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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北にインフレの波 中朝会談後の経済回復は「誤報」 日本の資金に興味は継続、好機は来る(2026/07/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.07.06)

 以下は、西岡力救う会会長が、「産経新聞」の「拉致問題の現場から(第35回、
7/4)」に寄稿したものです。参考情報として送ります。

<参考情報>

 6月8?9日、中国の習近平国家主席が北朝鮮の平壌を訪問し、金正恩(キムジョ
ンウン)朝鮮労働党総書記との中朝首脳会談が行われた。

 5月14?15日の米中首脳会談、5月20日の中露首脳会談では、トランプ大統領、
プーチン大統領がそれぞれ北京を訪れており、今回のトップ会談も金氏が訪中す
るものと思われていた。

 習氏のほうが平壌を訪れたのは、それなりの理由があったはずだ。調べてみる
と、会談を前に、中朝間に軍事的な取引があったことが分かった。

◆トランプ氏の対北攻撃意向を黙認

 情報筋によると、5月の米中会談時、トランプ氏は習氏に対し、北朝鮮の核問
題について、「イラン方式で解決する」と話したという。イラン方式とは無論、
米・イスラエルがイランの最高指導者のハメネイ師を爆撃で殺害した軍事作戦を
指す。つまり、米国が北朝鮮に軍事攻撃を仕掛けるという意味だと考えられる。

 そして当の習氏は、米国が今後、中国と台湾との関係に干渉しないことを条件
に、トランプ氏のこの申し出を黙認する立場を示したという。

 北朝鮮は何らかの方法で、この情報を入手。命の危機が迫っていると感じた金
氏は習氏に、米国が北朝鮮に軍事攻撃を仕掛けてきた場合、黙認するのではなく、
北朝鮮と共同で事案に対処するように要望。見返りとして、北朝鮮の日本海側海
軍基地を中国海軍が使用することを認めた。

 この取引に満足した習氏は、北朝鮮の顔を立てる意味も込めて、7年ぶりに自
らが訪朝する道を選んだという。

 中朝会談には両国の国防相が同席。中国側の発表では、両国の軍隊の交流を強
化することなどが話し合われたといい、この点は、情報筋の話とも符合する。

◆「朝鮮貨幣は紙くずになった」 元幹部指摘

 習氏は訪朝時の夕食会で、「中朝の伝統的な友好は国際情勢の変化による試練
に耐える中で受け継がれ、長い時間を経て強固になっている」などと強調した。

 ウクライナ戦争に伴う露朝の接近を受けてぎくしゃくした中朝関係に、区切り
をつけるような物言いであり、北朝鮮では、中朝会談後に中国から経済支援が実
施され、自分たちの暮らしが改善するのではないかとの期待が広がった。

 呼応するように、最近、一部の海外メディアが、北朝鮮経済は回復したという
記事を相次いで発信している。

 平壌で高層住宅の建設ラッシュが進んでいることや、自家用車やタクシーが増
えていることなどを根拠とする内容だ。

 一方、脱北した北朝鮮元幹部は私たちは「救う会」の聞き取りに、これらの報
道について「荒唐無稽だ」と主張する。

 元幹部は、「経済が好転しているのならば、ドルと北朝鮮通貨の価値が安定し
ていなければならないが、直近では1ドル8万ウォン(約1万4000円)まで上がっ
た。朝鮮貨幣が紙くずになった証拠だ」と指摘。「米や薬、肥料、石油など、生
活必需品の価格は人民が耐えられないほどに高騰している。中国からの投資や貿
易が拡大するなどすれば、生活は改善していくだろうが、これまでのところ、そ
うした話は聞いていない」とする。

◆日米批判も「高市」、「トランプ」は名指しせず

 元幹部の指摘と同様に、私も北朝鮮経済は回復には至っていないとみている。

 私が調べたところでも、中朝会談から約1カ月が経過した現在も、地下パイプ
ラインによる中国産石油の提供量は、平時の3分の1に減らされたままだ。新型コ
ロナ禍前までチャンマダン(民間市場)で売られていた中国製品も戻っておらず、
中国人観光客の訪朝も再開していない。

 今回の中朝会談はあくまで、軍事連携の強化に絞った合意だった可能性がある。

 米朝会談の実現可能性に話を戻す。情報筋によると、水面下の米朝交渉では、
北朝鮮は国連からの経済制裁の緩和を求めているという。国連制裁が、日本から
の大規模経済支援を得るための障害になっているからだ。北朝鮮は日本の資金を
依然として欲している。

 金氏は、6月20?22日に開かれた朝鮮労働党の中央委員会拡大総会演説で、日
米を公然と批判した。国際社会に「アメリカ第一主義」や「日本軍国主義」が横
行し、「不安定な状態をもたらしている」ことが理由とした一方で、高市早苗首
相やトランプ氏を名指しすることはなかった。

 両国と関係を断絶する意向までは持っていないことの証しだろう。私は11月の
米国中間選挙までに米朝会談が実施される可能性があるとみている。

 先に書いたように、金氏はトランプ氏が「イラン方式」で自分の命を狙ってく
るのではないかと、疑心暗鬼になっている。そのため、トランプ氏と関係が良好
な高市首相を通じ、北朝鮮を攻撃しないように促してもらうという検討も内部で
出ているはずだ。

 これまで首脳会談の開催順として、米朝が先で日朝がその後という見方を示し
てきたが、この状況下では、米朝会談前に北朝鮮が日本に接近してくることも考
えられる。

 日本政府はあらゆる事態を想定し、準備を尽くしておく必要がある。



◆拉致認定の根拠は「証言」だけじゃないー「電波」の謎

 北朝鮮が日本人を拉致していることを、日本政府はいつ知ったのか。この問い
を探るキーワードは、「電波」だ。

 昭和63年3月の参議院予算委員会。梶山静六国家公安委員長が、地村保志さん
と(旧姓・浜本)富貴恵さん夫妻、蓮池薫さんと(旧姓・奥土)祐木子さん夫妻、
市川修一さんと増元るみ子さんの、3組のカップル失踪事件などについて、「北
朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚」と述べた。

◆市川修一さんと増元るみ子さんが姿を消した鹿児島県の吹上浜

 この「梶山答弁」は、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)
元工作員が同年1月にソウルで行った会見で、「自分は日本から拉致された女性
から、日本人に化ける教育を受けた」などと証言したことを受けたものだ。

 ただ、このときの「日本から拉致された女性」は、田口八重子さん(70)=拉
致当時(22)=を指す。地村さんら6人には言及しておらず、なぜ昭和63年時点
で「拉致濃厚」と言えたのかはいまだに分かっていない。

 また、平成18年に政府が被害者として認定した松本京子さん(77)=同(29)
=についても、元工作員らの証言がなく、認定理由は不明のままだ。

 産経新聞は小泉純一郎首相の訪朝前の平成10年8月、根拠につながる重要な内
容を報じている。

《元工作員証言は拉致疑惑認定の有力な根拠だが、それだけではない。日本政府
が認定するに至った「証拠」を、捜査機関はほかにも握っている》

《「国内、船、北朝鮮のトライアングル(三角形)で暗号交信がきわめて活発に
集中的に行われる時期があった。その場所と日時は失跡事件と見事に一致してい
る」。ある公安関係者はこう言って、こうした分析記録が北朝鮮による日本人拉
致疑惑を日本政府が認定する「証拠」のひとつとなったことを示唆した》

 14年10月には南日本新聞が、市川さんと増元さんが吹上浜(鹿児島県)で拉致
された昭和53年8月12日の前後約1週間にわたり、警察当局が「怪電波」を傍受し
ていたとスクープしている。

 つまり、警察当局は、日本近海に入ってきた北朝鮮工作船が発する電波を傍受
し、事前に出現を把握していたのだ。ほどなく船の出現と失踪事件の時期が重な
ることもつかみ、北朝鮮が日本人を連れ去っているという事実にたどりついたと
みられる。梶山答弁も、電波が根拠になったとみていいだろう。

 だから、冒頭の問いの答えは「失踪直後から知っていた」となる。

 次回もこの電波について、深掘りしていく。

以上


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