救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国民大集会報告1(2025/05/26)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.05.26-2)

■国民大集会報告1

 5月24日、令和7年1回目の国民大集会が、千代田区砂防会館のシェーンバッ
ハ・サボーで開催されました。以下はその報告です。

◆開会

櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)

 総理大臣がお出でになりました。時間になりましたので、ただ今より開会しま
す。今回の国民大集会は、状況を見るとお分かりのように、拉致被害者の親御さ
んたちが次々に亡くなってしまいました。そのことに鑑みて、「時間がない!政
府は親の世代が存命のうちに全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!国民大集
会」と題して開かせていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします(拍手)。

◆黙とう

 今年2月15日に、有本恵子さんのお父様の有本明弘さんが96歳で亡くなら
れました。最後までお嬢さんの帰国を願って、時には厳しい言葉を政府に投げ、
アメリカの大統領に直接お願いし、私たち運動に携わるもののお手本となってく
ださった明弘さん。

 どんなに娘さんの帰国をのぞんでいたか。それを言葉、行動で示し続けてくだ
さった有本明弘さんが亡くなりました。今日はこの会を始めるにあたって、皆様
に1分間の黙?を捧げていただきたいと思います。ご起立をお願い致します。

 黙とう

 どうもありがとうございました。お直りください。

 今日もまた総合司会をつとめさせていただきます櫻井よしこでございます。よ
ろしくお願いいたします(拍手)。

 まず、主催者の家族会を代表して、横田拓也さんにご挨拶をお願いいたします
(拍手)。

◆本当に残された時間がないことを訪米して伝えた

横田 拓也(家族会代表、横田めぐみさん弟)

 皆様、こんにちは(会場から、こんにちは)。本日も必ず、北朝鮮によって拉
致された拉致被害者全員を取り戻すとの覚悟、決意をもって会場に来ていただき
ましたこと、心から御礼申し上げます。

 まず大変お忙しい中、石破首相、林官房長官におかれましては、本集会にご出
席いただき誠にありがとうございます。

 会の冒頭、拉致被害者有本恵子さんのお父様、明弘さんに黙?を捧げました。
家族会結成前から、恵子さんとの再会を実現させるために、行動されていた気持
ちを思うと、無念でなりません。本当に悔しいです。本当に悲しいです。この悔
しい気持ちを金正恩委員長に聞いてほしいと思います。

 この無念の思いを決して無駄にせずに、残された私たちが声を挙げ続けて、拉
致被害者を必ず取り戻すという覚悟を決めていく必要があると思います。

 家族会・救う会と拉致議連は、ゴールデンウイーク期間中に訪米をいたしまし
た。アメリカ政府の方々、そして上下両院議員の方々と面会をしてきました。事
前準備と現地滞在中のご支援を、在米日本大使館、外務省、拉致問題対策本部の
皆様から賜りました。改めて御礼を申し上げます。

 拉致議連メンバーにつきましては、超党派で5党から8人の国会議員の先生方
にご参加をいただき、人権問題である拉致問題の解決に向けて、オールジャパン
で臨んでいることをしっかり伝えることができました。誠にありがとうございま
した。

 また現地ワシントンDCで、ご主人と共にご協力しただいたスーザン古森さんに
も感謝いたします。ありがとうございました。

 訪米時米国政府の方々には、北朝鮮に対して共に戦ってほしいことを伝えると
ともに、改めて家族会の親世代が健在なうちに、全拉致被害者の即時一括帰国を
求めていることを伝えてきました。

 また仮に米朝首脳会談が開催される場合、日本は親世代が健在なうちに、日本
で拉致被害者との再会が果たされない場合は、人道支援を行えないこと、独自制
裁解除もできないことを、北朝鮮に伝えてほしいとお願いしてきました。

 さらに日朝首脳会談が、米朝首脳会談に先行して実施される場合は、核開発、
弾頭ミサイル開発問題と切り離して、人権問題で拉致事件解決に向けた行動を容
認してほしいと伝えてきました。誰一人異論を唱えた方はいらっしゃいませんで
した。

 家族会の親世代で健在なのは私の母でもあり、めぐみの母でもある早紀江一人
だけです。89歳です。本日も身体に負担のない範囲で出席させていただいてい
ますが、今日元気であっても、明日は元気でないかもしれないという年齢です。
本当に残された時間がないことを、日本政府、北朝鮮当局は理解してほしいと思
います。

 万が一親世代が亡くなった後、拉致被害者が帰国しても、それは晴れての帰国
は言えません。むしろなぜ元気なうちに帰国させなかったのかと、怒りは頂点に
達し、国民世論と共に北朝鮮への怒りは頂点に達します。親世代が健在なうちに
拉致被害者の即時一括帰国が実現しなければ、日朝国交正常化に全面的に反対し、
さらなる強い制裁を日本政府に求めることになります。

 本年4月現在、人権問題である拉致事件解決を願い署名してくださった方は、
1920万筆を超えました。北朝鮮当局そして金正恩委員長には、日本のこの怒りの
数を軽視してはなりません。

◆北朝鮮にとっても残された時間がない

 日本政府に求めます。主権国家の主体者である国民が拉致されて50年近く放
置されている現状を、速やかに原状回復してください。拉致された私たちの家族
や兄弟を一刻も早く日本に連れ戻し、再会できるように行動してください。

 そのためには、石破首相と金正恩委員長との首脳会談を実現するしかありませ
ん。連絡事務所設置や合同調査委員会の設置といった北朝鮮側のくせ玉にだまさ
れることなく、唯一決裁権を持つ金正恩委員長との会談を行い、両国が明るい未
来を描けるように行動してください。

 金正恩委員長に伝えます。人権・人道問題である拉致事件を解決することで、
両国が明るい未来を描けることを理解してください。

 繰り返し言いますが、今後帰国した拉致被害者から北朝鮮国内で見聞きした秘
密を聞き取り、それを公開し、日朝国交正常化を邪魔することはしない、と言っ
ている私たちの声を信じてください。ただ家族や兄弟を返してほしいだけなので
す。

 今のまま、国際社会から人権侵害を主導している独裁者として、またテロ支援
国家として評価されることを続けるべきではありません。あなたの前の代で行わ
れた負の遺産をあなたの代で解決し、あなたの勇気と英断で明るい未来を描ける
国にしてほしいと思います。手を血に染め、恐怖と暴力に満ちた外交を続けるの
か、または娘の金ジュエさんにも誇れる父であり、リーダーになるかを決断して
ほしいと思います。

 残された時間はありません。2002年の日朝首脳会談により、5人の方が羽田空
港に着いた飛行機から姿を見せ、それぞれの家族や友人たちと再会した時の喜び
を是非実現できるよう、日本政府に改めてお願いをします。

 私たちは再会がかなうまで全拉致被害者の即時一括帰国が実現するまで、決し
てあきらめることはありません。声を武器にして正義のために戦い続けます。ど
うか国民の皆様におかれましては、誰かの話ではなく、わが事の問題として一緒
に戦っていただければと思います。引き続きのご支援とご理解をいただけますよ
う、宜しくお願い致します。ありがとうございます(拍手)。

◆参加家族紹介

西岡(救う会会長) 横田拓也家族会代表以外の家族会のメンバーをご紹介した
いと思います。

 横田めぐみさんの母、横田早紀江さん(拍手、以下略)。
 横田めぐみさんの弟、横田哲也さん。
 田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん。
 田口八重子さんの兄、本間勝さん。
 松木薫さんの弟、松木信宏さん。
 松本京子さんの兄、松本孟さん。
 寺越昭二さんの長男、寺越昭男さん。
 寺越昭二さんの三男、内田美津夫さん。
 帰国された地村富貴恵さんの兄、浜本七郎さん。

 以上です。

◆とても明るくて、ほがらかで、他人にとてもやさしい子どもでした

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 皆様こんにちは(会場から、こんにちは)。今日はたくさんの皆様がお集まり
くださって、この拉致問題に対しての私たちの思いとか、総理の話とか、たくさ
んのことを聞いていただいて、この問題がどのように大変な問題であるかという
ことを、もう一度、改めてご自分のお子様方の上に心を寄せて、この子がこのよ
うな形になって今があれば、私はどんなになっているだろうかという思いで、お
聞きいただければと思います。

 めぐみが中学1年生の時、バトミントンの練習を一生懸命して、強化選手に選
ばれて、「お母さん私はこんなものになれるとは思わなかった。これはちょっと
重荷だからどうしようかな。受けられるかな」と、とても心配そうに言っていた
のを思い出します。

 「本当に自信がないならすぐにお断りしなさい。私がなりたいと思っている人
がたくさんいるんだから。本当にできると思うなら一生懸命やりなさい」と言っ
たら、「じゃあ自分で考えてみる。頑張ってやるかもしれないし」と言って2、
3日考えていて、「頑張ります」ということになって選手に選ばれたわけですが、
そんなスポーツをするような子じゃないと、私が思ってもいない子どもでした。

 クラシック・バレエとか書道とか、そういうことは一生懸命やって身体も鍛え
ていましたので、しっかり運動はできていたなと思います。とても明るくて、ほ
がらかで、他人にとてもやさしい子どもでしたので、私はそこの所だけはちゃん
と育ってくれたなと思っていました。

◆こつぜんと姿を消したあの日

 しかし、あの日夕方、学校の帰りにこつぜんと、誰も見ていない終わり方で姿
を消して、全く何も分からない状況で、煙のように消えてしまったわけです。な
ぜこういうことになったのか、なにが悪かったのだろう、と私たちは本当に苦し
み、悩みました。

 仲良く、元気で、そんなにぜいたくもしないで、楽しく過ごしていた家庭にな
ぜこんなことが起きるんだろうね。お父さん何が悪かったのだろう、と言いつつ、
いつも泣きながら浜辺を歩き、「めぐみちゃーん、めぐみちゃーん」と、泣きな
がら何か落ちていないかと探しました。長い海岸を何度も何度も捜し歩いて暮ら
していました。

 警察もたくさんの方が捜索してくださいましたが、まるで映画を見ているよう
な感じで、ドラマの中にいるような感じで、鮮やかにパッと消えてしまった。そ
んなことが本当にあるのだろうか。何かが残っているはずなのに何にも残らず消
えてしまう。

 あんなに元気で、「お母さん、今日のおかずは何」と、行く前に聞いていくよ
うな面白い子でしたので、悩みがあって消えてしまうような子どもじゃ絶対ない
と思っていました。本当に、「分からない。分からない。分からない」というこ
とで、苦しくて苦しくて泣き続けていました。

 子どもたちがいる所であまり泣くと心配するだろうと、お父さんも心配させな
いように泣いていたようですが、私も子どもたちが学校に行ってから押入れを開
けて、布団の中に頭を突っ込んで、「わー」と思い切り泣いて、畳をかきむしっ
ていました。

 隣のお婆さんが、「そんなに泣いたら身体がだめになっちゃうよ。大丈夫だか
ら。大きくなって帰ってくるから」となぐさめてくださいましたが、どなたが同
じような状況に置かれても、「何なんだろう。何で一人の人がこんなに簡単に消
えてしまうのだろう、と思ってばかりでした。

 家のすぐ近くでパッと消えて、何にも残っていない、誰も見ていない、どうし
てこんなことが新潟で起きるのだろうと。そしてそのことが拉致という問題であっ
た。それを背負い続けて、西岡先生や島田先生や、佐藤勝巳先生や本当にたくさ
んの方々、全国の皆さんから本当に暖かいご支援を頂いて、全国を主人と一緒に
講演に歩きました。

◆これ以上何をしたらいいんだろう

 今のような話をすると、皆さんが泣きながら、「頑張ってね」と声をかけてく
ださいました。署名喝活動もたくさんの方からちょうだいして、それを皆政府に
出しました。そして本を書いたらどうですかと言われて、泣きながら、初めから
思い出しながら書いて、出させていただきました。

 もうこれ以上何をしたらいいんだろう、どうしたらこれが解決するんだろうと
思いました。座り込みもしました。デモ行進もしました。今までやったこともな
いことを、やれるだけのことはみんなでやりました。

 皆さんと一緒に頑張ってきましたけど、未だに何にも分からないのです。どう
いう生活をしているのか。写真だけでも見たいと私は時々訴えていますが、こん
なに長い年月、子どもたちが私たちの身体をおもんばかって、お父さんも会えな
いままとなりましたが、頑張ってくれていると思います。

 こんなことがあっていいんでしょうか。皆さんのお子さんたちが突然消えてし
まう、47年間も全くわからない。皆様ならどうなさいますか。何かいい知恵が
ありますか。教えてください。

 私は北朝鮮に行って、金正恩さんに会って、「あなただってかわいいお嬢さん
がいるじゃないですか。そのお嬢さんが知らない国に連れていかれたら、あなた
はどうしますか」と言いたい。返してくださいと願っている人がいっぱいいるの
に、蓮池さんたちが帰ってきただけで、誰も様子が分からない。こんなことが現
実の世界にあるのかなと思うほど、不思議な問題です。

 これは私が生きている間に解結できるのかなといつも思いますので、よく歩い
て、栄養をとって、明るく元気で、めそめそ泣かないで、「めぐみちゃん、よく
帰ってきたね」と言えるまでは、頑張っていきたいと思っていますので、どうぞ
皆様、ご自分のお子様の問題として、日本の国民として考えてください。

 誰がということではなく、このままでは国家が世界から侮られてしまうと思う
ほど、怖いなと毎日恐怖感を感じています。どうか皆様方も、心から日本を愛し
て、国民を大切にして、お子様を大切にして、これからも応援してくださいます
ようよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(2につづく)

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿

■救う会全国協議会ニュース

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