救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

政府国際シンポにおける家族会の訴え(2020/12/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.12.14)

 12月12日に、政府主催で東京・イイノホールで開催された「国際シンポジ
ウム」において、家族会の横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが以下の訴えをされま
した。以下はその全文です。

■政府国際シンポにおける家族会の訴え

◆横田拓也さんの訴え

 家族会事務局長の横田拓也と申します。

 最初に、北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールに応募頂いた皆様、そし
て表彰された皆様、多くの力強い作文を応募頂き有難うございます。日朝首脳会
談が平壌で開かれた2002年から既に18年が経過する中、皆さんが産まれる前に起
きていた重大な事実を振り返り、北朝鮮に拉致された被害者達を取り戻すべく一
人一人が我が事として何をするべきかを真剣に考え、勇気ある一歩を踏み出して
頂き心からお礼申し上げます。

 また会場にお越しの皆様、コロナ禍の制約の大きい中にもかかわらず、私達と
共に闘って下さる事に心から感謝申し上げます。

 私達一人一人が自由な世界で安全で平和でそして幸せな人生を享受出来る権利
を持っているにもかかわらず、北朝鮮の暴力的且つ身勝手な拉致犯罪により人生
を大きく狂わされてしまった拉致被害者達の事を思うと、絶対に北朝鮮を許す事
は出来ません。もし姉の横田めぐみが北朝鮮による拉致被害に遭っていなければ、
自己実現のためそして一人の女性として充実した人生を歩めただろうと思います。
どれだけ不自由な毎日を送り、身体の具合が悪くなってもまともな医療を受ける
事も出来ず、そして不毛な地で明るい未来を描けない毎日を繰り返しているだろ
う事に、本当に申し訳ないと思います。43年間も助け出せない事に謝るしかあり
ません。

 こうした人の尊厳を踏みにじり、人質外交を尚も続けている北朝鮮を許す事は
出来ません。

 横田家の記憶の中にあるめぐみの表情は、いつも明るく元気でしっかり者の姿
しかありません。賑やかな食卓、楽しかった家族旅行、一緒に学校に三人連なっ
て登校した事。そんな幸せな想い出しかありません。ところが北朝鮮は13歳の少
女を暴力的に日本国内から拉致し、めぐみを恐怖のどん底に突き落としました。
北朝鮮から提供された拉致された直後に撮られたと思われる制服を来た姉の寂し
そうで恐怖と絶望感の中にある1枚の写真を見せられた時、私達の心は平常心を
保つ事は出来ませんでした。およそ人が出来る事ではありません。私達家族会は
もちろん、日本はこの様な邪悪な国家を相手に闘っているのです。

 歴史を振り返った時、独裁者達が辿った運命がどの様なものであったか、北朝
鮮当局はその事を直視して欲しいと思います。暴力と恐怖から生まれるものはあ
りません。日本・タイ・ルーマニア・韓国などの他国から無実の多くの人々を強
制的に拉致し、そして2500万人の北朝鮮国民の方々を苦しめ、人を人として扱わ
ないその暴挙の先にあるものがどの様になるかを理解する必要があります。

 とりわけ、2020年は新型コロナウィルス感染が猛威を振るい、生活弱者である
拉致被害者達が健康な生活を送れているのだろうかと心から心配しています。ど
うか拉致され辛い時間を強いられている皆さん、大切なめぐみちゃん、元気でい
て下さい。私達は必ず全員を救い出します。日本の地を再び踏み、家族が再会し
抱き合う日が来るまで諦めません。言葉の力を武器にして闘い続けます。

 家族会・救う会が掲げている絶対に譲れない方針を改めて申し上げます。私達
が北朝鮮に要求している事は”全拉致被害者の即時一括帰国”です。段階的な拉
致被害者の解放や部分的解放は絶対に許しません。

 北朝鮮は拉致した被害者達を24時間厳重な監視下のもと誰がどこで何をしてい
るかを把握しています。その事が”あたかも無い又は分からないといった前提”
に立って「連絡事務所の設置」「調査委員会の立ち上げ」「調査レポートの提出」
と言った聞こえのいい時間稼ぎのための騙しのレトリックに耳を傾けてはなりま
せん。惑わされてはなりません。私達が求めているのは私達一人一人の拉致され
た家族や兄弟本人が日本に帰ってくる事です。
拉致被害者達の「助けて欲しい」「日本に帰りたい」と言う声なき声に耳を傾けて下さい。

 北朝鮮は次期米国合衆国大統領が誰になるかを最大の関心事として捉えていま
す。報道されているところによれば、元副大統領であるバイデン氏が次期大統領
になると目されています。私達家族会は引き続き米国政府に強い働き掛けを行い、
13歳の少女を拉致し尚も人質外交を続けている北朝鮮に対し人権問題の切り口か
ら北朝鮮に対し強く迫ってもらうよう行動を続けます。北朝鮮が人権問題である
拉致問題を解決しない限りテロ支援国の指定を続けるよう求めて行きます。

 金正恩委員長に伝えます。あなたが人権問題である拉致問題を解決する勇気あ
る判断をしさえすれば、北朝鮮は明るい未来を描く事が出来ます。拉致した被害
者を全員帰せば、私達は帰国した人達から日朝国交正常化交渉に支障が出るよう
な事を聞き出す事はしません。私達の家族を帰して下さい。勇気ある判断をして
下さい。そして信じて下さい。

 最後に、会場にお越しの皆様、今日見聞きした話をどうか帰宅されたらご家族
や職場の方々に伝えて下さい。その事こそがこの問題を風化させない事、拉致さ
れた被害者達を絶対に全員取り返すという世論を一枚岩にする事に繋がります。
引き続き皆様のご支援とご理解をお願い致します。

有難うございます。

◆飯塚耕一郎さんの訴え

 いつもお世話になっております。家族会 飯塚耕一郎です。

 本日は年末のお忙しいなかにも関わらず、ご参加頂き誠に有難うございます。

 作文コンクールの応募者、及び参加者の方々にも感謝申し上げます。

 今年も被害者の帰国なく年末を迎えてしまうことを残念にも思います。また解
決できなかった自分を情けなくも思います。

 今年、7年8ヶ月続いた安倍政権が終わりを迎えました。拉致問題を忘れず、
最優先、最重要の姿勢を変えず、世界各国の首脳に拉致問題を発信、提起続けて
くれたことには感謝しています。また安倍総理が米国のトランプ大統領へ理解を
求めたことにより、トランプ大統領自身の心を揺れ動かしました。

 これにより2018年シンガポール、2019年ベトナムでの米朝首脳会談で金正恩委
員長に日本の拉致問題を解決するよう直接訴えたことは大きな効果であったもの
と考えております。

 しかし、これらの活動によっても北朝鮮はまだ拉致被害者を帰国させる決断を
未だしておりません。北朝鮮は我々家族が死んでしまえば、この問題の世論も静
まり、風化し、日朝国交正常化ができるのではないかと期待を持っているのかも
しれません。

 我々、家族は拉致問題の安易な幕引きは1ミリも許しません。拉致問題を正し
く解決しなければ、家族会が最後の一人になろうとも国内外全てに訴え続けます。

 拉致問題の解決、それはすなわち「拉致被害者の即時一括帰国」です。2002年
9月に5名が帰国されて以降、18年経過しました。この間、一人も帰国しておりま
せん。

 私の母が拉致され、私の元からいなくなってから42年です。この長い間会えな
いまま、会話もないまま、顔も見られないままです。これ以上待てないゆえの即
時一括なのです。


(私の産みの母)八重子さんのお母さんは、育ての父繁雄(八重子さんの兄)に、
「八重子の件を頼むよ、なんとかしてやって」と事あるごとに言っていたそうで
す。

 横田早紀江さんは毎日、めぐみさんの帰国を願ってお祈りをしているそうです。
有本嘉代子さんは毎年恵子さんの誕生日にケーキを食卓に出していたそうです。

 家族は長い月日、会えなくなった辛さ、悲しみ、苦しさを背負って生きてきま
した。その気持ちを抱え、家族を救うために東奔西走し、この問題を訴え続けて
きたわけです。その苦悩からなんとか解放してほしいと思います。

 今年は、有本嘉代子さんが2月に、横田滋さんが6月に永眠されました。滋さん
は家族会の先頭を切って、横田めぐみさんや他の被害者の救出を訴え続けてきま
した。文字通り東奔西走、本当に頭が下がる思いでした。滋さん、早紀江さん、
拓也さん、哲也さんがめぐみさんと抱き合う姿が結果見られなかったこと、この
横田家全員の長年の苦悩や努力が報われていないことは、近くで見ていた自分と
しては本当に悔やんでも悔やみきれません。このように、家族と被害者が会えな
いままで亡くなることはもう見たくありません。帰国した被害者と家族が健康な
うちに会えなければ真の解決ではありません。今後は決してあってはならないの
です。

 菅政権が発足され、約3ヶ月経ちました。前政権のスタンスを継承し、「拉致
問題は最重要、最優先」との姿勢を変えていないことは頼もしいことです。です
が、先程も話した通り、我々には時間がありません。時間は限られています。7
年8ヶ月結果が出なかった方針を維持するだけは十分ではありません。
これ以上拉致問題の長期化を許すことは出来ません。 日本政府は、「待ち」の
姿勢を続けることは許されません。かといって、過去幾度とも出てきた「報告書
の受領」や「連絡事務所の設置」、「合同調査開催実施」など、解決の本質と離
れた「進捗」などは求めていません。

 まずは、日本政府は、金正恩に拉致問題解決のメリットを見出せるよう発信を
行う必要があります。前政権から膠着してしまった頑なな姿勢を氷解させる必要
があります。北朝鮮は、今年、水害、新型コロナによる経済停滞、経済制裁の三
重苦が続いているといくつかの専門家の方々から聞いています。日本の拉致被害
者家族には時間がありません。その2者が打開策を見出し、相互がメリットを享
受できるよう考えるいいタイミングだと思います。

 繰り返します、日本は「待ち」の姿勢を続けることは許されません。この先い
つになるかわからない米朝の動きを待つ必要もありません。

 国連や国際連携を引き続き広めていくことも重要ですが、他のどの国も拉致問
題を進めることは出来ません。日本と北朝鮮の2カ国の首脳だけがこの問題を進
めることが出来ます。

 加藤大臣は先日「北朝鮮を取り巻く環境は大きく変化している。その兆しをしっ
かり捉えてあらゆるチャンスを逃すことなく、全力で問題の解決にあたっていき
たい」とおっしゃいました。しかし、それだけではなく、チャンスを作ること検
討することも重要です。

 2019年2月に我々は以下のメッセージを出しました。「全拉致被害者の即時一
括帰国が実現するのであれば、私たちは帰ってきた拉致被害者から秘密を聞き出
して国交正常化に反対する意志はありません。強調いたしますが、家族会は拉致
被害者と静かな日常生活を送ることを切望していますし、その実現を日本政府に
求めるだけです。」

 数ヶ月単位の近い未来で、日本と北朝鮮それぞれが一歩踏み出し、生産的かつ
建設的に未来に目を向けるよう、歩みを止めることなく解決に向けて進めるべき
だと考えています。

以上、ご清聴有難うございました。

以上




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