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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

金子議員国会質疑--7件10人以外の拉致を警察幹部が示唆(2001/02/16)
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救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
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■金子議員国会質疑--7件10人以外の拉致を警察幹部が示唆

 以下、2月13日の衆議院予算委員会における金子善次郎議員(民主)の質疑(速記
録未定稿)を掲載します。この質問では平成7(1995)年のコメの延払い支援に関し、
平成9年以降46回にわたる日本政府(食糧庁)の督促にも関わらず延滞金の支払いが
行われず、支払い猶予をしてほしいとの要請すら来ていないことが明らかになってい
ます。
 また、金子議員は拉致被害者の御家族に対する情報開示に関し、救う会から御家族
に行ったアンケートを元に質問していますが、これに対し警察庁金重警備局長は「指
摘を踏まえ、今後とも誠意を持って対応したい」と回答しています。
 さらに、一部マスコミには報道されましたが、いわゆる「7件10人」以外の拉致に
ついて、金重局長の答弁はその可能性を政府答弁として初めて認めました。私たちは
日本人被拉致者の総数を約70名と推定していますが、警察のこの答弁は極めて注目さ
れるものです。
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○金子(善)委員(これ以前の部分は略)
 それでは、別の問題につきまして、通告に従いまして質問をさせていただきたいと
思います。
 北朝鮮外交の問題でございます。
 ご承知のように、河野外務大臣は、外交演説の中で、北朝鮮との関係で、我が国と
しても、第二次大戦後の正常でない日朝関係を正すことが極めて重要であると考えて
います、今後とも、米韓両国と緊密に連携し、北東アジアの平和と安定に資する形で、
日朝国交正常化交渉に粘り強く取り組んでまいりますと述べております。しかし、ど
うも順調に進展しているとは見えないところであります。
 一九九五年六月、河野外務大臣によって始められました北朝鮮に対する経済援助と
しての米支援によって、外務省より二百六十八億円の国民の税金が使われることにな
りました。国民の最も関心のある一つである日本人の拉致問題、ミサイル問題、よど
号引き渡し問題等、何ら進展、解決はしていない状況だと思います。
 昨年十二月に河野外務大臣はWFPに対しまして一億六千四百十四万ドルの拠出を決
めておりますが、大臣は、大臣が一九九五年六月と七月に延べ払いとして実施した三
十五万トンの米の利息が一九九七年以降金く支払われていないことを承知されており
ますか。
○河野国務大臣 承知しております。
○金子(善)委員 たしか、恐らくこの延滞金というものは五億二千六百万円だとの
数字がございますが、食糧庁長官、いかがですか。
○石原政府参考人 お答え申し上げます。
 北朝鮮に対する延滞金でございますけれども、平成七年の六月の…(全子(善)委
員総額「総額だけでけ結構です」と呼ぶ)総額ですか。その全体はあれでございます
ので、約五億円ということでございます・
○金子(善)委員 この予備交渉あるいは九回以降の本会談で、延滞金の支払いを請
求しているというふうに聞いております。
 そこで、ちょっと食糧庁長官に、これは食糧庁長官でよろしいのか外務大臣がよろ
しいのかわかりませんが、北朝鮮の方から支払い猶予をしてほしいという客の要請は
ございますか。
○石原政府参考人 支払いにつきましては、こちらから督促しているだけで、向こう
から猶予してほしいという話が来ているとは承知しておりません。
○金子(善)委員 私は、何でも、外交の問題におきましても、やはりお互いに誠実
な対応をしていかなきゃならないというふうに思いますが、私が調べた限りでは、食
糧庁としては四十六回にわたって督促をしているというふうに聞いております。それ
に対して何の返事もない。外務省として、そういうことを承知していたら、そういう
点について予備会談なりそういうところでも、問題点は問題点として、言うべきこと
は言う、そういう姿勢をやはりしていかなきゃならない。お互いの信用関係、信頼関
係というものは、率直な意見の交換によって出てくるものと思われます。
 そこででございますが、先ほど、国民の税金が二百六十八億円使われると申し上げ
ました。これは外務省関係分だけで、農林省の食管会計や一般会計でば千四百五億円
が税金として使われており、合わせて千六百七十三億円が国民の税金として使われる
ことになっております。ただいま申し上げましたように、延滞金でございますとか不
良債権五十六億円等々がございまして、大変な金額に上っていることはご承知のとお
りであります。しかも、昨年十二月に緊急食糧支援事業として決定された一千億円は、
一般会計が三十年で負担するということになっております。
 私は、欧米を初めといたしまして、外国に対する経済援助は、基本的にはそのとき
の自国の国力に応じてなすべきものだというふうに思っております。三十年先の子供
や孫の世代まで負担させていくような性質のものではないというふうに思っておりま
す。こういう点につきまして、国際社会から本当の意味で日本が信頼されるというこ
とにならないのではないだろうかという気がしてならないわけでございます。河野大
臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 先般の五十万トンの対北朝鮮食糧支援の決定につきましては、依然
として深刻な食糧不足に直面する北朝鮮に対しまして支獲を行うとの人道的考慮に加
え、朝鮮半島をめぐる最近の情勢を総合的に検討した結果、政府として、日朝関係の
回善ひいてはこの地域の平和と安定という大局的見地から、現在生じている前向きの
潮流を後押しし、これをより確実なものにすることが適切であるという判断に基づい
て行ったものでございます。
 他方、食糧支援の効果につきましては、現在の日朝関係が依然として相互信頼度の
低い段階にある中で、日朝関係を改善させ、朝鮮半島をめぐる前向きな流れを確実な
ものにするという趣旨で決定したものでございまして、日朝国交正常化交渉に直ちに
目に見える結果が出るということは、必ずしも期待しているわけではございません。
このような効果は、長いプロセスの中で評価していくべきものであると考えておりま
す。なお、北朝鮮側からは、支援決定直後に洪成南総理より森総理に対し謝意を表明
する電報が寄せられております。
 五十万トンの食糧支援につきましては、補正予算成立後、種々の準備を進めてまい
りましたが、先月末、一方トンを載せた第一船が日本を出発いたしまして、二月初め
に北朝鮮に届き、先日第二船も北朝鮮に向けて出発したところであります。今後、残
りの支援米も順次北朝館に届けられる予定になっております。
 なお、日朝国交正常化交渉の現状につきましては、十月末北京にて行われた本会談
において、同会談での協議を踏まえてさらによく検討を行い、双方の準備が整ったと
ころで行うこととなっており、そのような状況に変わりはないということを申し上げ
ておきます。
○金子(善)委員 いずれにいたしましても、この日朝の国交正常化につきましては、
アメリカのブッシュ政権の登場等々、いろいろな国際釣な動きも多々あります。日本
としてしっかりした姿勢を持ってこの問題の解決に臨んでいただきたい、このように
強く要請をさせていただきたいと思い
ます。
 そこで、実は拉致問題でございますが昨年でございますが、私は拉致問題につきま
して内閣に質問主意書を出させていただきました。その際に、いわゆる情報の提供、
警察から被害者家族への情報開示ということで、どの程度になっているのてしようか
というようなことで、お願いかたがた内容をお聞きしたところ、回答では、いろいろ
可能な限り提供をいたしていますというような御回答をいただいたわけでございます。
 ところが、救う会という会がございますが、いわゆる被害者家族の会の活動をいろ
いろな形で支援するそういう方々の会でございますが、その被害者の家族の方にアン
ケートと申し
ますか、警察からどういう情報を得ていますかという問い合わせを行ったところ、た
しか九名の方から御回答がございまして、四家族だけが、所轄の警察から訪ねてくる
ことはあるけれども、ほとんど何か変わったことがないですかねというようなことで
あって、いわゆる家族の拉致された方が、認定された方ですよ、いつどこでどんな形
で拉致されてしまったのかというようなことについて、一切警察からの情報の提供は
ありませんというふうに回答をいただいているわけでございます。
 質問主意書では、できる限り情報の開示はしているつもりだという答弁をいただい
ているわけですが、余りに大きいギャップに私自身驚いている次第でございますけれ
ども、とにかく、御家族の、いわゆる被害者家族の方々は、家族が拉致されてどんな
形で、いつどういう形でどこへされたのかということを毎日毎日心配なさっているの
が現状のようでございます。当然のことだと思います。
 そういうことで、警察庁として、確かによくやっていますよというような御答弁を
いただいたのですが、余りにもギャップが大きいということで、ぜひともこれは、こ
れからもその点に意を用いてやっていただきたいと思っておりますけれども、現状に
対する認識をお伺いしておきたいと思います。
○金重政府参考人 お答えさせていただきます。
 警察におきましては、これまでも、この北朝鮮に拉致された疑いのあります方々の
御親族に対しまして、被害者という立場や心情等に配意しつつ、適宜訪問するなどの
対応を行っております。と同時に、捜査に関する情報についても、一般の方々や御家
族から提供を受けた情報に基づいて捜査した結果、あるいは捜査の進捗状況などを、
捜査に支障がないという限りにおいて提供させていただいておるところでございます。
 今先生から、いつどこでどんな形で拉致がされたのかという情報の提供がない、こ
ういうお話がございました。まさにそこのところを私ども捜査として今継続してやっ
ておるというところでございまして、ここの部分で仮に捜査に支障がなければ、当然
のことながら御家族の方々にそれを開示しなきゃいかぬ、こういうふうに思っておる
わけでございますが、何せこれは捜査上やはり一番肝心な部分ということになるわけ
でございます。
 ただ、そうは申しましても、今先生の御指摘も踏まえまして、今後とも誠意を持っ
て対応いたしたいというふうに思っております。
○金子(善)委員 その点はよろしくお願いしたいと思います。
 それから、その質問主意書に対する答弁書によりまして、あくまでも現状における
日朝正常化交渉におきまして、拉致された人の数というのが七件十人だというふうに
限定的に回答なさっておられます。
 ところが、この間、ダボス会議におきまして、各新聞社が伝えたんですが、東京都
の石原知事があるセッションにおきまして、日本人拉致に関しまして、既に合わせて
百五十人の日本人が日本国内だけでなしにヨーロッパとか南米で誘拐されてきて朝鮮
にいると言明したという記事が載っているわけでございます。
 ダボス会議と申しますと、森総理もまた我が党の鳩山代表も出席され、また各国の
政財界の要人が集まるところで、大変影響力のある会議だというふうに聞いておりま
すけれども、そこで、これは失礼かもしれませんが、東京都の知事とはいえ、公人の
方が百五十人だというようなことを言明された、しかもこれについては北朝鮮の方か
らも激しい反撃の声明が出されているというような状況にございます。
 実は私は石原原発言についてえっと思いましたので、この点について外務省の方に
問い合わせをしたところ、余り外務省の方では関心がなかったというような感じを私
はお見受けをいたしました。余りにも差が大きいわけで、この辺につきまして、外務
省として、石原知事に対して内容の確認をなさるつもりがございますかどうか、その
辺につきまして。
 さらに、やはり七件十人というのは、あくまでも警察庁としてかなりの確度で、か
なりの確度というのは相当の証拠がある、そういう方だけに絞っているのであって、
多少の疑いのある人たちというのは石原知事が言われるようにかなりの数に上る可能
性があるのかどうか、その辺だけてもお答えを願いたいと思います。
○河野国務大臣 ダボス会議におきます石原都知事の発言は報道によって私も承知を
いたしております。しかし、石原都知事がいかなる根拠に基づいててそのようなこと
を述べられたのかということについては私どもは承知をしておりませんで、捜査当局
におきましてこれまでの捜査の結果を総合的かつ慎重に検討した結果、北朝鮮に拉致
された疑いのある事案は現在までのところ七件十名と判断しているというふうに私ど
もは聞いておりまして、この捜査当局の判断というものを我々は重視しているわけで
ございます。
○金子(善)委員 警察庁の答弁をお順いいたします。
○金重政府参考人 ただいま警察庁の方で北朝鮮による拉致の疑いがあると判断して
おるもの七件十名というふうにこれまで公表しております。それ以外にもあるのでは
ないか、こういう御質問でございます。
 私ども警察といたしまして、この七件十名の事案以外の行方不明事案につきまして
も関心を持っておりまして、そういう可能性というのは当然あるであろうというふう
に思っております。したがいまして、関連情報の収集などに現在も努めているところ
でございます。
○金子(善)委員 時間が参りますので、要望としてさせていただきたいと思います
が、今警察庁の方から明快な答弁がございました。七件十人だけではなくて、そのほ
かの可能性もある、重大な、大きな発言だったというふうに思います。これは、被害
者家族の方によりますと大変なことでございますので、ぜひ外務省におかれましても、
今後の交渉の場でそういう趣旨のことを触れながら交渉を進めていただくということ
を心からお願い申し上げまして、これで私の質問を終わらせていただきたいと思いま
す。
 ありがとうございました。
○野呂田委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。



  
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