救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

参考情報・金正日政権の住民統制力の弱化-保安員への暴行事件頻発 (2010/03/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.03.16)


■参考情報 金正日政権の住民統制力の弱化-保安員への暴行事件頻発 
 
西岡力(救う会会長代行)


●効果を上げる制裁

 日本を含む国際社会の制裁が効果を上げている。追い込まれた金正日政権が日本に接近
し拉致問題を何だかの形で動かそうとしてくる可能性が大きくなってきた。拉致被害者救
出を実現させるためには、北朝鮮の現状に関する正確な情報が不可欠だ。その意味で、最
新情報を紹介する。

 昨年末に実施された貨幣改革が失敗し、北朝鮮社会は急速に不安定化している。物価高
騰と市場での物不足のため住民の生活は困窮し、公然と金正日に対する批判を口にする者
たちが出てきている。特に、注目されるのは人民保安員(警察官)などへの暴行やテロ事
件が続発していることだ。これら事件は単発的であり組織化されてはいないという限界が
あるが、金正日政権の住民統制力の弱化の兆候である。

●警察への暴行、テロ事件頻発

 最近、私が入手した3つの事例を紹介する。

 昨年12月、咸鏡北道清津で保安員が住民に暴行され大けがをする事件があった。四柱占
い師の家の前で列を作っていた住民たちに対して占いは禁止されていると取り締まろうと
した保安員1人が住民たちの集団暴行にあい、足を痛めて歩行不能の障害者となった。北朝
鮮ではかなり前から占いが盛行していて、幹部らも隠れて占い師のところを訪れ、自分た
ちの将来の不安を吐露しているという。

 2月はじめ、咸鏡北道ユソン炭坑で党書記の自宅と保安所(5、6人の保安員が常駐、30
坪程度)にダイナマイトが仕掛けられる事件があった。ダイナマイトは床下に仕掛けられた
が、爆発で壁と窓がこわされた程度で人命被害はなかった。党書記は事件の15日ほど前に
赴任した新任であまりにも厳しい統制を行ったことが住民の不満を呼んだという。犯人は
捕まっていない。

 3月、咸鏡北道会寧市と茂山市で人民保安員と国家保衛部員(政治警察)が軍服を着て市
場に入ることが禁止された。3月13日、現地から伝えられた情報だ。金正日政権は昨年の貨
幣改革以降、保安員らが市場活動を厳しく取り締まり住民の強い反発にあっていたが、最近、
市場統制を中断した。市場商人らの不満があまりにも高いため、保安員らが軍服を着て市
場にはいると後ろから石などが飛んできて怪我させられることを恐れているのだ。権力機
関員が商人を恐れて軍服を着ることができないなど、これまでの北朝鮮では考えられない
ことだ。市場の取り締まりで上前をはねて生活の足しにしていた保安員らが困っていると
いう。

●崩壊7段階シナリオの5段階に

 90年代後半、北朝鮮で大量餓死者が発生した時期、韓米連合軍司令部は「北朝鮮崩壊7段
階シナリオ」を作成した。すなわち、(1)資源の枯渇-?資源投入の優先順位化-(2)優先順位
からはずれた地域や階層が局地的独自路線をとる-(4)中央政府による弾圧-(5)抵抗-(6)権力
機関の分裂、軍や政治警察の一部が抵抗勢力に加担するなど-(7)政権交替、の段階を踏んで
北朝鮮政権が崩壊に向かうとしていた。

 当時、金正日は核ミサイル開発を優先して配給を停止したが、これが2段階だ。その結果、
人口の15%が餓死し生き残った住民らは市場を通じた商売で延命した。これが3段階にあた
る。金正日政権は、市場経済の拡大に対して一時的に強権で弾圧するが、住民の反発に押
され事実上容認するという反復をつづけてきた。その後、韓国の左派政権から大規模な支
援がなされたこともあり、4段階に入ったところで進行が止まっていた。

 ところが、日本、米国をはじめとする国際社会の制裁と北朝鮮の違法活動取り締まり強化、
李明博政権による無条件的援助の中断などにより、金正日政権は独裁統治に必要な最低限
の外貨が不足する状態となった。それに対して昨年、150日戦闘、100日戦闘などという集
団主義的動員と貨幣改革による市場抑制を試みたが、それらがみな失敗した。そして、つ
いに住民による暴力的反抗が発生しはじめ、5段階となった。そして、商人らの暴力を恐れ
て保安員らが軍服を着て市場に入れなくなったという上記情報は、6段階の始まりとも見な
せる。現状は5から6へ移行する段階と見るべきだろう。

 もちろん、咸鏡北道だけを見て全体を判断することはできない。より広範な情報収集が望
まれる。

 6段階の深化を意味する、住民の反抗の組織化と、弾圧に動員された治安機関や軍の不服従
がいつ出現するか、緊張感を持って見守りたい。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
●鳩山首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 鳩山由紀夫殿

●救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/12/06
国際セミナー12/13(金)ご案内
2024/12/02
国民大集会報告4
2024/11/29
国民大集会報告3
2024/11/27
国民大集会報告2
2024/11/25
国民大集会報告1

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■