救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

衆議院憲法調査会・金沢地方公聴会での家族会・救う会公述(2003/05/22)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2003.05.22-2)

■ 衆議院憲法調査会・金沢地方公聴会での家族会・救う会公述

 5月12日(月)、衆議院憲法調査会は金沢地方公聴会を開催しましたが、そこで
葬儀のため急遽欠席となった家族会の蓮池ハツイさんの意見が代読され、島田洋一救
う会副会長が意見公述を行いました。蓮池さんの意見原稿の全文と島田副会長の公述
の要旨を以下掲載します。


 


▼蓮池ハツイさんの意見原稿全文


私は、北朝鮮に拉致された蓮池薫の母で、ハツイと申します。
私は、年老いた一年金生活者ですので、日本国憲法の細かい解釈などはよく分かりま
せん。しかし、今回のテーマである「基本的人権の保障のあり方」という言葉を聞く
と、ただ虚しさだけを覚えます。果たして、この国において基本的人権の保障など存
在するのだろうか。誰がそれを保障してくれるのか。24年間息子の帰りを待ち続け
て、ずっと考えてきたのがそのことです。
 息子は、決して裕福とは言えませんが、普通の家庭に次男として生まれました。確
かに、小学生時代交通事故に遭い、両足に重傷を負ったため切断の危機に瀕しました。
しかし、それも見事に克服し、中学校時代は野球部のキャプテンとして活躍するまで
になりました。そのようにして、立派に成長し幸福な日々を送っていたと思います。
あの忌まわしい昭和53年7月31日の夕方までは。
息子の姿が見えなくなってからの気持ちは、一言では言い表せません。悲しみ、苦し
み、虚しさ、あきらめ、悔しさ、怒りなどなど、色々な気持ちが私の心の中で交錯し
ていました。どのような因果か分かりませんが、昨年10月15日、息子は24年ぶりに故
郷の土を踏みました。そして、積年の願いが叶いました。しかし、未だに息子たちの
子供たちは北朝鮮の人質として囚われの身にあります。さらに、まだ生存が確認され
ていない拉致された日本人が大勢います。
これらのことを考えると、まだまだ諸手を上げて喜べないのが、本当の気持ちです。
 基本的人権とは、何事にも侵されることのない、生命、自由、幸福を追求する権利
であると伺っています。私の息子は、あの日そういった権利を一瞬の内にすべて奪い
取られました。誰もが夏を満喫するごく普通の国内の海岸で、北朝鮮の工作員という
海外からの侵入者の手によって、突然自由を奪われ拉致されました。そのとき、息子
がどんなにか恐怖におののき、生命の危険さえ感じたかは、想像を絶するものがあり
ます。その後、息子は恋人と結婚し二子をもうけ、朝鮮語も覚え24年間生活してきた
といいます。しかし、それは決して幸福などといえるものなどではなく、彼の国で何
とか生き延びるための術であったとしか言わざるを得ません。祖国のことを日々考え、
救出の兆しさえ見えない中、どんなにか苦しい生活をしていたのかを考えるとき、息
子たちが不憫に思えてしょうがありません。
 北朝鮮による日本人拉致は、基本的人権の侵害の極みです。そして,何事にも侵さ
れることのない権利が他国によって侵されているのですから、これは国家主権の侵害
です。到底許すことのできない凶悪犯罪であり、国家テロです。どうしてこのような
状態が24年以上も続いているのか、不思議でなりません。基本的人権を保障するのが
国家の役割ではないのでしょうか。日本国憲法など、この国では遵守されていないと
言っても過言ではないと、私は思っています。




▼島田洋一副会長公述内容(要旨)

 アメリカの議員などに日本人拉致の話をすると、「即座に全員を解放せず、
子供を人質に取るなど卑劣きわまりない。海兵隊を送りこむべきだ」といった
発言がごく自然に出てくる。「もし、キューバがアメリカ人を拉致したなら、
アメリカ大統領は即座に軍に出動準備命令を下す。実際、軍事行動を起こすか
どうかは別にして、それをやらなければ、彼は大統領の地位にとどまれない」
といった発言も聞いた。
 国家の責任で、武力を用いてでも奪還するという姿勢があるかどうかは、次
の二つの点において重要である。
 第一に、その姿勢があることが抑止力として働く。あの国の人間を拉致すれ
ば武力衝突の危険があるとなれば、相手も簡単には手を出せない。
 第二に、ムチを使うという意思を示して、初めてテロ勢力との間で、意味の
ある「話し合い」が可能となる。
 1994年「米朝枠組み合意」の際の米側主席代表ロバート・ガルーチも、
「アメリカが、国連安保理での制裁決議に動き、武力行使の準備に入ったこと
で、その後、はるかによい形で交渉を進めていくことができた」と振り返って
いる。
 こうした基本的事柄が、川口外相あたりにはまったく分かっていない。分か
ろうとする気もないようだ。ムチの用意のない「粘り強い交渉」など、単なる
ままごとに過ぎない。
 日本国憲法の「平和主義」、あるいはその一般的解釈においては、国際的規
模で発生した不正行為を、日本国が国境を越え、強制力によって解決するのは
「悪」ということになる。論理的、倫理的に不思議な発想である。
 日本国内で、凶悪犯が人質を取り、解放せよとの説得に応じなかったら、最
終的には警察が突入し、力によって解決を図るだろう。ほぼすべての人がそれ
を正しい行為というはずだ。
 ところが犯人が人質もろとも国境線の外に出たとなると、突如、強制力の行
使は、とにかく「悪」だということになる。こういう日本国憲法の考え方は、
いわば国境線というものに対するカルト信仰といえよう。
 もちろん軍事力行使は最後の手段である。家族会、特に蓮池透氏、増元照明
氏らを指して「戦争待望論者」などと非難する一部左翼メディアもあるが、と
んでもない言いがかりである。戦争となれば、一般人にも被害が及ぶ。その中
に、日本人拉致被害者も含まれかねない。それを一番実感の上で、心配してい
るのが被害者の家族だ。
 家族会のメッセージは、「制裁は宣戦布告と見なす」などという北の脅しに
屈するな、という点にある。
 民間人拉致は戦争犯罪行為であり、戦時においても許されない。日本政府
は、少なくとも経済的締め付けなど厳しい姿勢で臨まねばならない。
 北のNPT脱退や、核に関するさまざまな国際合意違反に対しても、日本は
「唯一の被爆国」として、単独でも経済制裁を課し、強い意思を示すべきだ。
 北は秘密裏の核開発をやめないだろう。核問題も拉致問題も、率直にいっ
て、金正日体制をつぶさない限り、完全解決はありえない。北の態勢はぎりぎ
りのところまで来ている。経済的に締め上げ内部崩壊させる、すなわち有志の
決起によって金正日が排除される方向にもっていくというのが、最も平和的な
解決法であり、また一番の早道でもあろう。
 最後に具体的な点についていくつか。
 石破防衛庁長官が述べたように、日本としては、北朝鮮が「東京を火の海に
する」などと称し、ミサイルに燃料注入するのを確認した段階で、「敵基地先
制攻撃」を行うのは自衛上、当然の措置だ。ブッシュ大統領がいうとおり、
「相手の攻撃を待って初めて対処するというのは、自衛でなく自殺」である。
トマホーク・ミサイルの購入など早急に実現したい。
 また、同盟国の名に値する日米共同軍事行動が取れるよう、「集団的自衛権
は備わっているが行使できない」などという政府見解を即座に改める必要があ
る。
 現状では、たとえば戦闘中に遭難し海上で助けを求める米軍パイロットを日
本側が救出に向かっても、そこに北朝鮮の空軍機が一機飛んできて「戦闘区
域」となったとたん、救出活動を中止せねばならない。集団的自衛権に関する
こうした解釈が正しいとするなら、日本国憲法は、まさに「敵前逃亡憲法」と
呼ぶべきものだろう。
 憲法9条、および現実から遊離した憲法前文は削除するのが望ましい。無意
味なスコラ談義に時間を空費することを避け、目の前の現実に機動的に対処す
るためにも、安全保障に関する曖昧な規定など、憲法に入れない方がよい。




 


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