救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国民大集会報告5(2025/06/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.06.11)

■国民大集会報告5

◆今後も「死亡診断書」だけで遺骨の引き渡しなしで幕引か

今井英輝(特定失踪者家族会会長、今井裕さん兄)

 皆さん、こんにちは。私は何回か登壇して、拉致問題が一日も早く解決するよ
うお願いしてきました。2002年9月17日、日朝首脳会談で、北朝鮮は初め
て拉致を認め5人を返還しましたが、8人は「死亡」、4人は入境していないと
発表し、以来23年経っても、一人の帰還もできない状態です。

 安倍総理の時代から、管総理、岸田総理まで、日朝首脳会談の交渉では拉致問
題と核・ミサイルを切り離しできないと言い続けています。なぜ拉致問題と核・
ミサイル問題を一緒に交渉するんでしょうか。核・ミサイル問題は日本だけの問
題ではないのです。

 一昨年の能登半島の地震による災害で、北朝鮮からお見舞いの電報が届いてい
ます。その内容の中に、「拉致は解決済みである」、「核・ミサイルはわが国の
利益の問題であり、口出しすべきではない」と釘打ちをしています。

 拉致の可能性は否定できない。警察への届け出は現在871人です。しかしこ
の数字は6年前の数字で、この2年間誰一人も発見されておりません。拉致とは
関係のない人も含まれています。政府ははっきりした人数を把握しているのでしょ
うか。これはすぐ伝わります。

 本日、林官房長官が語ったことについて、今後北朝鮮の方針が変わるでしょう。
ここに、特定失踪者問題調査会が造った、拉致の可能性が濃厚で、拉致の疑惑が
あると発表したものがあります。その内拉致濃厚者が77名です。この人たちに
ついて北朝鮮が話をしなくても結構です。

 「拉致濃厚者が77名」と発表するだけで、その情報は北朝鮮に届きます。昨
年暮、日本海側の海岸に漂着した難破船及び死体を私は調べてきました。場所は
男鹿半島で青森県の深浦海岸、遺骨は地元の各お寺で保管、遺骨は朝鮮総連が随
分持ち帰ったそうです。誰も分からない。これだけ北朝鮮は動いているんです。

 但し、拉致被害者の内、「死亡」とされた人は、北朝鮮から死亡診断書だけで
遺骨の引き渡しはなされていません。この状態で幕引きをするんでしょうか。早
急に考えてほしい。終わります(拍手)。

【特定失踪者家族紹介】

竹下珠路(たまじ)

 本日、特定失踪者の家族の参加者を紹介させていただきます。疾走年の順にご
紹介します。

 まず、今井英輝さん。弟の今井裕(ゆたか)さんは、昭和44年、青森県弘前
市から18歳で失踪し、現在74歳になっています。

 生島馨子(けいこ)さん。妹の生島孝子さんは、昭和47年、東京都渋谷区か
ら31歳で失踪し、現在86歳になっています。

生島 姉の馨子と申します。妹は北朝鮮で目撃されていながら政府の対応がなく、
特定失踪者のままです。53年経って、妹は現在86歳です。親でなく、拉致さ
れた本人が86歳になるのです。この事実を会場の皆様はどのようにお考えにな
られますか。宜しくお願いいたします(拍手)。

 続きまして吉見美保さん。妹の秋田美輪さんは、昭和60年兵庫県川西市から
21歳で失踪し、現在61歳になっておられます。

 そして佐々木美智子さん。佐々木美智子さんの弟、佐々木正和さんは昭和62
年11月、埼玉県大宮市から37歳で失踪し、現在75歳になっておられます。

 そして私竹下玉路の妹、古川了子は、昭和48年に18歳で失踪し、現在70
歳になっています。千葉県市原市から失踪しました。

 もう一人。特定失踪者問題調査会の武藤政春副代表も出席しておられます。以
上出席者のご紹介をさせていただきました。ありがとうございました(拍手)。

◆親の世代が生存中とは、未認定も含めた表現

西岡 ありがとうございました。櫻井さんにせきが出たので、少し代わります。

 私たちは、「親の世代の存命中に」と言っていますが、正確に言えば、家族会
のメンバーの親の世代という意味ですが、その期限の中で、「全被害者の即時一
括帰国」と言っています。「全被害者」というのは、認定、未認定に関わらずと
いうことです。これは変えていません。早紀江さんがずっと運動し続けてきた家
族会のシンボルとして言っています。「家族会の親の世代が生きている間に」と
は言っていません。

 認定、未認定に関わらず救出するということが政府の方針に入っているのです。
但しなかなか難しいことです。被害者全員とは何人なのかというのが分からない
状況ですから、難しいことは分かっていますが、それだけを申し上げておきます。

〔参加者紹介〕

 先ほど、国会議員の紹介がありましたが、それ以外の参加者を私からご紹介さ
せていただきます。

 まず、自民党衆議院議員の工藤彰三先生が来てくださいました。ありがとうご
ざいました(拍手)。

 そして知事の会は全都道府県から来てくださっていますが、先ほどご挨拶され
た黒岩知事の他、4人の副知事が来てくださっています。

 伊藤高埼玉県副知事(拍手、以下略)、
黒野嘉之千葉県副知事
栗岡祥一東京都副知事
鈴木康之新潟県副知事

 それ以外に全都道府県から来てくださっています。お立ちいただけますでしょ
うか。ありがとうございます(拍手)。

 全国の救う会の仲間が来ています。お立ちください(拍手)。

 私たちは繰り返しアメリカに行って活動してきました。その活動を支えてくだ
さっている古森義久さん、スーザン古森さんが来てくださっています(拍手)。

 またアメリカでも、日本に帰ってきてからもずっと支えてくださった梅原克彦
元仙台市長も来てくださっています(拍手)。

 ここで第2部を終わりとさせていただきます。

【基調報告】

◆有本明弘さん「恵子だけではだめ。みんな取り戻さなければ」

西岡力(救う会会長)

 まず申し上げたいことが1つあります。この集会は、私たちが主催者です。家
族会・救う会、拉致議連、そして知事の会、地方議連です。1999年から始め
ました。その時は家族会・救う会だけでやりました。人が集まらなかったです。
しかし、ここまで来たんです。やれることは何でもやろうと思ってやってきたこ
とを申し上げたいと思います。

 まず、有本さんのことを一言だけお話させていただきます。有本明弘さんの思
い出は尽きないですが、2002年の2月に、有本恵子さん拉致の犯人の八尾恵
が裁判の法廷で、「私が拉致をしました」と述べました。その時、わーっと盛り
上がりました。

 石破さんは先ほど、自分が初代拉致議連の会長だといいましたが、実は199
7年に古い拉致議連があったのです。そこの会長から有本家に連絡があって、
「恵子さんに会わせてあげられるかもしれない。救う会と縁を切りなさい」とい
う話がありました。

 有本さんは、「恵子だけではだめなんです。みんな取り戻さなければならない」
と言って、ご夫妻で話を断りました。

 そして2002年に、「恵子さんは死んだ」と言われた。その後10日ぐらい
してから小泉首相が会ってくださった。「恵子は殺された」と記者会見で言って
おられたので、「政府は何してるんだ」とおっしゃるかと思ったら、有本さんが
何を言ったかというと、「曽我さんが出てきた。ほかにも被害者がいるんじゃな
いか」と、

 恵子さんのことを一言も言わないで、「ほかにもいるんじゃないか」という話
をされました。私はこれを聞いていて、この人はどういう人なんだろうと思いま
した。自分のことだけを考えているんじゃないんですね。そういう人でした。

 私が政府に会ったのは12月です。政府の主催行事が始まる前の控え室で、官
房長官が私たちと会った時に、有本さんは官房長官に、「一体どういう道筋で政
府は取り戻そうとしているんだ」と。

◆平時は強い圧力を背景にした交渉による奪還しかない

 私は有本さんに、「私たちが考えている道筋を訴えたいと思います」と、繰り
返して申し上げていますが、二つしかないと思っています。

 一つは、実力による奪還です。しかしそれは平時には無理です。有事になった
時には色々なことを考えておかなければならない。時間がないので言いませんが、
準備は全くしていないわけではない。問題は平時です。交渉による奪還です。ま
ず先圧力、後交渉です。強い圧力を背景にした交渉しかない。

 その時に二つの道があります。強い圧力をかけるのは残念ながら日本一国では
かなり困難です。日本は今、かなりの制裁をかけています。世界で一番厳しい制
裁をかけています。しかしなかなか難しい。

 そこで軍事力を持っているアメリカと一緒に圧力をかける。小泉訪朝はまさに
そのケースでした。日米が協力して強い制裁をかけた後、話し合いになります。

 その場合に二つのパターンがあります。アメリカが動くのは核問題です。アメ
リカ大陸に届く大陸間弾道弾ミサイルを今北朝鮮は持とうとしているか、持って
しまったかです。アメリカが絶対許さないことです。

 第一次トランプ政権の時、空母三隻を朝鮮半島の近くに浮かべて、軍事的圧力
をかけました。それで米朝首脳会談になったのです。強い圧力の後、話し合いで
す。その時トランプ大統領は拉致問題を議題に出しました。

 もう一つのやり方は岸田政権がやろうとしたことです。バイデン政権になって、
アメリカは北朝鮮の核問題を放棄しました。何もしない。だから核問題と拉致問
題を切り離して、拉致問題を人道問題として扱うという方針転換を岸田政権はし
ました。

 3年前のこの国民大集会で、岸田さんは、「拉致問題は時間的制約のある人道
問題だ」と言いました。そうしたら、2年前の5月の国民大集会で、岸田さんが
「日朝首脳会談のための高いレベルの協議をしたい」と言ったら、その日は土曜
日でしたが月曜日に北朝鮮の外務次官が、「日朝が会えない理由はない」との声
明を出しました。その後に先ほど話が出た、能登地震へのお見舞いの電報につな
がったのです。

 二つ目のやり方は、拉致を核と切り離して、人道問題として取り上げ、人道支
援を使って交渉することになったのです。しかし、第二次トランプ政権になりま
した。北朝鮮は今人道支援を狙っていません。国交正常化の後の大規模な支援を、
先にトランプ大統領と交渉しようとしています。

(6につづく)


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