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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告1(2019/02/04)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.04)

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

 去る1月31日、第104回東京連続集会が開催されました。近く2回目の米
朝首脳会談が行われるとされていますが、それを拉致被害者救出にどう結びつけ
るか。北朝鮮に対する国際社会の制裁がいよいよ効いてきて、北朝鮮の内部が大
変苦しくなり、金正恩は長距離ミサイル廃棄まで譲歩してきたようです。ここで
米国が制裁を緩めては元も子もなくなります。北朝鮮内部の最新情報を西岡会長
が、米国の動きを島田副会長が報告しました。家族会の飯塚繁雄代表、本間勝さ
ん、増元照明さんが新年の抱負を語りました。以下はその概要です。

◆北朝鮮の大陸間弾道弾ミサイルはまだ完成していない

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)

 みなさん、こんばんは。「Will」という月刊誌に書いたものをお配りして
います。今北朝鮮が困り始めてきています。それで少し年末から動きが出てきた
のではないかと思われます。

 年末から1月にかけて二度目の米朝首脳会談についての話し合いが進んでいる
のですが、その背景にある北朝鮮の内部事情をまず紹介したいと思います。そこ
を正しく把握していれば、米朝を通じて日朝、そして被害者を助けるという戦略
が出てくる可能性があると私は思っています。

 一昨年、軍事緊張が高まりました。トランプ政権は、「すべての手段を使って
核・ミサイル開発をやめさせる」と言った。一昨年の9月23日に、米国はB1
Bという、60トンもミサイルや爆弾を積める戦略爆撃機が2機、海の休戦ライ
ンを越えて(北朝鮮の)元山沖まで行った。

 その後北朝鮮は、核・ミサイル実験をほぼ止めた。10月には何もしないで、
11月末に火星10号と称する大陸間弾道弾ミサイルを日本海に落とし、「国家
核戦力は完成した」と言ったのですが、完成してないんです。

 火星10号は、弾頭部分が3つに割れて落ちてきた。つまり、大気圏再突入技
術はまだ確立していない。それを実験で検証するためには、日本海に落してはだ
めなんです。角度が高すぎるので検証にならない。

 アメリカの東海岸まで届く物を高い角度で日本海に落したわけですが、それで
はだめで、通常の軌道で撃って弾頭部分が正常に作動するかどうかしてみなけれ
ばならないにに、それはしないで「完成した」と言った。それはアメリカの軍事
力が怖かったからです。

◆金正恩暗殺計画があった

 そしてもう一つ。最近明らかになってきたのですが、2015年から16年に
かけて、韓国の朴槿惠政権と北朝鮮の一部の勢力が組んで、金正恩を暗殺する計
画があった。

 北朝鮮は2017年になって、「そんな計画があったとはけしからん。責任者
である李炳浩(イビョンホ)国家情報院長を引き渡せ」という声明を出しました
が、韓国の「月刊朝鮮」という雑誌や、朝日新聞のソウル支局や東京新聞の北京
支局の報道で、北朝鮮が言っている暗殺未遂事件、暗殺計画があったという情報
が次々に出ています。私の所にも、独自にそういう情報が届いています。

 韓国の国情院が一定の関与をしていた。もしかするとアメリカのCIAも関与
していたのではないかと言われる計画で、そのことも北朝鮮が危機感を持った理
由です。

 2014年、15年に、北朝鮮が核実験を続ける中で、「朴槿惠は北朝鮮が核
・ミサイル開発をやめないのならレジーム・チェンジをすると言った。そして金
正恩暗殺計画にサインした」という報道があります。

 今文在寅政権になって朴槿惠大統領は留置場にいますし、李炳浩国家情報院長
も留置場にいます。その李炳浩さんに接見した弁護士によると、李炳浩前国家情
報院長は、「北朝鮮の中に反体制派がいたら我々が支援するのは当たり前じゃな
いか」と言っているそうです。

 事実上、北朝鮮内部の反対派勢力と組んで金正恩除去をしようとしたことを認
めたともとれる発言です。そういうこともあって、金正恩氏は、核・ミサイルは
開発していない。開発直前までいっているので甘く見てはいけませんが、直前の
段階で「完成した」と言って対話にかじを切った。

 そして6月にトランプ大統領に会って、少なくとも軍事攻撃は今しないという
保証をもらって一息ついた。ただ、金正恩氏を動かしたのは軍事攻撃の圧力だけ
ではなく、もう一つ、厳しい経済制裁がありました。

◆漂流船は制裁破りの結果

 一昨年、8月、9月、12月に国連安保理の制裁があり、北朝鮮は輸出で得て
いた外貨約28億ドルの内、25億ドルを失いました。約9割が北朝鮮から買っ
てはいけない品目になったのです。北朝鮮の輸出のナンバーワンは石炭でした。
そして鉄鉱石。さらに水産物。全部買ってはいけないことになりました。

 少し余談ですが、今日の新聞で、「北朝鮮は中国に漁業権を売っていた」とあ
りました。つまり水産物の輸出ができなくなったので、近海で本来北朝鮮の漁民
がとるべきイカ等を取らせてお金をもらっていた。

 国連安保理はそれに気づいて、一昨年12月の制裁決議では、「水産物の輸入
禁止の中には漁業権を買うことも含まれる」と明記したのに、中国はそれを破っ
て去年漁業権を買っていたという国連の制裁パネルの報告書があったことが報道
されていました。

 近海で、北朝鮮の漁船が操業できなくなって、本当は近海にしか出られないイ
カ釣舟のような小さな平底の舟が、ワイヤーで引っ張られて大和堆までいって操
業し、遭難して日本に流れ着いている。

 私は今年も漂着が多かったので、北朝鮮が制裁破りをしていた証拠じゃないか
と思っていたのです。今年漂着船が少なくなれば漁業権の販売はなかったという
ことになるんですが、今年も多い。そうしたら国連のパネル報告でもそういうの
が出ています。

 そういう制裁破りがありますが、石炭とか鉄鉱石は密輸できないんです。私の
知り合いが、ある北朝鮮の炭鉱に勤めている人間から直接聞いた話ですが、今掘っ
た石炭が露天に山積みになっています。北朝鮮の中で石炭の価格が下がっても誰
も買わない。中国に売れなくなったのでだぶついているんです。

 90年代の半ば以降、普通の北朝鮮の庶民への配給が止まったので、自分で商
売をして食べているんですが、石炭の炭鉱の工夫たちはその後も配給で食べてい
た。ところが制裁の結果石炭が売れなくなったので、工夫たちへの配給がなくなっ
た。そして工夫たちの栄養失調が始まっている。

 工夫たちの家庭というのは今まで商売をしないで食べられたので商売の仕方を
知らない。それで今まで恵まれていた工夫たちの家庭から餓死が出始めた。そう
いう直接情報を聞きました。

 魚みたいなものは、かついで中国に行って密輸しているんですが、石炭はかつ
いで行っても大した額にはならない。貨車で売らなくてはならないがそれができ
ない。

 中国は北朝鮮の石炭を買わなくても、他から買える。無理して瀬取りみたいな
ことをして石炭を密輸しても合わないんです。他でも買えるものですから。北朝
鮮が瀬取りで石油の密輸をするのは、彼らが買いたいからです。瀬取りするには
普通より費用もかかります。そのためには外貨も必要です。ところが外貨もなく
なってきているということです。

◆金正恩が自由に使える外貨が枯渇し始めた

 最近ある西側で北朝鮮を見ている機関の人に会ったのですが、「39号室資金
が枯渇し始めている。10億ドルを切ったのではないか」という話でした。30
億ドルから40億ドルあるのではないかと言われていました。ある人によると2
00億ドルくらいという人にも会いましたが、それが枯渇し始めている。

 「39号室資金」というのは金正恩が自由に使える外貨で、誕生日等に外国の
ものを買って贈り物をしたり、核開発に使ったりしていました。それが枯渇し始
めた。

 その収入源はかつては朝鮮総連からの秘密送金でした。その後、金大中・盧武
鉉政権の時にも多額のお金が行きました。それは今止まっています。文在寅政権
は出したくてしょうがないようですが、アメリカが厳しく見張っているので今の
所送ることができないでいる。

 外貨がなくなり、北朝鮮の主要な大使館、北京、モスクワ、タイと言っていま
したが、そういう所では大使館の運営経費が本国から半分きている。あとは自分
で稼げ、だった。

 ところが去年の10月に2割しか送られなくなった。どうやって食べていくん
だろうと思いますが、最近北朝鮮の外交官や貿易関係者が投資を求めているそう
です。韓国人や外国人に。例えは元山の葛麻(カルマ)観光団地の完成予想ビデ
オや写真を見せて、「このホテルの30室の権利をあなたにやるからいくら投資
しなさい。そうしたらいくら儲かる」と。まだ完成もしていないものの権利を譲
るという詐欺みたいなことを外交官がやっている。

 朝日新聞が今年1月に、葛麻観光団地の完成予想ビデオを入手して、報道しま
したが、その背景には今言ったようなことがあります。ビデオだけ見るとハワイ
のようなかっこいい観光地ですが、「このホテルの何階分はお前にやるからいく
ら出せ」と。

 内装は北朝鮮ではできないんです。ドンガラは作れるんですが。中国から買っ
てこなければいけないんですが、金がないから工事が進まない。「権利をやるか
らお前が内装しろ」とか言う。そんなことにだまされる人もあまりいないわけで
す。

 葛麻観光団地は金正恩が本当にやりたがっている工事のようで、彼が元山で育っ
たという情報もあるんですが、こだわっているようです。全国民から工事費の寄
付を募った。その寄付は北朝鮮の金ではなく、人民元で払えというものです。払
えない人は米かとうもろこしを出すそうです。北の金では政府も受け取らない。
内装などをするには北の金は使えないからです。

 既にチャンマダンという市場で北朝鮮の通貨で買えるのは、大根とねぎと豆腐
くらいで、靴や服は買えなくなっています。中国に石炭や鉄鉱石を売って、その
金で靴や服などを買ってきて、それがチャンマダンで流通していたんですが、中
国に輸出ができなくなり、中国から物を買ってこれなくなった。それでチャンマ
ダンの商売の規模が縮小している。一番苦しいのは貧乏な人です。

 90年代後半の大飢饉では、労働党の党員たちが先に死んでいった。政府を信
じて、配給を待っていて死んでいった。闇市で商売をしなかった人が死んでいっ
た。今はみんな闇市で食べている。貧富の差が激しい。弱者が困っている。

 物価はそれほど上がっていないんですが、チャンマダンの規模が縮小している
のでお金がない人は物が買えない。一番弱っているのは孤児や老人の家庭で、そ
ういう所で餓死が出始めている。去年の秋からチャンマダンに乞食がものすごく
増えたそうです。

◆「自力更生、自給自足」でやれ

 北朝鮮ではトランプ大統領との会談や文在寅大統領との3回の会談を大々的に
報道しています。何か変わるんじゃないかとみんな思ったわけです。これまで、
経済が苦しいのはアメリカ帝国主義が圧力をかけてきたからだと言っているのに、
アメリカ帝国主義の親玉とうちの親分がにこにこ握手しているから、アメリカの
せいとは言いにくくなっているんです。しかし経済は苦しい。

 南の大統領が来て、平壌で演説して、「これから仲良くしましょう」と言った
から南の経済支援が来るのではないかと期待が高まった。しかし、何も来ない。
それで、なぜ来ないんだ、華々しい外交の結果は何なんだという疑問が庶民だけ
でなく、幹部たちの間でも高まっている。なぜ核にこだわるんだ、と言う人たち
まで出てきている。

 文在寅大統領が平壌での演説で、「核のない平和で豊かな韓半島を作りましょ
う」と言った。庶民は本当に核をやめるのかと思ってしまった。そして、なぜや
めないんだ、と。文在寅大統領が言ったことを引用しても、それだけではスパイ
だとは言えないわけです。北朝鮮が呼んだ人ですから。

 北朝鮮の内部で、毎週北朝鮮の人は土曜日は政治学習をする。党員は細胞で非
党員は職場の職業総同盟というところで、そして主婦たちは人民班という隣組み
たいなところで生活総和という政治集会をやる。昔赤軍派が「総括」と言ってい
ましたが、自己批判をして相互批判をしてというのがありましたが、北朝鮮では
総和と言います。そこで政治学習の講演も聞く。

 その学習用の資料というのがあり、どういう政治学習をするかが党から降りて
くる。それが最近流出している。私も9月に出たもの、10月に出たもの、1月
に出たものをもらいましたが、去年9月以降に強調していたのは、「自力更生、
自給自足」です。

 党は核開発と経済発展の並進路線を止めて、核開発は終わったから去年の4月
から経済発展一本に絞って力を入れる、と言った。そしてそのやり方は「自給自
足」で、「予備を見つけろ」と。

 12月に東京に来た金聖●(王へんに文、キム・ソンミン)さんによると、
「自給自足なんてもう50年もやっているじゃないか。これで何も上から降りて
こなかったら、俺たちはもう一度松の皮をはいで食べる、雑草を食べるようにな
るんじゃないか」と言っているそうです。90年代にそういう時期があった。
「もう黙って死なないぞ」と言っている。

 しかし政権が毎週言うのは、「自給自足だ、自力更生だ」で、「輸入に幻想を
持ってはいけない」というのは「労働新聞」の論説です。だけど市場では北朝鮮
のお金は通用せず、人民元がないと買えない。しかし、そのためには中国から買っ
てこなければならないんですが、それができない。

 去年の秋は色々な情報がありますが、収穫は平年より悪かった。通常協同農場
では収穫後、軍などが持っていった残りを分けるんですが、分けたものだけでは
食べていけないので、協同農場員が夜中にこっそり田んぼや畑に行って、収穫の
前に自分で刈取りして食糧を土に埋めて食べるものを確保してきた。

 今年は、全国的なことかどうかは分かりませんが、私が聞いた情報では、田ん
ぼや畑をそれぞれの軍の部隊に配分して、「この畑でとれるものはお前たちのも
のだ」と言って、軍人が夜中に見張りに立って協同農場員が夜盗みに来るのを防
いでいるそうです。だから協同農場員にも餓死が出ている。

 少し前までは、軍人が盗みにくるから協同農場員が夜中に立っていたんです。
今はもう逆になった。そこで頭のいい人は、その軍人に賄賂を渡して、お前に個
人的にやるから半々に分けろと言って、収穫物を分けている。そういうことがで
きた人は生き残るだろうが、できなかった人は大変だろう、と。また餓死が出る
との噂が飛び回っているそうです。

 秋の収穫の時以後は市場に食べ物が出てそれを食べるが、食べつくした後の4
月から5月の間が一番苦しい。6月にじゃが芋がとれるので5月までが苦しい。
韓国は秋まき麦がありましたから2月、3月が一番苦しかったのですが、北朝鮮
は4月、5月が苦しい。

 そこで目端のきく人が食糧を買い占めるので値段があがるということにもなる
そうです。

 そういう中で制裁が効いている。特に中国に石炭や鉄鉱石が売れなくなったこ
とで苦しくなった。北朝鮮の貿易相手国の9割は中国です。中国の最近の統計を
見ても、北朝鮮からの輸入が9割減っている。去年の暫定統計ではそうなってい
ます。中国は、表向きの統計上は制裁を守っている。その結果、北朝鮮人民の暮
らしが苦しくなってきた。金正恩の秘密資金も底が見え始めた。

(2につづく)



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