救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝合意「再調査」−こんな問題が起きないか緊急国民集会報告2(2014/06/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.06.25)

櫻井よしこ

 どうもありがとうございました。議連の会長として、実際に北朝鮮とのやり取
りの詳細をご存じの平沼さんであればこその、実感のこもった疑問点、不安点だ
と感じました。特別調査委員会が設置された段階で、様々な制裁の解除に踏み切
るということに、少なからぬ人々が不安感を抱いていますが、それでも交渉の窓
口が開いたということをどのように見るのか。

 そしてまた交渉の窓口は、先ほどの古屋大臣のお話しでは、こちら側は外務省
の局長級だとおっしゃいました。向こうは宋日昊という人物だと。もちろん政治
と官僚の間に緊密な連絡体制ができていないはずはないんですが、こうした点も
含めて今回の5月29日の再調査合意の内容についてのコメントをいただければ
と思います。

◆実は5回目の「再調査」

西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)

 みなさんこんにちは。私は大変緊張しています。よかったなあという気持ちは
全くありません。一体どうなるんだろうか、という風に緊張しています。最悪の
場合は、生きている人たちに危害が加えられるということさえあり得るのではな
いか、と思っています。

 もちろん北朝鮮が動いたのには理由があります。北朝鮮を動かすには彼らに痛
みを与えるしかない。先にこちらが譲歩した場合には動かないんです。痛み、す
なわち制裁の力が効いて動いてきたことは間違いありませんが、だからといって
本当のことを言う保証は全くありません。

 今回彼らは再調査と言っていますが、実は5回目です。97年に7万トンの米
をもらって、行方不明者を調査すると言って、誰もいないと返事しました。20
00年に60万トンの米をもらって、調査すると言って、「拉致だ拉致だと騒ぐ
から調査を中断した」と発表しました。つまり先に物を渡した時はゼロ回答だっ
たのです。

 2002年は米を出しませんでした。アメリカの強い圧力もありました。その
中で拉致を一部認めました。一部認めましたが新たな嘘をつきました。「拉致し
たのは13人だけ。5人を返した。残り8人は死んだ」と。これは嘘です。彼ら
が出してきた「死亡」の証拠は全く信用できないものでした。今日のニュースで
外務省は150項目を北朝鮮に突きつけると言っていますが、それは2002年
の「8人死亡」に対して突きつけた質問です。これが3回目です。

 4回目は2004年の、「白紙に戻して再調査する」と言った時です。その時
出てきたのが、めぐみさんと松木さんと称する偽の骨や、名前も書いていない交
通事故の調書やでたらめなカルテだったわけです。

 皆さん方のお手元に、日本政府が作ったパンフレットがあります。日本政府は、
我々が歯がゆいくらい外交的にあまり自己主張しないんですが、このパンフレッ
トは北朝鮮側主張の問題点とあります。反論とか嘘とか書いてほしいんですが、
問題点と言っていて、開きますと、「北朝鮮側主張の問題点」とあって、「日本
政府は北朝鮮側の主張を決して受け入れることができません」と書いています。
その根拠がこれなわけです。

 「白紙に戻して再調査する」と言ってきたけれども、4回目でも受け入れられ
ない調査結果しか出してこなかったというのが現実です。じゃあ5回目に心を入
れ替えて真実を言うのかということです。

 そして我々は大変困難な課題に直面しています。安倍政権は、「認定の有無に
関わらず全員を助ける」と言っているんですが、ということは「無」の人も助け
るということです。こちらが確実な証拠を持っていない人も含めて全員助ける。
これは大変なことです。私は夜も眠れなくなります。どうしたらいいんだろうか、
と。

 国会の参考人で呼ばれた時、繰り返して申し上げました。絶対に合同調査委員
会を作ってはならない、と。北朝鮮に申告させる、日本が検証する、という枠組
みを作るべきだ、と。彼らが犯罪を犯したんですから、これが全員だという証拠
を彼らが我々に提出すべきだ。そして満足できなければ、突き返す。既にそうい
うことを4回やったわけです。

 4回についてすべて満足できないと行って5回目が来るわけです。テレビの解
説者や週刊誌では、「あと何人出てくるだろうか」と言いますが、本当に腹が立
ちます。今、犯人が人質をとって立てこもっているんです。警察が全員返せと交
渉しているんです。その時、「人質の内5人帰ってくればいいですよね」と。後
は殺してもいいということですか。犯罪なんですよ、これは。外交交渉じゃない
んです。

 何人かでいいということではない。全員取り戻すということについては絶対に
譲歩の余地がない。100−0なんです。白黒なんです。それなのにあたかも外
交交渉のように何%だったらいいということを言っている。

 特に私は外務省の方々に言いたい。「外交交渉じゃないですよ」と。彼らを動
かすためには餌が必要だ、ということをおっしゃいます。しかしそれは、全員を
取り戻すという前提でなければならない、ということです。

 そういう観点から今回の合意文を見ますと、一応合同調査委員会にはなってい
ない。皆さんの手元に合意文がありますが、裏を見ると、「北朝鮮側がすること」
の第5に、「拉致被害者及び行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報」
することになっています。北が調査し通報するんです。

 そして第6に、「調査の進捗に合わせ、日本側の提起に対し、それを確認でき
るようにする」とあります。日本側がすることの第6に、「調査の過程において
提起される問題を確認するため」となっています。北朝鮮が通報し日本が確認す
るという枠組みは一応確保されました。

 但し心配なのは、合意文の前文に、「全ての日本人に関する調査を包括的かつ
全面的に実施し、最終的に日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した」
と言っています。今回の調査が最終だと言っています。今回の調査で我々が納得
できないと言っても、「再調査をする考えはない」とも読めます。そんなんじゃ
だめなんです。

 犯人なんですから、「これが全員だ」ということを我々に納得させる責任があ
る。そこについては絶対に譲ってもらっては困る、と強く思っています。

 テレビなんかを見ていると、外交交渉のように扱って、「小泉さんは5人取り
戻したから安倍さんは6人以上でなければ業績になりません」などと言っている
人がいるんです。こんなバカな話はない。じゃあ日本人が1人でも北朝鮮の地に
残っていて、それで終わりと言えるのか。人質事件なんだ、と。犯罪、テロなん
だ、と。我々は犯人と今交渉してるんだ、と。

◆また偽遺骨なら、日本の技術でいつ死んだのかが分かる

 ここに対策本部の方々が来ていらっしゃいますが、なぜ対策本部を作っていた
だいたか。井上(義行)先生等にも手伝っていただいて作っていただいた。外務
省に任せておくと、外交交渉になってしまうからです。そうではなくて、警察の
人もいる、専門家がたくさんいる対策本部を外務省の外に作ってもらったんです。

 まだまだ何が起きるか全く分からない。先ほど人質が傷つけられる恐れもある
と申し上げました。北朝鮮は日本のDNA鑑定技術を調査している、という情報を
私は入手しました。安倍総理も2004年に、「もうこれ以上証拠を出せと言っ
たら危ない。腕を一本切って本物の『遺骨』を出してくるかもしれない」とおっ
しゃいましたが、日本の技術では、その骨が誰の骨かだけではなく、いつ死んだ
のかも分かるんです。

 「94年に死んだ」と発表した骨が2012年に死亡だったら虐殺です。絶対
許せない、と言ってきたんですが、彼らは日本の「死亡時期鑑定技術」について
調査をしているという情報を入手して大変緊張しています。

 ここに(北に)通じる人がいるかもしれない。言っておきますが、あなたたち
は全部は知らない。日本の中にはまだ公開されていないDNA鑑定技術があるんで
す。2004年以降10年経ったんです。あの時は一度だまされたが、今変なこ
とをしたら取り返しのつかないことになりますよ、と言っておきたいと思います
(拍手)。

櫻井よしこ

 どうもありがとうございました。このような危機感を拉致に関わるすべての人
に持っていただいているとは思いますが、今の西岡さんの発言を心に刻みたいと
思います。次に荒木さんにも日朝の合意文書についてコメントをいただきたいと
思います。荒木さんは特に特定失踪者の問題に心血を注いでこれまできています。
宜しくお願いいたします(拍手)。

◆北朝鮮は山賊、まさに外交交渉が成り立たない国

荒木和博(特定失踪者問題調査会代表、拓殖大学教授)

 私たちは今週金曜日に緊急理事会を開き、今後のことについて議論をしていく
予定です。総理、官房長官、大臣への要請ということも含めて検討しています。

 今回の合意についてですが、5月29日の発表の日に私たちが記者会見をして
発表したことが基本です。こういう事態には私たちはほとんど何の意味もないと
思っています。今、平沼先生や西岡さんが言われたように、北朝鮮というのは端
的に言えば山賊であって、まともに約束を守る国ではない。まさに外交交渉が成
り立たない国です。

 94年の核の合意以来、アメリカも含めて世界中の国が北朝鮮にだまされ続け
てきた20年間を忘れてはいけない。軍事的な圧力をかけられる国でさえそうし
てくるわけですから、我が国が簡単にことを進めることはできないと考えておい
た方がいい。

 ともかく外交交渉ではないということは、つまり山賊相手に交渉をするという
ことですから、宋日昊も背広を着ている山賊だと思って、その山賊相手にどうい
うことを言えば山賊が言うことを聞くかということしかないんだろうと思います。

 元々我々の認識では、再調査というのは、あくまで北朝鮮の面子を立ててやる
という日本側の温情であって、調べたら出てきましたということにしてやるとい
うこと以外の意味はない。いわんや1年間という期間は全く必要がなく、今日突
然話が出てきても全く不思議ではないと思っております。

 もう一つは、西岡さんの話でも少しありましたが、何人か帰ってくればすむと
いう問題ではない。それは進展であってしなければならないことですが、一気に
全部帰ってくるのは難しいということで何人かが帰ってくるということはあった
としても、それで終わりになってしまってはいけないということです。

 12年前のことを覚えている人があまりいなくなった。救う会全国協議会の中
でやった人間で残っているのは西岡さんと私ぐらいです。あの時の怒涛のような
状況というのは今から思い出しても想像がつかないようなことですが、何人かが
帰ってきただけでそういう状況は起こり得る。それによって、すべてを取り返す
という一番大事な本質がすっ飛んでしまう可能性があります。

 これは、ここにおられる方々はそんなつもりはないのでそんなことはないと思
われるかもしれませんが、いったん始まってしまうと大変なことになります。そ
の中で方向性を維持するというのはものすごく大変なことだろうと思います。そ
の点は覚悟をしておく必要があるだろうと思います。

 拉致問題でハッピーエンドは絶対にありえません。これも何度も言っています
が、拉致問題の完全解決というのは、例えば横田めぐみさんであれば昭和52年
11月15日に時計の針を戻して、寄居中学からバトミントンの練習の帰りに無
事に自宅に戻ること、それが完全解決ですが、それ以外の完全解決はありえない。

 今帰ってきている蓮池さんや地村さんたちであっても24年間、日本に戻って
くるまでの間に奪われたものは取り返すことはできない。だからそこにどこまで
近づけるかという努力というのは、おそらく限りなくこれから先も続くものだと
いうことを覚悟しなければいけません。

 それから5人が帰ってきて二月経ってから新潟で5人が一緒になった時、私も
当時救う会の事務局長でしたが、あの当時家族会の事務局長をやっていた蓮池透
さんと話をしていて、透さんが弟の薫さんに、「お前なんで北朝鮮にいた時のこ
とをちゃんとしゃべらないんだ」と言った。薫さんは、「兄貴もし、俺が全部しゃ
べって兄貴が耐えていられるんだったらしゃべってやるよ」という言い方をした
と言っていました。彼はおそらくそういう地獄をずっと見てしまったんだろうと
思います。

 これから帰ってくる方も、おそらくそういうものを見ているはずであって、そ
して様々なことが当然向こうで起きているはずですから、それは我々がどんなこ
とをやったってこの問題のハッピーエンドはありえない。それでも今解決しなけ
ればならないんだということになるのであろうと思います。

◆強い国家意思、そして国民の覚悟が必要

 そのためには我々一人ひとりが、これは議員であろうが、官僚であろうが、国
民であろうが、運動体の人間であろうがそこは覚悟を決めなければいけない。先
ほど古屋大臣が、「北朝鮮が嘘をついたら許さない」という言い方をしていまし
たが、北朝鮮に対して、彼らが本当に許してくれていないということを理解させ
るためには、平壌に爆弾を落とすこと以外に方法はありません。これは冗談じゃ
ないです。それくらいのことをしなかったら、日本は本当に許さないという覚悟
を持っているとは思わないだろうと思います。

 その覚悟を我々が持てるかどうか。現実にどうするかということより前に、そ
ういうことが場合によっては起こらざるをえないという覚悟を持っていなければ
相手側がまともに交渉に応じるはずはないということだろうと思います。

 帰ってくる人の名前が何人かマスコミに出たりしていますが、北朝鮮は何年も
前から考えていることで、何人か帰ってくるということはありえると思いますが、
そこでおしまいにすることは絶対にできないことです。

 しかも、向こうに行っている方の中には、自分の意思で行って帰れなくなった
人、これは有本さんみたいにさまされてというケースではなくて、ある程度北朝
鮮にシンパシーを感じた。しかし行ってみて、こんなはずじゃなかったけど帰れ
なくなったとか、様々な理由で向こうに行っている方がいると思います。これを
全部取り返してくるというのはもう一つ別の苦労が当然必要になります。

 しかし、我々は国家の意思として、向こう側に日本の法律に沿わない形で行っ
て暮らしている人というのは、ともかく本人が嫌だと言おうが何と言おうがすべ
て日本に取り返す。そして日本で物を考えさせて、それでも北朝鮮に戻りたいと
いうのであればそういう風に考える。それだけの強い国家意思がなければいけな
いと思います。

 これは日本国内でも相当の反発が起きることが考えられますが、それを押し切
らなければいけない。これは相当大変なことです。オールジャパンでやらなけれ
ばいけないのですが、2002年の小泉訪朝の時に、あれが何でうまくいったか。
ある意味で、私たちは拉致問題の棚上げをして国交正常化は許さないということ
をずっと言い続けてきた。国民の意思がそこにあった。

 一方で当時の政府は、できれば棚上げをしてでも国交正常化をやりたいという
のがあった。実は2つあったから成功した。我々だけなら相手が話に乗ってくる
はずがない。そして政府だけがやったら間違いなく拉致問題は棚上げをされてい
た。政府が交渉して、北朝鮮側にこれで棚上げにすると事実上言ったに近い状態
になっていた。だから向こう側はそれに応じてきた。しかし、それに対して国民
の意思が許さなかった。

 ある意味で、別に共同謀議をしたわけではありませんが、その2つの流れがあっ
たから北朝鮮側は交渉に応じ、なおかつ返してきたんだろうと思います。相手は
山賊ですから、どんな嘘でもつくかわりに、自分たちに都合が悪かったとなれば、
全部今まで嘘でしたと平気で言う国だと思います。

 だから意外と出口は近いところにあるのかもしれません。いずれにしても問題
はこちらの意思と力だろうと思います、そのことの覚悟を是非共有していただき
たいと思います(拍手)。

(3につづく)


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