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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

<参考情報>差し押さえで対北送金の闇暴け(2012/07/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2012.07.06)

 朝鮮総連本部の差し押さえに関する以下のコラムは、平成24年7月5日付け
産経新聞[正論]に掲載されたものです。参考情報としてお知らせします。

 また、朝鮮総連本部の差し押さえに関し、平沼赳夫・拉致議連会長がコメント
を出されていますので併せて掲載しました。


<参考情報>

差し押さえで対北送金の闇暴け

東京基督教大学教授・西岡力


 この6月27日、朝鮮総連中央本部の土地と建物を、日本政府機関である整理
回収機構(RCC)が差し押さえることを可能にする決定を最高裁が下した。約
20年間にわたり、総連が多額の不法送金をしていると告発してきた専門家の一
人として、感慨が深い。

 ≪対総連融資627億円の行方≫

 経緯をおさらいしておきたい。総連は破綻した朝銀信用組合から少なくとも6
27億円を借りたまま返していない。信組の破綻に伴い約1兆4千億円の公的資
金が使われた。その際、各信組からの不良債権を引き受けたRCCが、個人・団
体向けの融資の流れについて調査したところ、不良債権1810億円のうち、一
部の個人や団体向けとされていた融資約627億円(394件)が、「名義貸し」
や「仮名」などによる総連への融資であることが判明した。これらの融資が総連
への融資であることは総連も認めている。

 2005年、時の安倍晋三官房長官の政治的指導力の下、RCCは総連中央を
相手に借金の返還を求める民事訴訟を提起した。それまでの自民党政治家と総連
との不明朗な関係からすると、考えられない毅然たる対応だった。安倍氏自身、
「サヨクの人だけでなく、信じられないような保守派の大物議員からも『追及は
やめろ』と言われた」と述懐している。

 07年6月にRCCは勝訴する。それでも、総連は借金を返さず開き直ったの
で、RCCは総連中央本部の土地建物を差し押さえようとした。その過程で、総
連は元公安調査庁長官の緒方重威氏を登場させ、中央本部を形式的に売却しよう
として失敗した。公安調査庁は、破壊活動防止法に基づき総連の活動を監視して
いる治安組織だ。そのトップが総連側に立って暗躍するのだから、彼らの政治工
作の力は侮りがたい。

 その後も、総連は登記上、中央本部の土地建物を所有しているのは合資会社、
朝鮮中央会館管理会だとして差し押さえを妨害した。最高裁判決は、中央本部を
実質的に総連の資産と認め、差し押さえできるようにしたものだ。

 ≪北への資金流出今も変わらず≫

 だが、総連は、借金を返還せず差し押さえも妨害しながら、いまだに北朝鮮に
カネを運んでいる。昨年12月から4月までの5カ月の間に毎月1回以上、副議
長らを団長とする訪朝団を送り、届け出ベースだけで、3億7千万円以上を北朝
鮮に持ち込んでいる。

 総連の不法送金が本格化するのは1970年代からである。北朝鮮は、日本を
含む西側諸国から多額のプラント輸入を行って代金を払えなくなり、国家破産に
直面する。その時、北朝鮮は政府管轄の社会主義計画経済の枠外に、金正日氏直
轄の秘密資金管理部門(朝鮮労働党39号室)を設け、その資金を使って毎年、
日成、正日の金父子と特権階層向けの贅沢(ぜいたく)品を輸入する一方、核ミ
サイル開発、対南政治工作などを続けてきた。

 39号室向けの外貨の調達先となった一つが総連だった。筆者らは90年代初
め、北朝鮮の核開発を止めるには財源である総連からの不法送金を断てと主張し
た。当時、内閣調査室が日銀の査察結果などを使って調査したところ、実に年間
1800億?2000億円が北朝鮮に送られていた。羽田孜外相が93年12月
に、日本記者クラブで確認したところである。

 ≪組織ぐるみの「脱税」だ≫

 総連の不法送金にはいくつかの手口があった。第一が、組織ぐるみの「脱税」
だ。紙幅の関係で詳論は拙著『テロ国家・北朝鮮に騙されるな』などに譲るが、
総連は国税庁との5項目合意を結んだとして組織ぐるみで「脱税」し、浮いたカ
ネを献金させていた。

 76年に社会党の高沢寅男衆院議員の仲介で国税庁幹部と交渉し、「朝鮮商工
人との総ての税金問題は、朝鮮商工会と協議して解決する」などとする5項目の
合意を結んだとして、税務署で税金を値切ってきた。92年1月14日付朝鮮商
工新聞は堂々と、「(朝鮮商工会は昨年)また同胞商工人たちの税金問題を円満
に解決し、日本当局との『団体交渉権』をより強固にしました」と書いている。

 第二が朝銀信組を使った資金作りである。朝銀信組が地方本部や民族学校など
を担保に、ダミーのペーパー会社や個人に対して多額の融資を行い、その資金を
北朝鮮に送るなどといった手法だ。その結果として、融資は焦げ付き、朝銀信組
は破綻するのだが、善意の預金者を守るという建前によって公的資金が投入され、
融資の焦げ付き部分は補填される。

 バブルの崩壊後、破綻した金融機関には巨額の公的資金が注入された。その際、
不良債権の借り手について刑事、民事の両面から厳しい追及がなされた。それに
比べると、627億円もの借金を未返済のまま開き直っている総連に対する追及
は極めて甘い。事の本質は、北朝鮮の独裁体制が総連を使い、悪意を持って日本
の法秩序を破り、多額の資金を得てきた不法送金の全体構造にある。だが、その
ことを論じる者は少なく、大きな闇はまだ晴れていない。(にしおか つとむ)

以上




◆拉致議連会長コメント

 日本人拉致に密接に関与したとされる朝鮮総連の最大の活動拠点である
中央本部の土地・建物の差し押さえを可能とした最高裁判決を歓迎する。
速やかに差し押さえと競売が実行され資金回収が行なわれることを期待
する。

平成24年6月28日
北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
会長 平沼 赳夫

以上


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