東京連続集会140家族会・救う会・拉致議連 訪米報告2(2026/10/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.10.13)
◆米国は大陸間弾道弾廃棄がねらい
島田洋一(救う会アドバイザー、元副会長、前衆議院議員)
非核化というのがずっとテーマだったんですが、先日、米中首脳会談をワシン
トンでやっていましたけれども、その後のアメリカ側の発表を見ると、イラン
の非核化というのは強調しますが、北朝鮮の非核化というのは言ってないんで
すよね。つまり第一次トランプ政権の時には、明らかに北の非核化を狙いにし
て、シンガポール、ハノイで二回首脳会談をやりましたけれども、はっきり言
って平和的な手段で北朝鮮の核を放棄させるというのは無理だというのが、一
般的なアメリカの見方ですよね。
じゃあ何を目指そうかですが、アメリカに届く大陸間弾道弾ICBMを廃棄さ
せると。その見返りにアメリカは安保理制裁決議を解除する。これが基本的な
交渉の枠組みになると思うんですけれども、現状はトランプ氏に近い人から聞
いたところでは、トランプ氏としてはともかくイラン問題で頭がいっぱいであ
ってね、その間、北朝鮮は大人しくさせときたいということで、盛んにラブコ
ールというか、「金正恩、お前と俺は愛し合ってるじゃないか」というような、
わけのわからんことも言っておりますけれども、そういう「友達パフォーマン
ス」でおとなしくさせておくと。
そして、「『非核化』って言うんじゃなくて、いろんな問題を話しするために
会おうよ」という格好で、トランプ氏のほうから首脳会談を呼びかけています。
後で話題になるでしょうが、裏でね、CIAとか情報機関の方は、接触ルート
を持っているみたいですけれども。
私と西岡さんは、一日先取りしてワシントンに行きました。翌日、本体、家族
会と拉致議連が来ると、すごい台風に見舞われるって言うんで、飛行機は飛ば
ないんじゃないかと心配したんですが、天の配材というか、無事飛べて本体と
も合流できました。
我々が先行した時にですね、どうしたかというのはすべては言えないんですけ
れども、相手の面会で言えば、トランプ氏のシンクタンクと言われるアメリカ
第一政策研究所(AFPI)というところに行きまして、そこの副所長のフレ
ッド・フライツという男、前から我々面会しているんですけれども、信頼関係
があると思っています。
彼は第一次トランプ政権のときに、NSC(国家安全保障会議)の事務局長も
やっていて、今AFPIの副所長ですけれども、彼が言っていたことのうち、
一つ紹介するとですね、米朝首脳会談が行われるとして、そのとき拉致問題を
持ち出してもらわないといけないわけです。
そして「拉致問題を解決しないと、日本から(北朝鮮に)一切資金援助、人道
支援はできないよと。だから高市首相と会って話し合え」ということをね、(
大統領に)言ってもらわないといけない。アメリカは議会がうるさいから(北
朝鮮のような国には支援金は)出せませんよということでね。
その意味ではアメリカ議会の人はですね、どんなディールができても、米議会
としては「人権抑圧のひどい北朝鮮には一切支援は出さない」と。
「出さない」ということを言ってくれる方が、日本のカードが高まるのでいい
んですけれども、フライツ氏が強調したのは、米朝首脳会談が行われる時、金
正恩としてはですね、できるだけ拉致問題に話が行かないように、他の話題を
どんどんトランプに振るだろう、と。
トランプ氏はアドリブが好きな人ですから、したがって振られた話題に対して
いろいろ答えてしまうと。うっかりすると拉致問題を持ち出すのを忘れかねな
い。従って日本側から繰り返しですね、絶対に拉致を持ち出してくれというこ
とを、事前に念押しすると同時に、それこそ物理的にですね、金正恩とトラン
プ氏が相対したときに、目の前のメモにね、大きな字でアブダクション(拉致)
とか高市と書いてあるものを用意しないといけないと言っていました。
◆駐米大使とホワイトハウスが密接
それができる状況はあると思うんですね。というのは、今トランプ氏が外交問
題で一番信頼しているのは、ルビオ国務長官とラトクリフCIA長官だと言わ
れていますけれども、CIAは裏で交渉をしていると思いますが、ルビオ氏は
ですね、極めて異例ですが、国務長官とそれから大統領国家安全保障担当補佐
官を兼ねているんですよね。
これは前代未聞ですけれども、いろいろ関係者に聞いてみると、ルビオ氏の軸
足はもうはっきりNSC、国家安全保障会議、つまり大統領安保補佐官の立場
の方にあると。その方が物理的にも大統領に近いですね。
象徴的なのが、大統領安保副補佐官、つまりルビオ氏の直属の部下ですが、マ
イケル・ニーダムという男が今年5月から就任しています。ニーダムというの
は、ルビオ上院議員の主席補佐官をずっとやってきた人間で、ルビオが国務長
官になったので国務省で仕事をしていたのですが、この5月からNSC、要す
るに大統領のスタッフですね、副補佐官ということでそっちに移っています。
ニーダムのもう一つ下にいるアジア上級部長の男と我々は面談しましたけれど
も、このニーダムという人物は非常に重要ですが、ワシントンの山田(重夫)
大使が非常にしょっちゅう行き来して、深い関係を築いておられるということ
を聞いたので、だからこういう山田大使とニーダムのパイプが大事ですね。
さっき言った米朝首脳会談の時にトランプ氏の前に拉致問題のメモを置いても
らうと、そういうこともできると思うので、それができるんだということを確
信したというのが、今回の成果の一つで、山田大使も非常に精力的にそういう
あたりを動く人ですからね、ぜひやってもらいたいと思いました。
とりあえず、西岡さんにバトンタッチします。
◆核問題と拉致問題をどう調和させるかがずっと大きなテーマだった
西岡 今回の訪米の話なのですが、頭の整理のために、アメリカにとっては北
朝鮮問題は核問題であって、ずっとそうだったわけです。日本にとっては拉致
問題だということで、それをどう調和させるか。ずっと私たちが訪米するとき
に、それが大きなテーマだったわけです。
ブッシュ政権が、「北朝鮮が核開発をしている、その核がテロリストに渡るか
もしれない」という恐れを抱きながら、アメリカが北朝鮮をテロ支援国家リス
トに入れていたわけですね。でもそれを解除しようとした。その解除しないで
くれ、拉致はテロなんだって言いに行くのが、大きなテーマだったんです。
その時は早紀江さんにも行ってもらったりしてやりましたけれども、だから「
拉致はテロだ」と、我々は言っていたんです。アメリカが北朝鮮と核問題で交
渉を進めるために、アメリカがかけている制裁を緩めてしまう。しかし拉致問
題は何の動きもない。もう核問題だけでアメリカが北と交渉しそうになる局面
が、ブッシュ政権の後半にあったので、それをどうやって歯止めをかけるかと
いうことのために行っていた。
今みたいに一緒に解決しましょうという枠組みではなかった。関心が違ってい
ましたから。会ったら人道的な立場、そして「同盟国ですから同情します」と
いうことは言ってくれますが、アメリカにとっての国益は、アメリカまで届く
核ミサイルをやめさせるということですから、そのためにかけている制裁はそ
のために使う。国務省はそういう立場が強かったですよね。
それがブッシュ政権のときはそうだった。その後オバマ政権のときはもっとそ
ういう感じが強くて、それでも安倍晋三さんが頑張ってくれたのでオバマさん
は家族に立ち話のような形でしたが、「分かりました」と。
それが変わったのが第一次トランプ政権の時だった。トランプ第一次政権のと
き、トランプ大統領が東京に来たときに2回家族に会って時間を取ってくれま
したし、国連の演説で「可愛い13歳の少女が拉致されているんだ」と。国連
の演説ではアメリカに与えられる時間ってそんなに長くないわけです。十数分
ですけどもアメリカ人の問題を言わないで、日本の拉致問題を話した。
トランプ大統領が国連で演説したのは2017年ですが、北朝鮮が、2016
年、2017年に40発の弾道ミサイル発射実験をし、その多くの部分が実は
ICBMだった。アメリカまで届くミサイルの実験だった。そして3回核実験
した。2年間の間に40発と3回だった。
それでトランプ大統領は全ての手段を使って北朝鮮を非核化させると言って空
母3隻朝鮮半島に浮かべて、軍事圧力をかけた。軍事作戦の準備もした。そし
たら話し合いの局面に入ったということだったわけですね。
◆第一次トランプ政権が初めて拉致と核同時解決の枠組みを作った
そのトランプ大統領は北朝鮮に圧力をかけている状況の中で、拉致問題を使っ
て、「北朝鮮には人権問題がある、拉致問題もあるじゃないか」と。そういう
ところに対してアメリカは軍事力行使を行い得るんだと言い、当時の安倍政権
は、「そのトランプ政権の全ての手段を使って核を破棄させるということを支
持する」と言いました。
そして安保法制では日本が攻撃されていなくても自衛隊を使うことができると
いう枠組みを作りましたので、当時の防衛大臣が国会で、「グアムの基地を北
朝鮮がミサイル攻撃したとき、日本の自衛隊が撃ち落とすことができる」と、
やるとは言いま線でしたが「できる」と言いました。一緒になって圧力をかけ
ることができた。その結果、トランプ大統領は拉致問題を取り上げた。拉致と
核を一緒に解決しようという枠組みがトランプ政権になって初めて完全にでき
たわけです。
◆バイデン政権になり、拉致問題を先に解決に切り替え
しかしその後、バイデン政権になってそれがなくなってしまった。だからバイ
デン政権の時は我々は、「拉致は人道問題、人権問題だ」。だから「日本が人
道支援を使って先に解決することを許容してくれ」という訴えに切り替えてア
メリカに訴えたのです。
しかし第2期トランプ政権になって、今、島田さんは、「トランプ大統領は仲
良しパフォーマンスをしている」と言いましたが、しかし怒ったら何をするか
分からないとも思わせておくべきです。
北朝鮮はアメリカまで届く核ミサイルを完成寸前まで行ったということは事実
です。これはアメリカもそう見ています。日本の防衛白書でも「完成寸前まで
行った」と書いてあります。
「寸前」っていう言い方をしているというのは、大陸間弾道ミサイル(ICB
M)は一度大気圏の外に出るんですね。弾頭が外に出て、もう一度大気圏に入
ってくる。入ってくる時にものすごく高熱になるんです。核爆弾が燃えちゃっ
たらおしまいですから。
その再突入についての検証はまだ終わっていない、というのが日本の防衛省の
表向きの見方ですね。韓国もそうですしアメリカもそうです。しかしもうそれ
以外の部分は全部完成しているわけですよ。だからどうするのかという状況が
あるわけですね。
それをアメリカはなんとかやめさせる。第一優先順位としてアメリカはアメリ
カまで届く核・ミサイルをやめさせるということがあって、第1次トランプ政
権の時は軍事力というオプションがあった。そして軍事力を使ったら金正恩が
話し合いに出てきたんです。
それでシンガポールで1回、ハノイで1回、米朝首脳会談が開かれた。ハノイ
で2019年2月に米朝会談が開かれた、その年の5月に訪問したとき、当時、
第1次政権のトランプ大統領の副補佐官だったのがマット・ポッティンジャー
氏ですね。
◆アメリカは核・ミサイル問題が優先、日本は拉致問題が優先
島田 「(安保担当)大統領副補佐官ですよね」。
西岡 「そうそう、同じポジション」。今、先ほどルビオ(国務長官)の下に
いる大統領副補佐官のニーダンさんの名前が出ましたけれども、その場にいた
のがポッティンジャーさんでした。そのポッティンジャーさんが、「また来た
な」って言って、「実はあなた方の(拉致)問題、うちの親分は2回シンガポ
ールで出して、ハノイでも出したぞ」って我々に教えてくれたんです。
特にハノイでは一対一の会談で出した。しかしそこで金正恩は他の問題に逃げ
た。さっき言ったように別のこと言うとトランプ大統領は即興で別の話題に逃
げちゃったんだと思うんですよね。
だけどトランプ大統領の目の前にメモがあったかどうか分かりませんが、ポッ
ティンジャーさんの働きかけもあってですね、その後の少人数の夕食会、その
夕食会にはボルトンの姿は外されたという経緯がありますが、でも「その夕食
会でもう1回(拉致問題を)出したんです」とポッティンジャーさんは我々に
言いました。そして、「意味のある返事を金正恩はしました」と。
「でもその意味のある返事の具体的なワーディング(言葉遣い)は外交問題だ
からあなたたちに教えられない」と言われて帰ってきたのを覚えています。
そしたら「産経新聞」などがですね、この安倍さんとその周辺に取材して、ト
ランプ大統領が直接安倍さんに電話をかけてきて、「こうだったぞ」と説明し
た内容を報道したんです。
そこで「金正恩氏は日朝の間に拉致問題があることを認識している」、「安倍
晋三に会う準備があると言った」と。これは「産経新聞」が何回か書いていま
す。
トランプ大統領は金正恩に「安倍に会え」と言った。そうしたら「会う準備が
ある」と言ったんです。ところがその枠組みはできていたんですが、核問題で
金正恩とトランプ大統領のディールが不成功になって、そこまで行って、「会
う準備がある」と言っていましたけど先に進めなかった。
だからこそ今、トランプ政権になって、そこをどうつなぐのか。もうアメリカ
が拉致問題をじゃま者にするという時代ではなくなっている。特にトランプ政
権がそうです。「一緒に解決する」と。
アメリカにとってはアメリカまで届く核・ミサイルをやめさせることが優先で、
日本にとってはまず拉致被害者は時間的制約がある問題ですから、急いで取り
戻さなければいけないと。その時に日本の支援というカードがトランプ大統領
にとって有効だと見えているわけです。
トランプ大統領が「安倍に会え」と言ったのはもちろん家族に対する同情もあ
り、安倍さんに対する友情もありますが、北朝鮮に対してさっき島田さんも言
いましたけど、「核をやめたら豊かな国になれる」と説得して、「アメリカの
議会の反対があるからアメリカは支援できない」とも説明し、「豊かな国にな
れる支援は安倍晋三がやる」と言っている。「平壌声明に基づいて国交正常化
をしたら経済協力をする」と言っている、と。
しかし安倍さんの条件は「拉致」だ。だから拉致問題で「安倍に会いなさい」
という枠組みで、トランプ大統領は金正恩に「安倍に会え」と言ったという枠
組みです。
◆「金正恩は高市に会え」と言ってもらいたくて今回訪米
だから今回もトランプ大統領が8月にSNSで、「金正恩と俺は会いたいんだ」
と。突然トランプ大統領はその12時間後に米韓軍事演習が始まることになっ
ていたのに、突然SNSで「それはやりたくない」と言って、間違ったメッセ
ージになると言って、「軍事演習を半分に縮小する命令をした」と書いた。
そして北朝鮮に言われて、「金正恩と会いたいんだ。今年中には」。「今年中
ですか」と言ったら、「まあそうなるだろう」みたいなことを答えたというこ
とを踏まえて、今年中にも米朝首脳会談があるのであれば、ハノイでやったよ
うに「高市に会え」と言ってほしいというのが我々の今回の渡米の主要な目標
だったわけです。
皆さんのお手元にある国民大集会のチラシの裏にですね、訪米団アピールがあ
ります。これを英語にして、全訪問先に持って行って、「ぜひ読んでください」
と申し上げて、時間があった時は私も少し説明をしたんですが、我々が「親の
世代がいなくなる前に拉致被害者の全員一括帰国を実現させることが、日本が
北朝鮮への人道支援、独自制裁解除、国交正常化後の経済協力の条件だ」とい
う合意を作りました。
それはトランプ大統領がハノイで拉致問題を提起して、金正恩委員長が「安倍
に会う準備がある」という趣旨の発言をしたということと同じ枠組みです。
アメリカの最大関心事である北朝鮮の核問題と、日本の最優先課題である拉致
問題を共に解決するという枠組みがその時できた。だから今度米朝首脳会談が
実現するなら、この姿勢を堅持して、金正恩氏に拉致問題を解決するために、
高市首相と早期に交渉することを強く求めていただきたい、と。そういうこと
を渡米先、NSC、国務省、財務省のテロ担当、それから上下両院の民主党・
共和党議員、そしてシンクタンクやNGO専門家に言ってきたわけです。
昨日、高市総理に会いました。先ほど横田拓也さんが言った通りですが、そこ
で高市総理がこう言いました。「ちょうど皆さんが訪問した時、私もニューヨ
ークでトランプ大統領に会った。トランプ大統領に、「もしも金正恩に会うこ
とがあるならば、高市早苗に会えということも言ってください」と。
この話は加藤勝信先生が記者会見で明らかにしたので、私もそれを使って今皆
さんに申し上げているところであります。まさにその枠組みを高市総理も考え
ていらっしゃるなら、ということが確認できました。その点については多分理
解を得られたんじゃないかなと思うんですけど、そこはどうですか。
(3につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
◆米国は大陸間弾道弾廃棄がねらい
島田洋一(救う会アドバイザー、元副会長、前衆議院議員)
非核化というのがずっとテーマだったんですが、先日、米中首脳会談をワシン
トンでやっていましたけれども、その後のアメリカ側の発表を見ると、イラン
の非核化というのは強調しますが、北朝鮮の非核化というのは言ってないんで
すよね。つまり第一次トランプ政権の時には、明らかに北の非核化を狙いにし
て、シンガポール、ハノイで二回首脳会談をやりましたけれども、はっきり言
って平和的な手段で北朝鮮の核を放棄させるというのは無理だというのが、一
般的なアメリカの見方ですよね。
じゃあ何を目指そうかですが、アメリカに届く大陸間弾道弾ICBMを廃棄さ
せると。その見返りにアメリカは安保理制裁決議を解除する。これが基本的な
交渉の枠組みになると思うんですけれども、現状はトランプ氏に近い人から聞
いたところでは、トランプ氏としてはともかくイラン問題で頭がいっぱいであ
ってね、その間、北朝鮮は大人しくさせときたいということで、盛んにラブコ
ールというか、「金正恩、お前と俺は愛し合ってるじゃないか」というような、
わけのわからんことも言っておりますけれども、そういう「友達パフォーマン
ス」でおとなしくさせておくと。
そして、「『非核化』って言うんじゃなくて、いろんな問題を話しするために
会おうよ」という格好で、トランプ氏のほうから首脳会談を呼びかけています。
後で話題になるでしょうが、裏でね、CIAとか情報機関の方は、接触ルート
を持っているみたいですけれども。
私と西岡さんは、一日先取りしてワシントンに行きました。翌日、本体、家族
会と拉致議連が来ると、すごい台風に見舞われるって言うんで、飛行機は飛ば
ないんじゃないかと心配したんですが、天の配材というか、無事飛べて本体と
も合流できました。
我々が先行した時にですね、どうしたかというのはすべては言えないんですけ
れども、相手の面会で言えば、トランプ氏のシンクタンクと言われるアメリカ
第一政策研究所(AFPI)というところに行きまして、そこの副所長のフレ
ッド・フライツという男、前から我々面会しているんですけれども、信頼関係
があると思っています。
彼は第一次トランプ政権のときに、NSC(国家安全保障会議)の事務局長も
やっていて、今AFPIの副所長ですけれども、彼が言っていたことのうち、
一つ紹介するとですね、米朝首脳会談が行われるとして、そのとき拉致問題を
持ち出してもらわないといけないわけです。
そして「拉致問題を解決しないと、日本から(北朝鮮に)一切資金援助、人道
支援はできないよと。だから高市首相と会って話し合え」ということをね、(
大統領に)言ってもらわないといけない。アメリカは議会がうるさいから(北
朝鮮のような国には支援金は)出せませんよということでね。
その意味ではアメリカ議会の人はですね、どんなディールができても、米議会
としては「人権抑圧のひどい北朝鮮には一切支援は出さない」と。
「出さない」ということを言ってくれる方が、日本のカードが高まるのでいい
んですけれども、フライツ氏が強調したのは、米朝首脳会談が行われる時、金
正恩としてはですね、できるだけ拉致問題に話が行かないように、他の話題を
どんどんトランプに振るだろう、と。
トランプ氏はアドリブが好きな人ですから、したがって振られた話題に対して
いろいろ答えてしまうと。うっかりすると拉致問題を持ち出すのを忘れかねな
い。従って日本側から繰り返しですね、絶対に拉致を持ち出してくれというこ
とを、事前に念押しすると同時に、それこそ物理的にですね、金正恩とトラン
プ氏が相対したときに、目の前のメモにね、大きな字でアブダクション(拉致)
とか高市と書いてあるものを用意しないといけないと言っていました。
◆駐米大使とホワイトハウスが密接
それができる状況はあると思うんですね。というのは、今トランプ氏が外交問
題で一番信頼しているのは、ルビオ国務長官とラトクリフCIA長官だと言わ
れていますけれども、CIAは裏で交渉をしていると思いますが、ルビオ氏は
ですね、極めて異例ですが、国務長官とそれから大統領国家安全保障担当補佐
官を兼ねているんですよね。
これは前代未聞ですけれども、いろいろ関係者に聞いてみると、ルビオ氏の軸
足はもうはっきりNSC、国家安全保障会議、つまり大統領安保補佐官の立場
の方にあると。その方が物理的にも大統領に近いですね。
象徴的なのが、大統領安保副補佐官、つまりルビオ氏の直属の部下ですが、マ
イケル・ニーダムという男が今年5月から就任しています。ニーダムというの
は、ルビオ上院議員の主席補佐官をずっとやってきた人間で、ルビオが国務長
官になったので国務省で仕事をしていたのですが、この5月からNSC、要す
るに大統領のスタッフですね、副補佐官ということでそっちに移っています。
ニーダムのもう一つ下にいるアジア上級部長の男と我々は面談しましたけれど
も、このニーダムという人物は非常に重要ですが、ワシントンの山田(重夫)
大使が非常にしょっちゅう行き来して、深い関係を築いておられるということ
を聞いたので、だからこういう山田大使とニーダムのパイプが大事ですね。
さっき言った米朝首脳会談の時にトランプ氏の前に拉致問題のメモを置いても
らうと、そういうこともできると思うので、それができるんだということを確
信したというのが、今回の成果の一つで、山田大使も非常に精力的にそういう
あたりを動く人ですからね、ぜひやってもらいたいと思いました。
とりあえず、西岡さんにバトンタッチします。
◆核問題と拉致問題をどう調和させるかがずっと大きなテーマだった
西岡 今回の訪米の話なのですが、頭の整理のために、アメリカにとっては北
朝鮮問題は核問題であって、ずっとそうだったわけです。日本にとっては拉致
問題だということで、それをどう調和させるか。ずっと私たちが訪米するとき
に、それが大きなテーマだったわけです。
ブッシュ政権が、「北朝鮮が核開発をしている、その核がテロリストに渡るか
もしれない」という恐れを抱きながら、アメリカが北朝鮮をテロ支援国家リス
トに入れていたわけですね。でもそれを解除しようとした。その解除しないで
くれ、拉致はテロなんだって言いに行くのが、大きなテーマだったんです。
その時は早紀江さんにも行ってもらったりしてやりましたけれども、だから「
拉致はテロだ」と、我々は言っていたんです。アメリカが北朝鮮と核問題で交
渉を進めるために、アメリカがかけている制裁を緩めてしまう。しかし拉致問
題は何の動きもない。もう核問題だけでアメリカが北と交渉しそうになる局面
が、ブッシュ政権の後半にあったので、それをどうやって歯止めをかけるかと
いうことのために行っていた。
今みたいに一緒に解決しましょうという枠組みではなかった。関心が違ってい
ましたから。会ったら人道的な立場、そして「同盟国ですから同情します」と
いうことは言ってくれますが、アメリカにとっての国益は、アメリカまで届く
核ミサイルをやめさせるということですから、そのためにかけている制裁はそ
のために使う。国務省はそういう立場が強かったですよね。
それがブッシュ政権のときはそうだった。その後オバマ政権のときはもっとそ
ういう感じが強くて、それでも安倍晋三さんが頑張ってくれたのでオバマさん
は家族に立ち話のような形でしたが、「分かりました」と。
それが変わったのが第一次トランプ政権の時だった。トランプ第一次政権のと
き、トランプ大統領が東京に来たときに2回家族に会って時間を取ってくれま
したし、国連の演説で「可愛い13歳の少女が拉致されているんだ」と。国連
の演説ではアメリカに与えられる時間ってそんなに長くないわけです。十数分
ですけどもアメリカ人の問題を言わないで、日本の拉致問題を話した。
トランプ大統領が国連で演説したのは2017年ですが、北朝鮮が、2016
年、2017年に40発の弾道ミサイル発射実験をし、その多くの部分が実は
ICBMだった。アメリカまで届くミサイルの実験だった。そして3回核実験
した。2年間の間に40発と3回だった。
それでトランプ大統領は全ての手段を使って北朝鮮を非核化させると言って空
母3隻朝鮮半島に浮かべて、軍事圧力をかけた。軍事作戦の準備もした。そし
たら話し合いの局面に入ったということだったわけですね。
◆第一次トランプ政権が初めて拉致と核同時解決の枠組みを作った
そのトランプ大統領は北朝鮮に圧力をかけている状況の中で、拉致問題を使っ
て、「北朝鮮には人権問題がある、拉致問題もあるじゃないか」と。そういう
ところに対してアメリカは軍事力行使を行い得るんだと言い、当時の安倍政権
は、「そのトランプ政権の全ての手段を使って核を破棄させるということを支
持する」と言いました。
そして安保法制では日本が攻撃されていなくても自衛隊を使うことができると
いう枠組みを作りましたので、当時の防衛大臣が国会で、「グアムの基地を北
朝鮮がミサイル攻撃したとき、日本の自衛隊が撃ち落とすことができる」と、
やるとは言いま線でしたが「できる」と言いました。一緒になって圧力をかけ
ることができた。その結果、トランプ大統領は拉致問題を取り上げた。拉致と
核を一緒に解決しようという枠組みがトランプ政権になって初めて完全にでき
たわけです。
◆バイデン政権になり、拉致問題を先に解決に切り替え
しかしその後、バイデン政権になってそれがなくなってしまった。だからバイ
デン政権の時は我々は、「拉致は人道問題、人権問題だ」。だから「日本が人
道支援を使って先に解決することを許容してくれ」という訴えに切り替えてア
メリカに訴えたのです。
しかし第2期トランプ政権になって、今、島田さんは、「トランプ大統領は仲
良しパフォーマンスをしている」と言いましたが、しかし怒ったら何をするか
分からないとも思わせておくべきです。
北朝鮮はアメリカまで届く核ミサイルを完成寸前まで行ったということは事実
です。これはアメリカもそう見ています。日本の防衛白書でも「完成寸前まで
行った」と書いてあります。
「寸前」っていう言い方をしているというのは、大陸間弾道ミサイル(ICB
M)は一度大気圏の外に出るんですね。弾頭が外に出て、もう一度大気圏に入
ってくる。入ってくる時にものすごく高熱になるんです。核爆弾が燃えちゃっ
たらおしまいですから。
その再突入についての検証はまだ終わっていない、というのが日本の防衛省の
表向きの見方ですね。韓国もそうですしアメリカもそうです。しかしもうそれ
以外の部分は全部完成しているわけですよ。だからどうするのかという状況が
あるわけですね。
それをアメリカはなんとかやめさせる。第一優先順位としてアメリカはアメリ
カまで届く核・ミサイルをやめさせるということがあって、第1次トランプ政
権の時は軍事力というオプションがあった。そして軍事力を使ったら金正恩が
話し合いに出てきたんです。
それでシンガポールで1回、ハノイで1回、米朝首脳会談が開かれた。ハノイ
で2019年2月に米朝会談が開かれた、その年の5月に訪問したとき、当時、
第1次政権のトランプ大統領の副補佐官だったのがマット・ポッティンジャー
氏ですね。
◆アメリカは核・ミサイル問題が優先、日本は拉致問題が優先
島田 「(安保担当)大統領副補佐官ですよね」。
西岡 「そうそう、同じポジション」。今、先ほどルビオ(国務長官)の下に
いる大統領副補佐官のニーダンさんの名前が出ましたけれども、その場にいた
のがポッティンジャーさんでした。そのポッティンジャーさんが、「また来た
な」って言って、「実はあなた方の(拉致)問題、うちの親分は2回シンガポ
ールで出して、ハノイでも出したぞ」って我々に教えてくれたんです。
特にハノイでは一対一の会談で出した。しかしそこで金正恩は他の問題に逃げ
た。さっき言ったように別のこと言うとトランプ大統領は即興で別の話題に逃
げちゃったんだと思うんですよね。
だけどトランプ大統領の目の前にメモがあったかどうか分かりませんが、ポッ
ティンジャーさんの働きかけもあってですね、その後の少人数の夕食会、その
夕食会にはボルトンの姿は外されたという経緯がありますが、でも「その夕食
会でもう1回(拉致問題を)出したんです」とポッティンジャーさんは我々に
言いました。そして、「意味のある返事を金正恩はしました」と。
「でもその意味のある返事の具体的なワーディング(言葉遣い)は外交問題だ
からあなたたちに教えられない」と言われて帰ってきたのを覚えています。
そしたら「産経新聞」などがですね、この安倍さんとその周辺に取材して、ト
ランプ大統領が直接安倍さんに電話をかけてきて、「こうだったぞ」と説明し
た内容を報道したんです。
そこで「金正恩氏は日朝の間に拉致問題があることを認識している」、「安倍
晋三に会う準備があると言った」と。これは「産経新聞」が何回か書いていま
す。
トランプ大統領は金正恩に「安倍に会え」と言った。そうしたら「会う準備が
ある」と言ったんです。ところがその枠組みはできていたんですが、核問題で
金正恩とトランプ大統領のディールが不成功になって、そこまで行って、「会
う準備がある」と言っていましたけど先に進めなかった。
だからこそ今、トランプ政権になって、そこをどうつなぐのか。もうアメリカ
が拉致問題をじゃま者にするという時代ではなくなっている。特にトランプ政
権がそうです。「一緒に解決する」と。
アメリカにとってはアメリカまで届く核・ミサイルをやめさせることが優先で、
日本にとってはまず拉致被害者は時間的制約がある問題ですから、急いで取り
戻さなければいけないと。その時に日本の支援というカードがトランプ大統領
にとって有効だと見えているわけです。
トランプ大統領が「安倍に会え」と言ったのはもちろん家族に対する同情もあ
り、安倍さんに対する友情もありますが、北朝鮮に対してさっき島田さんも言
いましたけど、「核をやめたら豊かな国になれる」と説得して、「アメリカの
議会の反対があるからアメリカは支援できない」とも説明し、「豊かな国にな
れる支援は安倍晋三がやる」と言っている。「平壌声明に基づいて国交正常化
をしたら経済協力をする」と言っている、と。
しかし安倍さんの条件は「拉致」だ。だから拉致問題で「安倍に会いなさい」
という枠組みで、トランプ大統領は金正恩に「安倍に会え」と言ったという枠
組みです。
◆「金正恩は高市に会え」と言ってもらいたくて今回訪米
だから今回もトランプ大統領が8月にSNSで、「金正恩と俺は会いたいんだ」
と。突然トランプ大統領はその12時間後に米韓軍事演習が始まることになっ
ていたのに、突然SNSで「それはやりたくない」と言って、間違ったメッセ
ージになると言って、「軍事演習を半分に縮小する命令をした」と書いた。
そして北朝鮮に言われて、「金正恩と会いたいんだ。今年中には」。「今年中
ですか」と言ったら、「まあそうなるだろう」みたいなことを答えたというこ
とを踏まえて、今年中にも米朝首脳会談があるのであれば、ハノイでやったよ
うに「高市に会え」と言ってほしいというのが我々の今回の渡米の主要な目標
だったわけです。
皆さんのお手元にある国民大集会のチラシの裏にですね、訪米団アピールがあ
ります。これを英語にして、全訪問先に持って行って、「ぜひ読んでください」
と申し上げて、時間があった時は私も少し説明をしたんですが、我々が「親の
世代がいなくなる前に拉致被害者の全員一括帰国を実現させることが、日本が
北朝鮮への人道支援、独自制裁解除、国交正常化後の経済協力の条件だ」とい
う合意を作りました。
それはトランプ大統領がハノイで拉致問題を提起して、金正恩委員長が「安倍
に会う準備がある」という趣旨の発言をしたということと同じ枠組みです。
アメリカの最大関心事である北朝鮮の核問題と、日本の最優先課題である拉致
問題を共に解決するという枠組みがその時できた。だから今度米朝首脳会談が
実現するなら、この姿勢を堅持して、金正恩氏に拉致問題を解決するために、
高市首相と早期に交渉することを強く求めていただきたい、と。そういうこと
を渡米先、NSC、国務省、財務省のテロ担当、それから上下両院の民主党・
共和党議員、そしてシンクタンクやNGO専門家に言ってきたわけです。
昨日、高市総理に会いました。先ほど横田拓也さんが言った通りですが、そこ
で高市総理がこう言いました。「ちょうど皆さんが訪問した時、私もニューヨ
ークでトランプ大統領に会った。トランプ大統領に、「もしも金正恩に会うこ
とがあるならば、高市早苗に会えということも言ってください」と。
この話は加藤勝信先生が記者会見で明らかにしたので、私もそれを使って今皆
さんに申し上げているところであります。まさにその枠組みを高市総理も考え
ていらっしゃるなら、ということが確認できました。その点については多分理
解を得られたんじゃないかなと思うんですけど、そこはどうですか。
(3につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■高市首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 高市早苗殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆




