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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

10月にも4回目の米朝首脳会談の公算、9月の家族会・救う会訪米で拉致進展を(2026/09/02)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2026.09.02)


 以下は、西岡力救う会会長が、「産経新聞」の「拉致問題の現場から(第37回、
8/29)」に寄稿したものです。参考情報として送ります。

<参考情報>

10月にも4回目の米朝首脳会談の公算、9月の家族会・救う会訪米で拉致進展を
打ち込みへ

救う会 西岡力会長

 拉致問題の進展に向けた好機が、ようやく訪れそうだ。米国のトランプ大統領
が今月19日(現地時間)、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記
との年内の首脳会談の実施可能性を記者団から問われ、「そうするつもりだ」と
応じた。第1次トランプ政権下に3回実施しており、今回実現すれば4回目だ。関
係筋によると、早ければ10月にも行われるとの見方がある。

 言うまでもなく、高市早苗首相はトランプ氏と緊密に連携し、この機を日朝首
脳会談につなげてほしい。

 なお、私が調べたところ、トランプ氏の今回の意思表明は、北朝鮮との水面下
の交渉が首尾よく進んだことを示す結果だという。内実はこうだ。

演習開始半日前の決断

 会談意思の表明に先立つ8月16日朝、トランプ氏は米韓合同軍事演習の期間短
縮を命じたことをSNSで明かした。指示の理由を「(軍事演習が正恩氏に対し)
全く不適切で敵対的なシグナルを送っているためだ」と説明。半日後には演習が
始まるというタイミングだった。

 昨年から米朝会談実現に向けた水面下の交渉は続いていたが、情報筋によると、
今年6月にシンガポールで、同7月にはタイで、米朝関係者の秘密接触があった。

 さらに今月段階では、北朝鮮側が準備を加速させ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)
の廃棄の検討を始めた。具体的には「ICBMを米本土に発射しても到着まで約40分
かかる。その間に米海軍などによる迎撃ミサイルで撃ち落とされる確率が高い上、
核ミサイルで報復される危険がある」という議論だという。

 北朝鮮は、そうであればいっそ廃棄し、それを材料に米朝交渉を有利に進めよ
うという青写真を描いたとみられる。

 トランプ氏の急な演習短縮指示は、北朝鮮が実際にICBM廃棄の意向を示し、そ
れに対する賛意だった可能性がある。

 さらに、米韓両軍が9月に予定していた合同軍事訓練について、縮小どころか
中止に至ったと、韓国メディアが報じた。 情報筋によると、正恩氏は、9月下
旬に予定されている中国の習近平国家主席の訪米終了後に、米朝会談の実施を模
索しているという。9月訓練の中止も、近々の会談実施に向けた露払いの一環か
もしれない。

「57発」に言及、正恩氏への警告か

 本欄でも繰り返し述べてきた通り、正恩氏は、米国がイランへの軍事攻撃で同
国の最高指導者を殺害したのと同じように、自分を殺そうとしているのではない
かと懸念している。

 トランプ氏は19日に記者団に対し、「イランに核兵器を持たせるわけにはいか
ないが、私は金正恩氏を非常によく知っている。賢明な米大統領がいる限り、彼
は問題を起こさないだろう」とも述べた。正恩氏に対する「心配しなくていい」
とのメッセージととれる。

 一方で、「彼は57発の非常に強力な核兵器を持っている」と、具体的な数字に
言及した。これが正確ならば、北朝鮮の最高機密を米国が精緻に把握しているこ
とになる。

 正恩氏は誰がもらしたのかと激怒し、米国のインテリジェンス(諜報)に改め
てうろたえたはずだ。改めて、としたのは、過去にも北朝鮮は米国の情報力に面
食らった経験があるからだ。

 第1次トランプ政権時代の2019年、ベトナム・ハノイで行われた米朝会談初日
に、北朝鮮は全ての核物質生産施設の廃棄を約束してリストを示した。だが、南
浦(ナンポ)市降仙(カンソン)の製鉄所にある濃縮ウラン製造施設を記載せず、
それを確認したトランプ氏は、会談2日目のランチの約束をキャンセルして帰っ
てしまった。

 今回、トランプ氏が「57発」と具体的に示したのは、「ハノイ会談のように?
をついても、あなたが持っている核について私は詳しく知っているから通じない」
という警告とみられる。

ハノイの再現に期待

 今後の展開を考えよう。トランプ氏の米朝会談への意欲には、11月初旬の米中
間選挙までの実績づくりとの狙いも透ける。そのため、早ければ10月中の会談実
現の可能性が取りざたされる。

 実際に会談が行われた場合、北朝鮮は降仙を含む全核物質施設の廃棄に加え、
ICBM廃棄も提案するだろう。それをトランプ氏は朝鮮半島非核化の第1段階とし
て受け入れ、正恩氏の命の保証と国連制裁の一部解除を約束するのではないか。

 トランプ氏は「バイデン政権ができなかった米本土の安全を自分は守った」と
大々的に宣伝することができる。

 ただし、廃棄の対価としての経済支援は、米国ではなく日本が実施すると説明
する。そして、実施の条件は拉致問題の解決だと、正恩氏に迫る。

 この段取りは、ハノイ会談で実際に実行されたものだ。トランプ氏は「経済支
援は日本が行うが、彼らの条件は拉致問題解決だから、安倍晋三首相(当時)と
会え」と正恩氏に求め、正恩氏は「会う準備がある」と応じたとされる。

 家族会と救う会、拉致議連は9月下旬に訪米し、政府関係者や議員らと面会す
る予定だ。トランプ氏が次期首脳会談でも拉致問題を提起し、ハノイでのスキー
ムに基づいて正恩氏を説得するよう、関係者に働きかけるつもりだ。

 うまく日朝会談に至っても難題は残る。北朝鮮が?をついて被害者全員を返さ
ず、一部だけで幕引きさせようとするかもしれない。だまされないためには被害
規模を正確に把握する必要がある。政府は司令塔役の国家情報局を中心に情報を
総ざらいし、可能な限り態勢を整えて臨んでほしい。



昭和53年夏のアベック拉致
警察は「電波」傍受で北朝鮮関与を確信していた

 北朝鮮工作員を乗せた船が発していた「電波」について、今回から再び述べて
いく。

 昭和53年の夏、福井、新潟、鹿児島、富山の4県で1件ずつ、アベック(カップ
ル)拉致・拉致未遂事件が発生した。

 福井では地村保志さん(71)と富貴恵さん(71)が、新潟では蓮池薫さん(68)
と祐木子さん(70)が、鹿児島では市川修一さん(71)=拉致当時(23)=と増
元るみ子さん(72)=同(24)=が、それぞれ拉致された。富山では20代の男女
が拉致されそうになった。

 当時は「失踪」や「蒸発」などと報じられたが、関係者によると、翌54年春に
4県警の担当者が警察庁に集まって秘密会議が開かれており、この時点で警察当
局は北朝鮮による拉致であることを確実視していた。4事件の現場周辺でいずれ
も工作船の電波が傍受されていたためだ。

 読売新聞は平成14年12月、警察庁で電波傍受を担当していたという元幹部の証
言を報じた。

 記事によると、元幹部は、地村さんの事件が発生(昭和53年7月7日)する約1
週間前から、警察庁の庁舎に泊まり込んでいた。警察の無線傍受施設が、日本海
の真ん中で北朝鮮の工作船が発したとみられる電波をとらえ、各県警に「沿岸警
戒活動」を指示していたからだという。

 警戒継続中の7月31日に蓮池さん事件が発生し、翌月に市川さん・増元さん事
件、富山男女事件が続いた。記事は、元幹部について「おそらく日本で最初に北
朝鮮によるアベック拉致を確信した人物だ」と綴(つづ)った。

 一方、先に述べた秘密会議では、拉致の動機が判然としなかった。当時は52年
9月に起きた久米裕さん(101)=同(52)=の拉致事件を通じ、北朝鮮が日本人
の身分を乗っ取る目的で拉致をするケースがあることは分かっていた。

 北朝鮮は久米さんのような「独身の中年男性」を標的にしていたので、地村さ
んら若いカップルは合致しない。被害者たちを教育して北朝鮮工作員に仕立てる
という、現在分かっている真相は、当時は全く想定されていなかった。

 なお、動機が不明だったことに加え、船の電波情報を収集していること自体が
極秘の行動だったため、警察当局は秘密会議で報告された内容を非公開とし、政
権中枢などにも報告しなかったようだ。当時、北朝鮮に融和的な政党が3分の1以
上の議席を持っており、電波傍受が中止に追い込まれる可能性なども危惧したと
みられる。

次回は9月26日掲載予定

以上

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