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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米朝実務協議後の北朝鮮情勢と拉致問題−東京連続 集会報告1(2019/10/28)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.10.28)

■米朝実務協議後の北朝鮮情勢と拉致問題−東京連続 集会報告1

 10月25日、東京連続集会108が文京区民センターで開催された。10月2
日、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイルSLBM発射実験を強行して軍事挑発を行った
が、米国は追加制裁などをせず、10月4〜5日に北朝鮮と実務協議を持った。米国
側は「新提案をした」と述べたが、北朝鮮側は「協議はわれわれの期待に沿わず
決裂」と述べた。米朝が進展しないと日朝は動かない。苦しい膠着状況が続く。
今後米朝、拉致がどう動くのか。西岡力会長、島田洋一副会長が解説した。

◆2017年から北朝鮮にほぼ最高度の圧力がかかっている

西岡 皆さん、こんばんは。表立っての動きがなく、いらいらするし苦しい中で
すが今の状況は、中期的、あるいは長期的に見ると勝利が近づいてきていると思
います。しかし、短期的には大変苦しい。

 まず大きな枠組みの話をした後、島田さんと討論形式で行いたいと思います。
苦しみの原因の一つである米朝関係について、少し詳しい話をしたいと思います。

 北朝鮮を動かすにはただ話し合いをするだけではできない。強い圧力を背景に
した話し合いしか北朝鮮を動かすことができない。これは理論的な話だけではな
く、経験則でもあります。

 従って我々は圧力をかけるために制裁を求めてきました。圧力には2種類あり、
一つは経済制裁です。もう一つは軍事的圧力です。まだいくつかやるべきことは
残っていますが、この2つは2017年からほぼ最高度に高まっています。その
結果2018年から話し合いが始まった。

 圧力を最高度に高め、力で彼らを話し合いに引き出すことは一定程度成功した
と思います。その2017年の状況から頭の整理をしたいと思います。

◆北朝鮮の輸出の9割が止まった

 2016年、2017年に北朝鮮は40発のミサイルを撃ちました。特に「火
星12」と彼らが名付けた中距離ミサイルはグアムに余裕を持って到達する射程
距離を持っていて、「火星12」は2回通常軌道で発射され、北海道を飛び越え
て成功しました。

 後で島田さんからも報告してもらいますが、アメリカは今年1月、「北朝鮮の
核・ミサイルの射程にグアムまで入っている」との軍の報告書を出しています。
核弾頭については2017年9月に北朝鮮は6回目の核実験をしました。その内、
2016年、2017年に3回の核実験をしています。

 2017年9月の核実験の威力は約110キロトンで、広島に落ちた原爆の十
倍以上の威力がありました。彼らは水爆と言っています。もしかしたら、原爆に
二重水素、三重水素を入れて威力を強化した強化型爆弾かもしれません。

 広島型原爆の十倍以上の威力を持つ原爆を作った時点で、国際社会は強い圧力
をかけました。それ以前に日本はできる限りの制裁をかけていました。しかし日
本だけの制裁では北朝鮮を大きく動かすことはできなかった。しかし、核・ミサ
イルの挑発行為があったので国際社会は強い制裁をかけました。

 日本は北朝鮮との貿易をすべて止めており、北朝鮮からマツタケを買ったら刑
事事件になりました。許宗萬(ホ・ジョンマン)さんという総連の議長の息子が
北朝鮮のマツタケを輸入したという理由で刑事告発されました。

 40発のミサイル発射と6回目の核実験を受けて、国連の安保理事会は実質的
な制裁決議をしました。それまでは中国とロシアが反対しない決議が通っていま
した。政治的な意味は大きかったのですが、それほど北朝鮮の経済を痛めつける
ほどの威力はなかった。

 しかし2017年12月の制裁決議で、北朝鮮の輸出の9割が止まりました。
全世界の国連加盟国に、北朝鮮から買ってはいけない物のリストを作りました。
石炭、鉄鉱石、水産物、衣料品等です。2016年に北朝鮮は28億ドル輸出し
ていましたが、去年の輸出は3億ドルで25億ドル失ってしまいました。輸出の
約9割を失うほどの厳しい制裁が今もかかっています。

◆北朝鮮に石油輸出を禁止すれば本当に追い詰められる

 これに加えて北朝鮮に石油を売ることを禁止すれば本当に追い詰めることがで
きるのです。アメリカが安保理事会でそれを目指したのですが、中国とロシアが
反対して上限を決めることになりました。原油が50万バレル、ガソリン等の精
製品が50万バレル以上輸出できなくなりました。

 今北朝鮮は海上で石油の密輸をしています。「瀬取り」です。北朝鮮の船が海
上に行って、チャーターした船が運んできた石油を積み替える。それを日本の海
上自衛隊を初めアメリカ、フランス、オーストラリアの海軍が見張っています。

 但し、見つけても拿捕はできません。なぜなら一定程度は許されているからで
す。船主が、「制裁の限度内に入っていると思った」と言えば、逃れられるから
です。石油の禁輸ならその場で制裁違反と言えるのですが、そこまではいってい
ない。しかし写真を撮って、チャーター船が所属している国に通報して、きちん
と手続きがなされているかどうかで圧力をかけることを今はやっています。

 また何隻の海上輸入があったから何万トンと、船の積み荷の量を計算して、も
う限度を超えているからこれ以上輸出してはいけないのではないかとアメリカは
国連の制裁委員会に通報しています。そのためにも見張りが必要で、日本の海上
自衛隊がリードしてやっています。外貨を締めるという目標でかなりのことをやっ
ています。

 もう一つ、北朝鮮の外貨源として海外に労働者を派遣しています。労働者がも
らった外貨の9割くらいを党がピンハネすることをやっていたんですが、それも
今年12月までに全員帰国させるという決議です。

 輸出の9割が出せなくなり、海外出稼ぎの9割もなくなります。そして石油を
密輸するのに「瀬取り」をすると高くつき、その分外貨が減ります。その結果北
朝鮮の外貨が減ってきている。

◆幹部への贈り物は国産品に

 北朝鮮では幹部たちの忠誠心を買うために物を配っています。金日成の誕生日
や金正日の誕生日に贈り物をするんですが、前回ここで報告してくれた金聖●
(●=王へんに文、キム・ソンミン)さんの話によると、その贈り物が国産に変
わったそうです。

 昔は輸入品の洋酒とか化粧品、一番いいものはベンツでしたが、今はりんごや
人参ジュース等になった。また去年までは将軍たちはクレジット・カードのよう
なものを持っていて、国内の外貨ショップで一人につき何万ドルまで使えること
になっていましたが、そのカードが停止になったそうです。

◆米国は金正恩の所在をつかんでいる

 もう一つ、2017年9月の核実験の後、アメリカはB1B戦略爆撃機を日本
海に飛ばして、海の休戦ラインを越えて北上し、元山沖まで行って演習をしまし
た。その時北朝鮮からレーダー波は飛んでこなかった。北朝鮮の空軍はスクラン
ブル対応をしませんでした。気が付かなかったのです。アメリカのB1Bという
のは40トンくらいミサイルと爆弾を積める世界最強の戦略爆撃機と言われてい
ますが、一定のステルス性能があります。レーダーにかからない。完全ではない
のですが、一定の性能があるだけで北朝鮮のレーダーでは捕まらないことが明ら
かになりました。

 そしてアメリカはそれをわざわざ発表しました。本当に戦争をする気だったら
黙っていて、爆弾を落として帰ってきても、金正恩は何が起こったのかも分から
ない。死んだかもしれない。そういう力をアメリカはもっているんですが、わざ
わざそれができるぞと発表した。

 その頃北朝鮮内部から聞こえてきたのは、「裏切者がいる。俺の所在情報が漏
れている」と金正恩が言ったことです。それで9月に核実験をした後、10月1
0日の党の創建記念日に実験があると言われていたのですが何もせず、党の中央
委員会総会を開いて妹の金与正(キム・ヨジョン)を中央委員会の第一副部長に
しました。「金正恩の日程と側近の人事を管理する席につけた」と私は内部から
聞いています。誰も信用できなくなって、妹だけになったのです。

 同じ頃、複数の米軍関係者から「我々は金正恩が今、どこにいるか知っていま
す」と聞きました。わざわざ米軍が流しているのです。本当に作戦をするのだっ
たら流さないのですが。私に言ったということは、「そういうことを言え」とい
うことですから。

 まだ確認はとれていないのですが私の推測では、金正恩が本当に自分の所在が
知られているとびびったとすれば、9月にB1Bが元山沖に行った時に金正恩が
元山にいたのではないかということです。俺がいるのに爆撃機が来た。レーダー
で捕捉できなかった。元山には金正恩の特閣という別荘があります。また今、金
正恩の肝いりで観光団地の建設をしており、しょっちゅう行っています。

◆2017年5月頃に反体制組織による金正恩暗殺未遂事件が

 2017年5月頃には、北朝鮮の中の反体制組織が、韓国の朴槿惠(パク・ク
ネ)政権の国情院と連絡を取りながら、多分毒ガスだと思われますが、生物化学
兵器を使って金正恩を暗殺しようとする事件を起こしたが、それが爆発しなかっ
た。そして反体制組織の人間が捕まって処刑された。

 その反体制組織の人間と直接連絡をとっていた韓国NGOのリーダーと私が今
年の8月に会って確認した話です。北朝鮮の中に反体制組織があった。そのリー
ダーは海外に出ていたんですが、海外に出ていた時韓国NGOのリーダーに電話
をしてきた。

 こういう構想で暗殺後の北朝鮮の組織を作りたいと話をしていたそうです。そ
して2016年12月頃に何かを持って北に帰った。その「何か」については韓
国NGOのリーダーは関与していないそうです。

 北朝鮮が突然、「朴槿恵と李炳浩(イ・ビョンホ)国情院長は許せないと、最
高指導者を暗殺しようとした犯人だから引き渡せ」という発表を2017年5月
にしました。

 その数か月後、文在寅(ムン・ジェイン)政権は国情院長を逮捕しました。今
も刑務所に入っています。職権乱用ということですが、明らかに無理な法律の適
用だと思います。そういうことが起きています。

 その反体制組織には金日成の一族も入っているそうです。北朝鮮内部とつなが
りがあったNGOリーダーはそう言っていました。

◆核開発が「完成した」と言い募って米国との話し合いに入った

 2017年にはアメリカから爆撃機が来る。国内には反体制組織があり暗殺未
遂事件が起きるという緊迫した状況があり、輸出の9割がなくなった。そうした
ら17年の10月末に「火星15」と呼ばれる、アメリカの東海岸まで届くミサ
イルをロフテッド軌道で、意図的に高く上げて、日本海に落した。

 先ほど言ったように通常軌道で実験しないと本当に実戦で使えるかどうか分か
らない。ロフテッド軌道で上げて降ろすことは成功しましたが、大気圏に再突入
した際に弾道部分が3つに割れてしまった。大気圏に安定して再突入させる技術
が確立しているかどうかは疑問です。

 もちろんロフテッド軌道で失敗しても通常軌道で成功するかもしれませんが、
やってみないと分からない。やってみないと分からない物に核を乗せて撃って、
失敗して報復されると困りますから実戦配備はまだできないのではないかと言わ
れていますが、しかしそれで北朝鮮は11月に、「核弾頭が完成した」と言って
います。「完成した」と言ってから、話し合いに入った。「私が殺されるから核
開発を中断する」とは言えないから、「完成した」と言っています。

 そして文在寅を通じてアメリカの大統領と会おうと言ってきたわけです。核で
アメリカが強い圧力をかける。その場合にアメリカまたは日本と話し合いにくる
というのは2002年にもあったパターンです。

 2002年の時は、ブッシュ政権が強い圧力をかけたので先に日本に来た。今
回は日本をパスしてアメリカにいった。どちらにしても、アメリカまたは国際社
会は核・ミサイルで強い圧力をかけている。2002年の時も同じだったのです。

 この強い圧力を拉致解決にどう利用できるか。だから今がチャンスだと言って
いるわけです。この時を逃したら、国際社会が一致団結して北朝鮮の輸出の9割
を止めるようなことは当分ないだろう。2002年とほとんど同じことが今起き
ていますが、北朝鮮はアメリカまで届くミサイルの完成の直前に、「完成した」
と言い募って話し合いに入った。

 すべてのことを北朝鮮が公開しているわけではないので大きな筋を言っている
のですが、今年1月に米軍が発表した「ミサイル防衛レビュー」に書いてあった
ことは、私が今話したことを裏打ちする内容だったと思っているのですが、それ
を島田さんにお願いします。

(2につづく)


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