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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

追い込まれつつある北朝鮮と拉致問題?東京連続集会報告5(2013/04/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2013.04.08)

◆何かがおかしい

西岡 韓国情勢の報告に移りますが、朴槿恵政権は、原則的には自由統一の準備
をすると言っていますが、しかし北朝鮮との信頼関係を築くとも言っていて、話
し合いをしたいと言っています。

 人道支援についても最初からしないという姿勢ではないんですが、今はできな
いわけです。「戦争をする」と言っているわけですから。そしてわざわざそうい
う芽をつぶしているということがあります。

 何かがおかしいという感じがしてならないんです。アメリカとの関係でも、金
正恩政権になってから起きたことは、アメリカの国務省と交渉して、核・ミサイ
ル実験をしないという条件で食糧支援をもらうというのが去年の2月くらいにま
とまったんです。

 国務省はこれについて、難民に出すピーナツみたいなもので人道的なものだと
言ったので、島田さんは、これこそ特殊部隊が食べるものだと批判していました。

島田 ピーナツバター状の真空パックに入ったもので、アフリカなんかには飢餓
の子どもたちに配っています。アフリカのような暑いところですから真空パック
のものでないといけない、と。これを北朝鮮に渡したら、明らかに軍に流用され
るでしょう。

西岡 でもその話がまとまって、島田さんはボルトン大使に言って止めるような
工作をしていた時に、北朝鮮はミサイル実験をしたんです。ミサイル実験をしな
いという条件で援助をもらうことが決まっていながら、ミサイル実験をしたので、
国務省は面子がつぶれてしまって、援助を出せなくなったんです。これが一つで
す。

 そして李明博政権との間でもおかしなことがあったことが最近明らかになって
います。李明博政権時代に秘書室長をやっていた人が、李明博の末期にマスコミ
に答えているんですが、南北首脳会談が秘密交渉でかなり煮詰まっていた。

 これは拉致問題とも関係があるんですが、その時李明博政権は、今までの金大
中、盧武鉉政権と違って、首脳会談をしたいというならするが、首脳会談に行く
ための料金は払わない、面会料みたいなものは払わないという原則を立てた。話
し合いをしたからと言って面会料は払わないと。

 もう一つ。人道支援を条件付きで行う。それは西ドイツが東ドイツに対してやっ
ていたことをモデルにしてやったというんですが、拉致被害者を何人返してくれ
れば、食料と肥料を何トン送る。あるいは抑留された韓国軍捕虜を何人返してく
れるならこういうことをしますよ、離散家族の面会を何人認めるならこれだけの
人道支援をしますよ、という人道支援と拉致問題や離散家族問題をリンケージす
る。

 お金で人権を買うという西ドイツがやったやり方ですが、それをやろうとした。
それがかなり詰まっていたそうです。ところが突然天安艦事件が起きた。それで
韓国軍はすぐ北の犯行だと言いたかったのですが、大統領府は抑えたんですね。
話がここまで行っていたんだから違うんじゃないかと思ったようです。 そして
その後、延坪島事件がおきた。

 北は援助がほしかったからこそ、そういう提案を一時呑もうとしたのに、そし
て話をしてたのに右手と左手が違うことをやっていたのです。

◆野田政権と総連中央本部差し押さえ問題で裏交渉中にミサイル発射

 もう一つ。これはまだどうなるか分かりませんが、今回の総連中央本部の問題
です。少し背景を説明しますと、朝鮮総連は北朝鮮に多額の送金をしていました。
特に80年代、90年代。90年代の初めに日本の内閣調査室が調べたところ、
年間1800億円から2000億円という巨額のお金が、これは物も併せた額で
すが、行っていたという調査結果が出ています。

 これは私は内閣調査室の人から直接聞いていますが、その手法の一つとして、
朝銀信用組合の預金を意図的に不正融資しました。ペーパーカンパニーのような
所に融資するわけです。担保は朝鮮学校です。そして朝鮮総連の建物です。そし
て返せないから破産する。

 借りた人が破産して、その後クレジットカードなどは使えなくなりますがそれ
だけのことで、信用組合からお金がなくなるんです。不良債権が多くなる。そう
すると善意の預金者保護ということで公的資金が入って、その分は北に送っちゃっ
た分の補填です。

 全国の信用組合が一度倒れて、再建された組合がもう一度倒れたということも
ありました。合計1兆4千億円の公的資金が入った。これは善意の預金者を守る
というシステムですから、金融機関は自分から不良債権は作らない。しかし商業
活動の結果損をした場合に守るということですが、朝銀信用組合は意図的に不良
債権を作って、そのお金が北に流れていたということになると、日本の制度を悪
用してそういうことをやったわけです。

 第1次安倍政権になって、厳格な法執行という方針が決まって、朝鮮総連の不
法行為について厳格に法を執行する。その不良債権づくりについても、対処する
ことになったわけです。

 公的資金が入ると、今度は不良債権をRCC(債権回収機構)という政府機関が
買うわけです。そして朝銀信用組合に代わって取り立てをします。取立てをして
色々調べてみると、名義は個人だったり、ペーパーカンパニーだったりしている
が、600億円分は、実際の買い手は朝鮮総連だと突き止め、朝鮮総連を相手に民
事訴訟を起こしました。金を返せと。

 朝鮮総連も600億円分は名義は違うが自分たちが借りたものだということは認
めた。しかし、金がないから返せない、と。だいたい600億円くらいのものは示
談になって30億円で和解ということもあるらしいです。第一次安倍政権の時、そ
ういう圧力をずいぶんかけました。安倍総理や井上秘書官などが、「(和解は)
絶対だめ。厳格な法執行をしなさい」と頑張った。

 最高裁までいって、総連は金を払わなければならないことになった。「ない」
というので、では差し押さえをすると。しかし、さっき言ったように、すでに色
々な所が担保に入っています。担保に入っていないのは中央本部だけだった。で
は担保に入っていない所を差し押さえすると中央本部を差し押さえしようとした。

 そうしたら今度は朝鮮総連が、「中央本部の持ち主は我々ではありません。株
式会社何々です」と言ったのです。実際登記はそうなっています。朝鮮総連は任
意団体です。株式会社の所有になっています。そこから借りていることになって
いるんですが、今度は日本側が、株式会社と朝鮮総連は一体である。だか差し押
さえができるはずだ、という裁判になって、最高裁までいって、一昨年判決が出
て、「一体だから差し押さえていい」ということになった。

 そして競売という手続きに進んでいったんですが、なかなかその手続きが進ま
なかった。去年の夏くらいには競売と言われていたんですが、起きなかった。一
部で言われていたり、「産経新聞」が報道したのは、野田政権が、中央本部差し
押さえを交渉の材料として北朝鮮と水面下で交渉していた、と。拉致問題を交渉
していた。

 そして、差し押さえをしなくていいですよと、任意売却という形で朝鮮総連が
買い取ることを許すと。600億円を返せという裁判を起こしたんですが、金額は
40億円くらいでいい、と。それも分割でいいという話があった、と。

 そういうことが、「遺骨」を表にした交渉の裏側であった。そういうことを色
々な人たちが言っていて、私もそういうことではないかなあと、ここでも少し報
告しました。

 今日お配りしたものは、昨日朝鮮総連がRCCに申し入れた文書です。総連系の
弁護士がRCCの弁護士に出したものです。「10月16日に任意弁済の裏交渉が
できていたじゃないか」と言っているのです。

 「実際に競売をしない裏交渉をしていました。話がまとまったのに、なぜまと
まった話を壊して競売したのか。けしからん」という抗議文を朝鮮総連が出した
んです。ちょうど昨日の「産経新聞」朝刊で、「拉致問題をテーマに裏交渉がさ
れていた」と、輿石幹事長と財務副大臣の名前まで出ていた。ちょうどその頃松
原大臣がはずされたんです。

 松原さんが外された後、10月にこれがまとまっているんです。ところがそれ
もうまくいかなかった。それは何かというと、12月5日、6日に二度目の局長
級会談が設定されたんです。これは総選挙の真っ最中です。政権交代が目の前に
来ていた時に、こういう国益がかかった、戦略的な交渉をするということ自体異
例なんですが、それに野田政権は応じたんです。

 私のところに来ていた情報でも、こういう裏交渉をして、野田さんは、「とに
かく、調査委員会の立上げだけ北朝鮮に言ってくれ。そしたら何でもする。中央
本部もいい。なんとか現金をまわすような算段も考えている」という変な情報が
あって、心配していたんです。

 5日、6日に交渉があったら、どんなことになってしまうんだろうか、と。表
と裏の両方でやっていましたから。朝鮮学校の支援の問題等も含めてですね。

 ところがミサイル発射実験の予告をしちゃったわけです。予告だけでも5日、
6日の後にしてもよかったのに。右手でやっていることと、左手でやっているこ
とが違うことが、対日でも対米でも対韓でもあった。金正日が元気だった200
8年以前は、ちょっと考えられない。

 2009年に金正恩が後継者になり、そして完全に金正恩時代になって、おか
しくなった。アメリカ帝国主義と戦争すると言いながら、アメリカのバスケット
ボール選手と食事をする。そして、「オバマから電話がほしい」とその選手に言
う。

◆軍部が暴発?、金正恩は軍を押さえていない?という「解説」

 北朝鮮の内部の話で、「これは張成沢の陰謀だ」と。張成沢は金正恩を事実上
見捨てて、金正恩に失敗をさせるように指導し、彼から民心が離れたところで権
力をとろうとしているんじゃないか」という噂が出るくらいおかしい。

 それともう一つ。最近のテレビの解説などでよく言っている、「軍部が暴発し
ているんじゃかいか。金正恩は軍を押さえきれないのではないか。だから危ない」
というのは、全く北朝鮮情勢を知らない解説です。

 まず核開発は軍がやっているのではない。党がやっています。できた後軍に渡
すんです。ミサイル開発もそうです。核・ミサイルの実験は軍ではないんです。
そして軍隊は通常戦力を維持したいんです。ところが、平壌を守る首都防衛司令
部と特殊部隊以外は、部品も買えないんです。

 軍事演習で戦車のキャタピラが壊れても、買うお金がないんです。兵士に食べ
させる食糧もない。軍の装備を買ったり、兵士の食糧は自分たちで金を稼いでや
れということになっています。

 それでマツタケを売ったり、砂金を採ったり色々なことをしています。軍が魚
を獲りにいったりしているんです。そして軍服を着た人が失敗して、日本に流れ
着いたりしています。

 ところが、去年の4月、金日成の生誕100周年をやった時に、金正恩のとこ
ろに金がなくなってきた。経済制裁が効いてきているんですが、外貨がなくなっ
て、軍の外貨稼ぎ事業、自分で食べろと言われているので仕方なく自活してやっ
ている分野まで取り上げてしまった。だから軍は不満が高いんです。

 どうやって兵隊を維持すればいいのか。通常兵力をどう維持するのか。戦争を
どうやってやればいいのか。核・ミサイルはできているかもしれないが、軍はが
たがたで、どうしてくれるんだ、というのが通常の職業軍人の考えです。

 「戦争なんか何も知らない奴が上にいる」ということもある。金正恩が命令し
た軍のトップは、崔竜海(チェ・リョンヘ、朝鮮人民軍総政治局長)です。彼は
軍事経験が全然ないんです。それが今軍の事実上のトップです。

 昨年7月、李英浩(リ・ヨンホ)という総参謀長が逮捕される事件があった。
総参謀長は生粋の軍人です。「崔竜海なんか何だ」と思っているわけです。北の
軍隊では政治が上ですから、崔竜海総政治局長が上に来ているんです。

 この前もここで言いましたが、李英浩逮捕に当たっては、2時間くらい激しい
銃撃戦があった。最初に逮捕にいった兵力では足りなくて、崔竜海が援軍を送っ
て逮捕できた。このことの背景には、金正恩に対する軍部の不満があるわけです。

◆軍に不満があることが分かっているから国内の緊張感を高めている

 それは戦争をしないから、軍事挑発をしないからというのではなく、逆なんで
す。そういう中で不満があることを分かっていることと、先ほど言った、9月か
ら1月まで軍部隊訪問がなくなったことがあります。1月に人民保安部長、軍人
で李明秀(イ・ミョンス)という大将ですが、これが更迭されたこと、そして
「中央日報」の報道によると、去年12月に金正恩を除去する動きがあったとい
うことなどが関係しているのではないか。

 意図的に緊張を高めなければならない必要がある。だからユーチューブを流し
たりしているわけです。不満が高まっている。そしてその不満を、金正日だった
ら、用心深い男ですし、不満分子を除去することができたんですが、不満が高まっ
ている中でバスケットの選手と会うとか、俺は寿司が好きだから寿司屋(藤本健
二氏)を呼んでこいと言うわけです。

 あの人は日本の警察に情報を売っていたんです。それが分かって、金正日時代
に逮捕されそうになった。高英姫(コ・ヨンヒ)が助けてくれて、一度日本に逃
げられた。その後、逃げ回っていたわけです。顔も隠したりした。

 それなのにもう1回、「俺が友だちなんだから警察のスパイでも何でもいい」
と呼んで、一緒に写真を撮って。金正日が藤本さんを好きだったのは事実ですが、
絶対に彼はそのことを公開しなかったわけです。「日本帝国主義、日本軍国主義
はけしからん」と言っているのに、寿司が好きでは困るわけです。

 しかし、金正恩は一緒にいる写真を撮らせて、あれはフジテレビが独占映像で
300万円くらいで映像を撮らせたものです。その後、週刊誌に写真を売ったわ
けです。最高指導者の写真で寿司屋に商売をさせるというのは、日本の警察のス
パイです。 こういうことは金正日時代は絶対に起きなかった。

 「戦争だ、戦争だ」と言っていることは大変不安定ですし、中国が本当にこの
若者の指導者にどこまでつきあうのか。中国人というのはずるいですから、国際
社会と一体化して制裁を強化していくということはないでしょうが、何をするか
分からない男よりは、言うことを聞く人間の方がいいと思ってきているような感
覚はありますね。


(6につづく)





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