金聖玟自由北韓理事長が逝去(2025/09/12)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆（2025.09.12）
■金聖玟自由北韓理事長が逝去
本日９月12日午後1時5分、金聖玟（キムソンミン）自由北韓放送前代表が逝
去された。享年63歳。金聖玟氏は1962年北朝鮮の慈江道喜川郡生まれ、元北朝
鮮人民軍大尉、1995年北朝鮮を脱出、1999年に韓国入国、2004年から対北朝鮮
ラジオ放送である自由北韓放送代表を務め、最近、癌闘病のため代表職を李始
瀛（リシヨン）氏に譲っていた。同放送は発足以来、継続して日本人拉致問題
に積極的に取り組み、毎週10から15分、西岡力救う会会長が出演する拉致問題
特別番組を流してきた。これまでの北朝鮮人権運動、日本人拉致被害者救出運
動への貢献に心から感謝いたします。
救う会ホームページに令和６年（2024）10月４日、東京特別講演会のために金
聖玟氏が作成した「自由北韓放送20年と日本人拉致問題」という論文をアップ
するのでぜひ読んでいただきたい。以下、西岡会長が書いた「金聖玟代表との
20年」をお届けする。
金聖玟代表との20年
西岡力（救う会会長）
金聖玟氏と自由北韓放送は発足以来20年間、日本人拉致問題解決のために尽
力し、家族会・救う会と緊密な協力関係を持ってきた。現在は、短波で毎日22
時から23時と05時から06時に同じ内容を別の周波数で送信している。その中に
は、私が朝鮮語で話す「拉致問題特集」が毎週土曜日10時から15分ある。
自由北韓放送は2004年に開局したが、その背景には2000年の南北首脳会談で
の相互誹謗中止合意があった。その結果、韓国政府がそれまで行っていた対北
朝鮮心理戦ラジオなどを止めてしまった。それを知った金聖玟氏ら脱北者有志
が新聞配達をしながら資金を作り、手作りで短波放送を始めた。まだ、日本の
政府や民間が拉致問題でのラジオ放送を始める前のことだから、まさにパイオ
ニアだった。
北朝鮮は同放送を激しく攻撃し、テロ予告や北朝鮮の家族に危害を加えるとい
う脅迫が続き、韓国内の従北勢力が連日放送局前で抗議デモを行った。金聖玟
氏らは最初に高額をかけて作ったスタジオを家主の意向で引っ越さなければな
らなくなり、トイレもない地下室に移った。その頃、私が放送局を訪問して日
本人拉致問題について説明すると、金聖玟氏は重大な人権侵害であり許しがた
いと答え、拉致問題の真実を北朝鮮住民に知らせ、被害者に関する情報を集め
る活動を行うと約束してくれた。金聖玟氏と自由北韓放送はその約束を20年間、
守っている。金聖玟氏は癌との闘病のため最近、代表から退いたが、この間の
尽力に心からの感謝を献げたい。
金聖玟氏らのこの間の活動は実は北朝鮮社会を大きく変えた。２年前漁船に乗
って直接、韓国に亡命した９人家族は自由北韓放送などの短波放送を聞き、金
聖玟氏らが海に流したコメと韓国ドラマが入ったUSBが入ったペットボトルを
拾ったと証言した。2023年１月に制定された「平壌文化語保護法」では「公民
は血縁関係にない若い男女間で「オッパ」と呼んだり、肩書に「ニム」を付け
て呼んだりする行為など、傀儡語を真似る行為をしてはならない」とされてい
る。韓国では若い女性が年上の恋人を呼ぶときに「オッパ」という語を使う。
韓国では、先生、教授、議員などの肩書きに「様」という意味の「ニム」を付
ける。北朝鮮にはない言葉遣いだが、韓国ドラマを多数見た北朝鮮の若者らが
このような言葉遣いをするようになり、それを法律で禁止した。同法には外国
のラジオ聴取を禁止する条項もある。
今年１月の最高人民会議（国会）は二重まぶたへの整形手術を禁止する整形手
術法を通したという。韓国ドラマの影響で北朝鮮社会の富裕層女性の間で二重
まぶた手術をはじめとする美容整形ブームが起きている。
金聖玟氏らの20年間の努力によって北朝鮮住民の大多数が韓国が豊かで自由で
あることを知ってしまい、韓国による吸収統一への憧れが拡散している。その
ため、金正恩政権は文在寅時代の後半から韓国との交流を遮断し、昨年初め韓
国は同族ではなくて敵対的な外国だとして金日成時代からの国是だった統一を
放棄した。韓国では６月に早期大統領選挙が実施され左派政権である李在明政
権が発足したが、そうなっても北朝鮮は韓国との交流は再開しないはずだ。
中朝関係は史上最悪で、ロシアは戦争が停戦になれば北朝鮮を助けないから、
平壌の権力高位層では拉致問題をカードとして日本から大規模な経済支援を得
る以外体制を維持する道はないという考えが広がっている。
私は８月24日、自宅で療養中の金聖玟氏を見舞った。それが最後の面談となっ
た。そこで、私は金聖玟氏に金正恩が自分の権力基盤である白頭山の血統、金
日成、金正日を否定した。考えられないことが起きた。これは豊かで自由な韓
国の実情を大多数の北朝鮮住民が知ったことが理由だ。だれが北朝鮮に真実を
伝えたのか、韓国政府機関は2000年の南北首脳会談以降、対北朝鮮心理戦を中
断した。そのとき、最初に孤立無援の中で金聖玟氏が立ち上がって、北朝鮮住
民に真実を伝える活動を始めたのではないか。金聖玟が勝利したのだと、強く
手を握って話した。
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行：北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会（救う会）
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当：平田隆太郎（事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先：郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店（普）5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■金聖玟自由北韓理事長が逝去
本日９月12日午後1時5分、金聖玟（キムソンミン）自由北韓放送前代表が逝
去された。享年63歳。金聖玟氏は1962年北朝鮮の慈江道喜川郡生まれ、元北朝
鮮人民軍大尉、1995年北朝鮮を脱出、1999年に韓国入国、2004年から対北朝鮮
ラジオ放送である自由北韓放送代表を務め、最近、癌闘病のため代表職を李始
瀛（リシヨン）氏に譲っていた。同放送は発足以来、継続して日本人拉致問題
に積極的に取り組み、毎週10から15分、西岡力救う会会長が出演する拉致問題
特別番組を流してきた。これまでの北朝鮮人権運動、日本人拉致被害者救出運
動への貢献に心から感謝いたします。
救う会ホームページに令和６年（2024）10月４日、東京特別講演会のために金
聖玟氏が作成した「自由北韓放送20年と日本人拉致問題」という論文をアップ
するのでぜひ読んでいただきたい。以下、西岡会長が書いた「金聖玟代表との
20年」をお届けする。
金聖玟代表との20年
西岡力（救う会会長）
金聖玟氏と自由北韓放送は発足以来20年間、日本人拉致問題解決のために尽
力し、家族会・救う会と緊密な協力関係を持ってきた。現在は、短波で毎日22
時から23時と05時から06時に同じ内容を別の周波数で送信している。その中に
は、私が朝鮮語で話す「拉致問題特集」が毎週土曜日10時から15分ある。
自由北韓放送は2004年に開局したが、その背景には2000年の南北首脳会談で
の相互誹謗中止合意があった。その結果、韓国政府がそれまで行っていた対北
朝鮮心理戦ラジオなどを止めてしまった。それを知った金聖玟氏ら脱北者有志
が新聞配達をしながら資金を作り、手作りで短波放送を始めた。まだ、日本の
政府や民間が拉致問題でのラジオ放送を始める前のことだから、まさにパイオ
ニアだった。
北朝鮮は同放送を激しく攻撃し、テロ予告や北朝鮮の家族に危害を加えるとい
う脅迫が続き、韓国内の従北勢力が連日放送局前で抗議デモを行った。金聖玟
氏らは最初に高額をかけて作ったスタジオを家主の意向で引っ越さなければな
らなくなり、トイレもない地下室に移った。その頃、私が放送局を訪問して日
本人拉致問題について説明すると、金聖玟氏は重大な人権侵害であり許しがた
いと答え、拉致問題の真実を北朝鮮住民に知らせ、被害者に関する情報を集め
る活動を行うと約束してくれた。金聖玟氏と自由北韓放送はその約束を20年間、
守っている。金聖玟氏は癌との闘病のため最近、代表から退いたが、この間の
尽力に心からの感謝を献げたい。
金聖玟氏らのこの間の活動は実は北朝鮮社会を大きく変えた。２年前漁船に乗
って直接、韓国に亡命した９人家族は自由北韓放送などの短波放送を聞き、金
聖玟氏らが海に流したコメと韓国ドラマが入ったUSBが入ったペットボトルを
拾ったと証言した。2023年１月に制定された「平壌文化語保護法」では「公民
は血縁関係にない若い男女間で「オッパ」と呼んだり、肩書に「ニム」を付け
て呼んだりする行為など、傀儡語を真似る行為をしてはならない」とされてい
る。韓国では若い女性が年上の恋人を呼ぶときに「オッパ」という語を使う。
韓国では、先生、教授、議員などの肩書きに「様」という意味の「ニム」を付
ける。北朝鮮にはない言葉遣いだが、韓国ドラマを多数見た北朝鮮の若者らが
このような言葉遣いをするようになり、それを法律で禁止した。同法には外国
のラジオ聴取を禁止する条項もある。
今年１月の最高人民会議（国会）は二重まぶたへの整形手術を禁止する整形手
術法を通したという。韓国ドラマの影響で北朝鮮社会の富裕層女性の間で二重
まぶた手術をはじめとする美容整形ブームが起きている。
金聖玟氏らの20年間の努力によって北朝鮮住民の大多数が韓国が豊かで自由で
あることを知ってしまい、韓国による吸収統一への憧れが拡散している。その
ため、金正恩政権は文在寅時代の後半から韓国との交流を遮断し、昨年初め韓
国は同族ではなくて敵対的な外国だとして金日成時代からの国是だった統一を
放棄した。韓国では６月に早期大統領選挙が実施され左派政権である李在明政
権が発足したが、そうなっても北朝鮮は韓国との交流は再開しないはずだ。
中朝関係は史上最悪で、ロシアは戦争が停戦になれば北朝鮮を助けないから、
平壌の権力高位層では拉致問題をカードとして日本から大規模な経済支援を得
る以外体制を維持する道はないという考えが広がっている。
私は８月24日、自宅で療養中の金聖玟氏を見舞った。それが最後の面談となっ
た。そこで、私は金聖玟氏に金正恩が自分の権力基盤である白頭山の血統、金
日成、金正日を否定した。考えられないことが起きた。これは豊かで自由な韓
国の実情を大多数の北朝鮮住民が知ったことが理由だ。だれが北朝鮮に真実を
伝えたのか、韓国政府機関は2000年の南北首脳会談以降、対北朝鮮心理戦を中
断した。そのとき、最初に孤立無援の中で金聖玟氏が立ち上がって、北朝鮮住
民に真実を伝える活動を始めたのではないか。金聖玟が勝利したのだと、強く
手を握って話した。
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