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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米大統領選挙と拉致問題−東京連続集会報告1(2020/11/24)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.11.24)

 11月19日(木)午後6時半から、「米大統領選挙と拉致問題」とのテーマ
で、第112回東京連続集会を開催しました。以下はその全記録です。

■米大統領選挙と拉致問題−東京連続集会報告1

 米国大統領選挙はバイデン氏が当確と伝えられている。米国の対北朝鮮政策は
今後どうなるか。拉致問題はどうなるか。一方、9月下旬、中国が人と物の流れ
を止めたという現地情報があり、北朝鮮はさらに困難を極めている。

 この新たな状況を拉致被害者救出にどう活かすか、最新情報をもとに西岡力会
長と島田洋一副会長が解説。横田哲也家族会事務局次長も参加した。

■米大統領選挙と拉致問題

◆米朝首脳会談で金正恩は「意味のある回答をした」

西岡力(救う会会長、モラロジー研究所教授)

 今、平田事務局長が言ったように、アメリカに大きな変化が多分あるだろうと
いう状況で、「全拉致被害者の即時一括帰国」に向けて、我々がその状況をどう
分析して何をすべきかということを一緒に考えていきたいと思います。

 その前に、頭の整理として、我々の救出戦略がどういうものなのかということ
をお話しして、その中で変数としてアメリカのこと、そして今北朝鮮で起きてい
ること、それから昨日国連であったこと等についてお話したいと思います。

 まず救出連略です。これは繰り返しお話ししていますが、「先圧力、後交渉」
です。強い圧力を背景にした交渉でなければ北朝鮮を動かすことはできないとい
うことです。

 ただ、その圧力については2年前にほぼ完成したと思っています。だからこそ
家族会・救う会は、昨年2月に、「全被害者即時一括帰国実現すれば日朝国交反
対しない、帰国被害者を反朝鮮運動に使わない」というメッセージを金正恩氏宛
に出しましたが、これは圧力が2年前に完成したと思ったからです。

 その圧力の主体が特にアメリカだったわけです。アメリカが、「北朝鮮がアメ
リカ本土まで届くミサイルを完成させるなら軍事行動も辞さない。あるいは金正
恩斬首作戦を実施する」として強い圧力をかけたのが、2017年秋でした。本
当に戦争直前までいっていたのです。

 金正恩はそれを恐れて、アメリカ本土にまで届く核・ミサイルが完成したとい
う確実な実験結果だ出ていないのに、「完成した」と言って、2018年から話
し合いに入ったことがありました。

 もう一つ、2017年に国連を舞台にした経済制裁が史上最高まで高まって、
北朝鮮の政権を維持するために必要な外貨を管理している党の39号室、金正恩
の個人資金とも言われていますが、その資金が枯渇し始めました。

 その頃安倍総理は、「拉致を解決しなければ明るい未来ない」という言い方を
していたのを変えて、「拉致を解決すれば明るい未来ある」と言い始めたんです
ね。同じことを言っていますが、ニュアンスが違います。そして「無条件の首脳
会談」を提案した。

 これは、できる限りの制裁、圧力がかかったからです。「圧力」も被害者を助
ける手段ですから。そして犯人が人質を持って立てこもっている以上、犯人と話
をするしかないので、話し合いをしようと言い始めたのです。

 一部で、「安倍総理は方針を変えたのではないか」とか、「方針を変えた安倍
総理を家族会・救う会は批判しないのですか」みたいなことを言われましたが、
我々は「先圧力、後交渉」と言っていて、「圧力が完成したと総理が判断したの
であれば、それを支持する」と言いました。

 もう一つ、トランプ大統領が去年(2019年)2月、安倍総理が「無条件で
話し合いをする」と言った直後に、ハノイで金正恩に会って、2回、金正恩に直
接拉致問題の解決を迫ったんです。

 これは去年の5月に家族会救う会が訪米した時、アメリカ政府高官が我々に教
えてくれたことが、最初の金正恩とトランプとの1対1の首脳会談の席で出した。
しかし、金正恩氏は話題を変えてごまかした。

 アメリカの大統領がアメリカ人の話ではなく、外国人の話をするのですから、
これで終わりだと金正恩も思ったと思います。1対1の首脳会談の直後の夕食会
でも、トランプ大統領は拉致問題を出した。

 アメリカ政府高官は、「その時は金正恩はごまかさずに意味のある回答をしま
した」と伝えてくれました。「但しその回答の内容は家族会にも伝えられません。
外交の秘密です。ただ安倍総理には全部伝えてあります」ということでした。

 家族会・救う会が、「全員帰ってくるなら国交正常化に反対しない」というメッ
セージを出し、金正恩委員長にも拉致問題の重要性についてトランプ大統領から
2回説得ができ、金正恩委員長が「意味のある答え」を出した後に、安倍総理は
「無条件で会う」というアプローチをした。

 だから、「先圧力の段階が終わった。いよいよ交渉だ」という判断をされたの
だと思います。

◆「責任者を国際刑事裁判所に訴追」とあるので、起草国から外れた

 昨日から今日にかけてニュースが出ていますが、国連の第三委員会で北朝鮮の
人権決議が採択されました。第三委員会はニューヨークにあって、国連のすべて
の加盟国が入っている委員会で、そこで採択されるということは、12月の総会
で採択されるのと同じ意味があるのです。

 手続きに関わることで、人権に関することは第三委員会に出して、その後総会
に出すということになっています。

 去年の5月に安倍総理が「無条件で会いましょう」と言った直後の6月に、ジュ
ネーブにある国連人権理事会で北朝鮮人権決議が採択されています。北朝鮮の人
権については、国連は二つの場所で決議します。6月頃に人権理事会、12月に
総会で決議ということを、この14年間ずっとやってきました。

 去年6月の決議の時、日本は決議案の起草国(共同提案国)から外れました。
今回の第三委員会の人権決議でも起草国から外れました。2014年に安倍政権
が強い後押しをして、国連北朝鮮人権調査委員会ができて、その調査委員会の報
告書に基づいて、「北朝鮮の人権侵害は、ヒトラーやポルポトがやったと同じよ
うな人道に対する罪だ。責任者を国際刑事裁判所に訴追すべきだ」と書いてある
のです。

 去年の決議にもそう書いてあったのですが、それがあるので日本は起草国から
外れたのです。「無条件で会いましょう」と言っている相手に対し、「国際刑事
裁判所に訴追する」という決議の起草国になることを北朝鮮がどう思うかを判断
したのだと思います。細かいことは総理の判断ですから我々は聞いていませんが、
多分そういう判断をしたのだと思います。

 その時私のところにも外務省の人が説明に来たのですが、「今回外れます」と
いう話でした。私は、「交渉のことは総理がやっていることだから途中経過の説
明を私たちは求めていない。結果を出してほしいと思っている。但し、この人権
決議は、我々は2001年からニューヨークの国連本部に行って、そしてジュネー
ブの、当時は国連人権委員会に行って、『拉致問題を取り上げてくれ』と言って
きたもので、その結果こうやって取り上げられるようになった。一昨年に比べて
拉致問題に関する決議の内容の表現が弱くなったら、我々は評価できない。起草
国から外れてもいいけど、表現は弱くしないでくれ」という注文をつけました。

◆国連人権決議が北朝鮮に対し年々厳しくなっている

 それは外務省にとって大変難しい注文です。起草国から降りると事前に草案を
見せてもらえない。当たり前です。実は裏で外交をして、私たちが言ったからだ
けではなく、政権としてそうだったと思いますが、外務省にそういう命令が出た
のだと思います。

 そして起草国から降りた後、去年の6月の人権理事会、12月の国連総会、今
年6月の人権理事会、昨日第三委員会で通った人権決議について見ると、次々と、
拉致問題に関する表現が強くなっています。起草国から降りたのに表現は強くす
るということをやってくれた。外務省の人たちもすごいな、日本の外交力もたい
したもんだと私は内心思っています。

 去年の国連総会の決議と、昨日の第三委員会の決議を比べると、「拉致被害者
及び家族が長きにわたり被り続ける多大な苦しみ」とあったのですが、それを
「深刻な懸念を持って強調するというのが入りました。

 それから、「日本人及び韓国人の帰国の実現を要求する」とあったのですが、
今年は、「すべての日本人及び韓国人」となっています。我々は、「全拉致被害
者の即時一括帰国」と言っているのですが、「すべての」というのは去年はなかっ
たのが今年入りました。

 さらに、去年は「拉致被害者の帰国を早期に実現する」となっているのですが、
今年は、「すべての日本人及び韓国人の即時帰国を強く要求する」となっていて、
起草国から外れたにも関わらず強い表現が入った。

 こういうことも含めて、「圧力」は維持されている。だから話し合いを求めて
いる。特に、トップ会談を求めているということ。そして9月に成立した菅政権
も、安倍政権のその方針を引き継いで、就任直後の国連総会で、これはリモート
で行われた総会ですが、次のように述べました。

 「拉致被害者御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もあり
ません。日本として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸
案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す考えに変わり
はありません。日本の新しい総理大臣として、私自身、条件をつけずに金正恩委
員長と会う用意があります。日朝間の実りある関係を樹立していくことは、日朝
双方の利益に合致する」というリモート演説をしました。

 その後、この間の国会での所信表明演説でも、外交安保に関する段落の一番最
初が拉致問題でした。中国問題、アメリカの問題、様々な問題があるのですが、
一番最初に言及したのが拉致問題で、これと同じ趣旨のことを言って、「条件を
つけずに会う」という話をしています。

 また、拉致問題対策本部がユーチューブを始めたんですね。今年コロナがなけ
れば、5月に国連本部の中で国際セミナーをやる準備をしてくださっていたんで
すが、できなかったので、ユーチューブ上で国際セミナーをやったんです。

 5月は、菅総理が官房長官兼拉致問題担当大臣だったのです。菅さんが主催者
としてやることになっていました。去年も官房長官で忙しいのにニューヨークま
で行ってくださったのです。

 ユーチューブを始めたのは安倍さんが辞めた後、菅総理の時です。だから本来
なら、5月の国際セミナーをそのままユーチューブにするのなら、加藤勝信官房
長官兼拉致問題担当大臣がひとこと言って、セミナーが始まるわけですが、ある
ところから聞いたら、菅総理の所に持っていったら「俺も出る」ということで、
菅総理と加藤勝信官房長官の二人が両方出ているのです。

◆菅総理のメッセージの深い意味

 そして菅総理のメッセージは、先ほどの話と同じ内容でした。「金委員長に無
条件で会う準備がある」と。そして、「日朝双方の利益に合致する」というのは、
拉致問題が解決されれば、国交正常化して経済協力する準備があるという意味に
読める表現です。

 「一刻の猶予もない」というのは、日本人が、「拉致問題が解決してよかった
な」と思うのは、経済協力をする条件だ、と。しかし、「親の世代が生きている
間でなければなりませんよ」ということが含まれていると私は理解していますが、
そういうことが読めるようなメッセージで、菅総理は就任後私が知っている限り
3つ出し続けています。「圧力の枠組みはできた。話し合いをしよう」と言って
いるわけです。

 但し、今日のテーマである「アメリカ」が変わるかもしれない。圧力が完成し
たのは、トランプ大統領と安倍総理との関係もあって強い圧力がかかっていたわ
けですが、拉致問題のための首脳会談をするためにも、強い圧力が背景として必
要なわけですが、この圧力が選挙の結果変わるのか、変わらないのかというのが、
大きな変数として私たちの前に現れたということです。

 もちろん金正恩政権は、トランプ政権の再選を望んでいたと思いますが、その
ことについては後でお話しします。とにかくアメリカの政権が代わると見られま
すがトランプ大統領がまだ敗北宣言をしていませんので、100%ということは
ないのですが、様々な情勢を考えるとその可能性が高いのは間違いない。その場
合、今まで築いてきた国際包囲網及び経済制裁、軍事圧力がゆるむのかどうかと
いうことが、「先圧力、後交渉」の戦略に大きな影響を与えるわけです。

 アメリカに対して我々は働きかけをしたいんですが、今コロナでアメリカに行
くこともできないという状況の中で、アメリカのことをずっと見ていた島田副会
長、見ていただけでなく、被害者救出運動でアメリカに対する働きかけの責任者
に話してもらいます。

 2001年から毎年、最近は年に2、3回訪米して、拉致問題について働きか
けをしてきた島田さんに、この選挙の結果アメリカの北朝鮮政策がどう変わるの
か、そしてアメリカは大統領だけでなく議会の国ですから議会、そしてその後ろ
にあるワシントンのシンクタンクなどの状況を踏まえて、今後どこまで変わるか、
あるいは何が変わるかについて話してほしいと思います。

(2につづく)





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