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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮は今どうなっているのか−東京連続集会79報告6(2014/05/30)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.05.30-2)

以下は、5月23日に、東京・文京区民センターで実施した東京連続集会79
のご報告です。

■北朝鮮は今どうなっているのか−東京連続集会79報告6

◆個別的自衛権での対応は、最も危険な、立憲主義に反する解釈改憲

西岡 自国民保護は集団的自衛権ではないわけですよね。アメリカに頼まなくて
も自衛隊法を改正してできるようにするというのは、法制懇を通さなくても、今
の解釈で十分できるのではないかと思いますが。

潮 まさにその解釈だと思いますが、それについてのこの報告書のポイントは
「集団的自衛権」の○印の部分です。「憲法第9条の規定は、我が国が当事国で
ある国際紛争の解決のために武力による威嚇又は武力の行使を行うことを禁止し
たものと解すべきであり、自衛のための武力の行使は禁じられていない」という
解釈に立てばそうしたことも許されることになるわけですが、実はそこの部分は
安倍総理の会見で明確に却下されてしまったんです。

 従って、安倍総理の会見をもとにした今後の可能性を考えると、先ほど申し上
げましたが、「その事態が我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性が」ない時
には集団的自衛権も行使できないし、もちろん個別的自衛権も行使できないこと
になります。

 ちなみに、パネルの「法人輸送中の米艦防護」の話について、例えば「NHK」
や「朝日新聞」などは、「必ずしも集団的自衛権を持ち出す必要はない。個別的
自衛権で説明できるのではないか」と報道しています。あるいは、与党の公明党
もそうした立場だと報道されています。

 実はそのことについても、報告書ははっきりと反論を書いています。というの
は、仮にこういうケースで日本の自衛艦が発砲するということになると、国連の
安全保障理事会に報告する義務が、国連加盟国として生じます。

 その際に、「NHK」、「朝日」、公明党様の意見が今後通るのであれば、個
別的自衛権として武力を行使したという報告になるわけですが、そんなことをし
たら、国連安保理が「お前ら馬鹿か」と言う。つまり国際社会では通用しないわ
けです。

 報告書はこういう文言でその議論を諌めています。「仮にそのようなことが許
されるのであれば、そうした各国それぞれの整理が横行することになり、返って
危険な議論になる」、つまり国際社会の常識で集団的自衛権だと見なされるケー
スを個別的自衛権として対応することは、実はそれこそが最も危険な、立憲主義
に反する解釈改憲と非難されるべきことと私は思います。

◆「自衛隊の特殊部隊を投入することは憲法の解釈上できない」と安倍総理

西岡 潮さんは安保の専門家ですから言いたいことがあることはよく分かるんで
すが、ここは拉致の集会ですので、拉致に話を戻しますと、私の理解では、安倍
政権になって新担当大臣のもとに与野党協議会が置かれて、野党も含めて各党の
代表が拉致問題について意見交換する協議体ができました。

 そこで被害者を救出できるように、自衛隊法を改正すべきだという議論が行わ
れてきたと理解しています。また、拉致議連や自民党の拉致対策本部の中でもそ
ういう議論がなされているのを私は目撃しています。

 実はそのもとになったのが、ここにいる3人が主要メンバーでもある、櫻井よ
しこさんが理事長の国家基本問題研究所が出した政策提言で、自衛隊法を改正し
て、あるいは特措法を作って、朝鮮有事の際に被害者を自衛隊が救出できるよう
にすべきだ、そのためにこういう骨子の法律が必要という提言をしました。

 その時の我々の議論の中では、そのことは憲法違反ではないという立場で議論
をしましたし、与野党協議会でも、民主党も含めて議論をしているわけです。公
明党も入ったところで議論されているわけです。議論されたことが認めたという
ことにはなりませんが、法制懇の4つのポイントとは別に進んできた、自衛隊を
使った被害者救出のための法的整備の問題と、この報告書、あるいは安倍政権が
今やろうとしていることの関係をどう整理すればいいでしょうか。

潮 その点については今年の国会で議論になり、安倍総理が答弁をされています。
その際、「自衛隊の特殊部隊を投入することは憲法の解釈上できない」と、国会
で総理として明言されています。その経緯を踏まえると、この問題が前向きに解
決されていくという可能性はほとんどない。残念ながらそう言わざるを得ないの
ではないかと思います。

 総理会見では、憲法の平和主義ということを、例えば2番目の「軍事的措置を
伴う国連の集団安全保障措置」の提言を却下する論拠としても用いられているわ
けですので、おそらくその方向に向かって進むことはないだろうと、残念ながら
思います。

◆救出作戦が法律上可能でないと、装備は買えず演習もできない

西岡 惠谷さんに聞きたいんですが、先ほどもいいましたが、自衛隊を使って被
害者を助けることでAとBがあるわけです。金正恩政権あるいは朝鮮労働党独裁
政権が健在であり、治安が維持されている中で、特殊部隊を使って日本単独で助
け出す作戦Aと、混乱事態が起きた時に米韓軍が動き、もしかして中国軍も出動
しているかもしれない、北朝鮮に内戦が起きているかもしれないような中でどう
助けるかというBと二つあります。

 それらについて、法律のことは置いとくとして、今の自衛隊の実力で、これは
日本政府の情報機関の実力も含めてですが、助けることは可能ですか。

惠谷 まず作戦A、つまり平時において、例えばめぐみちゃんの居所が分かった
ということで救出作戦をしても実施は非常に困難です。それは模擬実験なども色
々やって、平時は基本的に無理だという結論です。

 しかし作戦B、有事の場合、何らかの混乱状態が北朝鮮で起きた場合、あるい
は南に侵攻しそうだというような場合、つまり北朝鮮に混乱が予想される場合、
これもシナリオを書いて考えたことがありますが、これは十分に可能だと私は考
えています。

 現状は法的な制約がありますが、しかしそれでも、現状のままでも、軍事的、
技術的に可能だと思います。

西岡 軍事的、技術的に可能なことを、総理が憲法解釈でやろうとしていないと
いうことが潮さんの批判ですか。

潮 そうですね。よく集団的自衛権でこういうことが言われます。「限定的であ
れ集団的自衛権の行使を可能とするように憲法解釈を変更、修正する」と。これ
と実際に集団的自衛権を行使することはもちろん別次元の話です。

 そして石破幹事長などがよく説明で用いられるのは、現に個別的自衛権だって
今行使できる解釈になっており、その能力もあるわけですが、現に一度も行使し
たことがないじゃないか、と。

 集団的自衛権だって実際に行使するなんてことは滅多にある話じゃない、とい
う形で理解を求められているわけですが、まさに拉致被害者を自衛隊によって保
護・救出するという作戦を可能とするよう、仮にそれを阻害するような憲法解釈
があれば改めるということと、実際にそういう作戦を行うということは別次元の
話なんです。

 ただ、法律に関わったものとして申し上げておきたいのは、これは昨年末の政
府主催のシンポジウムでも申し上げ、それが「産経新聞」の記事にもなったんで
すが、できるという法的な基盤があるかないかは決定的に重要なんです。

 現在はないわけです。だから自衛隊はそのための訓練を、少なくとも白昼堂々
とすることはできません。隠れてこっそりやるなら別でしょうが。あるいはその
ために必要な装備などの予算も要求することができないわけです。

 例えば、イラク派遣の時に最初に派遣された航空自衛隊の輸送機は十分な防護
装備がなく、いわば丸腰の状態で派遣されました。なぜかというと、防衛相が求
めた事前の命令を当時の官房長官が発令しなかったから予算要求する根拠がなかっ
たのです。

 拉致被害者を救出する作戦においても、実際にやるのであれば、必要な装備と
して、いわゆるノン・リーサル・ウェポン、相手を殺害しない、あるいは不必要
な障害等を与えない兵器がこうした作戦には必要だということが、第1次の陸上
自衛隊の特殊作戦群長がインタビューで述べています。実はその時の聞き手が私
だったんですが、なるほどなと思って聞きました。

 仮にそういう装備が、いざ作戦の時に必要ですと予算要求しても、それは何法
の何条に基づきますかとか、まだ法律ができていませんのでそんなものは通りま
せんね、ということになります。

 必要な装備も買えない、必要な訓練もできない以上、仮に法律ができても、今
日明日やれと言われても、それはいくら何でも自衛隊はできないという結論にな
るでしょうから、まず自衛隊に在外邦人を保護・救出するという任務・権限を与
えることがこの問題の解決につながる一番緊要なポイントではないかと思います。

◆せめて拉致情報を知る連絡官が米韓軍に同行を

西岡 そこで報告書に戻りますが、3番目の「在外自国民の保護・救出」が指摘
されているので、これが与党協議の中で、あるいは国会の議論の中でどういう議
論になるのか。報告書には拉致という表現はなかったわけですが、注目し続けた
いと思います。

 一方、私は評価している部分もあります。独裁政権な健在な時の作戦Aは技術
的にも難しい。まず場所が分からない。何人いるか分からない。情報機関がなけ
ればならないということも含めてなかなか難しい。

 しかし、作戦Bは、Bの1と2があります。Bの1は混乱事態になった時に自
衛隊が助けにいくことですが、Bの2は米韓軍が展開する時に、米韓軍が実際に
助ける。そこに自衛隊あるいは対策本部、警察かもしれないし、内閣情報室かも
しれませんが、情報を持っている、連絡ができる連絡官が一緒に行く。

 ここには被害者がいそうだということになったら、「トマホークを撃たないで
ください」と。武装解除を陸戦でやってほしい、と。例えば金正日政治軍事大学
にはテロリストがいるわけです。ものすごく強い。そういう人たちを陸戦で武装
解除するのは大変難しい。彼らは犯罪者でもありますからトマホークを撃って安
全にしてから行くということが作戦計画に入っているとすると、そこには被害者
がいる可能性がかなりある。

 自衛隊が助けに行くと言っても、トマホークで撃たれちゃうかもしれないわけ
ですね。Bの1をやろうとしても、4年前の12月の国際シンポジウムで、韓国
軍の専門家の国防研究所の室長に来てもらって話を聞きましたが、「自衛隊に来
てもらったら迷惑だ」と。「米韓軍が作戦をしている時に、軍事作戦情報を共有
できない部隊が勝手に動かれたら迷惑だ」と。「撃たざるをえなくなるかもしれ
ない」、「敵だと間違えることが十分起こり得る」、「しかし同盟国ではないか
ら作戦情報は流せない」と言われました。

 そういうことも含めて、日米間の戦略的役割分担の中で、潮さんは半分しか認
めなかったと言われましたが、それでも半分認められるようになって法整備がさ
れれば、米韓軍に恩をきせることはできる。

 アメリカや韓国が全然助けてくれなかった。「邪魔だった」と言われるのなら、
こちらが「めぐみさんを助けられる作戦計画を作れ」と言ってもやらないでしょ
う。

 実は家族会・救う会では何回も訪米していますが、その度ごとに国防総省を訪
問しています。そしてこういうことを言っています。「5029という混乱事態
の作戦計画があるでしょう。その中に被害者を助けるという作戦計画が入ってい
ますか」と。

 すると、国防総省の課長とかいう人が、「西岡教授、あなたの言うことはよく
分かった。しかし、作戦の内容は秘密だ」と。しかし、何を言っているのか分か
らないという目つきではなかった。少なくとも第一次安倍政権以降、政府レベル
でそういう対話がなされていると間接的に私は察知しています。

 しかし、アメリカまで届くミサイルを日本が撃ち落とす技術を日本が持ってい
るのに撃ち落とさないというような国がいくら頼んだって、危険を冒した武装解
除の作戦計画を少し変えてくれるのか。それさえも今できていなかったんです。
そして安倍政権でなかったら、ここまでも動かなかった。これだけでもやっても
らわないと困る。

 しかし、アメリカの艦船が日本人を助けてくれるときに、それを守ることさえ
できない。日本がアメリカ人も含めて助けますよと輸送くらいすれないいと思い
ますが、そういうことを後方支援の部分でやって、あと戦費の問題、武器弾薬の
補給の問題をかなりの部分る。

 その代り、こことここにはいる可能性があると。そこに日本の連絡将校が一緒
に行って、陸でまず「めぐみさんいますか」というようなこともやり、「います」
と言って武装したゲリラが出てくるかもしれない。それはぎりぎりの所ですが、
これは本物かもしれないという時、アドバイスできる人間を行かせるようなこと
は今の枠組みでもやってもらいたい。

 本来なら、有本さんのお父さんがいつもおっしゃっているように憲法改正する
ことが正しい姿だと私も思いますが、その政治課題は別として、被害者はいまで
も助けなればならないわけです。

(7)につづく


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