救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告1(2015/12/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.12.15)

■12/11(金)国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告1

 平成27年12月11日、家族会、救う会、拉致議連の主催で、東京・憲政記
念館講堂において国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」が開催された。

 昨年5月のストックホルム合意から1年半以上が経過しても、被害者の帰国は
実現していない。今年1年、日朝は激しい水面下の接触を繰り返してきた。金正
恩政権は被害者を返す決断をしないが、日本との接触を切断しないという中途半
端な姿勢を続けた。彼らは経済支援や総連への圧力解消、制裁解除などを全被害
者の帰国なしに実現しようと様々な揺さぶり工作を仕掛けてきた。一方、安倍晋
三政権は全被害者の一括帰国という要求を堅持し、「拉致が解決しなければ北朝
鮮は未来を描くことができない」と繰り返し表明している。今こそ、より強い圧
力をかけて金正恩政権に決断を迫るべきときである。

 今回は、北朝鮮情勢に詳しい金聖?自由北朝鮮放送代表から金正恩政権の最新
の動向を聞いた後、日韓の専門家が朝鮮総連の各種の有害な活動について報告し、
新法制定を含む新たな圧力を提案した。

西岡 力(総合司会)

 みなさんこんにちは。今年も、北朝鮮人権週間を迎えることになってしまいま
した。今年はこの席に、被害者を招いて人権週間を迎えたかったと強く思ってい
ますが、それがかないませんでした。そして国際セミナーで、どうやって取り戻
すかということについて知恵をしぼることになりました。

 これから国際セミナーを始めさせていただきます。宜しくお願いいたします
(拍手)。

 実は櫻井よしこさんに急用ができて来られなくなり、私が総合司会をさせてい
ただきますので宜しくお願いいたします。

 まず開会に当たり、主催者である家族会の飯塚繁雄代表よりご挨拶をお願いい
たします。

◆実際何も変わっていない、時折虚無感に襲われる時がある

飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

 みなさん、こんにちは。今年もまもなく終わります。私たちは毎年、「今年こ
そは!」と訴えながら、じっと我慢を重ねてきましたが、今年も多分、このまま
では年末までに解決しないと思います。

 みなさんもなぜこんなに時間がかかっているのか疑問を感じると思います。私
たちは当然です。なかなか難しい北朝鮮に対して、日本国がどういう対応をする
かで決まる問題だと思います。

 今日は国際セミナーで色々なお話が聞けます。国際世論は国連関係を見ると確
かに高まっています。そういう意味では北朝鮮を非難する国も増えています。そ
ういうからめ手からの圧力も徐々に上がっていますが、その効果がなかなか見ら
れないのが残念です。

 具体的にはどこかの国が動くとか、極端に言えば、金正恩を国際刑事裁判所に
訴追するようなことがあればまた少し先が読めると思います。しかし、この問題
は何としても解決しなければならない課題です。当然ながらわが日本政府が大き
な責任を持ちながら、早く効果を出せるような対応を私たちは望んでいます。

 今回新しく加藤大臣が就任され、形としては内閣を含めた官邸主導が出てくる
のではないかと思います。それが効果につながればいいと思います。そのことに
ついては私は、何かあるにつけ期待をしてきました。その期待が数十回となく、
裏切られたという言葉はどうかと思いますが、結果が出なかったという苦い思い
をさせられてきました。

 そういう意味では本当に来年早々、具体的な解決に向けて、はっきりと結果が
出るような対応をしていただきたい。もちろん国会議員を含む全国民がベクトル
を合せながら安倍総理の後押し、尻叩きをして、具体的なものにつなげていって
ほしいと思います。

 皆さんご承知の通り、待っている家族は高齢化し、向こうで待っている被害者
が、「苦しい思いをしていつまでがまんすればいいの」という気持ちでいると思
います。さらに心配なのは、「本当に帰れるのか」という思いを持っているので
はないかと察します。もちろん彼らは、「何としても祖国に帰りたい」という気
持ちは、全く変わらないと思います。それをいかに早く実現させるか、これが最
優先の日本の課題だと思います。

 従って、言葉だけではなく、本当に最優先で進めている姿を私たちは確認した
いし、実際の動きの中でそういうものが見えてくれば、もう少し頑張ろうという
気になるんですが、時折虚無感に襲われる時があります。

 そうなってはいけないという気持ちはありますが、実際何も変わっていないこ
とを目の当たりに感じて、そうなってしまうことがあります。私たちは本当に家
族が、被害者が帰ってくるまで何が何でも頑張ります。国民の皆様にも一緒に闘っ
ていただきたい。

 色々な場面で、色々な役割の中でそれぞれが働いていただきたい。これはどの
組織においても言えることだと思いますが、是非ともご支援を宜しくお願いいた
します。今日はありがとうございました。

西岡 もう一つの主催者である拉致議連の平沼赳夫会長にご挨拶をいただく予定
でしたが、体調の関係で、残念ながら今日はご出席がかないませんでした。メッ
セージをいただいておりますので、拉致議連の塚田一郎事務局長に代読していた
だきます(拍手)。

塚田一郎(拉致議連事務局長、参議院議員)

 残念ながら平沼会長は今日出席がかないませんでした。私がメッセージをお預
かりしていますので代読させていただきます。

◆北朝鮮に対して最後通牒を突きつけるとき

 平沼赳夫・拉致議連会長

 北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長の平
沼赳夫です。本日の国際セミナーの開催に当たり、主催者として一言ご挨拶申し
上げます。

 本日のセミナーには是非とも出席したかったのですが、残念ながら、かないま
せんでしたことを、まずお詫び申し上げます。

 昨年7月に北朝鮮が拉致被害者の再調査を開始してからもう1年半になります
が、未だ拉致被害者の帰国は実現しておりません。この北朝鮮の裏切りに対し、
日本国民の怒りは沸騰しております。政府は、この国民の怒りを背に、北朝鮮に
対して最後通牒を突きつけるときです。

 「行動対行動」で制裁を解除したのですから、相手が約束を破って誠実に「行
動」しない以上、こちらも解除した制裁をもとに戻すのは当然です。さらに、認
定の有無に関わらず、北朝鮮に囚われている全ての被害者を一刻も早く救出する
ため、ありとあらゆる手だてを早急に講じるべきです。

 拉致議連は、本年7月、総理官邸において、安倍総理に対し直接、「全ての拉
致被害者の早期帰国実現に向けた要請」を行いました。その中には、対北朝鮮措
置の再開と更なる強化、厳格な法執行の徹底、国際社会と連携しての圧力強化な
ど、北朝鮮の最高指導者に決断を迫る有効な手立てが網羅的にリストアップされ
ています。そして、北朝鮮に対するこれらの強力な武器を「いつでも発動してく
ださい」と私から総理に手渡したのです。

 その際、私は総理に、「拉致被害者御家族の皆様はご高齢になられ、もはや一
刻の猶予もない。『拉致問題の解決なくして北朝鮮は未来を描くことはできない』
との総理の言葉を行動で示していただきたい」と申し上げました。それに対して
総理からは、「我々のメッセージが北朝鮮の最高指導者にきちんと伝わっている
かどうかが最も重要であり、金正恩第一書記と相当近い関係にあると言われるリ
・スヨン外務大臣に岸田外務大臣から直接働きかけさせる」とのお話がありまし
た。

 そして8月6日、クアラルンプールで岸田外務大臣からリ・スヨン外務大臣に
対して、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を強く求めたということであります
が、それからもう4カ月余り経つのにまだ何ら進展が見られません。いつまで待っ
ていても金正恩が決断しないなら、もう総理に託した強力な武器を発動していた
だくときです。認定の有無に関わらず、拉致被害者全員の帰国を、期限を切って
北朝鮮に求め、期限までに返さなければ、あらゆる制裁措置を発動すると通告し
ていただきたい。

 本日のセミナーには、金正恩政権の現状について、キム・ソンミン先生にご講
義いただくとともに、朝鮮総連問題について、西岡先生、恵谷先生、コ・チュン
ウイ先生、ホン・ヒョン先生にご講義いただきます。さらに、我が同志である各
党拉致問題対策本部長に、日朝拉致協議をどう打開するかのご意見を伺います。

 拉致問題を解決するには金正恩に決断させなければなりません。そのためには、
金正恩政権の現状をしっかり把握、分析することが大前提となります。また、金
正恩に決断を迫る上では朝鮮総連に圧力をかけることが極めて有効です。本日の
セミナーが、膠着状態にある日朝協議を打開し、全ての拉致被害者を一刻も早く
祖国と御家族のもとに取戻すことにつながることを祈念申し上げ、私の挨拶とさ
せていただきます(拍手)。

西岡
 続きまして、来賓として加藤勝信拉致問題担当大臣に来ていただきました。宜
しくお願いいたします。

◆拉致問題は政府の責任において最優先で解決すべき問題

加藤勝信(拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 みなさん、こんにちは。先般の改造で拉致問題担当大臣を拝命いたしました。
今日はご挨拶の機会をいただき御礼申し上げます。また現在、北朝鮮人権問題啓
発週間ですが、この機会に、家族会・救う会・拉致議連の主催により国際セミナー
を開催していただき、多くの皆様方にご出席をいただきました。皆様方には日ご
ろから、拉致問題に高い関心を持っていただき、また様々な形でご支援をいただ
いていますことに、改めて御礼申し上げたいと思います。

 本日は、金正恩政権の現状や朝鮮総連についてご専門の方々から貴重なご報告
をいただきます。また、各党の拉致問題対策本部の方々から、日朝拉致協議をど
う打開していくのかご講義をいただくものと聞いています。是非活発な議論が行
われ、今後の対応に資するものになることを強く期待しています。

 昨年7月に、北朝鮮が特別調査委員会を立ち上げ、拉致被害者を含むすべての
日本人に関する調査を開始してから1年半近くになろうとしています。今なお拉
致被害者の方々の帰国が実現しておらず、帰国に向けた道筋も見えていないとい
うことは誠に遺憾であります。

 北朝鮮が、こうした拉致問題を初めとする人権問題に真正面から向き合い、必
死に取り組もうという姿勢を見せない中で、北朝鮮の人権問題の改善を求める国
際社会の気運はこれまでになく高まっています。

 本日早朝には、国連の安全保障理事会において、拉致問題を含む北朝鮮人権状
況について包括的に議論が行われました。また日本の吉川国連常駐代表が、拉致
被害者の一刻も早い帰国の実現を含む北朝鮮の人権状況改善に向けた誠意ある対
応を強く求めたところです。

 今月の国連総会本会議では、昨年に続いて、北朝鮮人権状況決議案が議決に付
される状況になっています。政府としては、昨年以上に多くの賛成を得るべく、
引き続き各国に精力的に働きかけていきたいと思います。また明日12日には、
イイノホールで国際シンポジウムを開催することとしています。

 こうした国際社会との連携を強化しつつ、拉致問題の早期解決につなげていき
たいと考えているところです。拉致問題の解決のためには、国民の皆さんが心を
ひとつにして、北朝鮮に対し、拉致被害者を早く返せ!と声高に訴えていただく
ことが大変大きな力です。

 11月15日の新潟での県民集会に私も参加させていただきました。家族会の
飯塚代表や横田哲也さんからもお話をいただいたことを受けて、今年の北朝鮮人
権問題啓発週間においては、国民が一体となって拉致被害者を取り戻す強い意思
を示す機会にしていきたいと思っています。

 まずその率先として、大臣、副大臣、政務官はブルーリボンバッジをしっかり
着用してほしいということを徹底しているところです。また、拉致議連の先生方
にもご協力をいただき、国会議員の皆さんがたにも、このブルーのバッジの着用
と、拉致問題対策本部が作っている拉致問題の早期解決を訴えるポスターを各議
員の地元の事務所などに是非貼っていただきたいとお願いをしたところです。

 もちろん拉致問題は政府の責任において最優先で解決すべき問題です。私も就
任以来、地方の集会等で拉致被害者のご家族や、拉致の可能性を排除できない行
方不明の方々のご家族とお会いしました。

 肉親との再会を本当に願っておられる切なる思いを直接お伺いしたところです。
そしてご家族のご高齢なお姿を拝見するにつけ、また、北朝鮮において一日も早
い救出を祈っておられる拉致被害者の方々を思うと、もはや一刻の猶予も許され
ないという思いを強くしているところです。

 政府としては、認定の有無にかかわらず、すべての拉致被害者の一日も早い帰
国を実現するため、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則をしっかりと貫きつ
つ、政府の責任において、北朝鮮から具体的な帰国に向けての動きを引き出すべ
く、全力で取り組みたいと考えております。今後とも、ご理解、ご支援、ご協力
をいただきますよう重ねて申し上げ、私の挨拶とさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました(拍手)。

西岡 ありがとうございました。今日は家族会の方々の発言の機会はありません。
今11人のメンバーが全国から来てくださいました。その場で立って皆さんにご
挨拶してください(拍手)。

 引き続き、第一部金正恩政権の現状について、自由北韓(北朝鮮)放送の金聖
●代表に後援をしていただきたいと思います(拍手)。●=王へんに文、以下同
じ。

(2につづく)



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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

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