救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮が提出した「調査結果」の疑問点・矛盾点(2)(2004/12/10)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2004.12.10-1)

■ 北朝鮮が提出した「調査結果」の疑問点・矛盾点(2)

家族会・救う会は12月9日午後、政府に「北朝鮮が提出した「調査結果」の疑問
点・矛盾点(2)」を提出し、その後記者会見でそれを公表した。
以下その全文である。



北朝鮮が提出した「調査結果」の疑問点・矛盾点(2)
(第3回日朝実務者協議)
平成16年12月9日

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表 横田 滋
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 佐藤勝巳

 家族会・救う会は実務者協議の結果を詳しく分析し「疑問点・矛盾点」
を11月25日に政府に提出しました。また、昨日(12月8日)は、横田めぐ
みさんの遺骨と称して提供された骨も、再度「松木薫さんの可能性もある」とし
て提供された骨も捏造であることが判明しました。それらにより、北朝鮮金正日
政権の不誠実な姿勢が浮き彫りになりました。

 本日、私たちはそれに引き続き、この間公開をひかえてきた情報の中から、
現段階で公開することがふさわしいと考えられるものを選び、「疑問点・矛盾点
(2)」としてまとめました。 
 帰国した5人の拉致被害者の方々はこの間、未帰還拉致被害者救出のため日本
政府に対して情報提供をすると同時に、家族会・救う会にも情報を提供してきま
した。
 家族会・救う会は提供された情報は北朝鮮側が出してくる調査結果を検証する
ために使われるべきだと考え、その情報の公開を避けてきました。しかし、11
月の第3回実務者協議の結果を受けて、現段階で公開しても北朝鮮を利すること
がない、むしろ公開して北朝鮮の主張のでたらめさを訴えるべきだと思われる部
分が出てきましたので報告いたします。今回指摘するのは、全体的疑問点・矛盾
点1点と個別的疑問点・矛盾点7点です。前回の報告と合わせると合計73点と
なります。要するに、北朝鮮が出してきた情報と物証はすべて捏造だったという
ことです。
 これによっていよいよ金正日政権の虚偽と非道さが明らかになりました。 
 もはや、いままでのような形での対話では拉致問題を解決できないことは明ら
かです。わたしたちは多くの国民の怒りの声とともにとともに、経済制裁発動を
強く求めるものです。また、政府による精査結果を早急に公開することも合わせ
て求めます。

 [1] 全体的疑問点・矛盾点

1 田口八重子さんが日本語を教えた工作員は金賢姫であることを証明する重大
証言

 前回私たちは、全体的疑問点・矛盾点として『「田口八重子さんは大韓機爆破
事件犯人の日本人化教育係・李恩恵でない」と今回も偽証』していることを指摘
しました。周知の通り、我が国警察は数々の証拠、証言などをもとに「田口さん
が李恩恵だ」という捜査結果を明らかにしています。実は、この警察の捜査結果
を裏付ける重大証言を私たちは入手していました。
 飯塚繁雄・家族会副代表が今年6月小浜市で地村富貴恵さんから「田口八重子
さんが日本語を教えた工作員はオッカという名前だった」という証言を直接聞い
ています。
 そのときは「オッカ」という名前の持つ意味がわからなかったのですが、救う
会がそれを分析して次のような驚くべき事実を解明しました。
 オッカは朝鮮語で「玉花」の発音であり、金賢姫が田口さんに名乗っていた工
作員としての偽名と一致するのです。金賢姫の著書『いま、女として 金賢姫告
白(下)』に、工作員として召喚された直後、担当の鄭指導員から受けた注意に
ついての次のような記述があります。

「これからは本名は使えませんよ。金玉花と呼びます。金淑姫という女同志と一
緒に暮らすことになるが、本名はもちろん自分のことについてはすべて秘密にし
なければなりません。金淑姫についてもたずねてはいけないし、訊かれても答え
てはだめ。誰にも金玉花同志について知るきっかけをあたえてはいけません」
 彼は何度もこんな注意を繰り返した。(文藝春秋文庫189ページ)

 また同書で金賢姫は初めて田口さんに会った場面を次のように書いています。

応接室に入ると、指導員は改めて紹介をしてくれた。
「こちらは玉花同志に日本語を教えることになる李恩恵先生です。これから一生
懸命に日本語を習ってください」
 恩恵先生は、それまでひとりでいたのでうんざりしていたのか、
「これから、玉花同志と一緒に過ごせることになって大変嬉しい。心配しないで
ください。私が責任をもって教えますから」
 といった。彼女の朝鮮語は日本式発音で大変ぎこちなかったが、可愛らしいと
ころがあった。(同217?218ページ)

なお、地村富貴恵さんと田口八重子さんは、田口さんが金賢姫に日本人化教育を
行った後の1984年秋より1986年7月まで同じ地区で暮らしていました。

 この情報により「李恩恵という日本人女性はいない」という北朝鮮の説明はよ
り一層根拠のないでたらめであることが明らかになったのです。



 [2]個別的疑問点・矛盾点

 
1 「かつての自分と田口八重子さんの運転手だった人物から、死亡とされた
1986年7月30日の数か月後に平壌市内の楽園百貨店で田口さんに会った、
と聞いた」と地村富貴恵さんが証言
「1986年7月30日、馬息(マシク)嶺において軍部隊の車と衝突して死亡
した」という北朝鮮説明と矛盾する。
 救う会の調べでは楽園百貨店とは、平壌市に所在する外貨商店である。金賢姫
によると田口さんは月に1?2回外貨商店に行って買い物をしていたという。そ
の外貨商店のひとつがこの楽園百貨店である。

2 「田口八重子さんは1986年7月まで結婚していない」と地村富貴恵さん
が証言
「1984年10月19日に原敕晁さんと結婚した。初めは、年の差が離れている
ため躊躇していたが、何回か会ううちに結婚に同意するようになった。これは、
調査委員会の人間が特殊機関内に入って、関係者から話を聞いたものである」と
いう北朝鮮説明と矛盾する。
 地村さん夫妻は86年7月まで田口さんと同じ地区の招待所に住んでいた。

3 「田口八重子さんの入国地点は南浦だった」という地村富貴恵さんの証言
北朝鮮側の「入国地点は海州(ヘジュ)」という説明と矛盾する。

4 「増元るみ子の入国地点は南浦だった」と蓮池祐木子さんが証言
北朝鮮側の「入国地点は海州(ヘジュ)」という説明と矛盾する。

5 「増元るみ子さんは79年10月まで独身だった」と蓮池祐木子さんが証言
北朝鮮側の「1979年7月20日、市川修一さんと結婚した(以前4月20日
と伝えたのは、事務的な誤記だった)」、「結婚前の7月下旬まで、蓮池(旧姓
:奥土)祐木子さんと一緒に生活していた」という説明と矛盾する。
 蓮池祐木子さんは拉致された後、1979年10月まで平壌市内の同じ招待所
で増元るみ子さんと一緒に暮らしていた。

6 「横田めぐみさんは、94年3月義州の精神病院に入院した」と蓮池薫氏が
証言北朝鮮側の「前日まで義州の精神病院に入院させることも検討されたが、少
し様子を見ようということで49予防院に入院させた」という説明と矛盾する。

7 「横田めぐみさんが太陽里の招待所に引っ越してきたのは86年8月である」
と蓮池薫氏、地村保志氏が証言
北朝鮮側の「1981年春から1986年までの間は、平壌郊外の招待所(平壌市
順安区域の太陽里にある招待所。名前は特になく、今その招待所は使っていない)
で日本語教育に従事した。1981年から84年までの間は、田口八重子さんと
一緒に生活していた」という説明と矛盾する。

以上


■ 経済制裁の積極的発動を検討?拉致議連決議


拉致議連は12月9日午後、総会を開き以下の決議を採択した。
決議全文は以下の通り。




経済制裁以外に拉致解決の道はない!
ー拉致議連決議ー

 もはや怒りは頂点に達した。
 北朝鮮が我が国に提出した遺骨の鑑定の結果、それが横田めぐみさんのものでない
ことが判明した。しかもその骨は2人分の骨であるという。そしてこの偽物の骨を渡
した張本人は「夫」と名乗っている。この人物はいったい何者なのか?
 これほど横田家の方々を、日本国民を、日本国家を愚弄した行為があろうか。
 娘さんの遺骨であると提示され、その結果が出るまでの間のご家族の心情はいかば
かりであったろう。北朝鮮=金正日には、家族の安否を思いやる一片の情も、日本人
拉致問題を解決しようという誠意もないことがこれではっきりとした。
 もはやこうした国を、国として真摯に対応する必要を我々は認めない。
 先の実務者協議に携わった政府側関係者からも、横田家のご家族に対して「仮に遺
骨が偽物なら、経済制裁発動どころではない。」と語ったという。我々も全く同じ認
識である。
 今更、何の躊躇をも必要とはしない。
 食糧支援の凍結は言うに及ばず、このような人間常識の欠落した集団を相手にする
のには、制裁を断行する以外に方法はなく、更に日朝協議の打ち切りをも視野に入れ
るべきである。
 否、事ここに至っては、我々は北朝鮮=金正日政権の打倒をも掲げざるを得ない。
周辺諸国へも働きかけ、国際社会の総意として制裁を科さなければならない。
 国民の皆様には、横田さんをはじめ拉致被害家族の怒りを我が怒りとされ、共に拉
致被害者救出のために立ち上がって頂きたい。
 経済制裁の断行以外に解決の道はない。これこそが国民の意思に応える唯一の道で
あることを小泉内閣は速やかに決断するべきである。
 右、決議する。

平成16年12月9日

北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
会長 平沼 赳夫



...............................................

◆ 声をあげてください ? 皆様にお願い ? ◆
今こそ経済制裁を!(メール・葉書送り先)
・ E-mail は首相官邸のホームページ http://www.kantei.go.jp/
のトップページ右下の「ご意見募集」をご利用下さい。
・ 葉書は、100-8968 千代田区永田町2-3-1
  内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/04/19
家族会・救う会が米国国連大使と面会
2024/04/15
日本維新の会が政府に「拉致問題に関する発出文書」提出
2024/04/12
国連総会が北朝鮮の人権侵害非難を決議
2024/03/18
家族会・救う会の新運動方針について4
2024/03/15
家族会・救う会の新運動方針について3

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■