救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」全記録6(2012/09/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2012.09.07-6)

■「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」全記録6

荒木和博 最近あちこちで嫌われております荒木でございます(笑)。これから
まず、特定失踪者の、今日21家族27人が全国各地からお出でいただいていま
す。ご紹介をさせていただきたいと思います。
(演台の前の舞台前面に移動する特定失踪者のご家族に開場から拍手)

 それでは失踪の順番でご紹介をさせていただきます。

昭和36年10月1日、神奈川県失踪された齋藤正治さんの弟さん齋藤良司さん。
昭和37年4月、千葉県で失踪された加瀬テル子さんの親戚仲條富夫さん。
昭和43年4月、東京都千葉県で失踪された早坂勝男さんのお兄さんの勇治さん、
弟さんのえなきちさん。
昭和44年7月27日、静岡県で失踪された大屋敷正行さんのお姉さんの山口幸
子さん、姪の岩田なおみさん。
昭和46年4月、愛媛県で失踪された山下綾子さんの従妹の長島清志さん。
昭和47年5月13日、富山県で失踪された荒谷敏生さんの妹さん矢島文恵さん。
昭和47年11月1日、東京都で失踪された生島孝子さんのお姉さん生島馨子さん。
昭和48年7月7日、千葉県で失踪された古川了子さんのお姉さん竹下珠路さん。
昭和49年2月24日、新潟県で失踪された大澤孝司さんのお兄さん大澤茂樹さん。
昭和51年2月7日、埼玉県で失踪された藤田進さんの弟であり、昭和35年に
東京で失踪された藤田慎さんの甥である藤田隆司さん。
昭和51年7月30日、東京都で失踪された高野清文さんの妹さん高野美幸さん。
昭和52年5月21日、埼玉県で失踪された新木章さんの弟さん新木博さん。
昭和59年4月2日、福井県で失踪された河合美智愛さんのお母さん河合喜代子
さん。
昭和59年6月4日、山梨県で失踪された山本美保さんの妹さん森本美砂さん。
昭和60年12月4日、兵庫県で失踪された秋田美輪さんのお姉さん吉見美保さ
ん。
平成3年3月28日、韓国で失踪された大政由美さんのお母さん大政悦子さん。
平成8年4月14日、愛知県で失踪された安西正博さんのお父さん安西茂雄さん。
平成9年4月24日、福井県で失踪された宮内和也さんの義理のお兄さん澤香苗
さん。
平成10年4月6日、韓国で失踪された中村三奈子さんのお母さん中村クニさん。
平成13年9月13日、東京都で失踪された後藤美香さんのお父さん後藤日出男
さん。
平成14年3月3日、東京都で失踪された宮本直樹さんのお父さん宮本正栄男さ
ん、お母さんはるみさん、お兄さん剛志さん。
順番が前後しますが、
平成元年12月27日、福井県で失踪された山下貢さんのお母さん山下キヨ子さ
ん、妹さんの山森啓子さん。

 そして特定失踪者のご家族の代表として、本日最高齢90歳、山下貢さんのお
母さん山下キヨ子さんお願いいたします(拍手)。

山下キヨ子 みなさん、こんにちは。福井県の敦賀からまいりました。私は息子
を探しています。息子は失踪して23年になります。きっと北朝鮮に元気でいる
ものと私は信じておりますが、もう歳になりましたので、この目が見えて、耳が
聞こえて、この足で歩ける間に、なんとか会いたいと頑張っております。

 どうぞ皆様方の温かいご支援を宜しく、宜しくお願いいたします(拍手)。

荒木和博 以上21家族27名の特定失踪者のご家族が今日はご参加をされてお
られます。時間の関係がありますので、簡単に申し上げます。

 先日、8月9日の救う会の集会で、増元照明さんに当てて蓮池祐木子さんから
お手紙がありました。ご覧の方もおられると思いますが、その中に、蓮池さんは
拉致をされてからまもなく、平壌の駅の近くのアパートで増元るみ子さんと共に
約1年間を暮らした、と出ていました。

 今日お姉さんもお見えですが、特定失踪者の生島孝子さんと思われる女性が、
やはり韓国人でドイツからだまされて北朝鮮に入った呉吉男博士に目撃をされた
のが、まさにこのアパートでございます。

 両者が一致をするかどうかを今確認しておりますが、ほぼ99.9%間違いな
いであろうと思います。しかし、このことについてご家族にはこれまで 一切伝
えられていませんでした。

 平壌駅前のこのアパートというのは、隣が高麗ホテルで、日本人やあるいは在
日の方々も多数泊まるところです。おそらく平壌に行った人の中で、増元るみ子
さん、あるいは蓮池祐木子さん、そして生島孝子さん、またそれ以外の拉致被害
者、特定失踪者ももちろん含めてですが、そういう方々を見た方が必ずいる筈で
す。

 これまで政府がこれを聞いて、事実上何もしてこなかったことについての責任
は、週明けから我々としてとっていこうと思いますが、ここにお出での方々、特
にマスコミ関係の方などにおかれましては、このアパート周辺に行かれた人で、
どこか日本人と思われるような人を見た人がいないか、もう1回是非とも情報の
収集をお願いをいたしたいと思います。

 もう1件、既に国会で、今日お見えの古屋拉致議連幹事長あるいは渡辺義彦議
員などから、質問主意書等やっていただいておりますが、山本美保さんに関わる
DNAデータの偽造事件に関して、様々なことをやっておりますが、警察庁の幹
部はどんなことを言っても逃げ回るばかりです。

 いつまでも逃げてばかりいないで、そして裏でつまらない動きなどしないで、
正々堂々とこちらに向き合っていただきたい(拍手)。そしてもし、私の言って
いることが間違いなんであれば、これはとんでもない名誉毀損なんですから、私
を名誉毀損で訴えていただきたい。法廷でいくらでも戦ってまいります。

 この問題は単に山本美保さんだけの問題ではなく、他の特定失踪者の問題、そ
して認定されている拉致被害者の問題も含めて極めて重要な問題であって、私ど
も最後まで戦うつもりでおります(拍手)。

 最後の1点。遺骨の問題が今出ております。あまり今まで公の席で言ったこと
はないんですが、私の伯父、浅川泰治は昭和20年の終戦直後に北朝鮮で亡くなっ
ております。咸興で亡くなったと言われておりますが、本当にどこなのかは分か
りません。遺骨の収集に行くというならば、私自身もまさにその親族ですから、
一番最初に北朝鮮に行かせていただきたい(拍手)。

 遺骨を捜しているうちに、ひょっとして生きている人が出てきてくれる可能性
も十分にあると思います。

 北朝鮮という国は、色々な方からお話がありましたが、ああいう国でございま
すので、こっちが下手に出て言うことを聞く国ではありません。交渉する時に、
我々の言うことを聞かなかったら、お前を遺骨にしてやるぞというぐらいのこと
を言わないとですね、相手側へのメッセージにはならない。

 是非とも、まさに今日はオールジャパンということですので、特定失踪者のご
家族の皆さん、そして今日既にご高齢で来れない方もたくさんおられます。そう
いうお気持ちを会場にお集まりの皆さんがご支援していただきまして、解決のた
めに進んでいきたい。宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。

櫻井 どうもみなさん、ありがとうございました。どうぞ、声援をこめて拍手を
お願いいたします(拍手)。

 私たちは、特定失踪者のことも忘れません。必ず、みんなが助け出されるまで
力を尽くします。この拍手はその思いをこめています。どうぞ皆さん、最後の一
人が舞台から引っ込みますまで、心をこめて応援の拍手をお願いいたします。

 皆様どうぞお体を大事になさって一緒に戦い続けましょう。ありがとうござい
ました(拍手)。

 北朝鮮に拉致されている人たちがどんなに多いか。日本国民だけではありませ
ん。朝鮮戦争の時に、韓国から多くの人々が、万単位で連れていかれました。そ
の時の拉致被害者を探す家族協議会が韓国にできています。理事長は李美一(リ
・ミイル)さん。この会にも度々いらっしゃいましたので、覚えておられる方も
いらっしゃると思います。

 李美一さんからのメッセージを島田洋一救う会副会長に代読していただきます。
また島田さんには、アメリカ人拉致被害者のデヴィド・スネドンさんのお父様の
ロイ・スネドンさんからのメッセージも、続けて代読していただきます。

島田洋一 韓国では目下、誰が敵で誰を味方とすべきか全くわきまえない愚かな
人物が大統領を務めておりますが、その場合、一層日韓の有志が連携を強めなけ
ればならないという思いから、最近も韓国有志が大手の新聞に、「敵は日本では
なく北朝鮮だ」とする意見広告を出したりもしています。

 そういった有志と行動をともにしている朝鮮戦争拉致被害者家族協議会理事長
李美一さんからのメッセージを代読いたします。

◆李美一さんメッセージ

 みなさまこんにちは。 韓国の朝鮮戦争拉致被害者家族協議会イ・ミイルです。
まず、今回の集会の成功をお祈りします。 2002年の小泉総理の北朝鮮訪問で得
た一部の成果は、10万人に達する朝鮮戦争拉致被害者家族に拉致問題解決への希
望を与えました。けれども、北朝鮮は緻密な事前に準備した脚本により日本人拉
致の事実を認め、謝罪、再発防止を約束までしながら一部拉致日本人を送還する
ということですべての問題を解決したかのように被害者家族を騙しました。これ
に対し日本は10年の間、横田めぐみさんをはじめとするいまだに北朝鮮に拉致、
抑留されている日本人たちを帰還させるためにずっと努力してきました。 この
ことのために尽力されるすべての方に心からの支持と声援を送ります。

 ひとりひとりの人間の価値は何にも代えることはできない大切な存在です。
人種と国力と時代を越えてその価値は、同じように尊重されてこそ当然だと考え
ます。 このような観点で1950年の朝鮮戦争中に北朝鮮が犯した戦争犯罪によっ
て北朝鮮に強制的に連行された戦争拉致被害者はその価値を尊重されることがで
きませんでした。戦争拉致問題が無視、隠蔽されることにより北朝鮮の拉致犯罪
は続いていきました。 戦争拉致問題を含む真の北朝鮮の拉致問題解決は、ただ
北朝鮮との自由平和統一が実現されてこそ可能だと信じます。 南北の自由平和
統一によって、北朝鮮が犯したすべての犯罪事実を確認して問題を解決すること
ができるし、韓半島の平和、ひいては全世界の平和を成し遂げるでしょう。 こ
こに集まられたすべての方々に南北の自由平和統一への積極的な声援をお願いし、
拉致問題解決のために最後まで一緒に戦います。 拉致問題が一点の疑惑なしで
すべて解決されて、このような集会が最後になることを切実に望みます。 あり
がとうございます。

2012.9.2 朝鮮戦争拉致被害者家族協議会 理事長 李美一

(拍手)

◆スネドン家メッセージ

日本の皆様へ、

 私ロイ・スネドンと妻のキャスリーン、そしてわが家の子供たちは、北朝鮮政
権と長きにわたって戦い、不注意に陥りがちな世界に対し、その人権抑圧に警鐘
を鳴らしてきた家族会、救う会、有志議員の皆様に、深い感謝の念を抱いており
ます。

 私たち自身も、息子デヴィド・スネドンが2004年8月に中国・雲南省で姿を消
すまで、その不注意に陥りがちな世界にいたと言えます。

 いかなる混乱ないし共謀関係があったか詳らかにしませんが、中国の公安機関、
すなわち国家安全部の要員が、デヴィドを雲南省シャングリラ県で拘束し、その
後、彼は北朝鮮の秘密工作員の手に渡った、と私たちは見ております。デヴィド
は拉致されたのです!

 この事件についての情報の多くは私たちにとっては新しく、「救う会」から提
供されたものであり、私たちはそのことに深い謝意を感じております。

 若干背景を説明するなら、デヴィドは末日聖徒イエス・キリスト教会、つまり
モルモン教の宣教師として19歳のときから2年間、韓国で布教にたずさわりま
した。拉致された時、デヴィドは24歳、北京の国際関係学院で中国語の学習課
程を修了した直後でした。彼は本国ユタ州プロボにあるブリガムヤング大学に戻
る前に、中国南西部を旅していたのです。米国務省によれば、デヴィドはここ6
5年間において、中国領内で、何の合理的説明も情報もなく忽然と消えた唯一の
アメリカ人です。

 私たち一家がデヴィドを、皆様方が兄弟、姉妹、叔母、叔父、いとこ、友人を
一時的に失っているこの事態を考え続ける時、心が潰れる思いです。

 しかし、いま、数え切れないほどの北朝鮮国民が自国で囚人となり、心身あら
ゆる面で政権の奴隷となっています。

 私たちは、神もこの事態に心を痛められていると信じています。

 日米両政府が、わが息子デヴィドを、そして皆様の御家族を救出する過程で、
北朝鮮に変革をもたらすことを、私たちは願い、祈ります。これほど多くの人々
が奴隷状態にある限り、心安らかではあり得ません。

 私たちはデヴィドを取り戻すという信念を保つべく努めてきました。そして今、
いかに多くの人々が同じ苦境にあるかを思えば、私たちの課題はさらに大きなも
のとなります。

 希望をもって、前に進みましょう。囚われ、虐げられている人々がすべて自由
の身となるまで、絶対に、絶対に諦めないようにしましょう!

心からの敬意をこめて
スネドン一家より

櫻井 どうもありがとうございました。タイからも、拉致の被害者が出ています。
アノーチャー・パンチョイさんのお兄さんのスカム・パンチョイさんのメッセー
ジを海老原智治さんに代読していただきます。

 海老原さんは、北朝鮮に拉致されている人々を救援する会チェンマイの代表で
す。海老原さん宜しくお願いいたします。

海老原智治 私はタイ在住の海老原智治と申します。海外在留日本人でタイには
もう15年住んでおります。7年前に、曽我さん、ジェンキンスさんの証言から、
タイ人拉致被害者の存在が確実になりまして、それから被害者と一緒に救援に取
組んでまいりました。

 タイでは拉致疑惑は数件あるものの、拉致が明確に判明したケースは1件のみ
となっております。これはチェンマイ出身のアノーチャー・パンチョイさん、女
性のケースです。

 私ども7年間、タイ社会への訴え、タイ政府への訴えを随時行ってまいりまし
たが、タイではなかなかこの問題の解決関心が高まらない状況でこの7年の時間
が過ぎてしまいました。

 本日は、拉致被害者の実のお兄さんでありますスカム・パンチョイさんからの
メッセージを私より代読させていただきます。

(拍手)

◆スカム・パンチョイさんメッセージ

 本日会場にお越しの皆様。そして、私の家族同然である、日本の家族会の皆様。

 私は、タイ人拉致被害者アノーチャー・パンチョイの実の兄の、スカム・パン
チョイです。

 私は東京のこの舞台に何度か立ってご挨拶をしたことがありますが、数年前に
体調不良に見舞われてからは、日本に行くことが叶わない身となってしまいまし
た。

 今年は、北朝鮮から帰国した拉致被害者の皆様が、帰国10周年を迎えた、記
念すべき年です。

 無事帰国を果たされた皆様には、心からのお祝いを申し上げます。

 その一方で、私たちのまだ数多くの家族が、北朝鮮から戻れずにおります。

 私の妹のアノーチャー・パンチョイは、1978年に北朝鮮政府によってマカ
オから拉致され、現在も北朝鮮の地に留まり続けています。妹アノーチャーは、
現在拉致が確認された唯一のタイ人です。
妹の拉致から、もう34年もの時が流れてしまいました。

 家族が、ごく普通の暖かい暮らしを取り戻すことは、一般の人々にとってはご
くささやかな願いであるはずですが、私たちにはそれさえ叶わないまま、長い年
月を重ねて参りました。

 私には、日本の家族会・救う会・拉致議連の皆様が、アノーチャーのことを忘
れずにこうして救援に努力してくださっていることが、唯一の望みです。

 本日この会場にお越しの皆様のご支援により、私の妹、そしてすべての拉致被
害者が、一刻も早く帰ることを心より願っています。

 私はもう体調がすぐれません。私の人生の最後に、一目妹に会うことが、私の
人生の最大の望みです。

 私と本日ここに集う拉致被害者家族の皆様全員が、一刻も早く、家族の再開が
叶いますことを。

2012年9月2日
タイ人拉致被害者アノーチャー・パンチョイの兄
スカム・パンチョイより

(拍手)

(7につづく)

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