は府警の本部長も着けています。

 東京都議会でも、小松大祐都議が友人なのですが、10年に1回くらいしか回っ
てこない代表質問の場を拉致問題に使ってくれて、小池知事にお願いした。そう
したら都の幹部職員すべてがバッジを着け、厳しい規定がある中で警視総監まで
バッジを着けました。

 私たちは国にやってくれと言う前に、自分からやらなければないと思います。
行橋市でも、「3つの100」は法律に基づくものだから頑張れと、また政府も
着けているから頑張れと、西岡会長が励ましてくれました。

 昨年は救う会の拉致問題セミナーがあり、櫻井よしこ先生の司会のもと、安倍
晋三・元総理の前で報告しました。私は一般質問で、「行橋市でも〈アニメめぐ
み〉を上映してください」とお願いしました。それに対し、教育長が「半島由来
のご子弟がいじめにあうかもしれないから教育的配慮が必要です」と議場で答え
ました。それで「教育長は絶対許さない」と発言しました。そうしたら翌日謝罪
して撤回しました。救う会が抗議して、福岡県知事も抗議して大騒ぎになりまし
た。国会議員も電話をしてくれました。

 私は、「アニメめぐみ」の上映率を100%にしてほしい、感想文を書いてほ
しい」と訴えたところ、2か月で教育のカリキュラムに盛り込んで、その後に大
臣の通達があったこともあり、上映率が100%になりました。これは全国の公
立の小学校・中学校でもできることです。

 私が伝えたいことは一つだけ、やはり行動しないと何も変わらないと思います。
外交のことは政府や西岡会長のような人がやればいいのですが、啓発活動は地方
議会でもできることですから、世論については揺るがせられないように努力する
ことが大切だと思います(拍手)。

◆政府に頼むのではなく自治体でできることをした

西岡 ありがとうございました。拉致被害者の奪還は国政の役割だが、地方議員
には世論を絶対に風化させてはならないという役割がある。そのために全力を尽
くすべき、というお話しでした。

 私もよく分からなかったのですが、これまで救う会は地方議会に「意見書を出
してください」を頼んだのです。全国の議会でやってもらいました。意見書は地
方の意思を政府に伝えるものです。政府に、「こうやってください」と言うもの
です。

 ところが今おっしゃったのは意見書ではなく、決議なんです。行橋市の場合、
市立の小学校、中学校を運営しているのは市で、予算などを通す市議会が決議を
すると、これは運営主体から言われたことになりますので、教育委員会も真剣に
考える。

 例えば、市議会で「昨年何%上映したか」と質問されると、調べなければなら
ない。政府や拉致問題対策本部、文科大臣から過去3回も通達を出していただき、
毎年調査もしていただいていたのですが、やはり政府が市に言うということには
クッションがあるし、色々なものも来ますので、すぐに応えてくれるかどうか分
からない部分もあります。

 しかし、地元の議員が質問したことには答えなければならない。それを質問で
はなく議会決議でやった。これは現場の人にしか分からない発想で、「西岡先生、
意見書ではだめですよ」と怒られたこともありました。

 大阪府でも、「決議をするので大阪まで来てください」と言われて行ったら、
大阪の拉致議連の会長と昼食がセットされていて、お願いしました。そして大阪
府で決議をしていただき、堺市など各自治体でもやってくださいました。

 府警の本部長も着けてくださったのですが、警察というのは権力を行使する所
で、ある事件についてバッジを着けるのはかなりハードルが高いのですね。行政
の人よりもかなり高い。実はたまたま府警の本部長は政府の拉致問題対策本部に
いた方だったのです。拉致のことをやっていた人です。また、拉致問題対策本部
で働くというのは警察にとっては高い評価なんだなとその時分かりました。

 小坪先生もおっしゃいましたが、12月のセミナーで安倍晋三先生を呼んでお
話をしていただきました。その後、東京都の警視総監もバッジをつけてください
ました。その警視総監は安倍総理の秘書官だった人です。「僕と一緒にいる時は
いつも着けていましたよ」と安倍さんが言っていました。

 そういう人がたまたま警視総監にいたり、大阪府警本部長にいたということも
あるのですが、警察の人は色々な事件を扱って権力を行使する立場ですから相当
自制的なのですが、これは法律に基づく人権の問題だということで着けてくださ
ることもあるのですね。(小坪先生は)馬力があるので、その馬力に押されて私
もやったのですが、一歩進めたなと思っています。

 また官房長官(拉致担当大臣)が一生懸命(啓発活動の勧奨を)やってくださっ
たこともあり、大変感謝していますし、お礼も申し上げました。皆さんの共通の
理解で、世論を風化させてはならないと、北朝鮮に日本人の怒りを伝えることが
一定程度できたなと思っています。

◆中国から輸入したのは糖尿病の薬と砂糖、食用油、小麦粉

 北朝鮮は今本当に困っています。哲也さんも話されましたが、中朝間で貨物列
車が動き始めました。何を積んでいるかだいたい分かったのですが、まず薬です。
これは分からなかったのですが、コロナの薬かと思ったらそうではなく、まずは
インシュリンでした。糖尿病の薬です。

 北朝鮮の人はガリガリにやせているのですが、幹部には糖尿病の人がいるんで
す。そして経済制裁の結果、インシュリンがなくなってしまった。幹部に死者が
出たのでインシュリンなのだと関係者から聞きました。

 次に、砂糖、食用油、小麦粉です。これらの物で栄養をとっているんです。肉
や魚はそんなに食べられないですから。平壌の商店でも在庫がなくて買えなかっ
たそうです。

 少し前に、平壌のロシア大使館の外交官がトロッコで脱出する映像が出ました。
外交官はパンを食べるのです。パン屋がほとんどないので、小麦粉を買って自分
で焼いていたのですが、外貨ショップにも小麦粉がほとんどなくなる状況が去年
から起きていて、それで外交官たちが逃げているのです。それを緊急輸入してい
ます。

 幹部たちもお金を出せば買えるようになり、平壌の商店でその3つが出回り始
めたと聞きました。さらにこの2月、金正日生誕80周年を迎えます。そして4
月に、金日成生誕110周年となります。金正日の誕生日は金日成に合わせるた
めに1年嘘をついているのですが。

 この2つの誕生日を大々的にお祝いすることを拡大政治局会議で決めたのです
が、物がない。子どもたちにお菓子を配らなければならないのですが、そのこと
もあって砂糖、食用油、小麦粉だったのです。

 それを緊急で入れるということが始まったのですが、まだ貿易再開とは言えま
せん。北朝鮮のチャンマダンという市場では、主食以外の商品はほとんど中国製
でしたが、それがどんどん姿を消していました。それが再開するという兆候はま
だありません。

 さらに貿易に必要な外貨がありません。緊急支援については党の39号室が持っ
ているお金を少し使った。中国に支援を要請したのですが、中国は断っています。
「無償支援はしない」と。

 そこで今やっていることは、過去に中朝貿易で儲けた中国の企業に、「寄付し
てくれ」と。寄付を集めてなんとかやろうとしているけど、あまり集まりはよく
ない。

 中国は北朝鮮に、「北京オリンピックに出てくれ」と言ったのです。水面下で
かなり要請していた。そして開会式には金正恩に来てほしい、と。金正恩がだめ
なら金与正(キム・ヨジョン、正恩の妹)、崔龍海(チェ・リョンヘ)という名
目上の元帥に来てほしいという要請があったそうですが、北朝鮮は「世界的なパ
ンデミック(コロナ蔓延)と西側諸国の政治的陰謀のために参加ができなくなっ
た」と発表しました。

 後者の方はオリンピック委員会が資格を剥奪したのです。東京オリンピックに
正規の手続きもしないで欠席したので、今回は国としては参加できないのです。
しかし中国側は、「ロシアが東京オリンピックに参加したように、個人の資格で
参加してくれ」と言ったのですが、それはしなかった。

 パンデミックについては、「北京は安全だ」と世界に向かって言っています。
「安全だから来てください」と言っているの。そして北朝鮮は、「国内には患者
がいない」と言っている。患者がいないところから北京に行ったら危ないと、公
然と北朝鮮は言ったのです。そしてオリンピック直前にミサイルを撃ちまくって
います。

◆ミサイル連続発射は米朝協議でアメリカの制裁一部解除と人道支援が狙い

 これは、「卵が先かにわとりが先か」という面があるのですが、実はこれは報
道されていませんが、今アメリカの原子力空母が3隻、東シナ海、南シナ海に来
ています。それは9万トン以上です。さらに4万トンクラスの軽空母級の強襲揚
陸艦が2隻きています。合計5隻が朝鮮半島及び台湾周辺に集まっている。北朝
鮮は相当ピリピリしています。

 2016年、17年に北朝鮮が弾道ミサイルを40発撃った時、戦争直前まで
行きました。その時は空母が3隻でした。今5隻です。多分それは今ウクライナ
情勢があり、ロシアが何かするかもしれない。その時に台湾を守らなければなら
ない、ということです。連動しています。

 アメリカが西で軍事作戦をすることになると東で空きが出てくるようなことは
ないんだというメッセージが1つあると思いますが、平壌から見ていると、自分
の所に来るかもしれないと見えるのです。

 それでミサイルを撃って、俺はこんなのを持っているんだぞということを1月
からやった一つの背景です。しかしそれは、北京にとっては、何をやっているん
だということになるわけです。

 ミサイルを連日撃ち、拡大政治局会議で、前回「一方的な配慮で実施を留保し
ていたものを再開する」というようなことを言いましたよね。これは核実験とア
メリカまで届く弾道ミサイルの発射実験のことです。それを繰り返しやったから、
2017年に空母が3隻来たのです。

 内部情報によると、本当に苦しいので緊張を意図的に高めて、アメリカの制裁
の一部解除と人道支援を取りたいと思っていると最近聞きました。そして中国に
は一方的に頼れない。中国は、「改革開放」を強要する。それは困る。

 韓国と交流をすると、みんな韓国にあこがれてしまって、吸収統一の方向に行っ
てしまう。だから今、韓国のテレビのビデオ等がたくさん北に入っているのです
が、それを「反社会主義的な文化」だと言って徹底的に取り締まっている。

 だから韓国と交流すれば韓国が豊かだということが分かる。文化も入ってしま
う。そういう点で一定の距離を置かざるをえない。そういう枠組みの中で日本と
いうものの価値が、権力中枢部の中で上昇しているという複数の情報があります。

 我々も、一昨年の有本嘉代子さん、横田滋さん、そして去年12月の飯塚さん
と、運動の中心にいた人たちが天に召されるということが続いている中で、親の
世代の人たちに家族を会わせることを目標に25年前に運動を始めた時と比べて
考えると、苦しい所に追い込まれていることは間違いありません。

(3につづく)

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