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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

東京連続集会140家族会・救う会・拉致議連 訪米報告3(2026/10/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.10.14)

◆トランプはテロ支援国を再指定、金正恩はトランプ批判をしない

島田 基本的にはまず米朝会談をやって、そして日朝。アメリカが思惑通りに仮
にディールができたとしたら、北がアメリカに、「ICBMについては配備をや
めましょう、生産もやめましょう」と。その代わりにアメリカが安保理制裁決議
を解除する。これはアメリカが解除しようと思えばできますからね。

 安保理制裁決議が解除されたら、日本からインフラ整備の協力とかも、制裁決
議違反にならずにできるようになるので、そういう枠組みを作った後、日朝とい
うのは自然な流れなんです。

 さっきトランプ氏が「仲良しパフォーマンス」をしていると言いましたが、そ
の理由はですね、例えばテロ支援国指定。これブッシュ政権の時に解除したのを、
トランプ政権がもう一回指定し直したんですね。それをいまだに解除していませ
ん。

 テロ支援国に指定するとですね、例えば国際金融機関が北朝鮮に融資しようと
した時、アメリカの代表は反対しないといけない。これは法的に規定されている
んですよね。出資額に応じて投票権がありますから、アメリカが反対したら融資
はできない。このテロ支援国指定、アメリカがいまだに維持しているのは、北朝
鮮、イラン、キューバ、3つだけになったんですが、いまだにこれは解除してい
ないんですよね。

 やっぱりカードとして温存しているということでしょうし、それから金正恩は
トランプ個人を非難するようなことを一切言わないんですよね。これはやっぱり
ビビっているというか、トランプの場合、「仲良しパフォーマンス」をしていて
も、相手が逆らってきたら一瞬にしてですね、「お前、殺すぞ」って変わる。表
現一発で変わりますから。

 イランのことを見ていてもですね、6月にアメリカとイランが一応暫定合意で
きた時には、「いや、今のイランの指導層というのは本当に物分かりが良くて、
素晴らしい連中なんだ。一緒に仕事ができる」とトランプさんは言っていました
が、イラン側がホルムズ海峡で革命防衛隊によるタンカーへの攻撃をやめないと
なると、一転してですね、「あいつらはクズだ、一切信用できない」と。一瞬に
して豹変するのがトランプの特徴なので、それを金正恩も分かっていると思いま
すから、トランプ個人批判は一切しないですよね。

 アメリカは常時軍事偵察衛星で北朝鮮の中を把握しています。そういったこと
で、アメリカはイランのハメネイ師に対して斬首作戦をやりました。だから、こ
れは西岡さんも言っていますが、斬首作戦を見てね、やっぱり金正恩は「自分も
やられるんじゃないか」と、恐怖した。

 それはあり得ると思いますね。トランプ氏は今はやらないでしょうけど、一旦
豹変すれば、やってくるかもしれない。だから刺激しないように金正恩もしてい
るんでしょう。

 あと、この拉致問題は日米共通の、あるいは国際的に関心を持たれるべき問題
なんだと我々は言いますけれども、これはアメリカ人としてはですね、「アメリ
カが何で関係あるの」と思う人間も少なくないと思いますね。

◆アメリカにも拉致被害者がいる

 その意味で2点重要なんですが、一つはですね、アメリカにも拉致被害者がい
る。確実と言えるのは、デヴィッド・スネドンさんというね、2004年に中国
の雲南省で失踪した方ですけれども、この人に関してはですね、古谷圭司拉致議
連会長なんかも盛んに動いて、私も古屋さんと一緒に何遍もアメリカの議会を回
りましたが、上下両院でこの真相解明決議と、北朝鮮に拉致されたという可能性
を念頭において真相解明すべきだという決議ができているんですが、今回いろん
な人たち、それから役所に確認しましたけれども、「このスネドンさんに関して
新たな情報は得ていない」とかね、そういうちょっとね、はっきり言ってこの熱
度が低いなという反応でした。

 これは差し支えない範囲で、何でそうなるのかという理由ですが、一つはやっ
ぱり中国で失踪している。雲南省というのは中国の一番南ですけれども、このス
ネドンさんというのは韓国語も非常によくできる。だから脱北者をですね、こい
つ支援してるんじゃないかと疑われた。

 脱北者は一旦、国境を越えて北朝鮮から中国の北の方に来るんですが、そこか
ら遠路はるばるに南の方まで来て、ミャンマーとかそっちに抜けるというのが重
要な脱北ルートになった。で、この雲南省というのはまさにミャンマーのすぐそ
ばなんですよね。そこに北朝鮮の工作員が張っていたわけです。

 スネドン氏は韓国語もできるし雲南省に来たということで、「こいつ脱北者を
支援してるのでは」と疑われた可能性が強いと、私は思います。このことについ
ては私とか西岡さんがいろいろ論文書いてるんで、参照頂ければと思います。

 だけどね、中国の当局は、「多分トレッキングしてて谷底に転落したんだろう」
ということでね、要するに「知らんよ」という立場です。だからこのスネドン氏
の問題追及しようとすると、いわゆる中国側が嘘をついてるんじゃないか、少な
くともきちんと調べてないんじゃないかと。また、米中関係が緊張しかねないと
いうことで、特に国務省あたり熱心に追及しようとしてないなという感じがあり
ます。

 プッシュしたいと言っても、有力議員が動いてくれるというのが大事なんで、
その点で古屋議連会長なんかが作っておられたルートが、1人は下院の人は引退
しちゃって、マイク・リーという上院議員、ちょっと日本と色々問題もめたりし
て、あんまりこの問題で最近発言してない。

 このスネドン問題で議会の関心をもっと呼び起こす、あるいはアメリカ世論の
関心を呼び起こすというのを、ぜひ在米日本大使館、山田(重夫)大使中心です
ね、いろいろテコ入れをさせてやってもらいたいなと思っています。これが日本
外交の重要課題になると思うんですね。

 スネドン問題、「アメリカ人も拉致されているんだよ」ということがアメリカ
社会一般に広まってね、トランプ氏もそれを認識してこれを持ち出せざるを得な
いと、となれば拉致問題に関する展開も大きく違ってくるんですけれども、そこ
のところがちょっと停滞しているというのが、マイナス面での今回の印象です。
しかしマイナス面だと言っていちゃいけない、そこをいろいろ理解して突破口を
作りたい。

 そして、茂木(敏充)外務大臣、茂木さんにルビオ(国務長官など)に対して
スネドン氏の問題とかガンガン言ってもらわないといけないと思いますよ。茂木
さんに言っておきます。

 そして、拓也さんがめぐみさんについて、大変印象的なプレゼンテーションを
されて、財務省の女性のサイバーテロ担当者なんかはうなずいてました。

 同時にリック・スコットという上院議員と会いました。この人はフロリダ選出
で、ルビオとも親しいし、ルビオもフロリダ選出の上院議員ですよね。それから
トランプ大統領とも大変親しい有力議員です。

 リック・スコットはね、73歳ですけれども、この人はね、ちょっと疑問があっ
たらすぐ質問する態度の人でね。だから我々が、「日本人拉致を北朝鮮がやった
狙いの一つは、『なりすまし』で、その人のアイデンティティを盗む。あるいは
日本人化教育の教師に使いたい、そういう理由だ」というようなことを説明した
ら、スコット議員が「でも、13歳の女の子、それはなりすましにも教師にも使
えないんじゃないか」という趣旨の質問をしてきました。

 我々の方もね、ここは追加で説明しないといけない部分だなということで、西
岡さんが言われた。要するに、横田めぐみさんの場合なんかは北がですね、まだ
いたいけない少女を金日成思想で洗脳して、その女の子自身を工作員に育てよう
としたんじゃないか、と。もちろんそんな洗脳工作は失敗したわけですけれども。

 だからこの辺りはね、スコット議員と同じ疑問を持ちながら、敢えて聞かない
でおこうという人も多いでしょうから、こちらからしっかりと説明する必要があ
るのかなということを、これ本当に毎年のように説明してますが、その辺もこっ
ちとしては言わなくても分かってるかなと変に思わないほうがいいなということ
を今回感じた次第です。

 あともうひとつだけ言うと、デヴィッド・スネドンさんの件にもうひとつアメ
リカの世論が盛り上がらないのはですね、宗教問題もちょっとあってですね、あ
んまり踏み込んでいませんが、スネドンさん一家というのはいわゆるモルモン教
徒なんですよね。

 モルモン教の人は自分たちはキリスト教の一派だと言ってますけれども、オー
ソドックスなクリスチャンから見ると、いやいやあれは邪教だとまで言う人もい
る。かつては異端扱いを認めていたということで、宗教的にマイノリティだとい
う点もですね、アメリカ世論の喚起が難しい要素かなと。その辺も踏まえてやは
り喚起していかないといけない、この辺の戦略を練り直していきたいと思ってい
ます。

◆北朝鮮経済回復説は事実に反する

西岡 今回私も、先ほど肯定的なことを言いましたけど、ひとつ懸念を感じたこ
とがあったんですね。それを皆さんのお手元に配った「北朝鮮経済回復説は事実
に反する」という短い文章にまとめました。

 北朝鮮問題の専門家の人たちは皆、ハノイの話をして、ハノイでのようにもう
一度トランプ大統領に「高市に会え」と言ってくださいというような枠組みの話
をすると、しかしハノイの時に比べて金正恩は余裕がありますからね、という話
を判で押したようにしました。当時とは違うんです。もちろん核の数が増えたと
いうこともありますよね。

 でもうひとつですね、経済情勢が良くない、ほとんどの人はそういう見立てで
す。これは後で島田さんにもアメリカでの論調を説明してもらいたいと思います
けれども、ニューヨーク・タイムズが書き、そしてウォール・ストリート・ジャー
ナルが書いて、そして外交問題の専門雑誌『フォーリン・アフェアーズ』が特集
をしたりしてですね、今年の春くらいからアメリカで「北朝鮮経済は奇跡の回復
を見せる」という認識が急速に広がったんですね。

 去年からですね、韓国の国策シンクタンクがいくつかあるんですけれども、そ
この人たちが200億ドルとか300億ドルロシアからお金が入っているという
推計を出し、そして平壌を訪問した外国人の写真とかビデオが出回ってですね、
大変綺麗になっている、と。工場ビルがたくさん建っている、と。

 そして(簡単に配車の予約ができる)ウーバーのタクシーがあって、それから
決済は電子決済をやるようになっているとか。そういう映像が出て、一昨日だっ
たかな、NHKも朝その映像を出して、「そういう説がある」と。しかし地方は
かなり生活が苦しくなってバランスの差を報道していました。

 そのことと、トランプ大統領が大変金正恩に対してラブコールをしているのに
公式に何の返事もないということが結びつけられていて、「米朝首脳会談はそう
近くないのではないか、なぜなら北は困ってないから」、という見方がかなりあ
るんだなということを感じました。

 一方ですね、私は内部の情報を取って言っているんですが、先ほどちょっと島
田さんも言いましたけれども、イラン首脳部がアメリカによって爆殺されたこと
を見て、金正恩氏は「次は自分かもしれないと大変恐怖を感じている」という情
報を話した人は誰もいませんでした。

 韓国でもそういう情報を話す人はいないですね。内部と連携を取っている人は
いるんですが。一般の北朝鮮問題専門家は日本でも韓国でもアメリカでも、「イ
ランは核兵器を完成していなかったからやられたんだ。北朝鮮は核を既に持って
いるから金正恩はイランと俺は違うと思って安心しているはずだ」と。それが先
ほど言った金正恩の余裕説の一つの根拠になっていたんですけど、平壌の内部情
報を取れる人はそんなこと本当に言わないんですね。

◆北の一番の弱点は首脳部を殺されること

 私の情報をあまり詳しく言うことはできないんですが、国家保衛省がこの4月
突然再編成されて、国家情報局になったんです。日本と同じ、国家情報局が、日
本に先立ってできちゃったわけです。国家保衛省は反体制運動を取り締まる政治
警察だったんです。それが国家情報局になる、海外の情報を取る。

 主として、アメリカとイスラエルの情報を取る。「本当にトランプは俺のこと
を狙ってないんだろうか」。強い関心を金正恩氏が持って、その情報を取る体制
を作ったんです。政治警察を解体するなんて、今までちょっと考えられなかった。
北朝鮮でみんな、つまり国家保衛部が出てくるというのは政治犯になる。そうす
ると収容所に入れられちゃうわけです。収容所に入れられるっていうのは本当に
みんな怖いわけです。

 そのことの源泉が国家保衛部で、「国家保衛部の捕捉が怖い」と思ってたのに、
その国家保衛部の国内の反体制的な動きを取り締まる役割は一般警察、社会安全
部というんですけど、そっちに移した。これ、何が起きてるんだろうと。北朝鮮
をずっと見てきた人間からするとそう思うんですよね。

 それは北の人間から聞いた人から聞いたんですが、さっき島田さんが言ってた
ことと裏返しですけど、トランプは信用できない。いくら今いいこと言ってたっ
てあいつはやるときはやるんだ。ハノイで会ったときまではあいつはやるって言っ
たけど、口だけの男で本当は戦争しないんじゃないか、戦争に踏み切れないんじゃ
ないかと思ってたけど、本気になったら首脳部を殺すんだと。

 北にとって一番の弱点は首脳部を殺されることなんですね。イランは革命防衛
隊という組織があって、革命を守るという利益共同体があるから首脳部が変わっ
ても今も反米活動をしていて国内の民主化を妨げているわけです。

 北朝鮮の指導者からすると、いや、大多数の幹部たちは実は中国式の改革開放
をやりたいと思っている。張成沢(チャン・ソンテク)もそうだった。だからみ
んな粛清したんだ。「俺がいなくなったら絶対中国の方向に走るに決まっている」
と思っているわけですね。

 だから様々な核に関する法律を作って、最高司令部が攻撃されたら核攻撃する
と法律で書いていますけど、でも「金正恩と金与正(ヨジョン)とみんないなく
なったら誰が命令するんだ」と思っている。

 「俺が死んだ後、俺の命令が通じるんだろうか」と思うんですね。そこの部分
の議論がないというのは、やっぱりアメリカと北朝鮮って遠いんだなと。

 これはあと連絡者にちょっと解説してもらったらいいかもしれませんが、アメ
リカも本気になったら情報が取れるということはありますけど、そしてもう一つ
経済回復説ですよね。その経済回復説について、ウォール・ストリート・ジャー
ナル等がどんな方向に進むのか、ちょっと島田さんに紹介してもらっていいです
か。

(4につづく)



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