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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録2(2015/02/10)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.02.10-2)

■北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録2

◆また同じことが繰り返されるので座り込みを行った

増元照明(増元るみ子弟)

 みなさんこんばんは。寒い中、これだけの方に来ていただいてありがとうござ
います。

 多くの方がもうご存知だと思いますが、昨年末の総選挙で無謀な戦いをしまし
た。これは本当に、外務省のやり方が、日本政府のやり方が無念だったからです。
あまりにもひどすぎて、もうこれまでの市民運動では限界があるのではないかと
いう思いがあり、政治家になって外務省をせめたてようと思って立ったのですが、
なかなか選挙というのは難しいものです。惨敗しました。

 その惨敗の後遺症がまだ残っていますが、その結果をみながら、昨年末に、今
年初めから外務省前で座り込みをやろうと決意しました。

 昨年3月に、日朝協議をするという話があって、そして期待のもてるような話
がありましたが、5月、7月、9月と日朝協議があり、その間に水面下で会って
いたという話も聞いていますが、それが10月の訪朝以来全く動いていない。も
う3か月全く動いていないんです。これを打破することができないようでは、ま
たこれまでと同じ12年が今後も続いてしまう。

 今身体を動かせるのは私くらいしかいませんので、その思いで、8時半から夕
方の6時まで、1月5日から9日まで座り込みました。その間、外務省の方たち
が、昼間に課長など、そしてプライベートで次官、最終的には局長と会って話を
しました。

 次官はプライベートで別の話もされましたが、結局言われるのは、「交渉を途
絶えさせれば、どうすればいいのか政策がない。制裁をかければ前に進むのか。
それさえも分からない中で制裁をかけきらない。そして交渉を切ることができな
い」というようなことでした。

 そういう話を聞くと、これではまた同じことが繰り返されます。座り込み2日
目に、ほとんど報道してくれなかったのでご存じない方もいらっしゃると思いま
すが、「外務省前で座っていてもまずいだろう。終わったらこんどは朝鮮総連前
に座り込もう」と思いました。

 外務省前で警備されている麹町署の方、内閣府に出向されている警察官僚の方
に「朝鮮総連前で座り込みをしたい」と言ったら、「それだけは止めてください」
と言われました。目の前で座らないと意味がないのでやりたいと言うと、「それ
だけは止めてください」。

 「今、民族派の方たちも総連から遠くに離れたところで声を上げていただいて
いる。総連に対し直接行動に出ることは、増元さんの身の危険があるのでそれだ
けは止めてください」と言われたので、それならしょうがないが、総連に対して
何らかの示威行動をしなければならないと思って、今お手元にある要請文を13
日から16日まで、毎日日付を変えて、総連の前で大声で読み上げて門の下から
入れてきました。

 何の反応もありませんでしたが、あまり人がいなかったですね。あそこに総連
があること自体違和感があるんですが、私の傍でカメラを回していた人間が内部
の人間ではないかと言われ、それからは何らかのアクションがあるだろうと思っ
たのですが、今の所何もありません。その録画をどう使うのかも私には分かりま
せん。

 内容は許宗萬に宛てたものです。家の嫁が、「どうせ長文を書いてもあの人は
読みはしないから、最初に要請を書いて、その後に文章をつけたほうがいい」と
言ったので、「それもそうだな」と思って、普通の様式とは違うものを書きまし
た。

 最初に要請を二つ。そしてその理由を書きました。在日朝鮮人の人たちが日本
と北朝鮮とのかけはしになろうとする意志があるのなら、日本で日本人と本当に
共生しようとする意志があるのなら、「先ず隗より始めよ」です。すべての日本
人が望んでいる日本人の解放を本国に朝鮮総連の意思として、在日朝鮮人の総意
として本国にぶつけることが、日本にあなたたちが住む理由であるし、日本人と
共生する理由であるということを書きました。

 残念ながら何の反応もないんですが、また今後どうしようかと思っているんで
すが、総理官邸前に座り込むか。家族会の皆さんはご高齢なので、また私は身体
を動かせますので、自分の気持ちで動くしかないと思っています。

 私がやりたいことをやらせていただく。そのために肩書もはずれたので自由な
言葉を言えますし、そういう点では楽になりました。

◆イスラム国も北朝鮮も非道な国

 今回のイスラム国の人質事件は、皆さんも関心を持って見ておられると思いま
すが、湯川さんが拘束されたのは去年の8月、後藤さんが拘束されたのは10月
です。何か月の期間があったんでしょう。その間日本政府は、ヨルダン大使館が
一生懸命やっているとは言われたでしょうが、72時間という期限を切られて、
報道もお二方の安否を気遣う報道になった。政府も命が最優先と、総理も明確に
言うようになった。

 しかし、数か月の猶予があったにも関わらず、その中で報道もどんどん下火に
なってしまった。拉致もおんなじです。30年も、40年もかかって何にもでき
ていないということです。

 中国もアメリカも、今回のイスラム国の措置について非常に非難をしています。
でも皆さん、よく考えると、彼らはイスラムの領域に入って拘束されました。北
朝鮮は日本の領土から国民を拘束していたんです。しかも彼らは、「死んでいる」
と言っているんですよ。彼らが「死んでいる」と言う以上、彼らは日本人を惨殺
したということです。このことをもっと報道は言うべきじゃないでしょうか(拍
手)。怒りを北朝鮮に向けるべきだと私は思います。

 イスラム国が非道な国であると同時に、北朝鮮も非道な国なんだと。中国が安
保理で反対できないような状況を作らなければならない。北朝鮮は日本から連れ
ていって、そして「死んだ」と言っているということは、「お前らは日本人を、
カメラの前ではないけれど、惨殺したんだぞ」ということを日本人に突きつけな
ければならないのではないでしょうか。

 そして、怒りをもっと前面に出してもらいたいんです。日本人は戦後70年、
怒ることをやめました。だから今の状況があるんでしょう。外交もそうです。外
交は無力です。被害者の家族は本当に無力な思いをさせられる。12年も外交努
力をしましたと言っても、何の成果も出ていないということは、外交力がないと
いうことです。これが本当に残念です。

◆「円滑を主として、曲げて彼の意に従順するときは、軽侮を招」く

 私は、座り込みの最中に、小野課長に申し上げました。私の故郷の偉人である
西郷隆盛、南洲翁はその遺訓の中で、外交関係について、こういっています。
「正道を踏み国家を以て斃るるの精神なくば、外国交際は全かる可からず。彼の
強大に畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に従順するときは、軽侮を招き、
好親却て破れ、終に彼の制を受るに至らん」。この言葉を100年以上も前に、
偉人が言っているんです。外交とはこういうものだと。

 日本が円滑だけを望んで、曲げて相手の意に添うような形で交渉をするようで
は、結局は侮られて、最終的に敗れて、日本という国はなくなるんだ、というこ
とを言っていると思います。その精神を持って外交をやらなければいけない。そ
れを伝えてきましたけれども、今日本人も、もう一度覚悟を迫られるんじゃない
でしょうか。

 イスラム国は、後藤さんの殺人の後に声明を出して、「今後も日本人を狙う。
いかなる所でも、日本人がどのようなことになろうと」と言っています。という
ことは、今後テロの標的になるかもしれない。それに怯えるのかどうかです。怯
えて萎縮し、「彼の意に従順する」ことでいいのかどうか。その覚悟を日本の国
民の皆さんが、今年迫られるかもしれない。

 さらに西岡さんの方が詳しいですが、韓国問題というか、朝鮮半島問題という
か、韓国軍の問題があります。2015年、アメリカ軍から指揮権を韓国軍に移
譲される時に、北朝鮮が「窮鼠猫をかむ」で、今後どのようなことになるか私た
ちはもう少し考えなければならない時期にきているのでないでしょうか。

西岡 それは延期になりました。

増元 それはよかったです。私は、姉を返さない北朝鮮を決して許しません。絶
対に許しません。こんな状況で国交正常化をするとか、朝鮮総連のビルの転売を
働きかけた山口という国会議員の言によると、「日朝の友好関係を考えて」と言っ
ていましたが、何を言っているんだという思いです。日本人を拘束しておいて返
さない北朝鮮となぜ友好関係を持たなければいけないんだ。これこそ今、怒らな
ければならない時じゃないですか。そういう声が上がらない。

 国会の場でも今日、イスラム国の問題に関して、人道支援をしたからこの問題
に発展したと。何を言っているんだと。これまで拉致問題に関して、国会で質問
していない党が、そのような質問をしているわけです。ではあなたたちは拉致被
害者を助けるために何をしたんだ。国会でどういう論議をしてきたんだ。全くし
てこなかったにも関わらず、いまそれを政争の具にしているじゃないか。これが
今の日本です。残念ながら。これを変えるのは私たち国民です。こういうことを
もっと拡散しなければならない時期になっているのではないでしょうか。

 私は、本当に今の現状は残念です。でも、動かさなければならないと思ってい
ます。私は自分の身を傷つけることは絶対にしたくありません。私のできる限り
のこと、座り込みなどはいつでもやります。最終的にはハンガーストライキをや
るしかないかもしれない。その覚悟でやらなければいけないと、去年の日朝協議
の推移を見ながら、自分の中で決意をしています。

 国民の皆さんにも、是非覚悟を持ちながら、今後の日本という国のあり方を考
えていただきたいと思います。宜しくお願いいたします。ありがとうございまし
た(拍手)。

◆朝鮮総連は日本に対し全然プラスになっていない

本間 勝(田口八重子さん兄)

 みなさんこんばんは。妹の八重子は22歳で連れていかれ、今年で60歳にな
ります。還暦になっちゃうんです。22歳の母親が。家族も当然歳をとっていま
す。

 増元さんが、これでは国政にも影響するし、責任もあるし、当然内部にいる人
間がどのような動きをしていたかによって変わるということでした。私も、在日
の朝鮮総連という組織が、今まで日本に対してどのようにプラスになっていたの
かを考えると、全然プラスになっていないんです。

 現在は、朝鮮総連でさえ金正恩と面会もできない。許宗萬議長が訪朝しても、
会えずに帰って来た。金正恩の政治体制が、摩擦ということで今話題になってい
ますが、自分の身の回りが本当に怖くて、自由な活動もできない。朝鮮の国内情
勢も把握できていない。自分の身を守るのに精いっぱい。

 そのような人間が、外国との交渉を本当にやっていけるのか。やっていけない
から拉致が動かないんです。今まで5人しか帰国していませんが、その他は「亡
くなっている」という人がほとんどです。横田めぐみさんの「遺骨」が出てきて、
それが偽遺骨となり、じゃあどうするのか。結果を追及して動かなければ。その
問題に対して突っ込めるじゃないですか。

◆北朝鮮は追いつめていかないと、動かない

 そういうことで追いつめていかないと、動かないんです。納得がいかないこと
について、一つひとつについて、なぜなのか向こうに言わせる。そうしなければ、
向こうだって決断していいのかどうかとなります。だからだらだらと答えも出せ
ずにいるんだと思います。

 金正恩は今いかに力が落ちているか。動かせないか。それに尽きると思います。
金正恩が暗殺されるか、されないか。暗殺されると北朝鮮はまた内部が安定しな
くなる。そのことの方が、国際情勢からいってやっかいなことになるわけで、そ
れをさせないためにも金正恩にまかせればいいかというような弱い動きです。

 韓国が侵攻しちゃえばいいんです。そしてある程度の結論を出させてやらない
限りは、また金正恩体制がどのように盛り返すか分かりませんが、多分私は盛り
返せないと思います。金日成、金正日、金正恩と体制がスムーズに引き継がれた
かというとそうじゃないんです。みんな突発的な健康状態で亡くなっているんで
す。そんな状態が正常になるわけはないんです。

 金正恩を見限って、交渉でどんどんやればいい。朝鮮総連も北にそれほど影響
力を持てないのであれば、そこをどういうふうにするか。色々悩むところですが、
「安倍内閣のうちにこの問題を解決するんだ」と常に言っていますが、本当にそ
こまで追い詰められるのか。

 「拉致は現在進行形のテロだ」と私たちは言っているんです。イスラム国のテ
ロも解決できない。拉致被害者はもう何十年もかかって未だに解決できない状態
です。なぜできないのか。本当に知恵がないというか、動きがないというか、何
をすればいいのか分からない、待ちの姿勢しかないという姿勢に、私たちはどう
訴えていけばいいのか。

◆北朝鮮はビラを怖がる

 北朝鮮が怖がっているのは韓国から飛ばすビラです。国内体制があのビラで崩
壊するんです。ビラで、いかに自分たちの国が悪い国だったのか、よそからみれ
ばひどい国なのか。それが体制崩壊につながるわけです。だからビラを怖がって
いるんです。

 情報をどんどん浸透させているのが、「しおかぜ」であり、日本の短波放送で
すが、全員がラジオで聞ける状態ではない。そういう中で、在日の人たちが日本
はいかにいいか、このような国にいるから私たちは幸福なんだ、北朝鮮の人民も
早くこのような状態になってくださいと浸透させれば、当然よくなってきます。

 私たちの活動は集会や署名活動しかありませんが、先日の31日、川口で「拉
致問題を考えるつどい」を市の主催で行いました。350名の多くの人たちが来
て、私たち家族の訴えを聞いていただきました。そういうことを続けていくしか
ありませんが、早くこの問題を動かすためには、「拉致は現在進行形のテロだ」
ということを是非肝に銘じて、このテロを早く終わらせるために、国政は何をやっ
ているんだと声を上げていただきたいと思います。

 これしかないという増元さんの話に本当に同感です。以上です。ありがとうご
ざいました(拍手)。

(3につづく)

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