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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告2(2018/08/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.08.07)

■1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告2

◆歴代米政権ができなかった対中関税戦争をトランプ大統領がやっている

島田洋一(救う会副会長)

 トランプさんの発言だけ見ていると、この24時間以内でも、北朝鮮が朝鮮戦
争で亡くなった米兵の遺骨を返還したということに対して、「金正恩ありがとう」
というようなことを言ったり、また非核化についてはメディアや民主党がトラン
プ大統領はだまされているとがんがん言っていますから、それへの反発もあって、
「非核化も進展しているじゃないか」と言っています。

 それだけ見ると、トランプはたぶらかされているのではないかと見えますが、
実際はそんなことはないと思います。

 今後の北朝鮮に対するアメリカの政策を見る上でも、中国に対するトランプの
やりかたが大変参考になる。なぜならアメリカでは今、政権も議会も長期的に主
敵は中国だという認識が高まっています。

 従って中国に対するトランプ政権の対応を見れば、北朝鮮その他にも適応され
るパターンが見えてくるわけです。

 例えば去年の秋、トランプ氏がアジアを歴訪して中国に行った時、中国側がボー
イングの飛行機をまた大量に買いましょうとか爆買いカードを出してきて、トラ
ンプが嬉しそうにしていたというので、「トランプはたぶらかされてる」と批判
したした人が多かったわけですが、私はそんなことはないと思っていました。

 今どうか。中国に対して、関税戦争をがんがんやっていますね。アメリカの歴
代政権がどれもできなかったことを見込んでやっているわけです。その間、現在
でもトランプ氏は、「習近平というのは本当にいい男だ」、「すばらしいリーダー
だ」と言いながら関税戦争をエスカレートさせている。

 そして色々な報道では、対米関係がおかしくなっているというので、習近平に
対する批判が中国国内で高まっている。(政権を)ひっくり返されるのではない
かという観察まで出てきている。

◆北朝鮮を担当するのはポンペオ国務長官、「最高度の圧力」は変えない

 以上前置きですが、シンガポール会談以降を振り返ると、あのシンガポールで
の会見でトランプ氏は、「今後北朝鮮との交渉はポンペオ(国務長官)、ボルト
ン(安全保障担当大統領秘書官)を中心とするチームにやってもらう」と言って
いました。

 その後7月6日、7日とポンペオ氏が北朝鮮を訪問しましたが、ボルトンの姿
はなかった。ボルトン氏が仕切っている国家安全保障会議(NSC)からは、ア
リソン・フッカーという細身の女性が参加していました。

 フッカーさんは私も2回ほど会ったことがありますが、国務省に長くいたよう
な人で、日本にも滞在経験があって日本語も少しできる人ですが、本当に役人タ
イプで迫力はない人なので心配していました。

 どうも今、役割分担があって、ポンペオ氏がこれまでの流れを引き継いで北朝
鮮を主に担当する、ボルトン氏はロシアとの首脳会談を控えた下交渉をやってい
る。ボルトンは主にロシアとの間で中東問題の協力を取り付けようとしていて、
イラン封じ込めを狙っている。シリアの背後にイランがあるわけですが、その辺
でロシアにアメリカの政策に協力させようとしていたようです。

 ポンペオ氏は北朝鮮でどんな話をしてきたのか。彼の発言を聞いてもよく分か
らなかったのですが、北朝鮮側の発表を見て、大体の内実が分かった。配布資料
に少し書いていますが、ポンペオはCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非
核化を持ち出して、ここは北朝鮮側の談話として報道されましたが、「強盗のよ
うな一方的な要求を持ち出した」とのことです。別にポンペオ氏は緩んではいな
かったようです。

 その後、1週間ほど前、上院外交委員会で、ポンペオ氏は3時間くらい議員の
質問に答えています。私もインターネットで全文を見ましたが、例えば、「完全
な非核化という言い方をしているが(検証可能で不可逆的ながないが)、CVI
Dから下げたのか」という質問に対し、「多少言い方が変わっただけで同じこと
だ」と言っていました。

西岡 「最高度の圧力」というのは変えないんですか。

◆次は北朝鮮との取引にお金をつける中国銀行への制裁か

島田 シンガポール会談の前に、トランプ氏が「話し合うわけだから今後は最高
度の圧力という言葉は使わないでくれ」と言っていましたが、ポンペオ訪朝以降、
ポンペオ氏はツイッターでも上院の公聴会でも「非核化が完了するまでは最高度
の圧力を北朝鮮にかけていく」という言い方をしています。

 この「最高度の圧力」ですが、実は現在マクシマム(最高度)までやってない
んです。本来は、中国の大手銀行に対する金融制裁までやればそう言えるんです
が、それはまだやっていない。

 その点で注目すべきなのは、月刊「正論」の最新号に書いたのですが、注目す
べき人事がありました。ボルトンはロシア中心にやっていると言いましたが、ボ
ルトンが中心であるNSCに7月初めに、北朝鮮担当部長という肩書ですが、新
たに設けられた組織で、アンソニー・ルッジェーロという人が入りました。

 これはボルトンが引っ張ってきた人で、先ほど言ったアリソン・フッカーさん
は北朝鮮問題から外れて、ルッジェーロがボルトンの元で北朝鮮を担当すること
になりました。

 彼は財務省に長くいて、まさに金融制裁を担当してきた、そのノウハウを持っ
た人物です。財務省を辞めてからは国務省にいて、そこでも制裁を担当していた
のですが、その後マルコ・ルビオ上院議員の政策スタッフをしていました。

 ルビオは何人かの上院議員とともに、中国の大手銀行に制裁をかけろという提
言を出しましたが、それもルッジェーロが書いているわけです。そういうルビオ
のような議会における対中国、対北朝鮮の最強硬派のもとにもいて、財務省で金
融制裁の具体的なノウハウを知っていて、ここを攻めれば中国が嫌がるというこ
とが分かっている人物がNSCの北朝鮮担当部長になった。

 ルッジェーロの人事は日本ではあまり報道されていないんですが、中国が非常
に注目して、びびっているのではないかと思います。ルッジェーロという人は以
前から、中国の四大銀行に制裁をかけるべきだ、と。つまり北朝鮮との取引にお
金をつけることを止めなければ、アメリカの金融機関に口座を持たせない。そな
るとドル取引ができなくなりますから、そんな銀行に国際貿易をやろうという企
業はお金を預けなくなる。

 具体的にはバンク・オブ・チャイナ(中国銀行)、四大銀行の四番目ですが、
それに制裁をかけろと主張してきた人です。しかも実際にノウハウを持っている
人が北朝鮮担当になった。

 これまでは、バンク・オブ・チャイナに制裁という話があると、そこまでやる
とアメリカにも跳ね返りがあるからまずいという意見が結局強くなって、踏み切
れなかった。

 ブッシュ政権の時にも、バンコ・デルタ・アジアとバンク・オブ・チャイナの
2つに北朝鮮との関係で金融制裁をかけようと下の方から提案して財務長官に上
げた。提案したアッシャー氏に経緯を聞きましたが、首脳部がバンコ・デルタ・
アジアはともかく、バンク・オブ・チャイナは待ってくれということで踏み切れ
なかった。

 ところが現在は、中国に対して、これまでのアメリカの政権ではとても怖くて
できなかったことを、どんどんトランプ氏はやっています。従って、バンク・オ
ブ・チャイナにも、北朝鮮との関係を断たなかったらニューヨークの金融市場か
ら締め出すという動きが高まっていると思います。

 これをやると北朝鮮に対して強烈なインパクトがあると思われますので、そこ
までトランプ政権がいつ踏み切るかが注目すべきポイントだろうと思います。ボ
ルトンは、「そんなものすぐにやれ」という意見です。

 ポンペオ国務長官は、彼自身は次期大統領を狙っていると言われますし、まだ
54歳くらいですから、イタリア系アメリカ人の期待も高まっています。本人も
それを明確に意識しています。

 だからポンペオにしても、北朝鮮にたぶらかされたというようなレッテルを貼
られると後の政治生命が断たれることになるので、中国の銀行に対する金融制裁
を一つの重要な柱、カードにして、今後急展開する可能性もあるのではないかと
思います。

◆韓国が国連制裁違反をしている

西岡 つまり、アメリカ、トランプ大統領が北朝鮮にだまされていて、遺骨だけ
が帰ってきた。北朝鮮はミサイルの発射実験場爆破したが、ミサイル工場を爆破
しなければ意味がない。または濃縮ウラニウム工場をやらなければならない。そ
ういうことをしなければならないのに、「うまく行っている」と言っている。一
部の解説では、アメリカの中間選挙までは「うまく行っている」と言ってごまか
すのではないか、と。

 しかし、今の島田さんの話では、そうではないかもしれない、と。プレッシャー
はかけ続けている、と。このこととの関連で韓国で聞いてきたことですが、今韓
国政府が大変焦っているのは、韓国が国連制裁違反をしているのではないかと疑
われていることです。

 国連制裁は北朝鮮から石炭を買うことを禁止している。しかし去年10月に、
北朝鮮からロシアに石炭が運ばれて、そこで別の貨物船に石炭が移されて、それ
が韓国の仁川港と浦項港に入り、石炭が降ろされた。

 北朝鮮産の石炭を制裁違反で韓国が買ったということが、国連の制裁パネルの
報告書の中に入っている。浦項港に入ったのは5千トンくらいですが、買ったの
は浦項製鉄(POSCO)だという話まで出ています。

 今韓国の中では、その石炭を買った企業が使っている銀行が、アメリカの二次
的制裁の対象になるんじゃないか、預金を降ろしておいた方がいいんじゃないか
という噂が広がっているそうです。

 韓国の安保室長がワシントンに行き、国情院長も行っているのは、実はこのこ
とを協議しているという噂も広がっています。そしてアメリカの情報関係者も、
明白な国連制裁違反だから制裁すべきだと言っています。

 中国だけじゃなくて、韓国も企業や銀行がアメリカの二次的制裁の対象になる
かもしれない。それくらいの緊張感を持たせるくらい、アメリカ政府の実務者た
ちは北に対する制裁を緩める構えはないということです。

 金正恩が一番恐れたのは軍事攻撃ですから、それについてはトランプが8月、
9月の演習を延期すると言ったので一息ついたことは間違いないと思いますが、
先ほど言ったように、人民たちは自分たちの生活がよくなる、制裁が緩むことを
求めていたんですが、アメリカはそれについては徹底的にやっているということ
があります。

◆アメリカは人的な情報で濃縮ウラニウム工場を突き止めた

 もう一つ。アメリカの情報機関はすごいなと思った例があります。先ほどミサ
イル発射実験場や核爆発実験場を壊したのは意味がなく、濃縮ウラニウム工場を
壊さなければいけないといいましたが、そのためにはどこに濃縮ウラニウム工場
があるのか、ミサイルをどこで作っているのか申告しろと言っている。

 申告しろと言ったことについて、先ほど島田さんが、ポンペオさんが平壌に行っ
て申告しろと言ったのを、向こうは「強盗のようなこと」と書いた。「申告」と
言ったら、「強盗だ」と言ったのですが、北朝鮮は深刻してないわけです。

 色んな問題がありますが、一番の問題は、争点の一つは濃縮ウラニウム工場で
す。プルトニウムは原子炉で燃料を燃やさないとできませんから、原子炉を地下
に作ることはなかなかできないのです。またある場所が分かってしまう。

 しかし、濃縮ウラニウムは電気さえあれば、遠心分離機を回せばできる。北朝
鮮には、世界一とも言えるくらいの天然ウラニウム鉱山があります。そして濃縮
ウラニウムは今も作っている。ではどこで作っているのか。

 寧辺にあると言ってヘッカーというアメリカの学者にそれを見せたのです。8
000本の遠心分離器があった。それは見せるために作ったもので、実際に作っ
ているところは別ではないかということです。

 私も色々な話を聞いていて、平安北道の泰川(テチョン)、水力発電所のすぐ
近くです。あるいは平安北道の亀城(クソン)、博川(パクチョン)のあたりに
穴を掘っているところがある。そこでやっているんじゃないかという噂もある。
情報機関はそこを調べてみた。私もその話を聞いて、まだやっているとして3つ
の地名を論文に書いたりしました。

 だまされていました。そこではやっていません。それが今回ソウルに行って分
かりました。調べてみたら、意図的に穴を掘り噂も流していたけど、そこはダミー。
どこでやっていたかというと、降仙(カンソン)です。アメリカのメディアは降
仙に濃縮ウラニウム工場があると書いています。今は千里馬(チョンリマ)とい
う名前に変わっています。

 降仙製鉄所という所がありますが、1950年代に金日成がそこに行って、増
産を命令したら増産に成功した。これは千里走る馬のような増産だということで、
製鉄所の名前も千里馬製鉄所に変え、地名まで千里馬に変えました。平壌のすぐ
南にあります。

 そこの地上でやっていた。そうアメリカのメディアに情報がリークされ、衛星
写真も出ました。製鉄所のすぐ近くでやっていたから建物が増築されても分から
ないんですね。穴を掘っているとおかしいということになるんですが、地上でやっ
ていた。

 ではなぜ地上でやっていたことをアメリカは分かったのか。衛星では分からな
い。室内は写りませんから。人的な情報があるんです。この降仙でやっていたの
は間違いないと思います。

 それを2000年代初めくらいから分かっていたようですが、わざわざ今リー
クした。「知ってるんだぞ」と。「申告しなさい」というと、「強盗的」という
から、じゃあこっちが申告してやる、ここでやってるんだろう、と。

 これが正しかったら向こうも大変ですよね。アメリカは一体どこまで知ってい
るんだ。誰がリークしたんだ、と。そういう点でもアメリカは手を緩めていない。
かなりのことを知っているということが分かります。

 だから、「マクシマム・プレッシャー(最高度の圧力)」はかけ続けます。そ
れを緩めるのが中国と韓国だとすれば、そこをきちんと見張ります。見張る手段
としてセカンダリー・サンクション(二次的制裁)があります、と米軍関係者は
私に言っていました。

 だから簡単にアメリカはだまされてはいない。トランプ大統領のツイッターと
記者会見だけ読んでいると、頭が痛くなるんですが、実際の政策だけを追ってい
ると、「これは信用できる」と思うんですね。

 もちろん最終決断するのは大統領ですから、不安がないわけではないですが、
トランプ大統領はディール(取引き)をする人だから本音が何なのか分からない
けれども、分からないようにしているということもあるかもしれない。

 少なくとも、軍事的な圧力を一時的に緩めたが、経済的な圧力は全く緩めてい
ない。韓国と中国が緩めようとするのをきちんと見張っているというのが今の状
況です。そして北の住民たちは外交がうまくいっているというのになぜ生活がよ
くならないのかと思っている。

 そして向こうから見ると、100億ドル出るところがあるということに、今なっ
ています。

(3につづく)


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