救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際会議「北朝鮮による国際的拉致の全貌と解決策」全記録




認定できないけれども救出すべき拉致被害者がいる



真鍋貞樹・特定失踪者問題調査会専務理事


まず3点後報告を致します。

第1点は、特定失踪者の中で誰が拉致被害者であるかを調査することで、これが私たちの任務です。その中でようやく松本京子さんが政府認定となりました。これは我々だけでなく、マスコミ初め多くのみなさんの努力の結果です。しかし、特定失踪者問題調査会ができてから4年もかかりました。松本京子さんの事件は、調査会ができるはるか前から日朝協議の中で名前が出ていますし、事件の概要も明らかでした。

これで4年かかったということは、私たちが抱えている失踪者460人全員の安否が確認されるまで1800年以上もの時間がかかるのかということになります。特定失踪者のご家族を代弁すると、あまりにも時間がかかりすぎるということに尽きると思います。時間との勝負という面では、特定失踪者のご家族も認定されたご家族も同じです。

ご両親は80歳、90歳がほとんどで、もし亡くなっておられればご兄弟が訴え、そのご兄弟もおられないケースもあります。460人いるとなれば、私たちもお葬式を経験します。拉致の可能性が濃厚な1000番台リストの方の場合はマスコミの取材も来て報道もされますが、可能性が排除できないという100番台リスト以下の方はほとんど関心を引くこともありません。しかも、460人のうち200人は非公開なので、私たちですらお葬式があったことを知らないこともあります。時々、「いかがですか」、「変わったことはありませんか」とお電話するのが一番つらいですね。「実は」、「1か月前に」ということが度々あります。表に出れない家族がたくさんいることは我々が強く訴えていかなければならないと思っています。

松本京子さんの認定で、政府の調査会に対する認識が少し前向きに変わったと思われます。齋賀富美子人権大使の発言が報道されたばかりですが、そういう方が特定失踪者について触れることも昔はありませんでした。中山恭子総理大臣補佐官にお会いした時も、「政府は認定できないけれども救出すべき拉致被害者がいるとの共通認識です」と言われました。こういう発言も4年間なかったことです。日本政府の方針が前向きになっている証左ですので期待したいと思っています。

2点目は、今日の国際会議の報告でも明らかなように12か国の拉致被害が明らかになりました。そうするともっとたくさんの国にも拉致被害者がいる筈だということです。同じように、特定失踪者の家族で表に出ないでただ待っているだけの家族が全世界にいっぱいいるということになります。

タイのことを調べると、チェンマイでは失踪者が調べようなないほどたくさんいるとのことです。その中に、第2のアノーチャーさんがいる筈という観点でタイの国民も、政府もとらえてほしいと思います。

3点目は、北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」についてです。目的の一つは、拉致被害者にはげましの言葉を直接送りたい、ということです。二番目に、北朝鮮国民に自由社会の様々な情報を伝えるということです。これは、金ソンミン自由北朝鮮放送代表の知恵をお借りして私たちがやっていることです。三番目に、金正日体制が今後どういうことになるか分からない。体制崩壊で国内が混乱した場合に、拉致された日本人と家族を安全に救出するには何をしておくべきかを、今検討しておく必要があります。その方法の一つに、ラジオ放送を使って安全情報や逃亡情報、日本政府の動きなど正確な情報を伝えたいということです。平和裏に解決すればいいのですが、混乱のうちに救出せざるをえない確立のほうが高いと思っています。その時の対策を政府も民間も、また外国とも一緒になって知恵を絞る必要があります。

最後に、特定失踪者問題調査会としてお願いしたいことは、脱北者への支援です。二つの意味があります。失踪者の情報を知るには、脱北者の情報に頼らざるをえないからです。国内で情報を集めても限界があり、脱北者が聞いたり、安明進さんのように直接接触した情報があれば、それは確実な情報です。そういう観点から脱北者の保護を考えていただきたいのです。

もう一つは、脱北者を道具的に捕らえるのはよくないことです。私はかつては、ある政党でインドシナ難民連帯委員会というのをやっていました。カンボジア大混乱でそれを助けなければならないということがありました。難民救援の意味は、私たちが嫌いな共産主義国家、独裁国家だった国から弾圧された人、逃げてくる人を助けなくてどうするんだという意識があったのです。北朝鮮から逃げてきた人も同じように対応したいと思っています。脱北者への支援が拉致問題解決にもつながると確信しています。
  
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