救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

これだけできる北朝鮮への追加制裁-東京連続集会報告4(2015/07/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.07.07)

■これだけできる北朝鮮への追加制裁

◆全被害者一括返還要求に北が迷っているのなら様子を見ることも

西岡 これは今後法律をどう変えるかという指摘だと思います。

 冒頭に二つと言った二つ目ですが、これは今後の展開とも関係することです。
これは塚田先生に聞くというより、我々が考えるべきことですが、拉致問題が今
後どうなるかということです。

 7月になりました。表向きは政府間の協議、公式にやったという協議は10月
以降ありません。もちろん、1月、2月、3月、4月、5月と協議があったとい
う報道、情報はあります。しかし、話が何かまとまって、表向き政府間協議をし
ましょうというところまでいってない。現時点でもそういう発表がない。

 明日伊原さん(外務省局長)が出発しても、4日までに何かが出てくることは
ありえないという状況だと思います。それをどう見るかということですが、水面
下で何が行われているかをみなければならない。

 1月以降、北朝鮮は、「調査は進展している。報告書を出したい」と言ってき
ています。しかし、拉致の調査はまだ終わっていない。それ以外の遺骨問題や日
本人妻問題、残留孤児問題については調査が終わったということです。

 私が聞いていることでは、ある地域に住んでいる日本人妻のところには、「本
当に帰りたいなら帰れるぞ」と平壌から保衛部の人間が来て言われたそうです。
去年の5月に続いて二度も言われた。しかし「帰りたい」とは言わず、「考えさ
せてくれ」と言ったのだが、私がかえったらどうなるかと日本に電話をかけてき
たのでこのことが分かりました。

 しかし、「犯罪であり、主権侵害である拉致が最優先だ。拉致以外のものを先
に受け取ることはできない」と言って安倍政権は頑張ったというのが私が情報収
集した内容です。最近そういう報道も出ています。

 そこで頑張っているのなら悪くないと思います。話し合いが進まない中で、安
倍政権は外務省だけを使うのではなく、警察を使って朝鮮総連の議長、副議長の
自宅の家宅捜索をし、議長の次男を逮捕した。北朝鮮は激しく抗議しましたが、
その抗議の内容を見ると、国防委員会とか外務省、国家保衛部などの公的機関で
はない。今調査に関わっている公的機関からの抗議は一切ありません。

 人権なんとか擁護委員会とか、日朝友好協会とか聞いたことがないような団体
の名前で抗議文が出ています。そして山谷大臣については、国家公安委員長も兼
ねていますから、「人でなし」とか、「嘘つき」、「有象無象」、「拉致を利用
して金儲けしている」と非難が出ていますが、その上にいて、国連に拉致を持ち
込み、総連に厳格な法執行をやれと仕切っている総理への批判はありません。

 安倍総理の歴史問題に対する発言、安保法制に関する発言についての非難はあ
りますが、拉致問題、特に朝鮮総連に対する厳格な法執行を激しく非難しながら
も、その責任者である安倍総理に対する非難はありません。

 国連の人権問題についても、アメリカがやって日本が追随したと非難されてい
ます。これはニューヨークに行って、代表部の外交官の人に聞いたら、これは著
作権の侵害ですねと笑っていました。国連総会での決議を書いたのはEUと日本
で、アメリカはただ賛成しただけで我々に著作権があるのに、北朝鮮はアメリカ
がやったと言っていると笑っていました。

 彼らは朝鮮総連の取り締まりを強めている時に、「調査委員会を解散した」と
か、「停止した」と発表することもできたわけです。「このままではできなくな
るぞ」とは言いましたが、未だに「止めた」とは言わない状況です。

 そこで水面下で今日本政府がどういう交渉をしているのかよく分かりませんが、
「すべての被害者が一括して帰ってくる」ことで交渉しているのであれば、7月
4日に何も出なくても、北朝鮮がそれをしないと日本がなにをするかと迷ってい
るのであれば様子を見ることもありえるのではないかと私は思っています。

 横田さんに、蓮池薫さんが数か月前おっしゃったことですが、「被害者の人た
ちは協議が行われていることを分かっている。北朝鮮では物質的にはある程度恵
まれているが、精神状態が一番心配だ。今回また、何人かの人しか帰れなくて残
された人が出てきたら、残された人たちは精神的にもたないだろう」と聞きまし
た。

 今向こうにいる人たちは、「どうなんだろうか。私の名前は入るんだろうか」
と、本当に息をのむような思いで待っている、ドキドキしていると思うんです。

 そしてもう一つ、2002年に「8人死亡と報告しろ」と決めたのは金正日で
す。北朝鮮のような独裁国家では、独裁者が一度決めたことをくつがえすのは大
変困難です。しかし、決めた人が死んで新しい独裁者になりました。今回何を出
すかを決めるのは金正恩です。

 今回彼が決めたことをくつがえすことは部下は提案できません。そういう点で
も今回残された人が出たらその人たちを救うのは大変困難になるということです。
だから、「全員一括帰国」で総理が裏交渉で頑張っているという前提であれば、
(少し様子を見てもいいと思います)。

 総理はこう言っています。塚田先生も引用されましたが、「拉致問題が解決し
なければ北朝鮮は未来を描くことが困難だ」。4月26日の国民大集会では、
「拉致問題が解決しなければ北朝鮮の未来はない」と言いました。「拉致問題が
進展しなければ」とは言いませんでした。解決しなければ未来をなくすのだと踏
み込んだのです。

 では日本政府の解決の定義は何か。3つあります。認定の有無に関わらず全被
害者の帰国と安全確保、2つ目が拉致に関わる真相究明、3つ目が実行犯の引き
渡しです。その内、最低1番目がなければ解決とは言えないと思います。私の言
葉で言えば、全員一括帰国です。

 日本だって3つのうちのまず1と言っている。2と3については、時差があっ
てもいいということです。犯罪事件で人質を取られている時、まず人質を解放し
た後犯人を逮捕したり、真相を究明するわけです。人質の安全が第一であるとい
うことはそれはいいと思います。しかし、人質を何人か残してもいいということ
はありえない。

 そういうことの中で、北朝鮮はまだ決断ができていない。多分、この自民党の
提言も見たと思います。何人か返してもこれが発動されるのか。返した場合何を
くれるのか。800人返せと言っているのか。そういうことについて本音の交渉
が始まっていることを期待しますが、分かりません。

◆進展ではダメ、総理も全員一括帰国が解決と

 今本当にぎりぎりのところに来ています。ぎりぎりのぎりぎりです。でもパイ
プは切れていません。どうも外務省以外のパイプもあるようです。日本政府が本
当に一体となって一括帰国じゃなければだめだと言っているのかどうか。

 総理は、「解決しなければ未来はない」と言いました。それを受けてこれが作
られたわけです。北朝鮮は誤解してもらっては困ると。何人かの人が帰ってきた
ら制裁をまぬがれるんじゃないぞと。総理は解決しなければ「解決しなければ未
来はない」と言ったのだ、被害者全員を返しなさい、と。

 全員返すということがあれば、国連制裁以外の制裁は解除したり、人道支援を
モニタリングの問題はあるけれども再開したり、様々なことができる。あるいは
秘密を知っているということで、それが暴露されるのを恐れるのであれば、被害
者の言動についても一定程度静かにするということについても、本人が望むなら
そういうこともできる。

 しかし、全員一括は絶対に譲れない。全員一括でないならこの制裁が発動され
るし、この話は北朝鮮がインターネットで見ていると思いますので言うのですが、
これは現行法規でできることを書いただけで、法律自体も強めて圧力をかえるこ
とさえ検討するんだと。

 与党は法律を執行する立場ですが、法律を作るのは与野党ですから、拉致議連
の中でも議論すると平沼会長も言っておられましたので、議論していただきたい
と思っています。そういうことが分からないと大変なことになりますよ。総理が
「未来がない」と言っているのは、「解決しなければ」と言っているんです。そ
れは張子の虎じゃありません。なぜなら、党は総理の言う通りこれを作った。

 今日はそういう点でも塚田先生に来ていただいて、もう一度みんなで確認して、
北朝鮮に伝えなければならない。本当に痛いことをやりますよ、という意味で作っ
てくださったと理解しているんですがそれでいいですか。

塚田 その通りです。この文章の中に調査報告の結果については書いていません。
拉致被害者の帰国につながる具体的な進展ということに重きを置いて、それがな
ければこうした制裁の発動を政府はやるべきだということで文章を作りました。
帰国とは一括帰国のことで、これは古屋本部長もそのようにお答えしています。
それがなければ進展とは言えないということです。

 それは飯塚代表もおっしゃっていますが、帰国につながる進展がなければ調査
結果が出てきてもそれは進展とはいえないという認識は共有しています。それが
ないのであればさらなる圧力をかけるべきだということで、政府にそのツールと
しての提案をさせていただいたものです。

司会 ここまでで質問がありますか。

◆被害者の家族も含めて外に出せと要求できる

横田滋(横田めぐみさん父、家族会前代表)

 特定失踪者のケースですが、ずいぶん時間が経っていますから、被害者の子ど
もが生まれ、さらに孫が生まれ、もう家族を置いて帰れないという人が出てくる
という報告が特定失踪者問題調査会からありました。

 本人が帰りたくないと言えば、帰らなくてもいいということはないんですか。

西岡 まず、本人の意思をどこで聞くかという問題があると思います。中山恭子
さんがよく言うんですが、ジェンキンズさんの場合は、小泉総理が1体で1時間
説得したけれども、「帰りたくない」と言ったんですね。

 北朝鮮の地で労働党に逆らうことは言えないわけです。だから、一度子どもた
ちを含めて日本または第三国に出して、北朝鮮の影響の外で意思を聞くことをし
ない限り、本人の意思だから残るということは通じない。

 それは5人の被害者が日本に帰ってきた時、表向きは帰ると言いながら、実は
内々に残りたいと言っていたということを見ても、その通りだとおもいます。

 最終的には、日本政府は5人の被害者についても、日本政府の責任で子どもた
ちを日本に連れてくる。そして家族がそろった段階で、「もう一度戻りたいと言
うなら戻ってもいいですよ」と言ったわけですが、それはしなかった。

 残念ながら寺越武志さんについてはその交渉をまだしていない。寺越さんが帰っ
て来た時には、北朝鮮の案内人が家にまで一緒に泊まり込んで見張っていて、残
念なことですが、自由な発言の環境を日本政府は保証することができなかった。
そういうことをまずしなければならない。

 よど号犯の子どもたちは今パスポートを持って自由に出国しています。あの人
たちが出国できこと自体おかしなことです。帰って来た人には出国の自由があり
ますから北朝鮮に行くことも自由ですが、北朝鮮は出国の自由がないし、言論の
自由もないという状況から考えなければならないと思います。

島田 これは国際法上は、被害者本人に加えて、家族も含めて出国を要求するこ
とは何ら問題ありません。

 前例を言いますと、イラクに関する国連安保理決議1447号というのがあり
ます。イラクに要求する項目の一つとして、「イラクの核開発に関わった技術者
を家族も含めて外国に出せ」というのがあります。

 家族を残したままだと、家族の安全が気になって本当のことがしゃべれない。
従って「家族も含めて外へ出せ。そして事情聴取させろ」という要求を国連安保
理が採択しています。中国も賛成し、シリアまで賛成しています。

 そういう国際法上の前例があります。従って、「家族も含めてとにかく一旦日
本に出しなさい」ということを日本政府が要求しても、何ら国際的に非常識な要
求にはならない。そういう前例も是非使ってもらいたいと思います。

◆日本版のテロ支援国指定はできないのか

増元照明(増元るみ子さん弟)

 アメリカが、(北朝鮮の)テロ支援国指定を解除した時に、家族会の中から、
日本版のテロ支援国指定という意味で、金融制裁を念頭にできないかという話し
がありました。その時、確か財務大臣が中川昭一さんで、アジア開発銀行がお金
を出す際には「拉致問題に資する」という項目が入ったんですが、その後は全然
議論されていないと思います。

 国際通貨がドルという意味は強いと思いますが、日本政府も北朝鮮と取引して
いる中国の銀行に対して、日本の銀行は取引を控えるようなことを打ち出しても
いいと私は思っています。これは6年も7年も前に言われたことで、その後放置
されています。

 アメリカだけに金融制裁をお願いする、カナダに金融制裁をお願いするという
のではなくて、日本独自の金融制裁を含めて考えるべきということがあの当時あ
りました。にも関わらず今も進んでいない。私は早急に考えていただきたいと思っ
ています。

塚田一郎 増元さんご指摘の件は大変重要で、きちんとした情報共有を行う必要
があります。どういう銀行が北朝鮮との取引をまだ行っているのかも含めて、対
象を絞っていくということも含めて、政府に要望したいという思いで3番目には
そういうことも少し書きました。

 今日ご指摘の視点も含めてまた申入れをしていきたいと思います。

(5につづく)


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/04/26
横田拓也代表が拉致議連ユーチューブで訴え
2024/04/19
家族会・救う会が米国国連大使と面会
2024/04/15
日本維新の会が政府に「拉致問題に関する発出文書」提出
2024/04/12
国連総会が北朝鮮の人権侵害非難を決議
2024/03/18
家族会・救う会の新運動方針について4

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■