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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

朝鮮への「厳しい対応」につき「状況を見つつ引き続き検討していく必要がある」?小泉首相が答弁書(2005/08/05)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.08.05)

 7月27日に、白眞勲参議院議員が国会法74条により、北朝鮮貨客船「万景
峰92」号の積荷の情報公開に対する政府答弁等に関する質問主意書に対し、本
8月5日、小泉純一郎内閣総理大臣名で答弁書が送付された。

 昨年12月24日、北朝鮮より提出された横田めぐみさんの遺骨が偽者だった
ことを受け、細田内閣官房長官が会見で「北朝鮮側が迅速かつ誠意ある対応をし
ない場合、日本政府として、厳しい対応をとらざるを得ない」と制裁を示唆した。

 小泉首相は、この「迅速な対応」につき、「具体的な期間を示すものではない」
と回答した。また、北朝鮮への「厳しい対応」については、「我が国がこうした
対応をとることが拉致その他の諸懸案について前進を図る上で適当であるかにつ
いては、状況を見つつ引き続き検討していく必要がある」と答弁した。以下は、
質問と回答の一部である。
 
■北朝鮮への「厳しい対応」につき「状況を見つつ引き続き検討していく必要がある」?小泉首相が答弁書

○白議員の質問
1?1 政府にとって、細田内閣官房長官が会見した際の「迅速」とはどの程度
の期間を意味するのか、具体的に示されたい。
1?2 政府の考える「厳しい対応」とは、具体的にどのようなものか。「万景
峰92」号への入港禁止措置は含まれるのか否かについても言及した上で、政府
の見解を示されたい。

○小泉首相の答弁書
1?1について 細田内閣官房長官は、平成16年12月24日の記者会見にお
いて、同年11月9日から14日までの間に北朝鮮の平壌で開催された日朝実務
者協議において北朝鮮側から提供された情報に関する政府による精査の結果を説
明し、その中で、政府としては、北朝鮮側に対して迅速かつ誠意ある回答を強く
求めていくこととするが、こうした北朝鮮側からの対応がない場合には、厳しい
対応をとらざるを得ないと考えている旨述べた。ここでいう「迅速」とは、拉致
問題の解決に向けた北朝鮮の一日も早い前向きな対応が必要であるという趣旨を
述べたものであり、具体的な期間を示すものではない。

1?2について 政府としては、北朝鮮から拉致、核、ミサイルといった所懸案
の包括的解決に向けた前向きな対応を得るために、いつどのような対応をとるべ
きかについて、諸要素を総合的に勘案しつつ検討してきている。お尋ねの「厳し
い対応」とは、北朝鮮から納得のいく対応がない場合に、北朝鮮に対してそのよ
うな対応を促すために我が国としてとる対応を指す。この「厳しい対応」には、
当然、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法(平成16年法律第125号)
に基づく入港禁止の実施も含まれ得るが、我が国がこうした対応をとることが拉
致その他の諸懸案について前進を図る上で適当であるかについては、状況を見つ
つ引き続き検討していく必要があると考えている。

★コメント
 細田官房長官が制裁を示唆した後、北朝鮮は年末の31日、朝鮮中央通信によ
り外務省スポークスマンの談話を公表し、拉致被害者再調査に関する日本政府の
精査結果と北朝鮮への抗議について「(北朝鮮は)認めることも受け入れること
もできず、断固拒否する」とし、実務者協議の打切りを示唆した。また、横田め
ぐみさんの遺骨の鑑定結果については、「捏造」と強弁し北朝鮮への返還を要求
した。さらに現在行なわれている6者協議でも、拉致問題について誠実な対応が
なされているとの報道はない。

 にもかかわらず、6者協議の最中に出されたこの答弁書の1?1は、「迅速な
対応」という言葉の意味について「具体的な期間を示すものではない」とし、日
本語の常識を無視し、国民を愚弄するものとなっている。官房長官の会見は、明
らかに迅速な対応がなされない場合の日本政府の「行為」を示唆したもので、
「拉致問題の解決に向けた北朝鮮の一日も早い前向きな対応が必要」との「認識」
を示しただけではなかった筈である。

 また、この答弁書は、北朝鮮が不誠実な対応をしても日本政府は「厳しい対応」
はとらないとの間違ったメッセージになりかねないものである。北朝鮮の拉致問
題担当者が、「日本の小泉首相ですら『具体的な時期を示すものではない』と言っ
ているのですから拉致問題を無視しても問題にはなりません」と金正日に報告す
る材料を提供したことにならないか。そして、拉致問題はいつまでも解決しない
ことになる。

 1?2については、「政府としては、北朝鮮から拉致、核、ミサイルといった
所懸案の包括的解決に向けた前向きな対応を得るために、いつどのような対応を
とるべきかについて、諸要素を総合的に勘案しつつ検討してきている」とある。
官房長官の会見は、拉致問題のみで制裁の可能性を示唆したものであったが、な
ぜ「核、ミサイル」が新たに盛り込まれる必要があるのか。このままでは、「核、
ミサイル」問題の方により関心が高い諸外国の意向に引きづられて、拉致問題の
みを理由とした制裁を自らできなくし、日本のフリーハンドを制約することにな
りかねない。

 また、「我が国がこうした対応(厳しい対応)をとることが拉致その他の諸懸
案について前進を図る上で適当であるかについては、状況を見つつ引き続き検討
していく必要があると考えている」との答弁も、「その他の諸懸案」を含めるこ
とで自ら制裁カードに制約をかけることになる。

 さらに、北朝鮮において、「日本では『状況を見つつ引き続き検討していく』
ということは何もしないとの意味ですからご安心下さい」と金正日に報告される
ことにもなりかねない。

 この答弁書からは、多数の日本人の命がかかった問題を、それも何十年も放置
してきた問題を解決しようとという意欲と覚悟が見えてこない。また、主権を侵
害されても、日本政府は適正な制裁ができない国だと見られることにもなる。本
日の答弁書は強い失望と怒りを覚えたものであったことを明記しておきたい(平
田隆太郎)。




 ※小泉首相宛、はがき・メールを!(〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内
閣総理大臣 小泉純一郎殿、首相官邸のホームページ=
http://www.kantei.go.jp/の右下の「ご意見募集」欄を利用)


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