救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告1(2018/08/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.08.06)

 平成30年8月3日、救う会では第102回東京連続集会を、東京・文京区民セ
ンターで開催した。

 シンガポールでの米朝首脳会談から2か月近く経ったが、核問題については全
く進展がない。他方中国が北朝鮮への支援を開始し、経済制裁による核廃棄が骨
抜きにされつつあるとの報道もある。米国の対北強硬派が巻き返すのか、拉致被
害者救出はどうなるのか。最新情報を、西岡会長、島田副会長が報告した。また
家族会から、飯塚繁雄代表をはじめ、横田拓也さん、横田哲也さん、本間勝さん
が参加した。

■1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告1

◆1回はチャンスが来る

西岡力(救う会会長)

 今、表向きの動きがなくて、暑い中じりじりしているところですが、私は1回
チャンスが来ると思っています。それを活かせるかどうか。いよいよ(野球で言
えば)9回裏。このチャンスを活かさないとかなり厳しいことになるかもしれな
い。しかし、チャンスは1回来るというのが今の考えです。原則を崩さないでい
れば、十分勝機はあると思います。

 そう思う一つの根拠は、北朝鮮がこの頃日本批判を繰り返ししていりことです。
朝鮮中央通信6月26日は、「日本はやるべきことをはっきり知るべきだ」と。
7月6日は、「日本は過去清算の機会を逃すな」、7月4日は、「対話と人権を
云々する日本の新面目」、7月18日は、「日本は過去清算の勇気を持つべきだ」
というのが続いています。

 つまり日本批判をしているんですが、また「拉致問題をしつように喧伝するの
はけしからん」というようなことを言っているんですが、「だから日本とは話し
合いをしない」とは言っていなくて、今言ったように「日本はやるべきことがあ
る。過去清算の機会を逃すな」、「過去清算の勇気を持つべきだ」と言っていま
す。

 つまり過去清算を繰り返し言っており、拉致のことはもう終わっていると言っ
ている。「拉致のことを持ち出すならもう日本は相手にせず」とは言ってないん
です。これが私が1回チャンスが来ると言っている根拠です。

◆北朝鮮人民は米朝会談に期待しただけに不満

 先週韓国に行き、北朝鮮に連絡ができる人たちとも会ってきました。北朝鮮の
中では、シンガポール会談について、人民たちはこれで生活がよくなるんじゃな
いかと思った。制裁が緩んで市場にまた中国製品が戻ってくるんじゃないか、中
国との取引が再開するんじゃないかと思った。なのに何も動きがない。どうなっ
ているんだという不満がちょっと出てきている。

 住民たちに対する政治講演の内容を見ると、アメリカは我々から核を全部奪お
うとしている。そして資本主義を導入しようとしている。資本主義を導入された
ら住民の暮らしはもっとひどくなる。南朝鮮に警戒心を持ち続けろ。南朝鮮の製
品を使っちゃだめだ、と。

 また、韓国や中国はアメリカにばかり神経を使って、制裁を緩めないのでけし
からん、というような講演をしているそうです。

 アメリカの軍事攻撃が少し遠のいたので最高指導部は一息ついたでしょうが、
人民たちからすると、はなばなしく外交的なことが行われたけれど、何もいいこ
とはないということで一定の不満がある。それに対して期待を持つなという取り
締まりをしているわけです。

 政権内部の話では、アメリカとは一定程度うまくいった。次は日本から金を取
る番だと言っているそうです。そして朝鮮中央通信などで、「日本はやるべきこ
とをはっきり知るべきだ」とが、「過去清算の機会を逃すな」と繰り返し言って
いる。

 まずアメリカを動かしてアメリカから安全を確保した後、お金を日本から取る
ということを考えていて、それが近く来るかもしれない。その準備を彼らはして
いるのではないかと思っています。

◆小泉政権は北朝鮮に100億ドルの支援を約束か

 彼らが日本に期待している金額は100億ドル、1兆円以上です。配布資料と
して「月刊正論」に私が書いたもので、今発売されているものがありますが、東
京に何回か来ていただいた張真晟(チャン・ジンソン)さんという統一戦線部の
幹部が、「2002年に100億ドル以上が来ると言われた。しかしそれはOD
Aなのでプロジェクトベースだ。だからプロジェクトを作れと各部署に命令が下っ
た」と最初に来た時話してくれました。

 そのことを櫻井よしこさんが週刊誌に書いたら、小泉元総理の事務所から抗議
が来て、「そんな約束はしていないと言われた」と言っていましたが、その話を
張真晟さんにしたら、ソウルに今いる貿易関係者、保衛部関係者、党関係者の3
人に、私が見ている前で電話して、「2002年9月にそんな話があったですよ
ね」と言ったら、みんな「そうだ」と。その人たちは2002年9月には平壌に
いた人です。

 そして2年前の2016年に、イギリス大使館で公使をしていて韓国に亡命し
た太栄浩(テ・ヨンホ)という人が今年本を書きました。まだ韓国語版しかでて
いなくて、秋に日本語版が出ると言われていますが、それにこう書いています。

 (小泉首相が平壌訪問して金正日と平壌宣言を発表した後)、姜錫柱(カン・
ソクジュ)第一副外相が直接外務省の講堂で全体成員を対象に講演を実施した。
「日本は植民地統治の被害に対して経済協力方式で補償すると約束した。少なく
とも100億ドルは入ってくるだろう。100億ドルなら朝鮮の道路と鉄道など
基本的な下部構造はすべて現代化できる」と。

 姜錫柱という人は、小泉さんが金正日と会った時、その横に座っていた人です。
彼が向こう側を仕切ったんです。日本側は田中均局長が仕切った。そして外務省
のメンバー全員を集めて内部の講演会をした。そこに太栄浩さんも出た。だから
自分の経験なんです。

 また、「『100億ドル』という題目には私さえも胸が躍った。外務省の同僚
たちも大変興奮した様子だった。その程度に大切で莫大な金額だった」と書いて
います。

 日本政府は「100億ドル」を約束したことを認めていませんが、第一次安倍
政権の時、安倍総理は外務省に、「田中均さんがやった秘密交渉と言われている
ものの記録を持ってこい」と言ったら、2回分がなかった。これは「産経新聞」
の阿比留記者などが繰り返し書いていますし、私も直接安倍総理から「なかった」
と聞いています。

 (約束は)なかったということと、日本側の記録に「100億ドル」の部分が
ないということが裏と表の関係になっている可能性があると私は推測しています。

 そして米朝首脳会談が終わった後、その「100億ドル」以上という数字が日
本経済新聞、産経新聞、朝日新聞に出ている。誰かがその数字をリークしている
のではないかと思っています。

 この「100億ドル」というのが、北朝鮮の経済にとってどれくらいの金額か。
国連の推計によると北朝鮮のGNPの規模は200億ドル、韓国銀行の推計によ
ると約400億ドルです。為替レートをどう取るかで全然違ってきます。しかし
国連の推計だと半分、韓国銀行の推計でも25%が入ってくるということだった
のです。

 だから外務省の外交官たちは「胸が躍った」、「興奮した」と言っているわけ
です。そのお金が今、目の前に見えている。

◆安倍発言に合わせるかのように北朝鮮が「不幸な過去を清算」と

 実は安倍総理は、ちょっと前までは、「拉致問題が解決しなければ北朝鮮には
明るい未来がない」と否定形で言っていました。去年9月の国連演説では、「解
決すれば明るい未来がある」、「北朝鮮には優秀な労働力もある」、「日本も平
壌宣言に基づいて経済協力ができる」と肯定形で言っています。

 言っていることは同じですが、「解決しなければ未来がない」は強い言葉で、
だから解決せよと。しかし、解決すれば明るい未来がある、と。

 今年4月、米朝首脳会談が決まって、その調整のために安倍総理はトランプ大
統領に会いにいきます。フロリダで会いました。ゴルフもしたということでした
が、その後のトランプ大統領が横にいた記者会見で、安倍総理が語ったことの一
節は、「もしも核・ミサイル問題、そして日本にとって一番大事な拉致問題が解
決すれば、平壌宣言に基づいて国交正常化をし、不幸な過去を清算して経済協力
を行う」というものでした。

 「不幸な過去を清算して」という言葉が安倍総理の口から出ました。なぜトラ
ンプ大統領との会見で「不幸な過去を清算」と言うんだろうかと、その時私もちょっ
と違和感を持っていました。

 「平壌宣言に基づいて経済協力を行う」ということは前から言っていました。
平壌宣言には「不幸な過去を清算して」という言葉が入っていますが、わざわざ
その部分を総理が引用し、アメリカで言った。

 そうしたら北朝鮮側が今、「不幸な過去を清算せよ」というキャンペーンが始
めているという構造になっています。6月29日の特別集会でもご報告しました
が、6月12日にシンガポール会談があり、14日に総理が私たちを呼んで説明
をしてくださいました。

 シンガポールには外務省の局長やNSC(国家安全保障会議)の事務局長等が行っ
ており、それぞれカウンターパートから話は聞けたんですが、トランプ大統領と
金正恩が1対1で会った部分については、アメリカの側近たちさえ全部把握して
いなかった。

 トランプ大統領は大統領専用機の中から安倍さんに直接電話してきた。こうだっ
たと説明した。暗号がかかっているとはいえ、大丈夫なのかなあと思っていまし
たが、飛行機からの電話でも外部に取られないようにできると聞きました。そし
て12日に起こったことを、私たちは14日に説明を受けることができました。

 そこで総理は、「トランプ大統領が拉致問題を提起した。具体的には、拉致問
題に関する私のメッセージを金正恩に伝えてくれた。但しその内容は機微に触れ
るから言わない」ということでした。

 しかし、「私のメッセージ」というところがポイントで、ではそのメッセージ
とは何なのか。そのことと、「不幸な過去の清算」が関係あるのではないか、と
私は思っています。

◆アメリカは金は出さないとトランプ大統領

 そしてトランプ大統領がシンガポールで、「核・ミサイル問題について進展が
あった」、「北朝鮮が核をやめなかったら暗い未来が待っている。核・ミサイル
をやめたら明るい未来が待っている」と動画まで見せた。それは今ホワイトハウ
スのホームページで見られるそうです。

 しかしまた、「俺は金は出さない」と。「明るい未来が待っている」と言いな
がら、経済協力はしない。核を廃棄する費用も払わない。「韓国や中国や日本が
払ってくれるだろう」と。

 一方安倍総理は、「不幸な過去の清算して経済協力をする準備がある」と繰り
返し言っています。これらのことを総合すると、安倍総理のメッセージというの
は、「核・ミサイル問題を完全に解決せよ。それにプラスして拉致問題が解決す
れば、北朝鮮が明るい未来を描くことができる経済協力をする準備がある」とい
うことでしょう。もちろん、軍事的なものには使えないし、現金を渡すことはで
きないが、過去の清算を踏まえて経済協力はできる、ということが伝えられたの
ではないか。

 トランプ大統領の立場からすると、ディール(取引き)は、核をやめないと斬
首作戦をするぞ、軍事攻撃をするぞというムチの部分は自分が担うが、止めた時
のアメの部分は安倍がやると。

 逆に安倍総理は、核・ミサイルが解決し、拉致も解決すれば、日本の方針とし
て経済協力ができる、と。つまり、拉致問題をトランプ大統領のディールの中に
組み込むことに成功したのです。そのことが金正恩本人に伝えられた。そこまで
は来た。

 だから北朝鮮は日本批判をずっと続けていますが、先ほど言ったように、「や
るべきことをはっきり知るべきだ」とか、「過去清算の機会を逃すな」と、清算
せよと言っているのです。安倍批判をしながら、総理が言っていることと一致し
ているのです。

◆村山政権は拉致を条件にせず金を出した

 アメリカは過去にも、圧力は自分がかけるがお金は払わないということをやっ
た前歴があります。それは島田さんの新書に書いてありますが、第一次核危機の
時で、クリントン政権は寧辺で原子炉が動いていて、プルトニウムが作られる直
前まで来ていて、軍事攻撃をしてでも止めさせるという計画を立てたところ、紆
余曲折はありましたが、カーター元大統領が平壌に行って金日成に会って、「寧
辺の原子炉を止める。その代りプルトニウムが作りにくい軽水炉の原子力発電所
をただで作ってやる」という取引をしました。

 その原発を作るのに約50億ドルかかるのですが、アメリカは出さなかった。
請求書が日本、韓国、EUに来て、日本の村山政権は10億ドル出してくれと言
われた。そこで村山政権は10億ドル出しますと。そして取引が成立した。KE
DO(朝鮮半島エネルギー開発機構)ができて、実際5億ドルくらい出資しまし
た。

 私は拉致問題について91年に論文を書いていましたので、大変悔しい思いを
しました。なぜ拉致を条件にしなかったのか、と。皆さんご承知と思いますが、
1988年に国会で梶山答弁があったのに。そして94年に村山政権が金を出す
と約束した。今の安倍政権と同じように、核問題がアメリカにより解決したこと
は多とするが、日本がお金を出す条件はプラス拉致問題だと言っていれば、今と
同じ構造ができたかもしれない。それをしなかったために、拉致問題が置いてけ
ぼりになった。

 我々は、北朝鮮が一昨年と去年、核実験を3回し、40発のミサイルを撃った
時に、拉致の旗が飛ばされてしまうのではないかと、この集会でも繰り返し言っ
てきました。それは村山政権の時のことも頭にあったからです。

 今は結果として核問題の取引の中に拉致問題が組み込まれたというところまで
は来たと思っています。しかしその後、核・ミサイル問題が今表向き動いていま
せん。日本としては核・ミサイル問題でアメリカが、これでよしというところま
で行って、次にその費用を日本から貰うというところまで行かないと話にならな
い。

 まだ動きが出ていないと私は見ていますが、ここで島田さんに、今の米朝関係
がシンガポール後どうなっているのかについて概観を話してもらいたいと思いま
す。

(2につづく)




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