訪米報告と即時一括帰国への展望4(2025/05/19)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.05.19)
■訪米報告と即時一括帰国への展望4
◆対北放送の予算をトランプ大統領が切っている
一つ残念だったのは、北朝鮮人権問題全般については、関心が低かったことで
す。実はアメリカは2004年に、北朝鮮人権法という法律を通しています。日本は
2006年です。しかし、その法律は日本と違って時限法案で5年に1回くらい更新し
なければならない。何回か更新されてきたのですが、1年半まえに期限が切れて
います。バイデン政権の時です。そして今も更新されていない。
その北朝鮮人権法の中には、世界中の拉致被害者について、それを北朝鮮に働
きかけるということが入っています。また、ラジオなどで北朝鮮に真実を伝える
ことも入っています。その法律が今はない状態です。
もう一つ、トランプ政権は大規模な行政改革をやっています。無駄を排すると
いうことで、国務省の予算などはかなり切っています。その中で、ボイス・オブ
・アメリカ(ラジオ等)という国営放送があります。
第二次世界大戦からやっているんですが、アメリカの声を敵国に伝える。それ
から自由アジア放送という短波放送もあります。この予算も大幅に削って、ボイ
ス・オブ・アメリカは今活動を停止しています。自由アジア放送はかなりの人た
ちが解雇されています。残っている人たちで細々とやっています。
トランプ政権としては、ボイス・オブ・アメリカや自由アジア放送、自由ヨー
ロッパ放送もあります。そういう所に実は親中派、新北派が入り込んでいるとい
うこともあって縮小したそうです。スザンヌ・ショルティさんという人権活動家
がそのように言っていました。
東ドイツが崩壊した、あるいは東ヨーロッパが崩壊した一番大きな理由の一つ
が、そのラジオやテレビを見ていたということです。北朝鮮でも、遅まきながら
ですが、今韓国の短波ラジオを聴いたり、韓国からUSBやSDカードが風船やペッ
トボトルで送られたりしていて、韓国ドラマブームが起きているのですが、そう
いうことをやる予算をトランプ政権は切っているということが分かりました。
◆アメリカ人も拉致疑惑、拉致に関心を持っている
そういう中で古屋先生は、私たちが伝えようとすることが、かなりワシントン
で共通認識になるということを踏まえて、「実はアメリカにも拉致疑惑があるん
ですよ」という話を、国務省、NSC、そして議員の人たちにしました。
古屋先生が積極的に働きかけたことによって、上院と下院でスネドンさんとい
うアメリカの学生が、中国雲南省を旅行中に失踪して行方不明になったのですが、
様々な情報から、北朝鮮に拉致された可能性が高いとされています。
雲南省というのは、脱北者が中国を通って東南アジアに逃げるルートなんです。
そこで北朝鮮の保衛部の人間が、脱北者を助ける人を拉致するという活動をやっ
ていて、韓国人の宣教師等が拉致されています。
スネドンさんはモルモン教の宣教師で、韓国語ができる人で、中国には旅行で
行っていたのです。そして彼の友人が脱北者を助けることをやっていて、北京に
いるその友人のところに泊まった後雲南省に行ったので、誤解された可能性があ
る。
様々なことがあって、疑惑があるということで上院、下院でこの疑惑について
慎重に活動すべきだという決議が通っていました。議員も代わっているので、そ
のことを知らなかったり、忘れていた人もいました。
そこで古屋先生が、アメリカの上院、下院で決議をしている。日本の総理大臣
は拉致被害者家族と何回も会っている。アメリカの大統領は、日本人の家族に会っ
てくれたが、スネドンさんの家族にまだ会っていない。アメリカの国務長官や高
官が会ったらどうですか、という話をしました。
全体的に言うと、アメリカに対して私たちが待っていること、北朝鮮と交渉す
る時に拉致問題を出してほしい、いや出すんだと。それがトランプ大統領の強い
意思だ。
そして拉致家族としては、核をやめたら北朝鮮は豊かな国になれる。しかし、
アメリカは核を止めたとしても、北朝鮮のような独裁政権には人道支援はできる
けれども、政府レベルで経済協力する枠組みがない。
しかし日本は平壌宣言で、拉致、核・ミサイルを解決したら国交正常化をして、
大規模な経済協力をすると約束している。このこともトランプ大統領の頭に入っ
ていて、それは安倍総理のおかげですが、そのカードを使おうとしている。
そしてアメリカの議会の中、国務省などでも、これだけ一生懸命運動してきた
家族会では、親の世代が一人になったことも、かなり知れわたっている。私たち
が毎年行っただけでなく、対策本部や外務省の方々のおかげだと思って、感謝し
ています。
アメリカの議会の人たちも、「今どうなっているんだ、今どうなっているんだ」
と、本当に関心をもっているので、情報が状況が共有されていた、ということで
す。
◆スウェーデンルートを使って米朝が接触している
となると、私は何回も言っていますが、トランプ・金正恩会談がいつ、どのよ
うな形で行われるのか、です。それが我々にとって一番の関心事です。そのこと
についても専門家の人たちと色々議論しました。私と島田さんは先乗りしました
から、アメリカ第一政策研究所、これはトランプ大統領が作ったものですが、大
統領のためのシンクタンクで、政権に近い研究所を訪問し、それからヘリテージ
財団、北朝鮮人権活動家とも話しました。
私は実はアメリカに行く直前に、ある情報筋から、スウェーデンルートを使っ
て米朝が接触しているという情報を聞きました。アメリカに行ってみたら、アク
シオスという英文のネットニュースで政治や国際ニュースだけを扱うネットニュー
スで、私たちが訪米した1週間前に、「在平壌スウェーデン大使がワシントンを
訪問した。それは米朝首脳会談のためにワシントンの空気を調べるためだ」とい
う記事がでました。
同じ記事で、「トランプ政権は米朝首脳会談の準備をしていて、一部民間の専
門家も集めて意見を聞いている」という記事がでました。スウェーデンというの
が一致したのですね。
スウェーデンというのは実は、アメリカは北朝鮮と国交がないから平壌に大使
館がないのですが、アメリカ人が何か事故にあったりした場合、アメリカの利益
を代表する業務をスウェーデン大使館に依頼しているのです。
在平壌スウェーデン大使館は、アメリカの利益代表部でもあるのです。北朝鮮
が何かアメリカに公式に伝えたいときに、スウェーデン大使館を使うというのは
あり得ることです。
北朝鮮が何かトランプ氏に伝えたい時に、スゥーエデン大使館を使うことはあ
り得るわけです。平壌に帰る人がスゥーエデンではなくワシントンに来たという
のは何か用事があった筈です。来たことは間違いない。何かやっていたんだろう
なということは分かっていたのですが、もう一つ専門家から聞いたことがありま
す。
◆ロシア軍がウクライナ戦争で使っている砲弾の6割は北朝鮮製
トランプ大統領は今のウクライナ戦争を停戦させることに全力を尽くしている
そうです。北朝鮮はロシアに、砲弾を大規模に出しています。日本に帰ってきて
から軍事専門家に聞いたのですが、ロシア軍がウクライナ戦争で使っている砲弾
の6割は、今北朝鮮製だそうです。北朝鮮から砲弾が提供されなければ、ロシア
は戦争を継続できない。
私は北朝鮮の砲弾は不良品が多いと思っていて専門家に聞いたら、最近はいい
物が来ているそうです。トランプさんからすると、停戦しろと言っているのに、
プーチンは北朝鮮の支えがあるので戦争を続けられている。北朝鮮が砲弾の提供
と派兵をやめない限り、米朝首脳会談にはならないのではないか、というのがワ
シントンの専門家の見方です。
一昨日の北朝鮮の「朝鮮中央通信」では、「敬愛する金正恩総書記が第二経済
委員会傘下の軍需企業所を現地指導」とあります。第二経済委員会というのは、
北朝鮮の軍需産業が政府の下にはなくて、が第二経済委員会直轄で運営していま
す。
その中で、砲弾の製造実績が平年の4倍、最高生産水準のほぼ2倍というめざま
しい成長速度を記録している」とあります。金正恩が褒めているのです。平壌と
いうのはウクライナ戦争が始まる前だと思います。どこを訪問したかは書いてい
ませんが、北朝鮮の北部の慈江道(チャガンド)に軍需工場がたくさんあります。
そこで砲弾を今作っている。
24時間休まず砲弾を作っている。材料はロシアから来ます。そこの労働者たち
の食べ物もロシアから来ます。そして4倍の砲弾を作って、どんどんロシアに出
している。「それが何とかならないと、米朝首脳会談にはならないのではないか」
という話を、ワシントンの専門家から聞きました。
◆全国で「なぜ大義のない戦争のために私たちの若者が死ぬんだ」等の落書き
一方北朝鮮の派兵は、これまで北朝鮮は認めていなかったのですが、最初ロシ
アが、「北朝鮮軍が来ている」と言い、そして北朝鮮も今、「派兵している」と
言っています。そしてこれは、「朝ロパートナーシップ条約に基づいて、ウクラ
イナがロシアに侵略してきたので北朝鮮が派兵した」と北朝鮮が発表しました。
そして、「犠牲になった人がいる、平壌に慰霊塔を造る。そこに金正恩もお参
りして家族へも手当てをする」とも言っていました。実は死亡者が大変増えてい
て、民心がものすごく動揺していた。その発表までは派兵したことを秘密にして
いた。しかしどんどん戦死者がでるので、戦死者の家族には、「訓練中に死んだ」
と言っています。
北朝鮮は徴兵制ですから、訓練中に死んでも保証金なんかでないわけです。
「訓練中の死亡」扱いにして、朝鮮労働党の党員にしてやると、党員証を渡して、
「このことを言うなよ」ということをやっていたそうです。しかしあまりにも戦
死者が多いので、口コミで広がっている。
そしてプーチンからお金を貰っているはずなのに、一切遺族に渡っていない、
ということも伝わって。大変人民の不安が高まっています。4月に入ってから、
反体制落書き事件が、平壌だけでなく全国で広がっていると聞きました。
朝起きてみると、公衆便所や駅前に、「私たち若者がロシアに行って相当死ん
でいる。保証金を一銭も貰っていない。なぜ大義のない戦争のために、私たちの
若者が死ぬんだ。これで最高司令官と言えるのか」と、金正恩批判まで含まれて
います。たくさんあり過ぎるので、国家保衛部(秘密警察)が白いペンキを持っ
て、見つけたらすぐ消しています。
全国で一斉に起きたので、反体制地下組織があるわけです。自然発生的なもの
ですが、これを捜査していると聞きました。捜査の結果はまだ聞いていません。
それで、「朝ロパートナーシップ条約に基づいて、ロシアが侵略されたから我
々が助けたんだ。今度我々が侵略されたらロシアが助けてくれるんだ。だからこ
れは朝鮮のためにやっているんだ。その人たちの死は誇りあるものなんだ。金正
恩総書記が慰霊塔まで建ててお参りする」と発表せざるを得なかった。
ではこれ以上派兵が続くかどうか。民心の状況とも関係してくると思います。
私もロシア問題の専門家ではないので、停戦交渉が今どうなっているのか、正確
には分かりませんが、トランプ大統領は、「私が就任したらすぐ終わる」と行っ
ていますが、プーチン大統領がなかなか言うことを聞かない。
今も、「戦争記念パレードをやっている間は一方的に停戦する」と言いながら、
停戦中にも関わらずキーウ(首都)を爆撃したということです。
そこの部分で、私はワシントンに行くまでは、多分プーチンもトランプ大統領
の話を受け入れて停戦するんじゃないか。そうなれば夏ぐらいには米朝首脳会談
が開かれるのかなと思っていたのですが、砲弾を提供していることによって、北
朝鮮には外貨が入ってくるし、ロシアから北朝鮮がほしかった原子力潜水艦の技
術とか、海軍がものすごく弱いので最近ミサイルを発射できる駆逐艦を造ったと
聞きましたが、全部ロシアから技術が来ているようで、それは金正恩にとって大
変ほしかった物です。金正恩にとってはロシアの戦争に加担し続けることがいい
ことだとなる。
その後トランプに会いたい、そして日本からお金も貰いたいということも考え
ているでしょうが、すぐにトランプと会うかどうかは分らなくなってきました。
◆同時多発テロより前に、我々が先に、「テロは国際社会の敵だ」と
訪米の話に戻りますが、私たちは2001年から訪米しているんですが、最初の訪
米の時は拉致問題対策本部もなかったし、小泉訪朝の前だったので、親の世代の
人たちとみんなで行きました。会えたのは補佐官のレベルで、課長クラスの人に
も会えなかったくらいでした。そこでは拉致があることを伝えることが目的でし
た。
小泉訪朝の後2003年に、拉致議連の先生と一緒に大規模な訪米をしました。そ
の時からずっと考えているんですが、今拓也さんも耕一郎さんもいましたが、ア
メリカに助けてもらいに行くんじゃない。じゃあアメリカに何を言いにいくんだ。
2001年の頃は、なかなか日本の世論も動かない。拉致があるということも認め
ないという状況でしたが、この時に考えたのは、「拉致はテロだ。テロは国際社
会の敵だ。アメリカも一緒に戦ってください」と。そうしたら2001年に同時多発
テロが起きて、アメリカは、「テロは国際社会の敵だ。テロと戦争をする。日本
も一緒に戦え」と言ってきた。我々の方が先に、「テロは国際社会の敵だ」と言っ
たんです。
実は、拉致をテロだと言ったのはもう一つ理由があって、アメリカに助けてく
れと言うのではなく、アメリカを使って北朝鮮を追い込もうと思ったのです。
(5にうづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■訪米報告と即時一括帰国への展望4
◆対北放送の予算をトランプ大統領が切っている
一つ残念だったのは、北朝鮮人権問題全般については、関心が低かったことで
す。実はアメリカは2004年に、北朝鮮人権法という法律を通しています。日本は
2006年です。しかし、その法律は日本と違って時限法案で5年に1回くらい更新し
なければならない。何回か更新されてきたのですが、1年半まえに期限が切れて
います。バイデン政権の時です。そして今も更新されていない。
その北朝鮮人権法の中には、世界中の拉致被害者について、それを北朝鮮に働
きかけるということが入っています。また、ラジオなどで北朝鮮に真実を伝える
ことも入っています。その法律が今はない状態です。
もう一つ、トランプ政権は大規模な行政改革をやっています。無駄を排すると
いうことで、国務省の予算などはかなり切っています。その中で、ボイス・オブ
・アメリカ(ラジオ等)という国営放送があります。
第二次世界大戦からやっているんですが、アメリカの声を敵国に伝える。それ
から自由アジア放送という短波放送もあります。この予算も大幅に削って、ボイ
ス・オブ・アメリカは今活動を停止しています。自由アジア放送はかなりの人た
ちが解雇されています。残っている人たちで細々とやっています。
トランプ政権としては、ボイス・オブ・アメリカや自由アジア放送、自由ヨー
ロッパ放送もあります。そういう所に実は親中派、新北派が入り込んでいるとい
うこともあって縮小したそうです。スザンヌ・ショルティさんという人権活動家
がそのように言っていました。
東ドイツが崩壊した、あるいは東ヨーロッパが崩壊した一番大きな理由の一つ
が、そのラジオやテレビを見ていたということです。北朝鮮でも、遅まきながら
ですが、今韓国の短波ラジオを聴いたり、韓国からUSBやSDカードが風船やペッ
トボトルで送られたりしていて、韓国ドラマブームが起きているのですが、そう
いうことをやる予算をトランプ政権は切っているということが分かりました。
◆アメリカ人も拉致疑惑、拉致に関心を持っている
そういう中で古屋先生は、私たちが伝えようとすることが、かなりワシントン
で共通認識になるということを踏まえて、「実はアメリカにも拉致疑惑があるん
ですよ」という話を、国務省、NSC、そして議員の人たちにしました。
古屋先生が積極的に働きかけたことによって、上院と下院でスネドンさんとい
うアメリカの学生が、中国雲南省を旅行中に失踪して行方不明になったのですが、
様々な情報から、北朝鮮に拉致された可能性が高いとされています。
雲南省というのは、脱北者が中国を通って東南アジアに逃げるルートなんです。
そこで北朝鮮の保衛部の人間が、脱北者を助ける人を拉致するという活動をやっ
ていて、韓国人の宣教師等が拉致されています。
スネドンさんはモルモン教の宣教師で、韓国語ができる人で、中国には旅行で
行っていたのです。そして彼の友人が脱北者を助けることをやっていて、北京に
いるその友人のところに泊まった後雲南省に行ったので、誤解された可能性があ
る。
様々なことがあって、疑惑があるということで上院、下院でこの疑惑について
慎重に活動すべきだという決議が通っていました。議員も代わっているので、そ
のことを知らなかったり、忘れていた人もいました。
そこで古屋先生が、アメリカの上院、下院で決議をしている。日本の総理大臣
は拉致被害者家族と何回も会っている。アメリカの大統領は、日本人の家族に会っ
てくれたが、スネドンさんの家族にまだ会っていない。アメリカの国務長官や高
官が会ったらどうですか、という話をしました。
全体的に言うと、アメリカに対して私たちが待っていること、北朝鮮と交渉す
る時に拉致問題を出してほしい、いや出すんだと。それがトランプ大統領の強い
意思だ。
そして拉致家族としては、核をやめたら北朝鮮は豊かな国になれる。しかし、
アメリカは核を止めたとしても、北朝鮮のような独裁政権には人道支援はできる
けれども、政府レベルで経済協力する枠組みがない。
しかし日本は平壌宣言で、拉致、核・ミサイルを解決したら国交正常化をして、
大規模な経済協力をすると約束している。このこともトランプ大統領の頭に入っ
ていて、それは安倍総理のおかげですが、そのカードを使おうとしている。
そしてアメリカの議会の中、国務省などでも、これだけ一生懸命運動してきた
家族会では、親の世代が一人になったことも、かなり知れわたっている。私たち
が毎年行っただけでなく、対策本部や外務省の方々のおかげだと思って、感謝し
ています。
アメリカの議会の人たちも、「今どうなっているんだ、今どうなっているんだ」
と、本当に関心をもっているので、情報が状況が共有されていた、ということで
す。
◆スウェーデンルートを使って米朝が接触している
となると、私は何回も言っていますが、トランプ・金正恩会談がいつ、どのよ
うな形で行われるのか、です。それが我々にとって一番の関心事です。そのこと
についても専門家の人たちと色々議論しました。私と島田さんは先乗りしました
から、アメリカ第一政策研究所、これはトランプ大統領が作ったものですが、大
統領のためのシンクタンクで、政権に近い研究所を訪問し、それからヘリテージ
財団、北朝鮮人権活動家とも話しました。
私は実はアメリカに行く直前に、ある情報筋から、スウェーデンルートを使っ
て米朝が接触しているという情報を聞きました。アメリカに行ってみたら、アク
シオスという英文のネットニュースで政治や国際ニュースだけを扱うネットニュー
スで、私たちが訪米した1週間前に、「在平壌スウェーデン大使がワシントンを
訪問した。それは米朝首脳会談のためにワシントンの空気を調べるためだ」とい
う記事がでました。
同じ記事で、「トランプ政権は米朝首脳会談の準備をしていて、一部民間の専
門家も集めて意見を聞いている」という記事がでました。スウェーデンというの
が一致したのですね。
スウェーデンというのは実は、アメリカは北朝鮮と国交がないから平壌に大使
館がないのですが、アメリカ人が何か事故にあったりした場合、アメリカの利益
を代表する業務をスウェーデン大使館に依頼しているのです。
在平壌スウェーデン大使館は、アメリカの利益代表部でもあるのです。北朝鮮
が何かアメリカに公式に伝えたいときに、スウェーデン大使館を使うというのは
あり得ることです。
北朝鮮が何かトランプ氏に伝えたい時に、スゥーエデン大使館を使うことはあ
り得るわけです。平壌に帰る人がスゥーエデンではなくワシントンに来たという
のは何か用事があった筈です。来たことは間違いない。何かやっていたんだろう
なということは分かっていたのですが、もう一つ専門家から聞いたことがありま
す。
◆ロシア軍がウクライナ戦争で使っている砲弾の6割は北朝鮮製
トランプ大統領は今のウクライナ戦争を停戦させることに全力を尽くしている
そうです。北朝鮮はロシアに、砲弾を大規模に出しています。日本に帰ってきて
から軍事専門家に聞いたのですが、ロシア軍がウクライナ戦争で使っている砲弾
の6割は、今北朝鮮製だそうです。北朝鮮から砲弾が提供されなければ、ロシア
は戦争を継続できない。
私は北朝鮮の砲弾は不良品が多いと思っていて専門家に聞いたら、最近はいい
物が来ているそうです。トランプさんからすると、停戦しろと言っているのに、
プーチンは北朝鮮の支えがあるので戦争を続けられている。北朝鮮が砲弾の提供
と派兵をやめない限り、米朝首脳会談にはならないのではないか、というのがワ
シントンの専門家の見方です。
一昨日の北朝鮮の「朝鮮中央通信」では、「敬愛する金正恩総書記が第二経済
委員会傘下の軍需企業所を現地指導」とあります。第二経済委員会というのは、
北朝鮮の軍需産業が政府の下にはなくて、が第二経済委員会直轄で運営していま
す。
その中で、砲弾の製造実績が平年の4倍、最高生産水準のほぼ2倍というめざま
しい成長速度を記録している」とあります。金正恩が褒めているのです。平壌と
いうのはウクライナ戦争が始まる前だと思います。どこを訪問したかは書いてい
ませんが、北朝鮮の北部の慈江道(チャガンド)に軍需工場がたくさんあります。
そこで砲弾を今作っている。
24時間休まず砲弾を作っている。材料はロシアから来ます。そこの労働者たち
の食べ物もロシアから来ます。そして4倍の砲弾を作って、どんどんロシアに出
している。「それが何とかならないと、米朝首脳会談にはならないのではないか」
という話を、ワシントンの専門家から聞きました。
◆全国で「なぜ大義のない戦争のために私たちの若者が死ぬんだ」等の落書き
一方北朝鮮の派兵は、これまで北朝鮮は認めていなかったのですが、最初ロシ
アが、「北朝鮮軍が来ている」と言い、そして北朝鮮も今、「派兵している」と
言っています。そしてこれは、「朝ロパートナーシップ条約に基づいて、ウクラ
イナがロシアに侵略してきたので北朝鮮が派兵した」と北朝鮮が発表しました。
そして、「犠牲になった人がいる、平壌に慰霊塔を造る。そこに金正恩もお参
りして家族へも手当てをする」とも言っていました。実は死亡者が大変増えてい
て、民心がものすごく動揺していた。その発表までは派兵したことを秘密にして
いた。しかしどんどん戦死者がでるので、戦死者の家族には、「訓練中に死んだ」
と言っています。
北朝鮮は徴兵制ですから、訓練中に死んでも保証金なんかでないわけです。
「訓練中の死亡」扱いにして、朝鮮労働党の党員にしてやると、党員証を渡して、
「このことを言うなよ」ということをやっていたそうです。しかしあまりにも戦
死者が多いので、口コミで広がっている。
そしてプーチンからお金を貰っているはずなのに、一切遺族に渡っていない、
ということも伝わって。大変人民の不安が高まっています。4月に入ってから、
反体制落書き事件が、平壌だけでなく全国で広がっていると聞きました。
朝起きてみると、公衆便所や駅前に、「私たち若者がロシアに行って相当死ん
でいる。保証金を一銭も貰っていない。なぜ大義のない戦争のために、私たちの
若者が死ぬんだ。これで最高司令官と言えるのか」と、金正恩批判まで含まれて
います。たくさんあり過ぎるので、国家保衛部(秘密警察)が白いペンキを持っ
て、見つけたらすぐ消しています。
全国で一斉に起きたので、反体制地下組織があるわけです。自然発生的なもの
ですが、これを捜査していると聞きました。捜査の結果はまだ聞いていません。
それで、「朝ロパートナーシップ条約に基づいて、ロシアが侵略されたから我
々が助けたんだ。今度我々が侵略されたらロシアが助けてくれるんだ。だからこ
れは朝鮮のためにやっているんだ。その人たちの死は誇りあるものなんだ。金正
恩総書記が慰霊塔まで建ててお参りする」と発表せざるを得なかった。
ではこれ以上派兵が続くかどうか。民心の状況とも関係してくると思います。
私もロシア問題の専門家ではないので、停戦交渉が今どうなっているのか、正確
には分かりませんが、トランプ大統領は、「私が就任したらすぐ終わる」と行っ
ていますが、プーチン大統領がなかなか言うことを聞かない。
今も、「戦争記念パレードをやっている間は一方的に停戦する」と言いながら、
停戦中にも関わらずキーウ(首都)を爆撃したということです。
そこの部分で、私はワシントンに行くまでは、多分プーチンもトランプ大統領
の話を受け入れて停戦するんじゃないか。そうなれば夏ぐらいには米朝首脳会談
が開かれるのかなと思っていたのですが、砲弾を提供していることによって、北
朝鮮には外貨が入ってくるし、ロシアから北朝鮮がほしかった原子力潜水艦の技
術とか、海軍がものすごく弱いので最近ミサイルを発射できる駆逐艦を造ったと
聞きましたが、全部ロシアから技術が来ているようで、それは金正恩にとって大
変ほしかった物です。金正恩にとってはロシアの戦争に加担し続けることがいい
ことだとなる。
その後トランプに会いたい、そして日本からお金も貰いたいということも考え
ているでしょうが、すぐにトランプと会うかどうかは分らなくなってきました。
◆同時多発テロより前に、我々が先に、「テロは国際社会の敵だ」と
訪米の話に戻りますが、私たちは2001年から訪米しているんですが、最初の訪
米の時は拉致問題対策本部もなかったし、小泉訪朝の前だったので、親の世代の
人たちとみんなで行きました。会えたのは補佐官のレベルで、課長クラスの人に
も会えなかったくらいでした。そこでは拉致があることを伝えることが目的でし
た。
小泉訪朝の後2003年に、拉致議連の先生と一緒に大規模な訪米をしました。そ
の時からずっと考えているんですが、今拓也さんも耕一郎さんもいましたが、ア
メリカに助けてもらいに行くんじゃない。じゃあアメリカに何を言いにいくんだ。
2001年の頃は、なかなか日本の世論も動かない。拉致があるということも認め
ないという状況でしたが、この時に考えたのは、「拉致はテロだ。テロは国際社
会の敵だ。アメリカも一緒に戦ってください」と。そうしたら2001年に同時多発
テロが起きて、アメリカは、「テロは国際社会の敵だ。テロと戦争をする。日本
も一緒に戦え」と言ってきた。我々の方が先に、「テロは国際社会の敵だ」と言っ
たんです。
実は、拉致をテロだと言ったのはもう一つ理由があって、アメリカに助けてく
れと言うのではなく、アメリカを使って北朝鮮を追い込もうと思ったのです。
(5にうづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
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発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
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