救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

帰国1ヶ月、横田めぐみさん拉致25年で記者会見(2002/11/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2002.11.16)

■帰国1ヶ月、横田めぐみさん拉致25年で記者会見

 昨日(15日)午後、家族会、拉致議連、救う会は国会で記者会見を行い、5人の拉
致被害者帰国1ヶ月、横田めぐみさん拉致25年にあたっての所感を明らかにしました。
この中で、問題になっている「週刊金曜日」の曽我さん家族に対するインタビューに
関し、次のような声明を発表しました。

 北朝鮮当局の卑劣な謀略を糾弾する

 本日発売の「週刊金曜日」は曽我ひとみさんの家族のインタビューを掲載し、ひと
みさんに北朝鮮に戻ることを求めるメッセージを伝えさせている。さらに同誌編集部
員が昨日朝、警備の隙をついてひとみさんの家に入り、その内容を知らせている。ひ
とみさんはこれにショックを受け、この日の予定をキャンセルしてしまった。今回「
週刊金曜日」のインタビュー及び曽我ひとみさんへの接触はまさに暴挙と言わざるを
えない。

 言うまでもなくジェンキンス氏らのインタビューは、北朝鮮の意図を代弁させるも
のである。ジェンキンス氏は「私は三七年間自由でした」と言っているが、曽我ひと
みさんが自らの存在すら家族に知らせることができなかった北朝鮮で自由などという
ことはあり得ない。しかもジェンキンス氏は文章を予め書いて持ってきており、自由
な意志を表現しているとは到底思えない。

 「週刊金曜日」はまさに北朝鮮当局の走狗となったと言っても過言ではないのだが、
それでもジェンキンス氏はインタビューの中で、北朝鮮に行った理由について「言い
たくありません」と言っている。これは本人が、自分の意志で北朝鮮に行ったのでは
ないという、精一杯の主張であるともとれる。その意味で私たちはジェンキンス氏や
二人のお子さんを絶対に救出しなければならないとあらためて確信した。

 今回の「週刊金曜日」のインタビュー及び曽我さんへの接触は当然厳しく糾弾され
るべきことだが、これはキム・ヘギョンさんのインタビューと同様北朝鮮の情報戦・
謀略戦の一環であり、被害者の家族を自らの代弁者とするという卑劣さには強い憤り
を禁じざるをえない。

 訪朝時における小泉総理の姿勢が金正日に拉致を認めさせ、謝罪させた。そしてそ
れがひと月後には5人を帰国させることへとつながった。北朝鮮を動かすには断固と
した姿勢が必要不可欠である。北朝鮮がこのような卑劣な謀略を行うのであれば日本
政府は厳格なる対抗措置、すなわち北朝鮮船舶の入港禁止や朝銀への公的資金導入停
止、日本国内における北朝鮮の各種非合法活動の徹底的な摘発などを行うべきである。

 私たちは拉致被害者の家族を人質にとり、未だ多数の被害者を隠し、さらに韓国人
など多数の拉致を行い、在日朝鮮人帰国者及びその日本人家族の人権を蹂躙し、また
2000万自国民をも世界最悪の人権状況のなかにおいている北朝鮮金正日体制を絶対に
許さない。この卑劣な謀略に勝利するため、国民各位のご協力を切にお願いする次第
である。

   平成14年11月15日
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会  
代表 横田 滋
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
 会長 佐藤勝巳

■週刊金曜日の曽我ひとみさん家族会見報道は北朝鮮の政治宣伝だ!

救う会全国協議会幹事・西岡力

 週刊金曜日11月15日号は、曽我ひとみさんの家族との会見記を掲載した。これ
は北朝鮮の政治宣伝をそのまま伝えたもので、とうてい許すことが出来ない。週刊金
曜日はこの会見では「質問は自由に行うことができ、制約はなかった」と書いている。
しかし、問題は質問への制限ではない。家族が自由に答えられたかどうかだ。

 北朝鮮での会見で、自由意志の表明ができるかどうかは、すでに曽我さん本人の言
動が答えを出している。曽我さんは9月末の外務省の調査団との面談で、「将軍様の
配慮」などという表現を使い、日本への帰国でなく北朝鮮での家族との再会を臨むと
語った。しかし、その2週間後には日本に帰国し、「空も土地も木も私にささやく《
おかえりなさい、ガンバッテきたネ》」と帰国の喜びを語った。このどちらが自由な
意思表示かは明白だろう。

 また、今回の会見記の中にも、家族が北朝鮮当局によって発言内容を誘導されてい
ることを証明する部分がある。第1点は、ジェンキンス氏が「サエキという男性と、
ナカヤマという日本政府の人が、空港で、一〇日間で妻は帰ってくると約束した」と
語っていることだ。平壌空港に迎えに行った斎木参事官、中山参与はそのようなこと
は話していないとはっきりと否定しているし、曽我さん本人も空港でそのような話は
出なかったと語っている。ジェンキンス氏は北朝鮮当局の命令で嘘を言わされている
可能性が高い。週刊金曜日編集部は斎木参事官、中山参与に取材せず一方的にジェン
キンス氏の発言を掲載した。週刊金曜日編集部は、言論の自由のない状況で本意でな
く言わされた嘘を確認もせず掲載することにより、北朝鮮当局の政治宣伝に加担した
と言わざるを得ない。

 第2点はジェンキンス氏は曽我さんをはじめとする日本人拉致を金正日が認めたと
いう重大な情報を知らされていないことだ。ジェンキンス氏は曽我さんが拉致された
ことを「妻がここを発つ二週間前に知りました」と言っている。つまり、九月末のこ
とだ。それを知ってからも、「今も信じ難いです。過去にも朝鮮が日本人を二人拉致
したという話を聞いたことがありました。そのときも、金日成主席が導くこの国でそ
んなことはあり得ないと思いました」と言って、拉致があったことを未だに信じてい
ない。北朝鮮当局が曽我さんらを自分たちが拉致してきた事実を彼に告げていないか
ら、彼の疑問は解消しないのだ。そのため、「私の妻は日本に束縛されている。その
理由が全く理解できない」という会見での発言が出てくるのだ。美花さんの「日本政
府は約束を破って、お母さんを帰してくれません」という発言も、やはり拉致という
国家犯罪を認識できない状態でいるために出てきたものだ。北朝鮮当局が曽我さん家
族に意図的な情報管理を行って、政治宣伝に利用していることが証明される。一方、
週刊金曜日記者は、なぜ金正日が小泉総理に拉致を認めて謝罪したという事実を知っ
ているのかどうか質問しなかったのか。そこに、北朝鮮当局の情報統制に積極的に加
担する週刊金曜日の姿勢がよく反映されている。以上のような週刊金曜日の姿勢に強
く抗議するものだ。

 反面、北朝鮮当局は、拉致という国家テロに対して強い怒りの声を上げる日本世論
に驚き、なんとかその矛先をかわそうと焦っている。しかし、彼らの謀略宣伝に加担
する日本メディアは週刊金曜日などごく一部だけになっている。この点は前回のキム
・ヘギョンさん報道で多くの良識ある国民がフジテレビと朝日新聞、毎日新聞を一斉
に批判したことの影響もあるだろう。

 私は昨日(一一月一四日)午後三時半頃、曽我さんに電話で、「日本政府も家族会
・救う会もまた国民の大多数もみな、曽我さんは犯罪の被害者であり、まず曽我さん
が家族と日本で再会することが犯罪解決への第一歩だという認識を持って、全力尽く
して曽我さんを支えますから、このような心ない政治宣伝に動揺せずガンバッテ下さ
い」と伝えた。曽我さんは力強い声で「分かりました」と返事された。私たちは今後
も、良識ある日本国民とともに曽我さんら被害者を支え励ましつつ、北朝鮮の謀略宣
伝と断固として戦っていくことを誓うものだ。

■茨城県議会で意見書採択

 去る11月14日茨城県議会定例会最終日に意見書の採択が、共産党も賛意を示した全
会一致で採択されました。すでにいくつもの議会で意見書は採択されていますが、今
後採択する議会の方への参考のためお知らせします。

北朝鮮による日本人拉致事件の全容解明と早期解決を求める意見書

 9月17日に行われた日朝首脳会談において、北朝鮮の金正日総書記は、昭和50
年代に国内外で発生した北朝鮮による日本人拉致事件の事実を初めて認めた。拉致問
題は、わが国の主権を侵害し国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、北朝鮮の
国家としての行為は断じて許すことはできない。
 金総書記は、拉致された日本人の安否について8人死亡、5人生存という悲惨な状
況を小泉首相に直接明らかにし、「遺憾なことでありお詫びする」と謝罪しているが、
こうした非道な犯罪行為は許し難く、日本国民として強い憤りを覚える。
また、その後、政府調査団が実施した拉致に関する経緯や死亡者の死因などの調査に
対する北朝鮮側の説明は、極めて不自然で不明な点が多く、被害者家族はもとより国
民としても到底納得できるものではない。
 さらに現在、帰国した拉致被害者5人の北朝鮮に残した家族の帰国問題が一刻も早
く解決しなければならない重要な課題になっている。
 よって、茨城県議会は、政府に対し、北朝鮮の拉致事件の交渉に当たっては、毅然
とした態度で臨み、他の行方不明者を含めた全ての事件に関する徹底した事実関係の
究明及び生存者と家族の一日も早い帰国の実現並びに被害者家族への謝罪と賠償を求
めるとともに、永住帰国を前提とする被害者家族への支援策を設けるなど、拉致事件
の全容解明と早期解決を強く要望する。
 
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成14年11月14日

             茨 城 県 議 会 議 長     香 取  衛


内 閣 総 理 大 臣   小 泉 純一郎  殿
外 務   大  臣   川 口 順 子  殿
国家公安委員会 委員長   谷 垣 禎 一  殿
警  察  庁  長  官   佐 藤 英 彦  殿

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