救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田早紀江証言 (議会提出文書)(2006/04/27)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2006.04.27)

 横田早紀江さんが米下院で証言するに当たり提出した文書をそのまま送らせて
いただきました。また、時間の関係で朗読用の文書は短くしてありますが、それ
も併せて掲載させていただきました。島田洋一副会長の証言文書は英文につき、
救う会ホームページの「English」に掲載します。

■横田早紀江証言 (議会提出文書)

 2006年4月27日下院国際関係委員会アジア太平洋小委員会・国際人権小
委員会共催「北朝鮮:人権最新状況と国際拉致」公聴会

横田早紀江証言

 本日はこのような貴重な機会を与えてくださったリーチ委員長、スミス委員長
をはじめとする米議会の議員先生方に感謝いたします。

 私は、今から29年前1977年11月に13歳で北朝鮮に拉致された横田め
ぐみの母、横田早紀江でございます。

 めぐみが中学校からの下校途中に行方不明になってから、どうしていなくなっ
たのか分からない長い長い20年間の苦悩の日々を過ごしてまいりました。めぐ
みが北朝鮮の工作員によって拉致され、北朝鮮平壌郊外の工作員養成学校「金正
日政治軍事大学」で工作員の日本人化教育の教員をしている、という情報が入っ
たのが、20年たった1997年のことでした。

 こんなに長い間、このような大変なことがどうして分からなかったのだろうと
感じつつも、私たちは、それでもめぐみが生きていたのだ、すぐにでも会えると
いう思いで大変喜びました。けれども、北朝鮮にいると分かってから、今日まで
9年以上が過ぎたのに、まだ救出できないままです。なぜ、助けられないのか、
口惜しくて、悲しくてたまりません。

 一貫して「日本人拉致」を否定してきた金正日は、2002年9月の日朝首脳会談
で、一転して13人だけの拉致を認めました。北朝鮮が拉致した日本人は13人ど
ころではありませんが、彼らは、数多くの被害者について、いまだに拉致したこ
とさえ認めていません。拉致の疑いがあるとして家族などが調査を依頼している
ケースが450人以上あります。日本政府はそのうち30人以上について北朝鮮
との外交交渉で名前を挙げて追及しました。

 娘「めぐみ」と、本日家族がこの席に来ています田口八重子さん、増元るみ子
さん、市川修一さん、ら8人は、死亡と通告されましたが、北朝鮮が8人の死亡
の根拠として提供した、医師の署名入りの死亡診断書、病院死亡台帳、警察作成
とされる交通事故調書などは、日本政府の精査の結果「すべて信じるに値しない」
ものでした。一昨年11月「めぐみの骨」とされるものが、日本政府により持ち帰
られましたが、日本の高度なDNA鑑定により全く他人で年齢も違う二人の骨で
あることが証明されました。松木薫さんのものとされる遺骨も本人のものではな
いという鑑定結果が出ています。

 これは一昨年11月、偽遺骨とともに日本政府に提供された、拉致直後のめぐみ
の写真です。この寂しそうな顔を見て、私は思わず写真をなぜながら「めぐみちゃ
んこんなところにいたの。どれほど不安だったでしょう。まだ助けてあげられな
くてごめんなさい」と話しかけました。本日、一緒にこちらに参っていますめぐ
みの弟、拓也ももう一人の弟とともに、この写真を見て男泣きに泣きました。

 2002年9月の日朝首脳会談後、めぐみの娘、私たちの孫であるキム・ヘギョ
ンさんの存在が明らかになりました。今月11日にはめぐみの夫、そして私たち
の孫の父が、実は「韓国の拉致被害者」であるキム・ヨンナムさんであることが、
DNA鑑定で証明されました。キム・ヨンナムさんは、めぐみが拉致された1年
後の1978年、16歳高校生で拉致されています。ヨンナムさんをはじめ5人
の韓国の高校生が拉致されたことが分かっています。ところが、北朝鮮はいまだ
にヨンナムさんら韓国人を拉致したことを一切認めていません。

 あまりにも数々の嘘、偽りを言い続けながら、開き直っている北朝鮮に憤りを
覚えます。罪なく、このような理不尽な国家テロの犠牲になって、今も長期にわ
たり監禁され助けを求めている世界の12カ国に及ぶ多くの被害者を助け出さねば
なりません。ひどい人権侵害に苦しんでいる北朝鮮の人々も助けなければなりま
せん。亡命工作員の証言によると、娘は工作船の暗い船底に閉じ込められ「お母
さん、助けてお母さん」と壁をかきむしって、絶叫し続けて、暗い海を運ばれた
といいます。それから4半世紀を越え、既にどの親も老齢のため、残された時間
は多くありません。

 そして、あの国がいかに凶暴であり、人の命を何とも思っていないようなとこ
ろであるということはもう世界中が知っています。貴国のブッシュ大統領が、
「悪の枢軸」と言われる通りです。たくさんの日本の、韓国の、また多くの国の
何の罪もない若者たちが数十年間も抑留され、向こうの思ったように動かなけれ
ば強制収容所や、銃殺刑にされるかもしれない中で、一刻一刻助けを待っている
のです。まだおぼれたままでいるのです。おぼれた人がいれば、私たちはすぐに
でも手を差し伸べるのではないでしょうか。ほかの色んな用事をまずおいて、飛
び込んで助けるのが人の心ではないのでしょうか。

 私たちは、本当にもう心身疲れ果てておりますけれども、子どもたちが助けを
求めている間はどんなことがあっても倒れることができません。日本の国民、全
世界の自由を愛する国民の総意で、「怒っている」と北朝鮮に態度を示していた
だきたいと私は願っています。「拉致は許せない。全被害者をすぐに返しなさい。
それがないなら経済制裁を発動します」とはっきりと言っていただきたいのです。

 先月には、トーマス・シーファー米国駐日大使がわざわざ新潟の「めぐみ拉致
現場」をご視察くださり、拉致のむごさを身をもって感じ「私の人生の中でもっ
とも悲しい話の一つだ」とお語り下さいました。子供たちの失われた年月は取り
戻せませんが、世界各国から拉致されたすべての被害者たちを助け出し、これか
らの人生を自由の地で過ごさせてやりたい、それが私たち家族の心からの願いで
ございます。何とぞ、米国議会、政府、国民の皆様のお力添えをお願いいたしま
す。
 ありがとうございました。


■横田早紀江証言(実際に公聴会で読み上げた文章、時間の関係で提出文書の約
半分を読み上げた)

横田早紀江公聴会朗読予定原稿
 本日はこのような貴重な機会を与えてくださったリーチ委員長、スミス委員長
をはじめとする米国議会の先生方に感謝いたします。私は、今から29年前19
77年11月に13歳で北朝鮮に拉致された横田めぐみの母、横田早紀江でござ
います。

 めぐみが中学校からの下校途中に行方不明になってから、どうしていなくなっ
たのか分からない長い長い20年間の苦悩の日々を過ごしてまいりました。めぐ
みが北朝鮮の工作員によって拉致されたという情報が入ったのが、1997年の
ことでした。

 私たちは、めぐみが生きていたのだ、すぐにでも会えるという思いで大変喜び
ました。けれども、北朝鮮にいると分かってから9年以上が過ぎたのに、まだ救
出できません。なぜ、助けられないのか、口惜しくて、悲しくてたまりません。

 金正日は、2002年9月の日朝首脳会談で、一転して13人だけの拉致を認めまし
た。北朝鮮が拉致した日本人は13人どころではありませんが、彼らは、数多く
の被害者について、いまだに拉致したことさえ認めていません。拉致の疑いがあ
るケースは450人以上あります。

 娘「めぐみ」と、本日家族がこの席に来ています田口八重子さん、増元るみ子
さん、市川修一さん、ら8人は、死亡と通告されましたが、「めぐみの骨」とさ
れるものなど北朝鮮が8人の死亡の根拠として提供したものは、日本政府の精査
の結果「すべて信じるに値しない」ものでした。

 これは一年半前、偽遺骨と一緒に日本政府に提供された、拉致直後のめぐみの
写真です。めぐみは歌の好きな明るい少女でした。この寂しそうな顔を見て、私
は思わず写真をなぜながら「めぐみちゃんこんなところにいたの。どれほど不安
だったでしょう。まだ助けてあげられなくてごめんなさい」と話しかけました。

 めぐみの娘、私たちの孫であるキム・ヘギョンさんの存在が明らかになり、今
年4月にヘギョンさんの父親が「韓国の拉致被害者」キム・ヨンナムさんである
ことが、DNA鑑定で証明されました。ヨンナムさんは16歳高校生で拉致されま
した。北朝鮮による拉致被害は、日本、韓国だけでなく、中国、タイ、レバノン、
フランスなど12カ国に及んでいます。

 亡命工作員の証言によると、娘は工作船の暗い船底に閉じ込められ「お母さん
助けて。お母さん助けて」と壁をかきむしって、絶叫し続けて、暗い海を運ばれ
たといいます。

 めぐみたちはまだ元気であちらにいるのです。本当にもう心身疲れ果てており
ますけれども、子どもたちが助けを求めている間はどんなことがあっても倒れる
ことができません。

 子供たちの失われた年月は取り戻せません。世界各国から拉致されたすべての
被害者たちを助け出し、これからの人生を自由の地で過ごさせてやりたい。ひど
い人権侵害に苦しんでいる北朝鮮の人々も助けなければなりません。

 世界が心を合わせ「拉致は許せない。全被害者をすぐ返しなさい。それがない
なら経済制裁を発動します」とはっきりと言っていただきたいのです。それが私
たち家族の心からの願いでございます。

 米国議会、政府、国民の皆様のお力添えをお願いいたします。ありがとうござ
いました。



 ※小泉首相宛、はがき・メールを!(〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内
閣総理大臣 小泉純一郎殿、首相官邸のホームページ=
http://www.kantei.go.jp/の右下の「ご意見募集」欄を利用)



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