救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国民大集会全記録7(2022/06/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.06.06)

■国民大集会全記録7

〇ミニシンポ

櫻井 横田早紀江さんと飯塚耕一郎さんに、亡くなられた家族のこと、また過日
はバイデン米大統領と面会したこと等について色々な思いがおありだと思います
が、それをお話しいただければと思います。早紀江さんからどうぞ。

◆日本の国はもっとしっかりしなければいけません

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 皆様、こんにちは(こんにちは)。今日はまたたくさんの方が集まってくださっ
てありがとうございます。この頃声が少し出にくくなっていまして、聞こえづら
いと思いますが失礼します。

 今日も皆様方のお話を聞かせていただきながら、今この時間も北朝鮮に捕らわ
れている子どもたちは、何をさせられているんだろうか。それが見えないままの
45年を私たちは過ごしてきました。起きるたびに、また寝る前に、「大丈夫か
なあ。どうしてるかなあ」といつも思いながら家族は過ごしています。

 飯塚さんもどんなに八重子さんに会いたかっただろうなあと思いながら、あん
なに頑張ってこられたのに。主人の滋もそうですが、有本恵子さんのお母様も、
みんなでワシントンに行って皆様にお伝えしたり、色々な思い出があります。複
雑な人生だなと思います。しかし、彼らの人生はまだ奪われたままで助けてあげ
ることができない。そして見えない。そうしてもその姿が見えない。

 私たちは、めぐみの子がキム・ウンギョンという元気な子と、チウンという可
愛いひ孫と会いました。皆様のご尽力で一度だけですが、主人とモンゴルまで出
かけて、全く見えなかっためぐみの姿はなかったのですが、そっくりな元気な女
の子と、考えてもいなかったひ孫までがいて、にこにこと笑って私の手に抱かれ
ました。物語のような時間だと思いながら、そういう幸せもいただきました。

 めぐみちゃんがどこからか出てこないかなと思って、キッチンに入っても、
「めぐちゃんはいないねえ」とお父さんと話したのも深い思い出です。日本人と
してこんな不思議な人生を歩む人間もいるんだなあと今、色々と思わせられてい
ます。

 ただ、進行が遅いということが、今日も皆様方の話にありました。「なぜ動い
ていかないんだろう」と。私はいつも新潟時代の、あの子がいなくなったあたり
からの様々なことが、「遅いなあ、遅いなあ。なんでこんな返答しかできないん
だろうか」と思ったり、警察に行っても、「すみませんねえ。分からないんです
よね」の一言で終わりでした。一言で言えば、本当にさみしいとしか言いようが
ないような思いでいました。

 日本は島国ですから、たくさんの変な船が入ってきたり、変な船の中に向こう
の人の遺体が何人もころがっていたりということが何度も海岸線で起きていまし
て、そういう人たちが普通の格好をして子どもたちを連れて行った時代がずっと
続いているという恐ろしさがあります。

 そして防衛というか、大きな国ですが本当にちゃんとしてくださっているのだ
ろうかと思います。日本人はもっとしっかりと考えていてくださったのだろうな
と思っていたのですが、こんなにたくさんの青年たちが色々な(北朝鮮の)役に
立って今動いているかもしれないのです。本当に考えられないような中で、親を
思い、兄弟を思いながら、「必ず帰りたい」と一生懸命耐えていると思います。

 本当に日本の国はもっとしっかりしなければいけません。私たちも頑張らなけ
ればいけません。小さなことはどうでもいいんです。本当に日本を守るために、
この国を守るためにと櫻井先生も前からおっしゃっていますけど、深い所でしっ
かりと心を合わせて、子どもたちが帰るまで頑張っていきたいと思います。今後
ともどうか宜しくお願いいたします(拍手)。

◆日本がもっと主体的に動くべき

飯塚耕一郎(家族会事務局長、田口八重子さん長男、飯塚繁雄さんは育ての親)

 皆さん、こんにちは。本日はお暑い中お集まり下さり、ありがとうございます。

 5月23日にバイデン大統領と迎賓館で面会をさせていただきました。その際
に、伯父である本間勝が、「あんちゃん(飯塚繁雄)がいたんだよな」と、ひと
ことぽろりと言いました。

 前回、前アメリカ大統領とお会いした時(飯塚繁雄)は、迎賓館のソファーで
面会直前までずっと横になって寝ていたわけです。飯塚繁雄は晩年の3、4年は
体力がなくなっていて、闘病の関係もありますが、歳だったということもありま
した。息も絶え絶えという感じで活動していました。

 飯塚繁雄が亡くなって半年くらい経つのですが、まだ実感がありません。亡く
なる直前にお見舞いに行った時、たまたま私だけだったのですが、親父は酸素マ
スクを付けて寝ている間、18年間の活動を思い出していました。

 ある週末には親父は東に行き、私は西に行き、日本のどこかで講演をさせてい
ただいたり、多忙が過ぎる場合は電話の連絡もできなかったのですが、テレビで
親父の姿を見たり、私の姿を親父が見たりして、二人とも頑張っているなと思い
ながら過ごしていました。

 義理の親子ではありますが、八重子さんを救うという一念に力を注ぎこんでき
たなと考えています。そんなことを迎賓館で思い出しながら、八重子さんに一目
会わせたかったし、会わせるためにはアメリカの協力も必要ということで、バイ
デン大統領との面会実現にご協力していただいた皆様に改めて御礼申し上げます。

 ただですね、バイデン大統領とお会いすることが目標ではなく、それをステッ
プにして次の目標を達成しなければならない。そのために日本が主体的に動くべ
きということを、今後どう実現するかが重要だと思っています(拍手)。

櫻井 西岡さん、お二人のお話を伺って、またバイデンさんとお会いしたことに
ついてどうでしょうか。

◆家族会・救う会の運動方針が大きな意味で「工程表」ではないか

西岡力 (救う会会長)

 私たちの救出戦略は、もしかしたら大きな意味での「工程表」ではないかと考
えています。それを毎年運動方針や決議としてきました。

 まず、強い圧力をかける。そして首脳会談を実現させる。しかし、最初の首脳
会談で嘘をつくだろうから、その嘘を打ち破って全拉致被害者、特に一方的に
「死んだ」とされて死亡の証拠なるものまで出された8人を含む、認定未認定に
関わらず全被害者を取り戻す、という枠組みをずっと考えてきました。

 ただしその圧力の部分については、日本だけでは実現できない。やはり国際社
会と連携して圧力をかけて、首脳会談を実現させなければならないということで、
「国際連携と制裁の圧力で首脳会談を実現させよう」というスローガンを出して
きたわけです。

 実は小泉訪朝の時、そしてトランプ政権の時、これが一定程度実現したわけで
す。小泉訪朝の時はその1年前に、ブッシュ大統領が「悪の枢軸」という有名な
演説をして、「テロとの戦争のターゲットは3つある」と言って、北朝鮮、イラ
ン、イラクと言ったんです。

 「そのテロ支援国家が大量破壊兵器を持つことを許さないことを目標にする」
と。北朝鮮は実は、94年にアメリカや国際社会をだまして、「核開発を凍結す
る」と言いながら、実はやっていたのです。その証拠を米軍はパキスタンに入っ
て掴んでいたのです。2001年10月頃のことです。だから2002年1月の、
「悪の枢軸」演説になったのです。

 「大量破壊兵器を持たさないのは戦争のターゲットだ」と言った。そこに北朝
鮮が入っていた。なぜなら国際社会をだまして作っていて、その証拠をブッシュ
大統領が握ったからです。

 それへの対応として北朝鮮は、日本を先に選んだのです。アメリカを選ばない
で。圧力をかけた時、日本を選ぶかアメリカを選ぶかは、彼らが色々判断します。
トランプ大統領の時は、2016年17年に40発のミサイルを撃って、3回核
実験をしたのです。

 それでトランプ大統領は、「これは許せない」と、ロケットマンと言ったりし
て、その中で国連の演説でめぐみさんのことも出し、そして斬首作戦という金正
恩委員長を暗殺する軍事作戦を本格的に準備し、空母を3隻出した。そいうこと
があり、次の年から話し合いが始まったのです。この時はアメリカを選んだ。

 小泉政権の時は全被害者を取り戻す姿勢がなかったと私たちは思っています。
しかし、トランプ政権が軍事圧力と経済制裁で交渉を実現させた時は、拉致もテー
ブルに乗ったのです。

 2018年と19年にシンガポールとハノイで首脳会談がありましたが、特に
ハノイでの米朝首脳会談では、1対1でトランプ大統領と金正恩委員長が会った
時は、アメリカが条件を出したらごまかした。

 その直後の少人数の夕食会でもう一度出したら、「意味のある回答」をした。
これはホワイトハウスに私たちが行ってトランプ政権の高官から聞きました。し
かし、「いくら家族でもその中身は言えませんが安倍総理には伝えてあります」
と聞きました。

 安倍総理は私たちに、「トランプさんが拉致の解決を迫ったのではなくて、私
の拉致に関するメッセージを金正恩委員長に伝えてくれた」と説明してくれまし
た。トランプ大統領を通じて、安倍さんのメッセージが伝わった時、肯定的な話
ができた。2019年にはかなりの所まで行ったのですが、核問題でまた北朝鮮
がアメリカをだまそうとして、地下に核施設がいっぱいあるのにそれは言わない
で、「寧辺で終わりにする」と嘘を言った。米朝がつぶれたので、日朝もつぶれ
たのです。

 しかし、またミサイルを撃ってきた。もう16発です。2年間で40発と半年
で16回とどちらが多いか。そして核実験を今しようとしている。そういう中で、
圧力をかけて話し合いに持ち込む時に、日米の連携は絶対必要です。共和党から
民主党に政権が代わったから特に必要です。

 そういう戦略的な環境の中で、岸田総理がバイデン大統領と家族会との面会を
させてくださったのは大変ありがたい。意味があったと思っています。

櫻井 ありがとうございました。日本政府が何をするのかという決意がとても大
きな意味を持ちます。岸田政権に臨みたいことについて、早紀江さんと耕一郎さ
んいかがですか。

◆早く日朝会談を

横田早紀江 ぜひ日朝会談をして、心を割って話し合いをしてほしい。それを早
くやってくださいと、そればかりを言い続けています。そういう思いでいっぱい
ですが、向こうの方がなかなか「会いましょう」と言ってくれない感じですので、
そこをどういう形にしていったらいいのか。そういう時にアメリカの言葉が一つ
入るとか、色々な形で動いてほしいと切望しています。

◆飯塚繁雄さんの最後のメモの最初に「八重子」と

飯塚耕一郎 継続と、近い未来へのアクションがあると思います。今政府は啓発
活動をしています。地味な活動ではありますが、重要な活動ですから引き続きやっ
ていただきたいと思っています。

 なぜかと言うと、記憶に鮮明だった2002年を考えても、そこから20年も
経っているということです。最近2、3年はあまり依頼がないのですが、かつて
は大学などでおおく講演をさせていただきました。

 そういう意味で、かなり忘れさられた問題であると認識して継続的な啓発活動
が必要になると思います。

 近い未来のアクションですが、1点目は、拉致問題はもう停滞は許されないと
いうことです。北朝鮮が何も動かないから何もしないというスタンスは変えなけ
ればならないと思います。北朝鮮問題が難題であることは誰もが分かっています
が、これをうごかすためにあらゆる手段を使って、首脳会談に向けて動く必要が
あると思います。

 そのためには常に総理が北朝鮮に向けて、「首脳会談をやりましょう」という
直接的な言葉でもかまわないので、対外的なアクションを明示する必要があると
思います。

 2点目は、北朝鮮に関しては無用な譲歩や段階的交渉は無意味であることを改
めて申し上げたいと思います。段階的交渉、調査委員会、連絡事務所の設置とい
うことは北朝鮮問題においては、転換期になると必ず声を挙げる人が出てきます。

 しかし、拉致被害者は厳重に管理されていて、現時点でどこで生活しているの
か、北朝鮮政府は把握していますので、段階的交渉は無意味で向こうの時間稼ぎ
に過ぎないことを改めてご理解いただければと思います。

 3点目は、核・ミサイルと拉致問題を切り離すことが重要になると思います。
先日バイデン大統領が来日した際に、私の手紙をお渡しさせていただいたのです
が、拉致問題は命の問題で、命は時間に限りがある。この問題を仮に北朝鮮と日
本が優先的に公表することになったとしても、そこは容認していただきたいと手
紙に書かせていただきました。

 核・ミサイルの時間軸と拉致問題の時間軸を考えると人間の命には限りがある
ので、何とか早く問題を解決しなければならないことをアメリカ側にご理解いた
だきたい、とも申し上げました。

 4点目はアクションというより決意ですが、飯塚前代表の言葉にもあったよう
に、「絶対あきらめない」という気持ちを我々は常に持っておくべき気持ちだと
思っています。

 飯塚繁雄の死ぬ間際のメモ2枚があり、その中に家族への心配等がありました
が、一番最初に書かれていたのが、「八重子」という文字でした。83歳で亡く
なりましたが、最後の最後まで八重子さんのことが頭の片隅に常にあって、死ぬ、
間際まで心に思っていたことで、ご参加の皆様すべてにご理解いただいて、心の
片隅でかまわないので、この問題を必ず解決する気持ちでいていただきたいと、
私の願いを共有していただきたいと思っています。以上です(拍手)。

◆被害者救出と経済的見返りをどうするか

櫻井 今の4点は深刻な真摯な希望であると同時に、国家としてどのようにこれ
に取り組むかとなると難しい問題を含んでいると思います。私たち日本国民の気
持ちとしては、ミサイルや核の問題は横に置いておいて、とにかく被害者を返し
てほしいと。日朝関係の中で最優先であってほしい。家族は皆歳をとっているし、
被害者の皆さんの写真がスクリーンに次々に出ていますが、皆50代後半から、
60代、70代になっているわけです。

 時間がない。では返してもらった時にどうなるか。当然北朝鮮は経済的な見返
りを要求するでしょう。これにどう応えるのか。

 私たちは今、ウクライナに対するロシアの侵略戦争の問題で、ロシアとの経済
環境をどうするかということについて、色々な意見が出ています。経済的に相手
を利するようなことはしてはならない。その意味では日本の企業が国益を先に持っ
てくるべきときだなと思うのですが、同じようなことが拉致問題に関してもきっ
と聞かれるだろうと思います。

 私たちはそれでも、何とか知恵を働かせて被害者の皆さんを一日も早く取り返
さなければならないわけです。西岡さん、この複雑で難しい状況の中で、あなた
はご自分の生涯をかけて朝鮮半島問題、拉致問題に取り組んで来られた。我々は
一体どうしたらいいのかということについてお話しください。

◆すべての手段で首脳会談を実現し「全拉致被害者の即時一括帰国」を

西岡力(救う会会長)

 これもまた「工程表」の一部になると思うのですが、今耕一郎さんは短めに話
したのでご理解いただけなかった部分もあると思いますが、家族会・救う会とし
ては、今日の決議案にもありますが、核・ミサイル問題と拉致問題の切り分けに
ついて、もしも北朝鮮がトランプ政権の時にやったように、先にアメリカを交渉
相手として選んだ場合、トランプ大統領は安倍さんのメッセージを伝えてくれた。

 それはトランプ大統領がそれなりの計算をして、アメリカの今のシステムでは、
核問題が解決しても、核の開発費用を補償しろという北朝鮮の要求を受け入れる
ことはできない。人権抑圧、独裁国家に経済支援をすることはできないわけです。
どの政権でも同じです。

 しかし日本は、国交正常化をすれば、韓国と同じように経済協力をすると言っ
ている。しかし、安倍晋三は拉致しか言わない。だからあなた(金正恩委員長)
は被害者を返さないと、まとまった経済協力はもらえませんよ、と。トランプ大
統領は日本のお金も交渉の取引手段とした上で、2回も迫ってくれたわけです。

 だから「シンゾーがこう言っている」と言ったわけです。それを政権が代わっ
てバイデン政権でも同じようなことを言ってもらうためには、相当な努力が必要
だ。菅政権になってもそうお願いしたのですが、菅さんが去年4月に訪米した時
に、国務長官、安保補佐官、アジア・太平洋調整官がワシントンでブルーリボン
バッジを付けて出てきたのです。

 菅さんが帰ってきて、新聞のインタビューで答えたのは、「アメリカのバイデ
ン政権は菅政権をよく研究している」と。菅政権の第一課題が拉致だ。台湾問題
などでアメリカが日本にやってもらいたいことがいっぱいあっても、「菅が一番
関心を持っていることを探せ」と言ったら、「拉致だ」と。だから国務省がバッ
ジを付けてきた。

 一方、小泉訪朝型で日本を交渉の相手に選んだ場合、今回のようにミサイルを
16発撃ち、核実験をやりそうな、同じような危機が高まった時です。もちろん
日本は国連制裁違反はできませんが、しかし国連制裁よりも厳しい制裁をかけて
います。制裁法を作り、できることは全部作ってくださっています。

 それは国連制裁より強いんです。貿易を全部止めています。国連制裁は食糧品、
肥料、医療品を北朝鮮に出すことを禁止していないのです。従って、国連制裁よ
り強い部分は拉致で使うことができるんです。

 また人道支援は国連制裁の禁止事項ではないんです。だから尹錫悦(ユン・ソ
ギョル)政権は、ウイルス関連の薬品を送ると言っているんです。北朝鮮が載ら
ないだけですが。

 日本にとって最重要課題の拉致について、国連制裁違反にならない部分で大規
模な人道支援等のカードを使うことができます。しかし、事前にアメリカと協議
をしておかないと、首脳会談が実現してもうまくいかないだろう。だから「工程
表」なんです。

 それがトランプ政権で成功し、バイデン政権でも成功している。そこでいよい
よ岸田さんに平壌に行ってもらわなければならない。しかし、多分、トランプ大
統領にやったように嘘をつきます。「何人かの人は生きていて、それ以外の人は
死んでいる。これで終わりだ」というふうに言ってくると思います。

 それをまた打ち破らなければならない。そのためには情報が必要です。トラン
プ大統領はハノイで、「これが核施設の全部です。これを廃棄します」と金正恩
氏が言ったら、にやっと笑って、「私たちはあなたたちがやっていることを1日
レベルで知っていますよ。準備ができていませんね」と言って、ランチの約束を
キャンセルして帰ってしまったのです。

 岸田総理が平壌に行って、また嘘の死亡通告を受けたら、にやっと笑って、
「昨日めぐみさんはあそこで顔を洗っていましたね」と言えるくらいの情報力が
あれば、勝てる。

 まずは国際的環境を整える。今北朝鮮は、核・ミサイルについて2016年、
17年と同じことをやっています。北朝鮮の内部では治安が悪くなっているくら
いに制裁が効いています。だからこそ核・ミサイルで突っ込んできているのです
が、これで大きな嵐が来るかもしれない。

 小泉訪朝、トランプ・金正恩会談に次ぐ3つめの嵐が来た時に備えて準備をし
ておかなければならない。その準備は一定程度できている。それが「工程表」で
す。後は日本政府がどのくらいの情報を持っているのか。

 25年前に家族会ができました。私たちの要求は、日本政府に、拉致問題の専
門部署を作ってほしいということでした。5年経って小泉訪朝がありましたが、
それまでにできませんでした。その4年後、2006年にできたのです。約10
年かかりました。

 それから16年経ちました。政府の中に拉致問題の担当部署ができて、情報の
部署もあります。16年の力を出してほしい。小泉訪朝の時はそれがなかったか
ら負けたんです。

 今度岸田さんが行く時には16年間の蓄積を持って、行ってもらう。担当部署
を作るという「工程表」を10年かけて作ったのです。だから今、国政の最優先
課題になったのです。自動的になったのではないのです。私たちが戦ってきたか
ら、国政の最優先課題にしたんです。国際的な課題にしたのです。

 アメリカに行ったのは2000年からです。苦しいなかでやってきたからここ
まで来たのです。できたこともあります。もちろん結果は出ていませんが。一歩
一歩進んできたことは間違いないので、もう一度核・ミサイルの嵐が来たならば、
すべての手段を使って首脳会談を実現し、その首脳会談で嘘を打ち破って、「全
拉致被害者の即時一括帰国」を実現してほしいし、私はできると信じていて、こ
れからも戦っていきたいと思います(拍手)。

◆日本の戦後体制の悪しき側面を全部ひっくり返すくらいの覚悟で

櫻井 家族会と救う会の長い歩みの中で、私たちは日本国に決定的な問題解決の
力がないということを、いやというほど知らされました。でもそこで嘆いている
のではなく、今西岡さんがおっしゃったような「工程表」を作って、そして政府
の協力を得て情報を集めて、今かなり北朝鮮の内部状況も含めての分析ができて
いる日本になっています。

 そして日本は世界一厳しい制裁を北朝鮮に課しているわけですから、それを交
渉材料に使うことができるし、また使うべきであると思います。ただ、もっともっ
と強い日本国になって、「日本は強い。侮ることはできない」ということを思い
知らさなければならないと思います。

 私たちがウクライナの問題でロシアと中国を重ねて考え、ウクライナと日本を
重ねて考えるところまではいきました。ウクライナがあんなに一生懸命闘って、
決して諦めずに、国土の1ミリたりとも奪わせない。国民のこれほど多くを殺し
たことを許さない強い態度を維持しています。

 私たちの前にも、本当に中国の脅威の危機が迫っていますし、北朝鮮の拉致問
題は何十年も続いている。そういう中、どうやって対処するのかということを第
一の課題として考え、そしてそれとつながる課題として、これから日本の前に立
ち現れるであろう中国の非常に大きな脅威というものに対し、国として国民とし
て立ち上がることができるような法制度も作らなければならないと思います。

 戦後の諸制度は皆さん砕け散ったのです。国連は機能しない。北朝鮮に対する
より強い制裁をアメリカが提起しましたが、中国とロシアがみごとにこれをひっ
くり返しました。国連は機能しない。その中で価値観を同じくする国々が手を合
わせてやらなければならない。

 そして日本国政府が国民を守る第一の責任者であることを肝に銘じて、これか
ら国民の皆様方に拉致問題を一緒に解決しましょうと呼びかけると同時に、この
国の戦後体制の悪しき側面を、我々が全部ひっくり返していくくらいの覚悟でや
りたいものだと思います。皆様今日は長い時間ありがとうございました。

 早紀江さんのお話を聞く度に、世の中のお母さんやお父さんが子どもを失くし
た時の悲しみを本当に感じます。耕一郎さんの話を聞く時も、小さい時に別れた
ので顔も思い出せない。お母さんと会えないことがどんなにつらい事かを感じま
す。この悔しさ、悲しさを、私たちは嘆くだけでなく、力の源泉にして強く立ち
上がりたいものだと思います。ありがとうございました(拍手)。

※松原仁拉致議連幹事長による決議案の朗読部分は、メールニュース5/29「国民
大集会決議」参照

櫻井 皆様の賛同の意思として、決議となりました(拍手)。ありがとうござい
ました(拍手)。

以上

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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
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