訪米報告と即時一括帰国への展望3(2025/05/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.05.16)
■訪米報告と即時一括帰国への展望3
西岡 では飯塚耕一郎事務局長がかけつけてくださいましたので、お願いします。
◆「時間がない」と伝えた
飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)
仕事の関係で間に合わず失礼しました。横田代表の発言と重複する部分もある
かと思いますが、ご容赦ください。
今回4月29日から3団体で訪米をさせていただきました。計7日、実質4日の中で、
米議会の方々等とお話をさせていただきました。4日で、アポイントが13ですが、
上院下院をあちこちと回った形です。
NSC(国家安全保障会議)と国務省については、内容を紹介することはできな
いのですが、総じて皆様はこの問題に対して好意的、協力的な姿勢でした。
29日は、ジル・トクダ下院議員(共和党)等下院議員の方が中心となって、下
院で(拉致問題に関する)決議案を提案し、それを通すよう動くことを約束して
くださいました。上院でも同様な動きをしたいということがありました。
拉致問題については本当に議員の方々が好意的に対応してくださり、自分たち
のできることで動くんだという意思を示してくださいましたので、大変心強く、
嬉しく思いました。
アーミテージ元国務副長官のご遺族の方にお会いさせていただきました。本来
なら去年同様お会いしたかったのですが。いつも我々に熱く語っていただき、協
力的で、昨今の情勢を聞きたかったのですが、ご逝去されました。
私から各議員の方々に有本恵子さんの写真を見せて、「時間がない」というこ
とを、親の世代が一人になってしまったと伝えました。「北朝鮮に拉致され、我
々の救出を待っている私の母も75歳で高齢化しており、帰国を待っている家族も
高齢化して時間がない。これ以上時間をかけていい問題ではない。また、これ以
上家族の間を死が分かつようなことがあってはならない」と伝えました。
◆拉致被害者の一括帰国がない限り、北朝鮮への経済支援はない
日本と北朝鮮との間には、核・ミサイル問題、拉致問題があります。拉致問題
については切り離して進めたいと伝えました。拉致問題は命の問題であるので、
核・ミサイル問題のように時間がかかる問題と同列に扱うことはできないとも、
去年に引き続いてお伝えしました。
もし米朝が協議するような場面が生じた場合は、日本人拉致被害者の一括帰国
ができない限り、日本は北朝鮮への経済支援を一切行わないことを議会の方やホ
ワイトハウスの方等にお伝えしました。
この点については安倍元総理がトランプ大統領に申し入れていたことですので、
トランプさん自身の自覚として、日本人にとっては拉致問題が絶対的に重要であ
り、これを解決しない限り北朝鮮に支援は送られない。
米朝でどれだけ交渉が進もうが、アメリカら北朝鮮に支援を行うことはできま
せんので、支援は日本がすることは第一次トランプ政権以来継承されるという前
提を踏まえた上でのことです。それだけは絶対に引けないことです。
しかし、私の発言を皆さんが好意的に受け取っていただきましたし、どの方も
我々の発言に否定的なことはありませんでした。一人の議員は、「あなたたちの
問題は政治的なイシューではない。それ以前の人間的な問題である。これは絶対
に解決しなければならない」と熱く語ってくださった方もおられました。
ぶらさがり会見の時にも申し上げましたが、日本人の拉致問題に関してアメリ
カはあくまでもサポートの力です。アメリカが解決してくれるわけではない。日
本が主体的に動くべきです。しかし、政府がこの問題に積極的と思えるような状
況にはなっていないのです。
◆どう救うかの戦略、戦術も検討していただきたい
去年10月石破総理が新任された時、「拉致問題は大局観にもとづく判断をする」
という発言がありました。それ以降は連絡事務所の設置に関する言及や、2月11
日の国会答弁で「拉致問題の可視化」という新たな言葉もありました。それらが
何を示すのかは分からないわけですし、そもそも、「検証の結果どうなっていま
すか」と私が質問したのですが、明確な答えはまだありません。
「拉致問題の可視化」についての具体的な内容については、今後の対応に支障
が起きる恐れがあるからです。有本明弘さんが亡くなったその週にも見えてこな
いですし、心情的にも冷たくなっているなと思っています。
残念極まりないこともありますが、それより我々の家族が一刻も早く帰国する
ために、具体的な方策を見せていただきたいと思います。親父の飯塚?雄は、
「工程表を出してほしい」と繰り返し言っていましたが、どうやって救うかの戦
略、戦術も色々検討していただきたいと思います。
訪米した時も思ったのですが、日本が本気でこの問題について、救うという意
思を見せることが極めて重要だと思います。これはアメリカに対しても、北朝鮮
に対してもそうです。
拉致問題については、1週間に1回コメントが出てもいいくらいの問題ではない
かなと私は思っています。逆に日本が本気を見せない限り、我々家族がアメリカ
議会の方々に訴えたとしても、「じゃあ日本はどうするの。どう考えているの」
と、今回は向こうから触れることはなかったですが、心の奥底では思われている
と思います。そこは去年の10月以降の政権の対応を見ると、疑問にならざるをえ
ないと思います。
そういう観点ではネガティブな部分もありますが、ここであきらめたら絶対終
わりになりますので、あきらめずに、愚直に、我々には言葉しか使える武器はあ
りませんが、その言葉を使って可能な限りの機会に訴えていきたいと思います。
皆様、引き続きのご協力をお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
◆米国は、「核と拉致」セットで対北交渉する強い意思
西岡 今の耕一郎さんの話にも通じるのですが、核問題と拉致問題を切り離して、
日本が拉致問題を先に進めることを容認してほしいと、また拉致問題は命がかかっ
ている問題で時間がない、ということを話しました。
一方アメリカが核問題で米朝交渉を進めるのであれば、テーブルの上に拉致問
題も出してほしいということを、すべての面会で話されていることが印象的でし
た。
先ほど言いました「アピール」にも書いた通り、バイデン政権の時には日本が
先に進めるということが十分あり得る状況だったので、そのことを強調したわけ
です。
しかし、トランプ政権になって、北朝鮮の側から見ると人道支援の魅力は下がっ
た。多分平壌宣言に基づく大規模な経済支援を、トランプさんと会った後にもら
いたいと思っていると、私は判断しています。
それは2019年のハノイ(米朝首脳会談)で、その直前までその枠組みで動いた
からだと思っています。
実は2月に、石破首相がトランプ大統領とワシントンで会っています。その内
容を2月20日に、私たちが運動方針を持っていった時に、石破首相本人から説明
していただきました。
「トランプ大統領は金正恩委員長との会談に前向きである。そして次に金正恩
委員長に会う時には日本人拉致問題を出しますと言った」、という話がありまし
た。
ワシントンに行っても、政権としての意思は強い物を感じます。ルビオ長官が
会おうとしてくださったことも、政権としての重視の反映だと思いますし、会っ
たくださった副長官の言葉は引用してはならないとアメリカ側から私たちに依頼
があったので言いませんが、政権全体として取り組むという趣旨で話をしてくだ
さいました。また、「2月のトランプ・石破会談で、トランプ大統領が言った通
りだ」という話でした。
バイデン政権の時は、「人権問題」という観点で大変同情できるという色彩が
大変強かったわけです。しかしトランプ政権は北朝鮮の核問題と拉致問題を政権
として解決するという強い意思を感じました。
NSC(国家安全保障会議)に行って、ウォンさんという次席補佐官に会えまし
た。残念ながらウォンさんはどうも交代するのではないかという報道が出ている
のですが、私たちがあった時、強い同情の意思を示してくださいました。
もともとウォンさんというのは第一次トランプ政権の時、国務省で北朝鮮との
交渉を担当をしていた人です。その人が出てきて、政権の意思を話してくださっ
たのも大変いいことでした。
◆下院が大統領に書簡で要求、上下院が決議案を提出
もう一つ、行く前の打合せの時に対策本部が教えてくれたのですが、4月4日に、
下院議員16人の名前でトランプ大統領宛に書簡が出ている、と。そこでは、「拉
致被害者のめぐみさんのお母さん早紀江さんは89歳で、47年間娘との再会を待ち
続けている。早紀江さんは残された被害者の家族で、現在も生きている唯一の親
だ」と書いてあったそうです。
私たちが、「親の世代が生きているうちに助けなければならない唯一の親だ」
と言いに行こうと思ったのですが、その内容が書簡に書かれていた。「時間がな
い」ということを繰り返し言ってきたことの効果もあったでしょう。
直接的な契機は、実は3月5日に、拉致対策本部が主導してやってくださったの
ですが、「ワシントンポスト」というアメリカの有力新聞に、1面を使った意見
広告を出してくださった。その見出しは、「北朝鮮による日本人拉致、失踪から
数十年、残された親世代はただ一人」で、早紀江さんの年齢のことが書いてあり
ました。
先ほど拓也代表が見せて下さった、早紀江さんがトランプ大統領からもらった
写真付きの手紙と、有本明弘さんがやはりトランプ大統領からもらった手紙を持っ
て移っている写真が、「ワシントンポスト」の意見広告に出ています。
その意見広告を持って在ワシントンの日本大使館の方々が、関係するアメリカ
の上下院議員の所に回ってくださったのです。そのことが媒介になって下院議員
16人の書簡になり、そこでまさに私たちが訴えてきたのと同じ、「一人になった
親の世代が存命の内に助けなければならない」という趣旨が書かれていて、トラ
ンプ大統領に申し入れる書簡を出したのです。私たちが行く前に聞きました。
そして着いた日の4月29日に、下院のジェン・キガンス議員(共和党)とジル
・トクダ議員(民主党)が決議案を下院の外交委員会に提出しました。
そして30日、上院民主党のメイジー・ヒロノ議員と共和党のビル・ハガティ議
員に会いました。それ以外に、サリバン議員、去年も面会した方です。4人の上
院議員が、上院の外交委員会に決議案を出しました。
去年も実はサリバン議員が出してくださったのですが、通らなかったのです。
今年またほぼ同じ内容で出しました。特に上院の決議では大統領に対して、「北
朝鮮との将来の対話において、意見を確実に取り上げるように奨励する」という
のが、第5条として入っています。
私たちが頼もうとしていた内容が、アメリカの議員の名前で議会に出ていたの
です。それ以外の、1(条)は北朝鮮に対して日本からのものを含む拉致された
あらゆる外国人の解放するよう求める。2は、北朝鮮に対して死亡した拉致被害
者の遺骨の返還し、情報を提供するよう求める、3は、北朝鮮に対し拉致被害者
に関して適切な補償を行うよう求める、4は、北朝鮮に対しそのようなことに対
し謝罪し、永久に停止するよう求める、下院はこれがないのですが、大統領に対
して、北朝鮮との対話に際し本件を確実に取り上げることを求める、とあります。
頼もうとしていたことが既に議会の意思の中で広まっていることを確認するこ
とができました。一方国務省にしても、NSCにしても、政権としての意思を確認
することができました。私たちがお願いしたことを、トランプ政権として、議会
としても考えているということが分かりました。
日本人拉致問題については、同盟国の問題でもあるし、本当に本気になって考
えているし、北朝鮮と交渉する時のカードとしても、使えると思っているという
ことです。
(4につづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■訪米報告と即時一括帰国への展望3
西岡 では飯塚耕一郎事務局長がかけつけてくださいましたので、お願いします。
◆「時間がない」と伝えた
飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)
仕事の関係で間に合わず失礼しました。横田代表の発言と重複する部分もある
かと思いますが、ご容赦ください。
今回4月29日から3団体で訪米をさせていただきました。計7日、実質4日の中で、
米議会の方々等とお話をさせていただきました。4日で、アポイントが13ですが、
上院下院をあちこちと回った形です。
NSC(国家安全保障会議)と国務省については、内容を紹介することはできな
いのですが、総じて皆様はこの問題に対して好意的、協力的な姿勢でした。
29日は、ジル・トクダ下院議員(共和党)等下院議員の方が中心となって、下
院で(拉致問題に関する)決議案を提案し、それを通すよう動くことを約束して
くださいました。上院でも同様な動きをしたいということがありました。
拉致問題については本当に議員の方々が好意的に対応してくださり、自分たち
のできることで動くんだという意思を示してくださいましたので、大変心強く、
嬉しく思いました。
アーミテージ元国務副長官のご遺族の方にお会いさせていただきました。本来
なら去年同様お会いしたかったのですが。いつも我々に熱く語っていただき、協
力的で、昨今の情勢を聞きたかったのですが、ご逝去されました。
私から各議員の方々に有本恵子さんの写真を見せて、「時間がない」というこ
とを、親の世代が一人になってしまったと伝えました。「北朝鮮に拉致され、我
々の救出を待っている私の母も75歳で高齢化しており、帰国を待っている家族も
高齢化して時間がない。これ以上時間をかけていい問題ではない。また、これ以
上家族の間を死が分かつようなことがあってはならない」と伝えました。
◆拉致被害者の一括帰国がない限り、北朝鮮への経済支援はない
日本と北朝鮮との間には、核・ミサイル問題、拉致問題があります。拉致問題
については切り離して進めたいと伝えました。拉致問題は命の問題であるので、
核・ミサイル問題のように時間がかかる問題と同列に扱うことはできないとも、
去年に引き続いてお伝えしました。
もし米朝が協議するような場面が生じた場合は、日本人拉致被害者の一括帰国
ができない限り、日本は北朝鮮への経済支援を一切行わないことを議会の方やホ
ワイトハウスの方等にお伝えしました。
この点については安倍元総理がトランプ大統領に申し入れていたことですので、
トランプさん自身の自覚として、日本人にとっては拉致問題が絶対的に重要であ
り、これを解決しない限り北朝鮮に支援は送られない。
米朝でどれだけ交渉が進もうが、アメリカら北朝鮮に支援を行うことはできま
せんので、支援は日本がすることは第一次トランプ政権以来継承されるという前
提を踏まえた上でのことです。それだけは絶対に引けないことです。
しかし、私の発言を皆さんが好意的に受け取っていただきましたし、どの方も
我々の発言に否定的なことはありませんでした。一人の議員は、「あなたたちの
問題は政治的なイシューではない。それ以前の人間的な問題である。これは絶対
に解決しなければならない」と熱く語ってくださった方もおられました。
ぶらさがり会見の時にも申し上げましたが、日本人の拉致問題に関してアメリ
カはあくまでもサポートの力です。アメリカが解決してくれるわけではない。日
本が主体的に動くべきです。しかし、政府がこの問題に積極的と思えるような状
況にはなっていないのです。
◆どう救うかの戦略、戦術も検討していただきたい
去年10月石破総理が新任された時、「拉致問題は大局観にもとづく判断をする」
という発言がありました。それ以降は連絡事務所の設置に関する言及や、2月11
日の国会答弁で「拉致問題の可視化」という新たな言葉もありました。それらが
何を示すのかは分からないわけですし、そもそも、「検証の結果どうなっていま
すか」と私が質問したのですが、明確な答えはまだありません。
「拉致問題の可視化」についての具体的な内容については、今後の対応に支障
が起きる恐れがあるからです。有本明弘さんが亡くなったその週にも見えてこな
いですし、心情的にも冷たくなっているなと思っています。
残念極まりないこともありますが、それより我々の家族が一刻も早く帰国する
ために、具体的な方策を見せていただきたいと思います。親父の飯塚?雄は、
「工程表を出してほしい」と繰り返し言っていましたが、どうやって救うかの戦
略、戦術も色々検討していただきたいと思います。
訪米した時も思ったのですが、日本が本気でこの問題について、救うという意
思を見せることが極めて重要だと思います。これはアメリカに対しても、北朝鮮
に対してもそうです。
拉致問題については、1週間に1回コメントが出てもいいくらいの問題ではない
かなと私は思っています。逆に日本が本気を見せない限り、我々家族がアメリカ
議会の方々に訴えたとしても、「じゃあ日本はどうするの。どう考えているの」
と、今回は向こうから触れることはなかったですが、心の奥底では思われている
と思います。そこは去年の10月以降の政権の対応を見ると、疑問にならざるをえ
ないと思います。
そういう観点ではネガティブな部分もありますが、ここであきらめたら絶対終
わりになりますので、あきらめずに、愚直に、我々には言葉しか使える武器はあ
りませんが、その言葉を使って可能な限りの機会に訴えていきたいと思います。
皆様、引き続きのご協力をお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
◆米国は、「核と拉致」セットで対北交渉する強い意思
西岡 今の耕一郎さんの話にも通じるのですが、核問題と拉致問題を切り離して、
日本が拉致問題を先に進めることを容認してほしいと、また拉致問題は命がかかっ
ている問題で時間がない、ということを話しました。
一方アメリカが核問題で米朝交渉を進めるのであれば、テーブルの上に拉致問
題も出してほしいということを、すべての面会で話されていることが印象的でし
た。
先ほど言いました「アピール」にも書いた通り、バイデン政権の時には日本が
先に進めるということが十分あり得る状況だったので、そのことを強調したわけ
です。
しかし、トランプ政権になって、北朝鮮の側から見ると人道支援の魅力は下がっ
た。多分平壌宣言に基づく大規模な経済支援を、トランプさんと会った後にもら
いたいと思っていると、私は判断しています。
それは2019年のハノイ(米朝首脳会談)で、その直前までその枠組みで動いた
からだと思っています。
実は2月に、石破首相がトランプ大統領とワシントンで会っています。その内
容を2月20日に、私たちが運動方針を持っていった時に、石破首相本人から説明
していただきました。
「トランプ大統領は金正恩委員長との会談に前向きである。そして次に金正恩
委員長に会う時には日本人拉致問題を出しますと言った」、という話がありまし
た。
ワシントンに行っても、政権としての意思は強い物を感じます。ルビオ長官が
会おうとしてくださったことも、政権としての重視の反映だと思いますし、会っ
たくださった副長官の言葉は引用してはならないとアメリカ側から私たちに依頼
があったので言いませんが、政権全体として取り組むという趣旨で話をしてくだ
さいました。また、「2月のトランプ・石破会談で、トランプ大統領が言った通
りだ」という話でした。
バイデン政権の時は、「人権問題」という観点で大変同情できるという色彩が
大変強かったわけです。しかしトランプ政権は北朝鮮の核問題と拉致問題を政権
として解決するという強い意思を感じました。
NSC(国家安全保障会議)に行って、ウォンさんという次席補佐官に会えまし
た。残念ながらウォンさんはどうも交代するのではないかという報道が出ている
のですが、私たちがあった時、強い同情の意思を示してくださいました。
もともとウォンさんというのは第一次トランプ政権の時、国務省で北朝鮮との
交渉を担当をしていた人です。その人が出てきて、政権の意思を話してくださっ
たのも大変いいことでした。
◆下院が大統領に書簡で要求、上下院が決議案を提出
もう一つ、行く前の打合せの時に対策本部が教えてくれたのですが、4月4日に、
下院議員16人の名前でトランプ大統領宛に書簡が出ている、と。そこでは、「拉
致被害者のめぐみさんのお母さん早紀江さんは89歳で、47年間娘との再会を待ち
続けている。早紀江さんは残された被害者の家族で、現在も生きている唯一の親
だ」と書いてあったそうです。
私たちが、「親の世代が生きているうちに助けなければならない唯一の親だ」
と言いに行こうと思ったのですが、その内容が書簡に書かれていた。「時間がな
い」ということを繰り返し言ってきたことの効果もあったでしょう。
直接的な契機は、実は3月5日に、拉致対策本部が主導してやってくださったの
ですが、「ワシントンポスト」というアメリカの有力新聞に、1面を使った意見
広告を出してくださった。その見出しは、「北朝鮮による日本人拉致、失踪から
数十年、残された親世代はただ一人」で、早紀江さんの年齢のことが書いてあり
ました。
先ほど拓也代表が見せて下さった、早紀江さんがトランプ大統領からもらった
写真付きの手紙と、有本明弘さんがやはりトランプ大統領からもらった手紙を持っ
て移っている写真が、「ワシントンポスト」の意見広告に出ています。
その意見広告を持って在ワシントンの日本大使館の方々が、関係するアメリカ
の上下院議員の所に回ってくださったのです。そのことが媒介になって下院議員
16人の書簡になり、そこでまさに私たちが訴えてきたのと同じ、「一人になった
親の世代が存命の内に助けなければならない」という趣旨が書かれていて、トラ
ンプ大統領に申し入れる書簡を出したのです。私たちが行く前に聞きました。
そして着いた日の4月29日に、下院のジェン・キガンス議員(共和党)とジル
・トクダ議員(民主党)が決議案を下院の外交委員会に提出しました。
そして30日、上院民主党のメイジー・ヒロノ議員と共和党のビル・ハガティ議
員に会いました。それ以外に、サリバン議員、去年も面会した方です。4人の上
院議員が、上院の外交委員会に決議案を出しました。
去年も実はサリバン議員が出してくださったのですが、通らなかったのです。
今年またほぼ同じ内容で出しました。特に上院の決議では大統領に対して、「北
朝鮮との将来の対話において、意見を確実に取り上げるように奨励する」という
のが、第5条として入っています。
私たちが頼もうとしていた内容が、アメリカの議員の名前で議会に出ていたの
です。それ以外の、1(条)は北朝鮮に対して日本からのものを含む拉致された
あらゆる外国人の解放するよう求める。2は、北朝鮮に対して死亡した拉致被害
者の遺骨の返還し、情報を提供するよう求める、3は、北朝鮮に対し拉致被害者
に関して適切な補償を行うよう求める、4は、北朝鮮に対しそのようなことに対
し謝罪し、永久に停止するよう求める、下院はこれがないのですが、大統領に対
して、北朝鮮との対話に際し本件を確実に取り上げることを求める、とあります。
頼もうとしていたことが既に議会の意思の中で広まっていることを確認するこ
とができました。一方国務省にしても、NSCにしても、政権としての意思を確認
することができました。私たちがお願いしたことを、トランプ政権として、議会
としても考えているということが分かりました。
日本人拉致問題については、同盟国の問題でもあるし、本当に本気になって考
えているし、北朝鮮と交渉する時のカードとしても、使えると思っているという
ことです。
(4につづく)
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
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TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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